JPH0535657B2 - - Google Patents

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JPH0535657B2
JPH0535657B2 JP22156888A JP22156888A JPH0535657B2 JP H0535657 B2 JPH0535657 B2 JP H0535657B2 JP 22156888 A JP22156888 A JP 22156888A JP 22156888 A JP22156888 A JP 22156888A JP H0535657 B2 JPH0535657 B2 JP H0535657B2
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JP
Japan
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lens
film
lenses
mold
liquid
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JP22156888A
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English (en)
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JPH0269209A (ja
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Masanao Kawahara
Teruyuki Tsuji
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP22156888A priority Critical patent/JPH0269209A/ja
Publication of JPH0269209A publication Critical patent/JPH0269209A/ja
Publication of JPH0535657B2 publication Critical patent/JPH0535657B2/ja
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「利用分野」 本発明は、貼り合わせレンズの製造方法及びこ
の貼り合わせレンズの製造に用いる常備プラスチ
ツクレンズの製造方法に関する。
「従来技術及びその問題点」 眼科医又は眼鏡士から指示された装用者の処方
に応じてレンズを製造する場合に、処方を受理し
てから注型、研磨、染色、硬化膜及び反射防止膜
の形成などを行つていたのでは、多数の日時を要
する。この受注からレンズ完成までの日時を出来
るだけ短縮するため、多焦点レンズ、累進焦点レ
ンズ及び乱視矯正・度数調整レンズを予め製造し
て常備しておき、これらを各処方に応じて適宜組
み合わせて貼り合わせて、完成レンズを製造する
ことによりレンズが完成までの日時を短縮するこ
とが、近年、検討されている。しかし、レンズに
は硬化膜、反射防止膜などが設けられるが、これ
らの膜の形成にもかなりの長時間を要する。した
がつて、レンズが完成する時間をさらに短縮する
ためには、貼り合わせ用の常備レンズに硬化膜、
反射防止膜などの必要な膜を形成しておくことが
望ましい。
プラスチツクレンズに反射防止膜や硬化膜を形
成する方法としては有機物質をコーテイングし、
硬化させる方法と、無機物質を真空蒸着する方法
が知られている。
無機物質を真空蒸着する方法では、緻密な硬い
薄膜を形成することができる反面、柔軟軟性に欠
けるので、基材との膨張率の違いがあると、温度
変化によりクラツクを生ずる。また、プラスチツ
クレンズは吸水性であるため、真空蒸着での十分
な加熱ができず、不安定な屈折率になり、反射防
止膜の反射色にバラツキがでるうえ、真空度を
10-5Torr程度まで上げるのに1時間以上を要し、
生産性、経済性に欠けるという欠点がある。
さらに、プラスチツクレンズの多くは、120℃
以上の高温では、黄変するか、変形してしまうと
いう欠点があるので、蒸着に高温での熱処理を要
する物質を用いることができない。例えば、低屈
折率膜の成分として、MgF2が従来用いられてい
るが、これは約200℃に加熱しなければならない
ので、プラスチツクには適用できない。
また、有機物質をコーテイングする方法におい
ても、同様にコーテイング液の熱処理条件が制限
される。
「発明の目的」 本発明は、眼鏡の処方を受理してから短時間に
