JPH0535716Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、書類や小物等を収納可能な複数のト
レーを備えたトレーユニツトを、棚板と同様な態
様で側板間に架設し得るようにした収納家具に関
するものである。

［従来の技術］ 従来から、多数のトレーを引出し可能に備えて
なる収納家具は知られている。しかして、従来の
この種収納家具としては、筐状の家具本体の全域
に多数のトレーを設けたものや、家具本体の下半
部に複数のトレーを配列させ、上半部に棚板を架
設したもの等が開発されている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、前述のようなものは、トレーの配設
位置を変更したり、トレーを増設したりすること
が不可能又は困難であるため、使用者段階で容易
に仕様を変更することができないという問題があ
る。

また、このような収納家具は、棚板を有した収
納家具と部品の共通化を図ることが難しいため、
製作上の標準化にも困難を伴う。

本考案は、以上のような課題を解消することを
目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、以上のような課題を解決するため
に、次のような構成を採用している。

すなわち、本考案にかかる収納家具は、内面に
掛止孔を多段に設けてなる左右の側板と、その掛
止孔に掛止される棚爪を介してこれら両側板間に
多段に架設される棚板とを具備してなる収納家具
において、複数のトレーを保持してなるトレーユ
ニツトの底板の下面を前記棚板の下面と略同一の
構造に構成し、このトレーユニツトの下面左右部
分において前記棚爪を係合して前記両側板間に前
記トレーユニツトを架設したことを特徴とする。

トレーユニツトの上下における収納空間を棚板
間における収納空間と同様に利用するには、複数
段の棚板を上下等間隔に架設した際における特定
の棚板の上面からその真下の棚板の下面までの距
離と、前記トレーユニツトの上面から下面までの
距離とを等しく設定しておくのがよい。

［作用］ このような構成のものであれば、各棚板やトレ
ーユニツトは、棚爪を介して前後方向への移動が
禁止された状態で両側板に保持される。そして、
各棚板やトレーユニツトは、棚板上に載置する載
置物やトレー内に収納する収納物の利用頻度等に
応じて、使い勝手のよい位置にその上下位置を使
用者自身で自在に変えることが可能であるととも
に、必要に応じて棚板の段数を増減したり、トレ
ーユニツトの数を増減したりすることができる。

また、トレーユニツトは、その下面の左右部分
に棚爪を係合して装着されるので、家具本体の側
板内面との間に隙間を形成することがない。しか
も、特定の棚板の上面からその真下の棚板の下面
までの距離と、トレーユニツトの上面から下面ま
での距離とを等しくしておけば、トレーユニツト
の上方や下方における収納空間の上下寸法が、他
の収納空間のそれと同等になる。このため、トレ
ーユニツトの上方や下方における収納空間を、他
の棚板間における収納空間と同様に利用すること
ができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

図面に示す収納家具は、家具本体１内に、トレ
ーユニツト２を着脱自在に保持させてなるもので
ある。

家具本体１は、左右の側板３と、これら側板３
の内面３ａに掛止した複数の棚爪４を介してこれ
ら側板３間に架設した複数段の棚板５と、天板６
と、底板７と、背面板８と、前面開口部に設けた
観音扉９とを具備してなる筐形のもので、ベース
１０を介して床上に載置してある。左右の側板３
の外面３ｂには、化粧パネル３１をそれぞれ装着
してあり、内面３ａには、前掛止孔３２及び後掛
止孔３３を上下方向に所定のピツチで複数組設け
てある。そして、図示例では、上下に等間隔とな
る所望の前掛止孔３２及び後掛止孔３３にそれぞ
れ掛止した前記棚爪４を介して前記棚板５を左右
の側板３に保持させている。

棚板５は、第２図と第４図〜第６図に示すよう
に、両側に横断面角形の角形折曲部５１を形成す
るとともに、前縁及び後縁に横断面部分円弧状の
円形折曲部５２をそれぞれ形成してなる板金製の
ものである。角形折曲部５１は、垂下壁部５１ａ
と、この垂下壁部５１ａの下縁から内方に延出す
る水平壁部５１ｂと、この水平壁部５１ｂの内方
縁から上方に起立する起立壁部５１ｃとからな
る。一方、円形折曲部５２は、前記角形折曲部５
１を形成する前の板金素材にロールフオーミング
加工を施すことにより形成したもので、具体的に
は、横断面半円弧状に形成してある。そして、こ
れら両円形折曲部５２の内側及び中央部分に、補
強桟５３，５４を溶接により固定している。ま
た、前記角形折曲部５１の内縁における前端近傍
部分及び後端近傍部分には、スリツト５５をそれ
ぞれ穿設してある。各スリツト５５は、前後に伸
びるもので、その前後方向寸法W₁は、後述する
棚爪４の幅寸法W₂に対応させてある。

