JPH0535824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガスを熱源として肉を焼くのに用いら
れる焼肉器に関する。

（従来の技術） 従来、肉を焼くのに金網や鉄板の他に、第５図
に示す如く、中央部に焼肉調理を行なう膨出部イ
が形成され、該膨出部イのまわりに環状の凹部ロ
が設けられるとともに、この凹部ロの上側に焼け
た肉を載せておく環状の金網ハが装着された焼肉
器が、前記凹部ロの部分に水ニを入れて使用され
ていた。

（考案が解決しようとする課題） 焼肉器として金網や鉄板を用いる場合、調理時
に肉から滲み出た脂肪油が金網の目を通してガス
の炎の上に落下したり、鉄板の上でガスの炎によ
つて加熱されると、焼肉からの脂肪油は燃焼して
煙を出すから、室内の空気を汚したり目に刺激を
与えるだけでなく、マンシヨンなどのように室内
に自動煙検知器が設置されている場合には、これ
を誤動作させるという問題点があつた。

また、中央部に膨出部イが形成された焼肉器を
用いる場合、焼肉から滲み出た脂肪油が膨出部イ
の表面に沿つて環状の凹部ロに満たされた水ニの
中に流れ落ちて高温に加熱されることがないか
ら、焼肉調理時に煙が発生するのを防止すること
ができる。しかし、環状の凹部ロに満たされた水
ニがガスの炎などにより直接に加熱されて水分を
蒸発するため、蒸発した水分は、膨出部イで調理
されたのち金網ハの上にさめないように置かれた
焼肉の下側の面に凝縮して焼肉をべとつかせるか
ら、この構造の焼肉器では、焼肉を美味に調理す
ることができなくなるという問題点があつた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みなされたものであり、その目的とすると
ころは、焼肉から落下した脂肪油が燃えて煙を出
すのを防止するとともに、調理中に焼肉器の一部
に保持された水分が蒸発して調理済みの焼肉の下
側をべとつかせ、焼肉の味を損なう不都合を解消
することができる焼肉器を提供しようとするもの
である。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の焼肉器に
おいては、縦形の加熱空気案内フードは上端開口
部に外周上端部の方が内周上端部より高い環状凹
部型の油受け容器を前記案内フードの表面と接触
しないように設けられ、油受け容器の外周部に
は、加熱空気案内フードの上端開口部の上方に耐
熱性の方向変換部材を備えた金網が保持されるよ
うにしたものである。

上記加熱空気案内フードは、上端開口部側が下
端開口部側より断面積が小さくなるように形成す
ることが加熱空気を金網の下側全体に均等に分散
させるのに効果的である。

また、油受け容器は加熱空気案内フードに対し
て着脱自在に保持される構成とすると、油受け容
器ないに溜まつた脂肪油を処理するのに好都合と
なる。

さらに、金網中央部に設けられる方向変換部材
は上方に対し凸な曲面に形成すると、金網下側の
加熱空気の温度を高く維持する上で好ましくな
る。

そして、油受け容器の温度上昇をより低く抑え
たい場合には、加熱空気案内フードと油受け容器
との間に、加熱空気案内フードの上端側で保持さ
れる遮熱フードを設けてもよい。

（作用） 上記のように構成された焼肉器の加熱空気案内
フードの部分をガスこんろの五徳上に載置する
と、ガスの炎により加熱された空気は、加熱空気
案内フード内を上昇したのち金網中央部に設けら
れた方向変換部材により、金網全体の下側に分散
されて金網の上側に載置された被調理物の肉を下
側から加熱する。

調理中の焼肉から滲み出た脂肪油は、金網の目
を通して環状の凹部が形成された油受け容器に受
け止められるが、この油受け容器は加熱空気案内
フードの上端開口部に該案内フードの表面と接触
しないように保持されているため、油受け容器の
温度は、該容器内に受け止められた脂肪油が燃焼
するまで高温に加熱されなくなる。

（実施例） 実施例について図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図において、加熱空気案内フ
ード１は、下端開口部１ａから上端部開口部１ｂ
に向かうにつれて断面積が順次小さくなるように
形成され、下端部の外面表面には、外方に向かつ
て斜め上向きに延びるフード用取手２が取り付け
られている。

この実施例では、加熱空気案内フード１は下端
部を上に凸な曲面に形成され、それより上側を上
に凹な曲面に形成されていて、下端開口部１ａが
ガスこんろの五徳上に載置されたときの安定性を
良くするとともにバーナーの炎のひろがりを絞り
得るようにしているが、前記案内フード１の形状
はこの実施例に示された形状のものに限定されな
いことは勿論である。

加熱空気案内フード１の上端部には、環状の凹
部３ａが形成された油受け容器３が中央開口部４
の部分を挿着されて、加熱空気案内フード１の表
面と接触しないように保持されている。油受け容
器３は、外周上端部３ｂが中央開口部４の内周上
端部３ｃにより若干高くなるように形成されてお
り、加熱空気案内フード１の上端外表面に向かう
中央開口部４の水平部分の下側を、加熱空気案内
フード１の表面に、例えば等間隔で固着された３
個の支持片５により、前記案内フード１に対し水
平になるよう着脱可能に保持されている。

加熱空気案内フード１の表面に固着される各支
持片５は、油受け容器３の環状の凹部３ａの下側
を保持する位置にも受けてもよく、また油受け容
器３は加熱空気案内フード１に対して固着するよ
うに取り付けてもよい。

油受け容器３の外周上端部３ｂには、一定幅の
水平な環状載置面３ｄが形成されており、その外
周部は上向きに少しばかり折り曲げられている。
６は油受け容器３の外周面上部に取り付けられた
一対の容器取手で、油受け容器３はこの容器取手
６，６により加熱空気案内フード１と着脱され、
内部に溜まつた脂肪油の処理が行なわれる。