レンズを完成することができる貼り合わせレンズ
用の硬化膜及び/又は反射防止膜付き常備レンズ
の製造方法及び貼り合わせレンズの製造方法を提
供することを目的とする。
「発明の構成」 本発明による貼り合わせレンズ用の常備プラス
チツクレンズの製造方法は、2枚のモールド型の
うち、貼り合わせ後にレンズの外面を構成する側
のモールド型の使用面上に、硬化膜及び/又は反
射防止膜を設け、他方のモールド型の使用面に離
型剤を塗布し、次いでこれらのモールド型と環状
ガスケツトによつて形成される空間内にモノマー
液を注入し、モノマーを重合させることを特徴と
する。
目的とする常備レンズは、多焦点レンズ、累進
焦点レンズ及び乱視矯正・度数調整レンズのいず
れでもよい。
本発明において、モールド型としては、ガラス
又は金属製のいずれでもよく、ガスケツトとして
は、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチ
レン等のポリマー系あるいはシリコーンゴム系の
ものなど、任意のものを使用することができる。
本発明の方法を実施する場合には、通常はまず
貼り合わせの使用面に離型剤を施しておく。離型
剤としては、特に制限はなく、例えば各種のシリ
コーン系離型剤、フルオロアルキルアルコキシシ
ラン、鉱油、脂肪酸及び脂肪酸エステル、脂肪酸
のリン酸エステル、ポリビニルアルコール、フル
オロカーボンなどが挙げられる。このような離型
剤をデイツプコート法、スピンコート法などの方
法で塗布し、用いた離型剤の種類により必要に応
じて熱処理を行い、硬化させる。離型剤のうち、
殊にフツ素系シリコン液(信越化学社製、KP−
801)が好ましく、この液をデイツプコート又は
スコートピンコート法で塗布した後、加熱して硬
化させるのが好ましい。
本発明方法においては、モールド型の使用面に
硬化膜及び/又は反射防止膜を形成させる。
反射防止膜及び硬化膜を、無機物質の真空蒸着
あるいは有機物質のコーテイングによつて設ける
ことができる。
無機物質の真空蒸着によつて反射防止膜を形成
する場合には、使用しうる無機物質には、特に制
限はなく、各種の酸化物、ハロゲン化物及び硫化
物、例えば低屈折率物質としてMgF2、SiO2
Na3(AlF4)など、中ないし高屈折率物質として
Al2O3、CeF3、MgOとAl2O3の混合物、ThO2
Nd2O3、ZrO2、CeO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5
Y2O3、Yb2O3、ZnSなどが挙げられる。
反射防止膜は、単層であつてもよいが、屈折率
の異なる複数の層を重層して形成するのが好まし
い。膜厚は、屈折率の組み合わせに応じた任意の
膜厚の組み合わせから選択するが、3層から成る
反射防止膜を形成する場合、光学膜厚を設計基準
波長(λ)の1/4、1/2及び1/4あるいは
1/4、1/4及び1/4とするのが好ましい。
このように、自体公知の真空蒸着法を適用して
反射防止膜を形成するが、ガラス製又は金属製の
モールド型の使用面に蒸着するので、プラスチツ
ク基板に蒸着する場合とは異なり、加熱温度など
の条件に制限はなく、蒸着すべき物質に好適な条
件を採用することができる。
さらに、硬化膜として作用する無機化合物を同
様に真空蒸着法により蒸着させることができる。
ここで、使用しうる無機化合物としては、SiO2
Al2O3、SiO2とAl2O3の混合物などが挙げられる。
真空蒸着については、同様に使用する物質に応じ
て適宜決定すればよい。また、膜厚は、通常1〜
10μm、好ましくは2〜5μmとする。
前記のようにして1枚のモールド型の使用面に
反射防止膜及び/又は硬化膜を真空蒸着法によつ
て形成することができるが、反射防止膜と硬化膜
の一方又は両方を有機ハードコート液のコーテイ
ングによつて形成することもでき、そのため使用
するハードコート液は、特に制限はなく、公知の
各種のハードコート液であつてよい。例えば、屈
折率調整成分としてコロイダルシリカ、コロイダ
ル酸化アンチモン及びコロイダル酸化チタンのう
ちの少なくとも1種、膜形成成分としてシランカ
ツプリング剤及び硬化剤などをその他の添加剤と
ともに溶媒中に分散して含む液を用いることがで
きる。
コロイダルシリカ、コロイダル酸化アンチモン
あるいはコロイダル酸化チタンは、それぞれ無水
珪酸、五酸化アンチモンあるいは二酸化チタンの
超微粒子を水又はアルコール系分散媒に分散させ
たコロイド溶液であり、市販されているものであ
る。コロイダルシリカ、コロイダル酸化アンチモ
ン/又はコロイダル酸化チタンの使用量は、調整
