JPH0536493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、被混合物が収納されるようになつて
いる円筒状の容器と、この容器内に設けられてい
る複数枚のシヨベル羽根と、同様に容器内に設け
られている少なくとも１個のチヨツパとから構成
され、シヨベル羽根が低速で回転駆動されると、
容器内に収納されている被混合物が浮遊作用と拡
散作用とを受け、またチヨツパが比較的高速で回
転駆動されると、剪断分散作用を受けるようにな
つているシヨベル拡散型ミキサに関するものであ
る。

［従来の技術］ 円筒状の容器内にシヨベル羽根とチヨツパとが
設けられている、いわゆるシヨベル拡散型ミキサ
は、一般に第３〜６図に示されているように構成
されている。すなわち側壁を兼ねる一対のスタン
ド２，２と、これらのスタンド２，２間に配置さ
れている円筒状の容器３と、容器３内に設けられ
ている駆動軸４と、この駆動軸４に取り付けられ
ている複数枚のシヨベル羽根５，５，…と、容器
３内壁に取り付けられているチヨツパ６，６，…
等から構成されている。そして駆動軸４は減速機
８を介してモータ７により駆動されるようになつ
ている。

容器３は、その内部に被混合物を収納するため
の入れ物であり、略水平に配置されている。そし
てその上方部には、例えば蝶弁型のダンパを有す
る材料投入口９と、容器３内部の空気を外部へ排
出するための、エアフイルタ付きの排気口１０と
が設けられている。

駆動軸４は、一対のスタンド２，２に設けられ
ている軸受１２，１２によつて軸支され、図には
示されていないが、軸封部には圧縮空気が供給さ
れるようになつている。したがつて、容器３内の
被混合部である粉体が軸封部から外部へ漏出する
ことはない。

複数枚のシヨベル羽根５，５，…は、駆動軸４
に、そしてチヨツパ６，６，…は容器３内壁に取
り付けられているが、その詳細が第５〜６図に示
されている。すなわち駆動軸４には、軸方向には
所定の距離をおいて、また軸心のまわりには72度
の間隔をいて５個のシヨベル羽根５，５，…が取
り付けられている。なお、シヨベル羽根５，５，
…は、取付け位置関係を明瞭にするために、第
５，６図では符号ａ〜ｅで示されている。

シヨベル羽根５は、第４図に最もよく示されて
いるように、一対の鋤片すなわちプラウ片５１，
５１から構成されている。このプラウ片５１，５
１は、回転方向にみて先端部において合わされ、
そして後方に向かつてテーパ状に拡大されてい
る。シヨベル羽根５の半径方向の外方部分５４
は、第６図にも示されているように、円弧状にな
つていて、容器３の内壁に近接して回転駆動され
るようになつている。さらに詳しく説明すると、
駆動軸４には、ボス５５，５５，…が固定され、
これらのボス５５，５５，…からアーム５６，５
６，…が半径外方に延び、そしてシヨベル羽根
５，５，…は、その円弧状部分が容器３の内壁に
近接して回転するように、アーム５６，５６，…
に取り付けられている。

なお、第４図中に符号５３はプラウ片５１，５
１を所定形状に保持するための部材を示してい
る。

チヨツパ６は、第３，５および６図に示されて
いるように、比較的小径の複数枚の回転羽根６
１，６１，６１…から構成され、容器３の内壁か
ら中心方向へ突出した状態で、シヨベル羽根５，
５，…の間に設けられている。チヨツパ６の駆動
軸６２は、容器３外に設けられているモータ６３
により比較的高速で回転駆動される。

従来のミキサは、以上のように構成されている
ので、投入口９から被混合物を容器３内に投入
し、モータ７により駆動軸４を比較的低速の、例
えば50〜200r，ｐ，ｍで駆動し、チヨツパ６，
６，…をモータ６３により比較的高速の、例えば
3000r，ｐ，ｍで駆動する。そうすると、被混合
物はシヨベル羽根５，５，…により浮遊拡散作用
を受け、またチヨツパ６，６，…により凝集塊は
剪断分散作用あるいは解砕作用を受け、混合され
る。

混合中に軸封用として使用された空気は、フイ
ルタで濾過され、排気口１０から大気中に放出さ
れる。混合が終わつたら、モータ７，６３を停止
し、被混合物を排出ゲート１１から排出してワン
バツチの混合作用が終わる。