油受け容器３の環状載置面３ｄには、加熱空気
案内フード１の上端開口部１ｂの上方に位置する
中央部に、耐熱性の方向変換部材８が固着された
金網７の外周リング部７ａが載置されており、加
熱空気案内フード１の上端縁とで方向変換部材８
との間に、前記案内フード１内を上昇してきた加
熱空気を環状の金網７の下側全体に分散させる隙
間９が形成されている。

金網７の中央開口部に固着される方向変換部材
８は、若干上方に突出する凸な曲面に形成されて
いて、方向変換部材８の周辺に設けられ水平な環
状フランジ部８ａの部分で、金網７の内周リング
部７ｂと一体に結合されている。しかし、この方
向変換部材８の形状や、方向変換部材８と金網７
との取り付けは、この実施例に示された場合に限
定されるものではなく、方向変換部材８は、金網
７の中央開口部を塞ぐように、金網７の上側に着
脱可能に載置するようにしてもよい。

金網７に対する加熱空気の温度分布は、金網中
央部の方向変換部材８に近い環状部分が高く、方
向変換部材８から遠ざかるにつれて低くなつてお
り、方向変換部材８を若干上方に突出させた方が
突出させない場合より、金網７の外周近くまで加
熱空気の温度は高くなる。それ故、方向変換部材
８に近い金網中央部側に肉を置くと肉を早く焼く
ことができ、焼けた肉を金網７の外周部に近い所
に置くと、焼けた肉が水分不足になる程水分を蒸
発されないようにするだけでなく、焼けた肉のさ
めるのを防止することができる。

第４図に示される実施例では、加熱空気案内フ
ード１の上端部１ｃは円筒形に形成され、該円筒
形の上端開口部１ｂ寄りに固着された各支持片５
に、先ず加熱空気案内フード１と油受け容器３と
の間に配設される遮熱フード１０を、その上端縁
に形成された内向きの水平な環状面１０ａで着脱
自在に保持させ、この遮熱フード１０の環状面１
０ａに油受け容器３を載置させたものである。

このような遮熱フード１０を加熱空気案内フー
ド１と油受け容器３との間に装着すると、ガスの
炎により加熱された加熱空気案内フード１からの
輻射熱が油受け容器３に伝熱されるのを効果的に
防止できるので、油受け容器３の加熱さ る温度
をより低く抑えることができる。

（考案の効果） 本考案は、以上説明したように構成されている
ので以下に記載する効果を奏する。

請求項１の焼肉器においては、調理中に焼肉か
ら落下した脂肪油は、加熱空気案内フードの表面
と接触しないように保持された温度の低い油受け
容器内に受け止められるため、脂肪油がガスの炎
や高温に加熱された鉄板によつて燃焼され煙を発
生する不都合を解消することができる。

しかも、焼肉から落下した脂肪油が燃焼しない
ようにするのに、水を入れた容器で脂肪油を受け
止める必要がないから、焼肉の下面が水分でべと
つくのを防止することができ、焼肉を美味に調理
することができる。

請求項２の加熱空気案内フードを用いると、こ
の案内フード内を上昇する加熱空気空気の流速が
増加するため、金網中央部に設けられた方向変換
部材により、加熱空気を環状の金網の下側全体に
均等に分散することができる。

請求項３の油受け容器を用いると、加熱空気案
内フードから油受け容器を容易に着脱することが
できるため、油受け容器に溜まつた脂肪油の処理
を手軽に行なうことができる。

請求項４の金網を用いると、加熱空気案内フー
ド内を上昇してくる加熱空気が方向変換部材の上
方突出部に貯熱されている熱量により温度低下を
防止されるため、金網の下側に方向変換される加
熱空気の温度を高く保つて、熱効率良く調理を行
なうことができる。

請求項５の遮熱フードを用いると、加熱空気案
内フードがガスの炎により高温に加熱された場合
においても、加熱空気案内フードから油受け容器
への輻射熱を遮断することができるから、油受け
容器の温度上昇をより低く抑えて油受け容器に受
け止められた脂肪油の燃焼をより確実に防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図
は同平面図、第３図は第１図を分解して示した断
面図、第４図は本考案の他の実施例を示す縦断面
図、第５図は従来例の縦断面図である。 １……加熱空気案内フード、１ａ……下端開口
部、１ｂ……上端開口部、３……油受け容器、３
ａ……環状の凹部、３ｂ……外周上端部、３ｃ…
…内周上端部、７……金網、８……方向変換部
材、１０……遮熱フード。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 縦形の加熱空気案内フードは上端開口部に外
   周上端部の方が内周上端部より高い環状凹部型
   の油受け容器を前記案内フードの表面と接触し
   ないように設けられ、 油受け容器の外周部には、加熱空気案内フー
   ドの上端開口部の上方に耐熱性の方向変換部材
   を備えた金網が保持されていることを特徴とす
   る 焼肉器。 (2) 加熱空気案内フードは上端開口部側が下端開
   口部側より断面積が小さくなるように形成され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載の焼
   肉器。 (3) 油受け容器は加熱空気案内フードに対して着
   脱自在に保持されている実用新案登録請求の範
   囲第１項または第２項記載の焼肉器。 (4) 金網中央部に設けられる方向変換部材は上方
   に対し凸な曲面に形成されている実用新案登録
   請求の範囲第１項から第３項までのいずれか１
   つに記載の焼肉器。 (5) 加熱空気案内フードと油受け容器との間に、
   加熱空気案内フードの上端側で保持される遮熱
   フードが設けられた実用新案登録請求の範囲第
   １項から第４項までのいずれか１つに記載の焼
   肉器。