すべき屈折率に応じて適宜決定されるが、一般的
には、形成される薄膜中に5〜70重量%、好まし
くは20〜50重量%である。
シランカツプリング剤としては、公知の任意の
ものを使用することができ、例えば一般式 R1 nR2 oSiX4-(n+o) 〔式中R1はアルキル基、アルケニル基、フエニ
ル基又はハロゲンを示し、R2はエポキシ基、グ
リシドキシ基、アミノ基、アミド基、メルカプト
基、メタクリロイルオキシ基、シアノ基又は核置
換芳香環を有する有機基を示し、Xはハロゲン、
アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシル
オキシ基などの加水分解可能な基を示し、m及び
nはそれぞれ0〜2の数を示し、m+n≦3であ
る〕で表わされる化合物及びこれらの加水分解物
あるいは部分縮合物を用いることができる。これ
らの化合物の具体例としては、テトラメトキシシ
ラン等の四官能シラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−
シアノプロピルトリメトキシシラン、γ−モルホ
リノプロピルトリメトキシシラン、N−フエニル
アミノプロピルトリメトキシシラン等の三官能シ
ラン、さらに、前記三官能シランの一部がアルキ
ル基、フエニル基、ビニル基等で置換された二官
能シラン、例えばジメチルジメトキシシラン、フ
エニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン等が挙げられる。また、これら
の化合物の加水分解物、部分縮合物等を用いるこ
ともできる。上記のような膜形成成分は、形成さ
れる薄膜中に10〜80重量%、好ましくは15〜40重
量%の量で使用する。
硬化剤としては、トリエチルアミン、n−ブチ
ルアミン等の有機アミン、グリシン等のアミノ
酸、アルミニウムアセチルアセトネート、クロム
アセチルアセトネート、チタニアアセチルアセト
ネート、コバルトアセチルアセトネート等の金属
アセチルアセトネート、酢酸ナトリウム、ナフテ
ン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜
鉛、オクチル酸錫等の有機酸金属塩、塩化第二
錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化チタ
ン、塩化亜鉛、塩化アンチモン等のルイス酸など
が挙げられる。これらのうち、特に、アルミニウ
ムアセチルアセトネートが好ましい。
上記のような各種の成分を、塗布作業性を考慮
して、適切な溶剤に溶解してハードコート液とす
るのが好ましい。溶剤としては、アルコール類、
ケトン類、セロソルブ類、ホルムアミド類、水、
フレオン類の各種の溶剤を用いることができる。
通常、これらの溶剤を用いて1〜45重量%の固形
分を含む溶液として用いるのが好適であるが、こ
の範囲に制限されるものではなく、その都度の状
況により適宜選定することができる。
また、ハードコート液に、さらに界面活性剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、チキソトロピー剤、
顔料、染料、帯電防止剤、導電性粒子などを添加
することができる。
上記のような各種の成分を含むハードコート液
を、1枚のモールド型の使用面に公知の方法で塗
布し、硬化させることによつてハードコート膜を
形成させる。塗布は、例えばフローコート、デイ
ツプコート、スピンコート、ロールコート、スプ
レーコートなどの方法で行うことができる。乾燥
及び硬化は、用いる成分によつて適宜選定する
が、好ましくは100〜300℃で40分〜3時間の加熱
によつて行う。
また、用いた成分中の反応基の架橋反応や重合
反応を促進するため、赤外線、紫外線、γ線、電
子線の照射を行うことによつて硬化を行うことも
できる。
膜厚は、溶剤あるいは塗布方法などによつて調
整することができ、反射防止膜を形成する場合に
は、屈折率の組み合わせに応じた任意の組み合わ
せから選択するが、3層から成る反射防止膜の場
合、光学膜厚を設計波長(λ)の1/4、1/2
及び1/4とするのが好ましい。また、硬化膜を
形成する場合には、通常2〜10μm、好ましくは
2〜5μmとする。
さらに、本発明の方法において、最外層を形成
するハードコート液に離型剤を混入することによ
り、モールド型の使用面への離型剤の塗布を省略
することもできる。
こうして1枚のモールド型の使用面に反射防止
膜及び/又は硬化膜を形成した後、この1枚のモ
ールド型と離型剤を塗布したもう1枚のモールド