棚爪４は、前記掛止孔３２，３３に係合する掛
止片部４１と、この掛止片部４１の外方端から側
壁３の内面３ａに沿つて垂下する垂下片部４２
と、この垂下片部４２の下縁から内方に延出する
水平片部４３と、この水平片部４３の内方縁から
起立する先端部４４とからなる板金製のものであ
る。そして、左右両側板３の前掛止孔３２と後掛
止孔３３にそれぞれ装着した４個の棚爪４に各棚
板５を上下等間隔に保持させている。しかして、
この保持状態では、第６図に示すように、棚板５
の垂下壁部５１ａが棚爪４の垂下片部４２の内面
に添設するするとともに、棚板５の水平壁部５１
ｂが棚爪４の水平片部４３の上面に支持されるこ
とになる。そして、各棚爪４の先端部４４が、対
応する各スリツト５５に係合するようになつてい
る。なお、棚爪４の家具本体内１に表出している
部分の上下寸法h₁は、前記角形折曲部５１の上下
方向寸法h₂よりも小さな値に設定して、目立たな
いようにしてある。

トレーユニツト２は、その上面２ａから底面２
ｂまでの距離S₁を、特定の棚板５の上面５ａから
その真下の棚板５の下面５ｂまでの距離S₂と等し
い寸法に設定してあるもので、左右の側板２１
と、両側板２１間の中央に設けた仕切板２２と、
これらの側板２１及び仕切板２２に引出し可能に
保持させた複数のトレー２３と、天板２４と、底
板２５とを具備している。底板２５は、第３図と
第７図にその一部を示すように、両側と前端及び
後端に横断面角形の角形折曲部２６をそれぞれ形
成した板金製のもので、前端部と後端部の内側及
び中央部分に補強桟２７，２８を溶接により固定
してある。両側の角形折曲部２６は、垂下壁部２
６ａと、この垂下壁部２６ａの下縁から内方に延
出する水平壁部２６ｂと、この水平壁部２６ｂの
内方縁から上方に起立する起立壁部２６ｃとから
なる。そして、この角形折曲部２６の内縁におけ
る前端近傍部分及び後端近傍部分には、前記棚板
５のスリツト５５に対応する位置に、同形のスリ
ツト２７をそれぞれ穿設してある。各スリツト２
７は、前後に伸びるもので、その前後方向寸法
W₃は、前記棚爪４の幅寸法W₂に対応させてあ
る。そして、家具本体１の前掛止孔３２と後掛止
孔３３にそれぞれ装着した４個の棚爪４を介し
て、このトレーユニツト２を前記側板３に保持さ
せている。すなわち、トレーユニツト２は、その
底板２５の左右に設けられたスリツト２７に棚爪
４を係合することにより、家具本体１の両側板３
間に架設されるものである。しかして、この保持
状態では、棚板５と同様に、底板２５の左右の垂
下壁部２６ａが棚爪４の垂下片部４２の内面に添
設するするとともに、底板２５の水平壁部２６ｂ
が棚爪４の水平片部４３の上面に支持されること
になる。そして、各棚爪４の先端部４４が、対応
する各スリツト２７に係合するようになつてい
る。

このような構成のものであれば、各棚板５とト
レーユニツト２は、棚爪４を介して前後に移動不
能に両側板３に保持されるため、不測の外力によ
つて、これらのものが家具本体１内から突出する
ようなことがない。そして、これらの棚板５やト
レーユニツト２は、家具本体１の上段側ないし下
段側の所望の位置に配置することができるので、
使用者は、棚板５上に載置する載置物やトレー２
３内に収納する書類・小物等の使用頻度などに応
じて、その配置箇所を使用者自身で変えることが
でき、使い勝手が飛躍的に高められる。トレーユ
ニツト２にあつては、棚板５同様に、その底板２
５の左右部分において棚爪４を係合することによ
つて装着されるので、その天板２４の左右両側と
家具本体１の側板３との間に隙間が形成されるこ
となく側板２１と側板３とが当接する構造とな
り、これによつて棚板５と同様に使用することが
できる。

しかも、棚板５とトレーユニツト２を家具本体
１内に保持するためのそれぞれの保持構造を同一
にしてあるため、関連部品が共通化できる。そし
て、このようなものであると、必要に応じてトレ
ーユニツト２のみを増設したりすることもできる
ので、同一の収納量を有する従来品に比べて、収
納空間を最大限に活用することができる。

