JPH07171823A - 混合機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で効率がよく小型で稼働コストの安い混
合機を提供する。 【構成】 円筒形胴部５の下部に連ねた円錐部６に、こ
の円錐部６の一部を斜にカットした形状の傾斜状平面部
７を設け、この平面部７の内面側に撹拌羽根８と外面側
にモータ９を設け、円錐部６の下端に開閉自在の排出口
１０が設けられている。タンク１内に投入した材料を、
傾斜状態で回転する撹拌羽根８によって、効率よく混合
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、各種材料を混合する
混合機に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、プラスチックの射出、押出成形
等においては、ペレット状のプラスチック材料を均一に
混合する必要があり、この混合のために混合機が使用さ
れている。

【０００３】従来の混合機としては、タンクを形成する
円筒形胴部を軸心と直交する水平軸を中心に回動自在と
なるよう支持し、この胴部の一端に蓋で開閉できる投入
口と他端に同じく開閉できる排出口を設け、蓋を開いて
材料を投入した後タンクを回転させることにより材料を
混合させる構造のものと、タンクの円筒形胴部の水平底
面に撹拌羽根を取り付け、タンク内に上端開口から材料
を投入して撹拌羽根で混合し、タンクを傾斜させること
により材料を取り出す構造のものが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のタン
クを回転させて混合を行なうタイプの混合機は、タンク
が回転するため、危険性があり、しかも投入口の位置が
高くなり、投入作業が不便であると共に、排出時には位
置出しが必要になるという問題がある。

【０００５】また、後者の混合機は、水平に設置した撹
拌羽根により水平撹拌するため、羽根の構造が複雑にな
り、撹拌効率が低く時間が長くかかると共に、排出時に
タンクを傾けなければならないという問題がある。

【０００６】更に、何れのタイプにおいても、ペレット
状のプラスチック等、ほとんどの粒体は撹拌時の各粒子
間の摩擦等により帯電し、粒子相互がひっつき合ったり
胴部壁面に付着し、攪拌がスムーズに行なえないという
問題もある。

【０００７】そこで、この発明の課題は、材料の混合が
安全に能率よく行なえ、しかも小型で稼働コストが少な
くてすみ、かつ静電気による撹拌ムラの発生を防ぐこと
ができる混合機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、円筒形胴部の下部に連ねた円錐
部に、この円錐部の一部を斜にカットした形状の傾斜状
平面部を設け、この平面部の内面側に撹拌羽根を取り付
け、外面側に撹拌羽根を駆動するモータを設け、前記円
錐部の周壁で円錐部の下り側端部の位置に開閉自在の排
出口を設けた構成を採用したものである。

【０００９】この発明において、胴部の上部周壁もしく
は胴部上に配置した蓋板に、静電気除去用のイオン発生
機を設けることができる。

【００１０】

【作用】傾斜状平面部に撹拌羽根が取り付けてあるの
で、常に材料の撹拌が傾斜条件で行なわれ、材料の上部
と底部の混合が容易に効率よく行なわれる。また、イオ
ン発生機より発生したイオン風を胴部内に供給すること
により、撹拌ムラを減少することができる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１２】図１と図２において、混合槽となるタンク
１は、車輪２によって移動可能となる支持枠３の上部に
固定されている。

【００１３】上記タンク１は、円筒形胴部５の下部に円
錐部６を連ねて設け、この円錐部６に、円錐部６の一部
を斜にカットした形状の傾斜状平面部７が設けられてい
る。

【００１４】ちなみに、上記円錐部６は、図２に一点鎖
線で示すように、角度αが５°〜４５°の円錐形に形成
し、この円錐形を円筒形胴部５に近い上端位置から下方
へ水平線に対して角度βが２５°〜４５°の範囲で斜め
にカットし、このカットによって生じた上下端が尖った
円形孔を、この円形孔に適合する平板で閉鎖することに
より、傾斜状平面部７を形成する。

【００１５】前記傾斜状平面部７には、内面側に撹拌羽
根８と外面側にこの撹拌羽根８を駆動するモータ９とが
取り付けられ、円筒形胴部５の内周面に所要数の邪魔板
１７を設け、攪拌した材料の旋回時に材料の粗密の環境
をつくり、撹拌効率を向上させるようになっている。

【００１６】撹拌羽根８は、傾斜状平面部７を直角に貫
通するモータ９の出力軸１０に、傾斜状平面部７と平行
する円板１１の中央ボス部１２を固定し、この円板１１
の外周部に、長い帯状金属板を用い、円錐部６の内面に
近接する形状に形成した複数の羽根板１３を突設し、更
に、円板１１上から羽根板１３の根元部分に、複数の低
い羽根板１４を立設して形成され、モータ９の起動によ
り、タンク１内で傾斜状のまま回転する。

【００１７】前記タンク１における円錐部６の周壁で傾
斜状平面部７の下り側端部の位置に、自動や手動式の開
閉手段１５により開閉自在となる排出口１６が設けられ
ている。

【００１８】図３乃至図５は、タンク１の上部に静電気
除去用のイオン発生機２１を設け、発生したイオン風を
タンク１内に吹き込むことにより、材料撹拌時の静電気
発生を防止するようにした混合機の異なった例を示して
いる。

【００１９】図３（Ａ）に示す例は、円筒形胴部５の上
部にイオン発生機２１を取付け、図４（Ａ）、（Ｂ）は
胴部５上に嵌着した蓋板２２にイオン発生機２１を取付
け、発生したイオン風をタンク１内に吹き込むようにし
ている。