型と環状ガスケツトとによつて形成される空間に
プラスチツクレンズの原料であるモノマー液を注
入し、自体公知の方法で重合・硬化を行う。
レンズ用プラスチツクとしては、例えばアクリ
ル樹脂、ポリカーボネート、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネートポリマー、(ハロゲン
化)ビスフエノールAのジ(メタ)アクリレート
ポリマー及びその共重合体、(ハロゲン化)ビス
フエノールAのウレタン変性(メタ)アクリレー
トポリマー及びその共重合体、ポリウレタン系樹
脂、例えばジイソシアネートとポリオールのメル
カプトアルキルエステルとから成るウレタン樹脂
などが挙げられるが、特に制限はない。
本発明の方法により、モノマーの重合及び硬化
を行つた後、型から取り出したプラスチツクレン
ズは、その片面に反射防止膜及び/又は硬化膜を
有するレンズであり、処方に応じて本発明方法に
よつて製造したプラスチツクレンズ同士あるいは
本発明方法によつて製造したプラスチツクレンズ
とガラスレンズや他の方法で製造したレンズと適
宜組み合わせて貼り合わせることにより、製品レ
ンズとすることができる。また、必要に応じて染
色を施すことができる。
貼り合わせに使用する接着剤としては、光を透
過し、所望の接着力を有するすべての接着剤であ
つてよく、例えば透明エポキシ樹脂系接着剤など
があげられる。接着剤の塗布は、吹き付け、その
他の適切な方法によつて、一方又は両方のレンズ
の貼り合わせ面に薄く塗着することによつて行う
ことができる。接着剤を染色することにより、色
付きレンズとすることもできる。
第1図は、本発明による貼り合わせレンズの製
造工程の模式図である。貼り合わせるべき一対の
レンズA,Bは、それぞれ一対のモールド型a
1,a2とガスケツトa3、及び一対のモールド
型b1,b2とガスケツトb3によつて形成され
る。モールド型a1,a2及びb1,b2のう
ち、それぞれ貼り合わせ後にレンズの外面を構成
するモールド型a1,a2の内面には、それぞれ
前記手法により予め硬化膜及び/又は反射防止膜
a4,b4が形成されている。この型内に所定の
モノマーa5,b5を注入し、硬化後、これを取
り出すと、一面に硬化膜及び/又は反射防止膜a
4,b4を有する貼り合わせレンズA,Bが完成
する。離型剤は適宜使用する。その後、この貼り
合わせレンズA,Bの、硬化膜及び/又は反射防
止膜a4,b4を有しない面同士を接着剤Cで貼
り合わせ、貼り合わせレンズを完成する。
貼り合わせレンズAとしては、多焦点レンズや
累進焦点レンズがあり、貼り合わせレンズBとし
ては、乱視矯正・度数調整レンズがある。
「発明の実施例」 次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、例中、「部」は、特に断らな
い限り、「重量部」を意味する。
実施例 1 2枚のガラスモールド型の使用面にフツ素系シ
リコンコート液(信越化学社製、KP−801)をデ
イツプコート法で塗布し、220℃で1時間加熱処
理する。
こうして離型剤層を形成したガラスモールド型
のうち1枚を真空蒸着機内に入れ、まず、SiO2
をλ/4(λ=510nm)の光学膜厚になるように
真空蒸着して屈折率n=1.45の層を形成し、次い
でTa2O5をλ/4(λ=510nm)の光学膜厚にな
るように真空蒸着して屈折率n=2.00の層を形成
し、さらに、Yb2O3をλ/4(λ=510nm)の光
学膜厚になるように真空蒸着して屈折率n=1.86
の層を形成し、最後にSiO2を実厚2μmになるよ
うに真空蒸着して屈折率n=1.45の層を形成し
た。
得られた反射防止膜及び硬化膜付きガラスモー
ルド型1枚と離型剤膜だけを有するガラスモール
ド型1枚と環状ガスケツトとによつて囲まれた空
間内にジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートを注入し、40℃で8時間、50℃で2時間、70
℃で2時間、80℃で3時間かけて重合し、離型し
た。
得られたレンズ成形品は、全光透過率98.5%の
反射防止膜を片面に有するプラスチツクレンズで
あつた。
実施例 2 (1) 屈折率n=1.60のハードコート液の調製 β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン20部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン60部及びγ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン20