また、複数段の棚板５を上下に等間隔に架設し
た場合における特定の棚板５の上面５ａからその
真下の棚板５の下面５ｂまでの距離S₂と、トレー
ユニツト２の上面２ａから下面２ｂまでの距離S₁
とが同じ寸法であるため、トレーユニツト２の上
下における収納空間が他の棚板５間における収納
空間と略同じ容積になる。換言すれば、２枚の棚
板５に代えて、トレーユニツト２を装着したこと
によつて、その上下における収納空間が他の棚板
５間における収納空間に比べて、大きくなつた
り、あるいは小さくなつたりすることがなく、使
用が制限されてしまうようなことがない。このた
め、略同じ大きさの載置物を家具本体１内に収納
する場合に、トレーユニツト２の上下における収
納空間を他の棚板５間におる収納空間と同様に利
用することができる。

なお、棚板及びトレーユニツトの保持構造は、
以上説明したものに限定されるものではなく、
種々変形が可能である。

また、適用対象となる家具本体やトレーユニツ
トは、前記実施例に示す構造に限定されないのは
勿論である。

［考案の効果］ 本考案は、以上のような構成であるから、棚板
やトレーユニツトの上下位置を、使用者各自が最
も使い易い位置に簡単かつ自在に変えることがで
きるとともに、必要に応じてトレーユニツト等を
増減することができるので、従来品に比べて、使
い勝手を確実に高めることができるとともに、ト
レーユニツトの両側部分に隙間が形成されないた
め、トレーユニツトの上面に書類等を載置しても
その様な隙間に嵌まり込む心配もなく棚板と同様
に使用することができ、収納空間を効果的に利用
することができる収納家具が提供できる。

しかも、棚板とトレーユニツトの保持構造を略
同一にして、その関連部品を共通化しているの
で、トレーユニツトを家具本体に、棚板の着脱と
略同一の手順で装脱することができる。このた
め、棚板を具備した既存の家具本体にも必要に応
じてトレーユニツトを簡単に装着することができ
るだけでなく、棚板のみを有した家具本体と、ト
レーユニツトをも備えた家具本体とが異なつた構
造をなしている従来品に比べて、製作時の繁雑な
作業手間が簡略化でき、生産効率を無理なく高め
ることもできる。

また、複数段の棚板を上下に等間隔に架設した
場合における特定の棚板の上面からその真下の棚
板の下面までの距離と、トレーユニツトの上下寸
法とを等しく設定しているため、トレーユニツト
の上下における収納空間が他の棚板間における収
納空間と略同じ容積になる。そのため、略同じ大
きさの複数の載置物を棚板上に載置する場合に、
トレーユニツトの上下における収納空間を他の棚
板間における収納空間と同様に利用することがで
きる。しかして、このような構成にすれば、２枚
の棚板に代えて、トレーユニツトを装着すること
によつて、その上下における収納空間が使用し難
くなるようなことがなく、使用が制限されてしま
うような不具合を招くこともない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は収納
家具全体を示す斜視図、第２図は棚板の底面図、
第３図はトレーユニツトの底面図、第４図は棚板
の取付態様を示す斜視図、第５図は棚板の取付態
様を示す要部の斜視図、第６図は棚板の取付状態
を示す要部の断面図、第７図はトレーユニツトの
取付態様を示す要部の斜視図、第８図は収納家具
の正面図である。 １……家具本体、２……トレーユニツト、２ａ
……上面、２ｂ……下面、３……側板、３ａ……
内面、４……棚爪、５……棚板、５ａ……上面、
５ｂ……下面、２３……トレー、２５……底板、
２７……スリツト、５５……スリツト、３２……
前掛止孔、３３……後掛止孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内面に掛止孔を多段に設けてなる左右の側板
   と、その掛止孔に掛止される棚爪を介してこれ
   ら両側板間に多段に架設される棚板とを具備し
   てなる収納家具において、複数のトレーを保持
   してなるトレーユニツトの底面の下面を前記棚
   板の下面と略同一の構造に構成し、このトレー
   ユニツトの下面左右部分において前記棚爪を係
   合して前記両側板間に前記トレーユニツトを架
   設したことを特徴とする収納家具。 ２ 複数段の棚板を上下等間隔に架設した際にお
   ける特定の棚板の上面からその真下の棚板の下
   面までの距離と、前記トレーユニツトの上面か
   ら下面までの距離とを等しく設定したことを特
   徴とする請求項１記載の収納家具。