JPH0535701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ヘアーブラシに関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

従来のヘアーブラシに於ては、ブラツシング面
に設けられた多数のピンがブラシ本体部に固定さ
れ取外せない状態であるため、硬さや長さが相違
するピンを設けたブラシを使用するには、別に複
数種類のヘアーブラシを常備しなければならない
という問題を生じていた。さらに製造上では、多
数のプラスチツク成型用の金型を必要としてい
た。

本考案は、上記問題点を解決し、１本のヘアー
ブラシを用意するだけで、ブラツシング面におけ
る一定範囲に硬いピンを配置し残りの部分に軟ら
かいピンを配置したり、或いは長短２種のピンを
ブラツシング面における所望の位置に自由に変更
して、色々なブラツシングを行うことができ、し
かもピンをブラシ本体部に確実に固定することの
できるヘアーブラシを提供することを第１の目的
としている。さらに、製造上では、一個のヘアー
ブラシ本体部を共用して、多数種類のヘアーブラ
シを簡単に製造可能とすることを第２の目的とし
ている。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するために、本考案に係るヘ
アーブラシは、ブラシ本体部と、該ブラシ本体部
のブラツシング面から突設される多数のブリスト
ルピンと、を備えたヘアーブラシに於て、外周面
に廻り止め用係止平坦面を有する大径部と該大径
部に連設される小径部とからなる小基盤と、該小
基盤から突設される傾動可能なブリストルピン
と、からブリストルピンユニツトを形成し、か
つ、上記ブラシ本体部に、上記小基盤の小径部が
該本体部の裏面側から嵌合する小径部と該小基盤
の大径部が該本体部の裏面側から嵌合する大径孔
部とからなる複数の孔部を貫設すると共に、該孔
部の大径孔部に、上記係止平坦面に係脱自在に係
止する係止面を設け、さらに、上記本体部の裏面
に、上記小基盤の裏面側への移動を阻止する抜け
止め用裏蓋を着脱自在に付設したものである。

〔作用〕

抜け止め用裏蓋を外せば、ブリストルピンユニ
ツトの小基盤を孔部から取外すことができ、ブリ
ストルピンユニツトを取り替えることができる。

また、小基盤の大径部の係止平坦面が孔部の大
径孔部の係止面に係止するので、使用中にピンユ
ニツトが勝手に回動してピンの配列方向が変化す
るということがない。

孔部の小径孔部に小基盤の小径部が嵌合し、か
つ、孔部の大径孔部に小基盤の大径部が嵌合し、
さらに、裏蓋にて小基盤の裏面側への移動を阻止
しているので、ピンユニツトはブラシ本体部に確
実に保持される。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
説する。

第１図乃至第４図に於て、１…はブリストルピ
ンユニツトであり、該ピンユニツト１は、ブラシ
本体部２の多数の孔部４…に裏面２０側から嵌合
している。

しかして、ピンユニツト１は、大径部８と小径
部１０とからなる小基盤６と、該小基盤６の薄肉
の弾性変形壁部１５から突設される傾動可能なブ
リストルピン５…と、からなる。

そして、大径部８には係止平坦面７が形成され
ている。

また、孔部４は、小基盤６の小径部１０が嵌合
する小径孔部１３と、小基盤６の大径部８が嵌合
する大径孔部１４とからなり、小基盤６の係止面
９が該孔部４の段差１２に当接する。なお、弾性
変形壁部１５の肉厚は、他の部分の肉厚より薄く
している。

従つて、ブリストルピン５…は、壁部１５の作
用によりブラツシング時には地肌或いは髪からの
抵抗力を受けピン５…自体はほどんと折曲がらず
真直なままブラツシング面３に対して第１図の仮
想線のように傾動する。

また、この場合、小径孔部１３…の深さと小径
部１０の深さとを略同一に設定し、弾性変形壁部
１５の表て面とブラツシング面３とを連続した略
同一面としている。

しかして、ブラシ本体部２の裏面２０には、凹
窪部２１が形成され、この凹窪部２１に抜け止め
用裏蓋１６が嵌脱自在に嵌合している。

また、この裏蓋１６には、第１図と第５図と第
６図に示すように、孔部４に嵌込まれる押圧部１
７…が突設されている。即ち、裏蓋１６が凹窪部
２１に嵌合された状態において、押圧部１７が小
基盤６…を押圧し、ピンユニツト１…を孔部４に
がたつきなく保持させている。

なお、孔部４の深さと小基盤６の高さ寸法とを
略同一に設定して、押圧部１７を省略するも自由
である。

しかして、ピンユニツト１…を孔部４…に嵌合
させるには、第６図に示すように、裏蓋１６を取
外した状態で、孔部４…の大径孔部１４…側から
ピンユニツト１を矢印Ａ方向に嵌込めばよく、逆
に、ピンユニツト１…を抜き出すには、ピン５を
指先でつまんでブラシ本体部２の裏面側へ押すだ
けでよい。また、大径孔部１４…には小基盤６…
の係止平坦面７…に対応する位置に係止面１９…
が形成され、裏蓋１６の上記押圧部１７…にも同
様に係止面１８が形成されている。

ピンユニツト１…の材料については、熱可塑性
ポリエステルエラストマー（例えば商品名「ハイ
トレル」東レ・デユポン社製）を使用する。ポリ
エステルエラストマーは、従来のヘアーブラシの
用毛素材であるナイロンやポリエステル、或いは
他の熱可塑性エラストマーと比較して、柔軟性・
耐熱性・耐薬品性に優れている。また弾力性に優
れているので、ブラツシング時の力が加わつても
その力を逃がしてくれるので、頭皮へのあたりが
やわらかく、頭皮を傷めない。耐熱性・耐薬品性
に優れているので、ヘアスタイリング時のドライ
ヤーの熱（約80℃）やヘアメイク剤（ヘアスプレ
ー、スタイリングフオーム、ブロー剤等）の影響
を受けず耐久性に優れている。