部を0.1規定の塩酸25部で加水分解し、一昼夜
撹拌する。次に、メタノール分散型酸化アンチ
モンゾル(日産化学社製)250部、界面活性剤
としてゾニールFSN(デユポン社製)0.1部、硬
化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート
0.5部及び溶剤としてイソプロピルアルコール
300部を混合してハードコート液を調製した。
この液を以下、ハードコート液Xと称する。
このハードコート液は150℃で1時間加熱す
ると、屈折率1.60の膜を生じた。
(2) プラスチツクレンズの製造 ガラスモールド型の2枚の使用面にフツ素系
シリコンコート液(信越化学社製、KP−801)
をデイツプコート法により塗布し、120℃で1
時間加熱硬化させた。この離型剤層を有するガ
ラスモールド型のうち1枚を真空蒸着機内に入
れ、まずSiO2をλ/4(λ=510nm)の光学膜
厚になるように真空蒸着して屈折率n=1.45の
層を形成し、次いで、Ta2O5をλ/4(λ=
510nm)の光学膜厚になるように真空蒸着して
屈折率n=2.00の層を形成し、さらに、Yb2O3
をλ/4(λ=510nm)の光学膜厚になるよう
に真空蒸着して屈折率n=1.80の層を形成し
た。
次に、ハードコート液Xを約2μmの厚さにコ
ーテイングし、150℃で1時間加熱処理した。
こうして離型剤層、反射防止膜及びハードコ
ート膜を設けたガラスモールド型1枚と離型剤
層だけを有するガラスモールド型1枚と環状ガ
スケツトで囲まれた空間内にm−キシリレンジ
イソシアネートとペンタエリトリツトテトラキ
ス(3−メルカプトプロピオネート)を1:
1.3の重量比で含み、開始剤としてジブチル錫
ジラウレート1000ppmを添加したモノマー混合
物を注入し、30℃で8時間、40℃で5時間、
120℃で4時間かけて重合させてプラスチツク
レンズを製造した。
得られたレンズ成形品は、全光透過率98.5%
の反射防止膜及びハードコート膜を片面に有す
るプラスチツクレンズであつた。
実施例 3 (1) ハードコート液の調製: (a) 屈折率n=1.90のハードコート液 シランカツプリング剤としてγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン50部及びγ−グ
リシドキシプロピルメチルエトキシシラン50部
を0.1規定の塩酸25部で加水分解し、20℃で15
時間撹拌する。次に、メタノール分散型酸化チ
タンゾル(触媒化成社製、商品名OSCAL−
811)500部、界面活性剤としてゾニールFSN
(デユポン社製)0.1部、硬化剤としてアルミニ
ウムアセチルアセトネート0.5部及び溶剤とし
てメタノール800部を混合してハードコート液
を調製した。この液を以下、A−190液と称す
る。
(b) n=1.55のハードコート液 シランカツプリング剤としてγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン50部、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン30部
及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン20部を0.1規定の塩
酸30部で加水分解し、20℃で15時間撹拌する。
次に、メタノール分散型酸化アンチモンゾル
(日産化学社製)350部、メタノール分散型酸化
チタンゾル100部、界面活性剤としてゾニール
FSN0.1部、硬化剤としてアルミニウムアセチ
ルアセトネート1部及び溶剤としてメタノール
800部を混合してハードコート液を調製した。
この液を以下、A−155液と称する。
(c) n=1.50のハードコート液 シランカツプリング剤としてγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン50部及びγ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン50
部を0.1規定の塩酸25部で加水分解し、20℃で
15時間撹拌する。次に、メタノール分散型シリ
カゾル(日産化学社製、MA−ST)300部、界
面活性剤としてゾニールFSN0.1部、硬化剤と
してアルミニウムアセチルアセトネート0.5部
及び溶剤としてメタノール350部を混合して、
ハードコート液を調製した。この液を以下、A
−150液と称する。
(d) n=1.40のハードコート液 シランカツプリング剤としてメチルトリメト