［考案が解決しようとする課題］ 以上のように、シヨベル拡散型ミキサは、複数
米のシヨベル羽根５，５，…と、チヨツパ６，
６，…とを備えているので、粉体と粉体との精密
混合は勿論のこと、粉体に液体に液体を加えた加
湿造粒あるいは繊維材料の分散混合処理操作等に
良好な結果が得られる。

しかしながら、容器３の内周壁特にチヨツパ
６，６，…の蔭になつた容器３の内周壁にリング
状に被混合物が付着する欠点がある。さらに詳し
く説明すると、シヨベル羽根５，５，…は、容器
３の内周壁に近接して回転するので、その円弧状
の先端部５４で付着あるいは堆積しようとする被
混合物は、ある程度掻き落とされる。しかしなが
ら、チヨツパ６，６，…が設けられている部分
は、第５図にも示されているように、シヨベル羽
根５，５，…が一部切り落とされた形で短くなつ
て、チヨツパ６，６，…と干渉しないように回転
するので、チヨツパ６，６，…の蔭になる部分に
は、被混合物が容器３の内周壁にリング状に堆積
して付着物Ｄとなる。

付着物Ｄが硬化性材料であると、容器３内周壁
に固着してしまい、その後の混合操作に支障をき
たすことになる。また腐敗性材料の場合は、付着
物Ｄが腐敗するので、特に食品混合用のミキサと
しては使用できなくなる。

そこで、従来はワンバツチ毎に、機械を止めて
手作業により付着物Ｄを取り除いているが、除く
ための時間がかかり、そのため混合能率は低下
し、コストアツプにもなつている。また取り除い
た付着物Ｄは、破棄されるので製品のロスともな
つている。

このように、手作業により付着物Ｄを取り除く
と、時間および製品のロスとなるので、付着物Ｄ
が付いた状態で操業すると、付着物Ｄが振動等で
剥離して製品に混入し、製品の品質低下の原因に
なることもある。

本考案は、上記したように従来の欠点を解決し
たミキサを提供しようとするもので、具体的には
チヨツパを備えているのも拘らず、操作を停止し
て付着物を落とす必要がなく、また製品の品質低
下もなく、さらには製品のロスもないシヨベル拡
散型ミキサを提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を達成するために、被混合
物が収納されるようになつている円筒状の容器
と、該容器内に設けられている複数枚のシヨベル
羽根と、同様に容器内に設けられている少なくと
も１個のチヨツパとを有し、前記シヨベル羽根
は、前記容器内に水平方向に配置されて比較的低
速で駆動される駆動軸に軸方向には所定間隔をお
き、軸心まわりには所定角度をおいて固着され、
前記チヨツパは、前記シヨベル羽根間にあつて前
記容器内方へ突出するように配置されて比較的高
速で回転駆動されるようになつているミキサにお
いて、 前記シヨベル羽根には、その回転方向にみて下
流側に前記チヨツパの蔭になる容器内周壁に向け
て、混合操作中あるいは混合操作終了前に圧縮空
気を噴射するエアノズルが設けられる。

請求項２記載の考案は、請求項１記載の駆動軸
が中空体から構成され、その内部が圧縮空気供給
路となつていると共に、該供給路とエアノズルと
を結ぶ配管は、シヨベル羽根の回転方向の下流側
に、シヨベル羽根のボスあるいはアームに沿つて
配置されている。また請求項３記載の考案は、エ
アノズルが複数個設けられ。請求項４記載の考案
は、請求項３記載のエアノズルの、少なくとも１
個のエアノズルは、チヨツパの蔭になる容器内周
壁に向けられている。

［作用］ 本考案は、上記のように構成されているので、
材料投入口から被混合物を容器内に投入し、モー
タにより駆動軸を比較的低速で駆動し、チヨツパ
を比較的高速での駆動する。そうすると、被混合
物はシヨベル羽根により浮遊拡散作用を受け、ま
たチヨツパにより凝集塊は剪断分散作用あるいは
解砕作用を受け、混合される。

混合操作中あるいは混合操作終了前に、圧縮空
気をエアノズルから容器の内周壁のチヨツパの蔭
になる部分に向けて噴射する。これにより、チヨ
ツパの蔭による部分にも被混合物は堆積あるいは
付着しない。

