JPH0535974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ホイスト等の吊具に吊り下げられ、
任意の重心位置や吊部の位置を有する被搬送物を
吊り下げられるようにした吊具補助装置に関す
る。

［従来の技術］ 使用済核燃料の再処理を行う放射能雰囲気のセ
ル内には、セル内機器の遠隔ハンドリングに使用
されるインセルクレーンが設置され、セル外には
インセルクレーンを含めたセル内機器をリペアす
るためのホイストが設置されている。一般にホイ
スト等の吊具は、セル内機器（被搬送物）を一点
吊りする構造であるため、第５図に示す如く上部
に複数の吊部ａ，ｂを有する被搬送物ｃを水平に
吊り下げる場合には、吊具補助装置ｄが用いられ
る。この吊具補助装置ｄは、ホイスト等の吊具ｅ
に吊り下げられる吊部ｆを有する水平フレームｇ
の下部に上記被搬送物ｃの上部に形成された吊部
ａ，ｂを係止するための一対のフツク部材ｈ，ｉ
を形成した構造になつている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来の吊具補助装置にあつ
ては、水平フレームｇに対してフツク部材ｈ，ｉ
が固定であるため、重心位置Ｇや吊部ａ，ｂの位
置の異なる被搬送物に合わせて種々のものを用意
する必要があり、その保管スペース及び管理が大
変であるという問題があつた。

なお、吊具補助装置は被搬送物に対して遠隔ハ
ンドリングされることから、単独で吊つた場合で
も水平フレームｇが傾かないようにカウンタ−ウ
エイトｊが取付けられている。

そこで、本考案は上記従来技術の問題点を解決
すべくなされたもので、その目的は１つで任意の
重心位置や吊部の位置を有する被搬送物に適応す
ることができる吊具補助装置を提供することであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、ホイスト
等の吊具に吊り下げられる水平フレームと、該水
平フレームの長手方向に沿つて各々移動自在に設
けられた一対のフツク部材および一対のカウンタ
−ウエイトと、各フツク部材とこれに対応するカ
ウンタ−ウエイトを互いに反対方向に連動移動さ
せるために水平フレームの両端部に２個ずつ設け
られた滑車およびこれら両端の滑車間に巻掛けら
れた一対の無端ワイヤと、上記フツク部材を水平
フレームの所望位置に固定するフツク固定手段と
を備えている。

［作用］ 被搬送物の吊部に合わせてフツク部材を位置決
めする。水平フレームに対して２つのフツク部材
の位置を任意に変えられるので、１つの吊具補助
装置で重心位置や吊部の位置の異なる任意の被搬
送物に適用することができる。

また、フツク部材と連動されたカウンタ−ウエ
イトにより常に水平フレームは水平を維持するこ
とになる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図において、１は吊具補助装置の水平フレ
ームであり、その上部略中央にはホイスト等の吊
具２に引掛けられる吊部３が形成され、下部には
その長手方向に沿つて１対のフツク部材４，５が
各々移動自在に取付けられている。

水平フレーム１は第３図に示す如く上室６と下
室７とを仕切板８で仕切つた断面形状に形成さ
れ、下室７にはフツク部材４，５のベースフレー
ム９，１０が、上室６にはフツク部材４，５と連
動するカウンタ−ウエイト１１，１２が、それぞ
れ長手方向に沿つて摺動自在に収容されている。
水平フレーム１の下部にはフツク部材４，５の摺
動を許容するためのスリツト１３が形成されてい
る。フツク部材４，５は摺動方向の同一方向に臨
んで形成されている。

各フツク部材４，５とこれに対応するカウンタ
−ウエイト１１，１２を互いに反対方向に連動移
動させるために、第２図に示す如く上記水平フレ
ーム１の長手方向両端部には滑車１４，１５，１
６，１７が２個ずつそれぞれ独立して回転自在に
取付けられ、これら両端の滑車間に巻掛けられた
一対の無端ワイヤ１８，１９を介してフツク部材
４，５とカウンタ−ウエイト１１，１２とが連結
されている。即ち、カウンタ−ウエイト１１，１
２はフツク部材４，５と連動して、水平フレーム
１の略中央部を境として対称的に移動し、もつて
水平フレーム１を水平に保つようになつている。