キシシラン70部及びγ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン30部を0.1規定の塩酸
25部で加水分解し、20℃で15時間撹拌する。次
いで、メタノール分散型シリカゾル300部、界
面活性剤としてゾニールFSN0.1部、硬化剤と
してアルミニウムアセチルアセトネート0.5部、
離型剤としてフルオロアルキルアルコキシシラ
ン〔CF3CH2CH2Si(OCH33及びCF3
(CF25CH2CH2Si(OCH33〕2部及び溶剤と
してメタノール350部を混合して、ハードコー
ト液を調製した。この液を以下、A−140液と
称する。
(2) プラスチツクレンズの製造 ガラスモールド型の1枚の使用面に前記のA
−140液をデツイプコート法でλ/4の光学膜
厚でコーテイングし、150℃で1時間硬化させ
た(この実施例において、設計波長はλ=
510nmとした)。
次に、前記のA−190液をデツイプコート法
でλ/2の光学膜厚でコーテイングし、200℃
で1時間硬化させた。更に、前記のA−155液
をデツイプコート法でλ/4の光学膜厚でコー
テイングし、200℃で1時間硬化させた。
その後、前記のA−150液をデツイプコート
法で実厚2μmの膜厚にコーテイングし、150℃
で1時間硬化させた。
上記のようにハードコート処理したガラスモ
ールド型1枚と、離型剤としてフツ素系シリコ
ンコート液(信越化学社製、KP−801)を塗布
したガラスモールド型1枚と環状のガスケツト
で囲まれた空間内にジエチレングリコールビス
アリルカーボネートモノマーを注入し、40℃で
8時間、50℃で2時間、70℃で2時間、80℃で
3時間かけて重合させ、反射防止付きハードコ
ートプラスチツクレンズを製作した。このレン
ズの全光透過率は、99%であつた。
離型後、染色浴に90℃で10分間、浸漬したと
ころ、550nmで50%の減光率の染色反射防止付
きハードコート膜を片面に有するプラスチツク
レンズが得られた。
「発明の効果」 本発明によれば、反射防止膜や硬化膜を片面に
有するプラスチツクレンズを常備しておくことが
できるので、本発明に係る常備レンズ同士又は本
発明に係る常備レンズと他の方法で製造されたレ
ンズとを組み合わせることによつて、眼科医や眼
鏡士からの処方を受理してから極めて短時間に製
品レンズを得ることができる。また、反射防止膜
や硬化膜をモールド型の使用面に形成しておくの
で、高温を適用することができ、処理条件を制限
されることなく、使用する物質に最適な条件でこ
れらの膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による貼り合わせレンズの製造
工程例を示す模式図である。 符号の説明 A,B…貼り合わせるべきレン
ズ、C…接着剤、a1,a2,b1,b2…モー
ルド型、a4,b4…硬化膜及び/又は反射防止
膜、a5,b5…モノマー。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2枚のモールド型のうち、貼り合わせ後にレ
    ンズの外面を構成する側のモールド型の使用面の
    上に硬化膜及び/又は反射防止膜を設け、他方の
    モールド型の使用面に離型剤を塗布し、次いでこ
    れらのモールド型と環状ガスケツトによつて形成
    される空間内にモノマー液を注入し、モノマーを
    重合させることを特徴とする貼り合わせレンズ用
    の常備プラスチツクレンズの製造方法。 2 硬化膜及び/又は反射防止膜を無機物質の真
    空蒸着によつて設ける請求項1記載の貼り合わせ
    レンズ用プラスチツクレンズの製造方法。 3 硬化膜及び/又は反射防止膜を有機ハードコ
    ート液のコーテイングによつて設ける請求項1記
    載の貼り合わせレンズ用プラスチツクレンズの製
    造方法。 4 請求項1記載のプラスチツクレンズを1枚以
    上のプラスチツクレンズ及び/又はガラスレンズ
    と貼り合わせることを特徴とする貼り合わせレン
    ズの製造方法。 5 貼り合わせ後にレンズの外面を構成する側の
    モールド型の使用面の上に離型剤を塗布後、硬化
    膜及び/又は反射防止膜を設ける請求項1記載の
    貼り合わせレンズ用プラスチツクレンズの製造方
    法。 6 有機ハードコート液に離型剤を混入する請求
    項3記載の貼り合わせレンズ用プラスチツクレン
    ズの製造方法。
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