ピンユニツト１…のブラツシング面３における
配置については、第７図に示すように、図中仮想
線Ｂで示す先端側に硬いブリストルピン５…を配
置すれば、ブラシ本体部２の先端側を手ぐしの様
に使うことができ、さらにその他の部分に軟らか
いピン５…を配列すれば、地肌へのあたりがソフ
トなブラツシングができる。第８図のように硬い
ピン５…をブラツシング面３の両側部分に配置す
れば、髪の量の多い人でも十分髪をすくい上げる
ことができ、また、中央部の仮想線Ｃで示す範囲
に軟らかいピン５…を配置することにより地肌へ
のあたりがソフトになる。

長さの相違するブリストルピン５…を同じブラ
ツシング面３に配置してもよく、第９図は長いピ
ン５…を両側部分に、短いものをその間に夫々配
列した場合を示し、また第１０図は長短のブリス
トルピン５…を交互に配置したものである。何れ
も長短のピン５…を有するピンユニツト１…を同
じブラツシング面３に取付けたことにより、髪へ
のピン５…のはいり込みが均一でなくなり今迄に
ないブラツシング効果を得ることができる。

上述のように、ピンユニツト１…の小基盤６…
を、ブラツシング面３…と同一面となるように配
設し凹凸部を無くしたことにより、フケやホコリ
がたまりにくい利点がある。

〔考案の効果〕

本考案は上述の如く構成されているので、次に
記載する効果を奏する。

小基盤６の大径部８の係止平坦面７が孔部４
の大径孔部１４の係止面１９に係止しているの
で、使用中にピンユニツト１が勝手に回動して
ピン５…の配列方向が変化するということがな
く、安定した状態でブラツシングを行うことが
できる。

裏蓋１６にて小基盤６の裏面２０側への移動
を阻止しているので、ブラツシング中にピン５
…が裏面２０側へ移動することがなく、ピン５
…の突出長さが短くならずに、各ピン５…は髪
付根部に達することができ、確実にブラツシン
グを行うことができる。勿論、小基盤６は、そ
の大径部８が孔部４の大径孔部１４に嵌合し、
その小径部１０が孔部４の小径孔部１３に嵌合
しているので、ピンユニツト１がブラツシング
面３側へ移動することもない。

製造する場合、種々のピンユニツト１…から
所望の硬度、長さ、太さ等のものを選択して、
ブラシ本体部２を共用して、これに取付けるこ
とにより、種々のヘアーブラシを製造すること
ができるので、ブラシ本体部２を製造するため
の金型としては、一種類でよく、コスト低減を
図ることができる。

裏蓋１６を取外せば、ブリストルピンユニツ
ト１を取外すことができるので、硬度や長さの
相違するピン５…を有する複数種類のピンユニ
ツト１…を揃えておけば、好みや、髪のくせ、
髪の硬さ、又は髪の量等に応じたピンユニツト
１に取り替えることができ、使用者に合つた最
適のものとすることがてきる。また、一本のブ
ラシ本体部２であつても、異なつた種類のヘア
ーブラシに簡単に変更することができる。

ブリストルピンユニツト１を本体部２から取
外せるので、ユニツト１のピン５が折れた場合
等において、その不良のユニツト１を新しいユ
ニツト１に取り替えることができ、このヘアー
ブラシ全体の耐用寿命が長くなり、しかも、洗
浄も行いやすいという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部拡大側面
図、第２図は同斜視図、第３図はブリストルピン
ユニツトの平面図、第４図は同斜視図、第５図は
裏蓋の斜視図、第６図はピンユニツトの取付け取
外し方法を示す説明図、第７図と第８図はブリス
トルピンユニツトの他の配列方法の夫々具体例を
示す平面図、第９図と第１０図はさらに他の配列
方法の夫々具体例を示す斜視図である。 １……ブリストルピンユニツト、２……ブラシ
本体部、３……ブラツシング面、４……孔部、５
……ブリストルピン、６……小基盤、７……係止
平坦面、８……大径部、１０……小径部、１３…
…小径孔部、１４……大径孔部、１５……弾性変
形壁部、１６……裏蓋、１９……係止面、２０…
…裏面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブラシ本体部２と、該ブラシ本体部２のブラツ
   シング面３から突設される多数のブリストルピン
   ５…と、を備えたヘアーブラシに於て、 外周面に廻り止め用係止平坦面７を有する大径
   部８と該大径部８に連設される小径部１０とから
   なる小基盤６と、該小基盤６から突設される傾動
   可能なブリストルピン５…と、からブリストルピ
   ンユニツト１…を形成し、かつ、上記ブラシ本体
   部２に、上記小基盤６の小径部１０が該本体部２
   の裏面２０側から嵌合する小径孔部１３と該小基
   盤６の大径部８が該本体部２の裏面２０側から嵌
   合する大径孔部１４とからなる複数の孔部４…を
   貫設すると共に、該孔部４の大径孔部１４に、上
   記係止平坦面７に係脱自在に係止する係止面１９
   を設け、さらに、上記本体部２の裏面２０に、上
   記小基盤６の裏面２０側への移動を阻止する抜け
   止め用裏蓋１６を着脱自在に付設したことを特徴
   とするヘアーブラシ。