なお、２０は他方のワイヤ１８，１９を通すた
めにフツク部材４，５のベースフレーム９，１０
に形成された通孔、２１は他方のワイヤ１８，１
９を通すためにカウンタ−ウエイト１１，１２に
形成された通孔である。また、フツク部材４，５
を移動操作するために、一端の滑車１５，１７に
はインパクトレンチ等の遠隔操作型回転具を係合
させて回転を与えるための回転入力軸部２２，２
３が取付けられている。

一方、フツク部材４，５を水平フレーム１の所
望位置に固定するために、水平フレーム１の下室
７内両側部にはその長手方向に沿つて長尺のブレ
ーキ板２４，２５が収容され、これらブレーキ板
２４，２５が水平フレーム１の両側部にねじ込ま
れた押えねじ２６，２７により押されてフツク部
材４，５のベースフレーム９，１０を両側から挾
持することによりフツク部材４，５の位置固定を
行うようになつている。

以上の構成からなる吊具補助装置を用いて被搬
送物ｃを吊る場合には、先ず滑車１５，１７の回
転入力軸部２２，２３に回転具を係合させて滑車
１５，１７を回転させることにより、被搬送物ｃ
の吊部ａ，ｂに合わせてフツク部材４，５の位置
決めを行う。フツク部材４，５の位置決めが済ん
だなら、押えねじ２６，２７に上記回転具を係合
させて押えねじ２６，２７をねじ込み、ブレーキ
板２４，２５を介してフツク部材４，５を固定す
る。

このようにして水平フレーム１に対してフツク
部材４，５が固定されたなら、ホイスト等の吊具
２により吊具補助装置を遠隔操作してフツク部材
４，５を被搬送物ｃの吊部ａ，ｂに引掛け、被搬
送物ｃを搬送する。

上述したようにフツク部材４，５を水平フレー
ム１に対して任意に位置決めすることができるの
で、１つの吊具補助装置により重心位置や吊部
ａ，ｂの位置の異なる数種類の被搬送物ｃの荷役
を行うことができる。また、カウンタ−ウエイト
１１，１２がフツク部材４，５と連動して水平フ
レーム１のバランスをとるため、フツク部材４，
５の位置に拘らず常に水平フレーム１を水平に保
つことができ、被搬送物ｃに対する遠隔操作が容
易である。

なお、第４図はフツク部材４，５の移動を円滑
にするために、ベースフレーム９，１０に水平フ
レーム１の下室７底面を走行する車輪２８を設け
た変形例を示している。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次のような優れた
効果を発揮する。

(1) 水平フレームにフツク部材を移動自在に設け
たので、１つの吊具補助装置で重心位置や吊部
の位置の異なる被搬送物に適応することがで
き、保管スペースをとらず、管理も容易であ
る。

(2) 水平フレームにフツク部材と連動するカウン
タ−ウエイトを設けたので、水平フレームを常
に水平に保つことができ、遠隔操作が容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す吊具補助装置
の正面図、第２図はカウンタ−ウエイトの連動機
構を示す斜視図、第３図は第１図Ａ−Ａ線拡大断
面図、第４図はベースプレートに車輪を取付けた
変形例を示す断面図、第５図は従来の吊具補助装
置を示す正面図である。 図中、１は水平フレーム、２は吊具、４，５は
フツク部材、１１，１２はカウンタ−ウエイト、
２４，２５はブレーキ板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイスト等の吊具に吊り下げられる水平フレー
   ムと、該水平フレームの長手方向に沿つて各々移
   動自在に設けられた一対のフツク部材および一対
   のカウンタ−ウエイトと、各フツク部材とこれに
   対応するカウンタ−ウエイトを互いに反対方向に
   連動移動させるために水平フレームの両端部に２
   個ずつ設けられた滑車およびこれら両端の滑車間
   に巻掛けられた一対の無端ワイヤと、上記フツク
   部材を水平フレームの所望位置に固定するフツク
   固定手段とを備えたことを特徴とする吊具補助装
   置。