【００２０】これらのイオン発生機２１は、何れも図４
（Ａ）で示したように、胴部５の内周に対して接線方向
にイオン風を吹き込むように配置する。

【００２１】図５に示す例は、タンク１内に、蓋板２２
を貫通する樹脂パイプ２３をパイプガイド２４で垂直に
取付け、蓋板２２上に突出する樹脂パイプ２３の上端に
イオン発生機２１を接続すると共に、パイプ２３の下端
開口を円錐部６内に臨ませ、撹拌羽根８による材料撹拌
部分にイオン風を直接吹き込むようにしている。

【００２２】図３（Ｂ）は、イオン発生機２１の具体的
な構造を例示しており、内部エア通路２５の一端がコン
プレッサー等から供給されるエアの吸入口で他端がエア
吹き出し口となるエアパイプ２６の外周に、圧縮エア収
納室２７とこの収納室２７よりも下流側に電極収納室２
８を設け、エアパイプ２６には圧縮エア収納室２７から
下流側へ１０°〜２０°程度の角度で傾斜してエア通路
２５に開口する複数のノズル孔２９を設け、エア供給路
３０から収納室２７内に供給した圧縮エアをノズル孔２
９からエア通路２５に下流側へ噴射するようになってい
る。

【００２３】電極収納室２８内における上流側と下流側
の位置に、先端がエア通路２５内に臨む一対の電極３０
と３１が設けられ、先端間に生じる放電によりエア通路
２５内を流れるエアをイオン化し、イオン化したエアは
タンク１内に吹き込まれることになる。

【００２４】上記イオン発生機２１は、吸入口から供給
されてエアパイプ２６内を流れるエアに対して複数のノ
ズル孔２９からエアの流れ方向に向けて圧縮エアを吹込
むので、エア流の増幅機能を有することになり、例えば
吸入孔に供給されるエア流を５倍以上に増幅してタンク
１内に供給することができる。

【００２５】この発明の混合機は上記のような構成であ
り、タンク１内に上端開口から材料を投入し、モータ９
を起動して撹拌羽根８を回転させ、材料の混合を行な
う。

【００２６】タンク１の下部に設けた円錐部６は、その
一部を斜にカットした傾斜状平面部７となり、この平面
部７に撹拌羽根８が取り付けられて回転するため、常に
撹拌が傾斜状態で行われ、材料は円錐部６の底部に集ま
ると共に、撹拌羽根８は底部に集まった材料を確実に掻
き上げることができ、これにより材料は底部から上部へ
とよく移動し、効率よく確実に混合撹拌されることにな
る。

【００２７】このように、撹拌羽根８を傾斜状にして回
転させることにより撹拌を行なえば、材料は円錐部６の
下端一点に集合しようとし、これを掻き上げることによ
り、材料の移動性が良くなり、撹拌羽根を小さくするこ
とができ、駆動力も少なくてすむ。

【００２８】また、撹拌時において、イオン発生機２１
でタンク１内にイオン風を吹き込むと、材料の帯電発生
が防止でき、材料が相互にくっついたタンク１の内周に
付着する等がなく、撹拌効率が向上する。

【００２９】混合の完了後はモータ９への通電を切って
撹拌羽根を止め、排出口１６を開いて材料を取り出せば
よい。

【００３０】なお、混合機による混合物の材料は、プラ
スチック材料だけでなく、食料品等であってもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、この発明によると、円錐
部の一部を斜にカットした傾斜状平面部に、撹拌羽根を
取り付けたので、材料は円錐部下端に向く移動性が生
じ、かつ撹拌羽根が傾斜状態で回転するため、材料の混
合が効率よく行え、撹拌羽根が小さくてすみ、その駆動
力も少なくなるので、混合コストの低減が可能になる。

【００３２】また、タンクを回転させる必要がないので
安全であると共に、タンク下部の排出口から材料の取り
出しが行なえるので、作業が簡単になる。

【００３３】更に、タンクにイオン発生機を取付けたの
で、材料の帯電発生を防止でき、攪拌の時間短縮、撹拌
時の材料の帯電削減によりゴミ粉塵等の静電気による付
着を防止すると共に、作業時の帯電による人体との放電
現象がなくなり、作業者が作業しやすい環境となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はこの発明に係る混合機の正面図、
（Ｂ）は同側面図

【図２】タンクの拡大縦断面図

【図３】（Ａ）はタンクの胴部にイオン発生機を取付け
た縦断面図、（Ｂ）はイオン発生機の縦断面図

【図４】（Ａ）は蓋板にイオン発生機を取付けた平面
図、（Ｂ）は同上の縦断面図

【図５】タンク内下部にイオンを吹き込むようにした一
部切欠正面図

【符号の説明】

１ タンク ５ 円筒形胴部 ６ 円錐部 ７ 傾斜状平面部 ８ 撹拌羽根 ９ モータ １６ 排出口 ２１ イオン発生機

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形胴部の下部に連ねた円錐部に、こ
   の円錐部の一部を斜にカットした形状の傾斜状平面部を
   設け、この平面部の内面側に撹拌羽根を取り付け、外面
   側に撹拌羽根を駆動するモータを設け、前記円錐部の周
   壁で円錐部の下り側端部の位置に開閉自在の排出口を設
   けたことを特徴とする混合機。
2. 【請求項２】 胴部の上部周壁もしくは胴部上に配置し
   た蓋板に、静電気除去用のイオン発生機を設けた請求項
   １記載の混合機。