［実施例］ 本考案の実施に際してはエアノズルは、チヨツ
パを挟んで両側に位置する全てのシヨベル羽根に
設けるのが望ましい。付着しようとする被混合物
の両側から圧縮空気が交互に噴射され、付着防止
の効果が高くなるからである。また、圧縮空気を
エアノズルに供給する供給用配管は、駆動軸に沿
つて設けることもできるが、駆動軸を中空体から
構成し、その内部を空気供給路とするのが望まし
い。構造が簡単になり、駆動軸の軽量化にもなる
からである。したがつて、図には駆動軸を中空体
から構成した実施例のみが示されている。

圧縮空気をエアノズルから噴射するに当たつて
は、混合操作中に連続的に噴射することもできる
し、間欠的に噴射することもできる。さらには、
混合操作の終了の所定前から噴射するように実施
することもできる。混合操作中に噴射すると、す
なわちシヨベル羽根、チヨツパ等が稼働している
ときに噴射すると、操作中に付着物が取り除かれ
るので、付着物を取り除くための時間が不要とな
り、製品のロスもなくなり好都合である。

以下、本考案の実施例を第１，２図によつて説
明する。図を参照すると明らかなように、本実施
例に係わるシヨベル拡散型ミキサも、その外形は
前述した従来のミキサと類似している。したがつ
て、前述した従来のミキサの構成要素と同様な要
素は同じ参照数字を付けて重複説明はしない。

駆動軸４は、中空体例えば鋼管から構成されて
いる。そしてその一端は閉鎖され、他方の端部に
は、図には示されていないが、周知のロータリー
ジヨイントが設けられている。したがつて、この
ロータリージヨイントを介して、回転している駆
動軸４に固定した空気源から圧縮空気を供給する
ことができる。

このように、駆動軸４内を圧縮空気供給通路４
１とすることにより、駆動軸４は軽量化され、配
管系統は簡略化されている。

ボス５５，５５，…の近傍で、且つ駆動軸４の
回転方向にみて下流側に、圧縮空気供給通路４１
に開口したニツプル４２，４２，…がネジ込まれ
ている。そして、これらのニツプル４２，４２，
…に空気管４３，４３，…が接続されている。ニ
ツプル４２，４２，…が、ボス５５，５５，…の
下流側に位置しているので、空気管４３，４３，
…もボス５５，５５，…およびアーム５６，５
６，…に沿つてその下流側に設けられている。

空気管４３は、シヨベル羽根５，５，…のプラ
ウ片５１，５１に沿つて分岐し、プラウ片５１，
５１の回転方向の下流側の先端に至り、エアノズ
ル４４に接続されている。エアノズル４４は、第
１図のＡで示されている実施例では、容器３の内
周壁のチヨツパ６，６，…の蔭になる部分に向け
られている。

本実施例によるシヨベル拡散型ミキサは、上記
のように構成されているので、今材料投入口から
被混合物を容器３内に投入し、モータにより駆動
軸４を比較的低速の、例えば50〜200r，ｐ，ｍで
駆動し、チヨツパ６，６，…をモータにより比較
的高速の、例えば3000r，ｐ，ｍで駆動する。そ
うすると、被混合物はシヨベル羽根５，５，…に
より浮遊拡散作用を受け、またチヨツパ６，６，
…により凝集塊は剪断分散作用あるいは解砕作用
を受け、混合される。混合中に軸封用として使用
された空気は、フイルムで濾過され、排気口１０
から大気中に放出される。

混合操作中あるいは混合操作終了前に、圧縮空
気を、圧縮空気供給通路４１からニツプル４２，
４２，…および空気管４３，４３，…を経てエア
ノズル４４，４４，…に供給し、容器３の内周壁
のチヨツパ６，６，…の蔭になる部分に向けて噴
射する。これにより、チヨツパ６，６，…の蔭に
なる部分にも被混合物は堆積あるいは付着しな
い。

混合が終わつたら、モータを停止し、被混合物
を排出ゲートから排出してワンバツチの混合操作
が終わる。

エアノズル４４，４４，…は、第１図のＢで示
されているように、プラウ片５１，５１の蔭の部
分に軸方向に複数個設けることもできる。この場
合は、少なくとも両側部に位置するエアノズル４
４，４４は、容器３の内周壁のチヨツパ６，６，
…の蔭になる部分に向けられるが、内側に位置す
るエアノズル４４，４４は、単に容器３の内周壁
に向けられている。

本実施例によつても、上記実施例と同様な作
用・効果が得られるが、本実施例によると内側に
位置するエアノズル４４，４４からシヨベル羽根
５，５，…の位置する容器３の内周壁にも圧縮空
気が噴射されるので、シヨベル羽根５，５，…に
対応した容器３の内周壁にも被混合物は堆積ある
いは付着しない。

［考案の効果］ 以上のように、本考案によると、被混合物に浮
遊拡散作用を及ぼすシヨベル羽根と、凝集塊解砕
作用を奏するチヨツパとを備えているので、粉体
と粉体との精密混合は勿論のこと、粉体に液体を
加えた加湿造粒あるいは繊維材料の分散混合処理
操作等が効果的にできる。しかも、シヨベル羽根
には、その回転方向にみて下流側にチヨツパの蔭
になる容器内周壁に向けて、混合操作中あるいは
混合操作終了前に圧縮空気を噴射するエアノズル
が設けられているので、圧縮空気をエアノズルか
ら噴射することにより、容器の内周壁に被混合物
が付着することを防止することができると言う、
本考案特有の効果が得られる。

したがつて、本考案によると、混合操作を中断
して付着物を取り除く必要がなく、混合操作の効
率が上がる。また付着物が剥離して製品に混入す
ることもないので、製品の品質低下もなく、さら
には清掃により付着物を捨て得ることもないので
製品のロスも生じない。

請求項２記載の考案によると、駆動軸は中空体
から構成され、その内部が圧縮空気供給路となつ
ていると共に、供給路とエアノズルとを結ぶ配管
は、シヨベル羽根の回転方向の下流側に、シヨベ
ル羽根のボスあるいはアームに沿つて配置されて
いるので、前述した効果が得られると共に、空気
配管系が簡単になり、また混合操作中に配管が邪
魔になることも、さらには摩耗することもない。

請求項３または４記載の考案によると、エアノ
ズルが複数個設けられ、少なくとも１個のエアノ
ズルは、チヨツパの蔭になる容器内周壁に向けら
れているので、チヨツパの蔭になる部分は勿論の
こと、容器内周壁全面の付着が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は、本考案の実施例を示し、第１図
はその一部を示す正面図、第２図はその側面図、
第３〜６図は従来例を示す図で、第３図はその斜
視図、第４図はシヨベル羽根の拡大斜視図、第５
図は正面断面図、第６図はその側面図である。 ３……容器、４……駆動軸、５……シヨベル羽
根、６……チヨツパ、４１……圧縮空気供給路、
４３……空気管、４４……エアノズル、５１……
プラウ片、５５……ボス、５６……アーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 被混合物が収納されるようになつている円筒
   状の容器と、該容器内に設けられている複数枚
   のシヨベル羽根と、同様に容器内に設けられて
   いる少なくとも１個のチヨツパとを有し、 前記シヨベル羽根は、前記容器内に水平方向
   に配置されて比較的低速で駆動される駆動軸に
   軸方向には所定間隔をおき、軸心まわりには所
   定角度をおいて固着され、 前記チヨツパは、前記シヨベル羽根間にあつ
   て前記容器内方へ突出するように配置されて比
   較的高速で回転駆動されるようになつているミ
   キサにおいて、 前記シヨベル羽根には、その回転方向にみて
   下流側に前記チヨツパの蔭になる容器内周壁に
   向けて、混合操作中あるいは混合操作終了前に
   圧縮空気を噴射するエアノズルが設けられてい
   ることを特徴とするシヨベル拡散型ミキサ。 (2) 請求項１記載の駆動軸は、中空体から構成さ
   れ、その内部が圧縮空気供給路となつていると
   共に、該供給路とエアノズルとを結ぶ配管は、
   シヨベル羽根の回転方向の下流側に、シヨベル
   羽根のボスあるいはアームに沿つて配置されて
   いるシヨベル拡散型ミキサ。 (3) 請求項１または２記載のエアノズルが複数個
   であるシヨベル拡散型ミキサ。 (4) 請求項３記載のエアノズルの、少なくとも１
   個のエアノズルは、チヨツパの蔭になる容器内
   周壁に向けられているシヨベル拡散型ミキサ。