JPH0535241U - 射出成形用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂屑等がサブマリンゲート付近の樹脂通路
等に残留することを簡単な構造で防止できる射出成形用
金型を提供する。 【構成】 固定側金型１１に設けられたサブマリンゲー
ト１３の開口からキャビティ８内に樹脂を射出して硬化
させた後、移動側金型２を固定側金型１１から離間さ
せ、押出しピン６にて成形品３を固定側金型１１から離
間させると同時に、サブマリンゲート１３の開口の周縁
部１４で樹脂を成形品３側とサブマリンゲート１３側と
に切断して分離する射出成形用金型において、前記開口
周縁部１４の、移動側金型２移動方向を含む断面におけ
る開口両側の角度θ１，θ２を略鋭角に設定した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、成形品離型時に樹脂を成形品側とサブマリンゲート側とに自動的 に切断できる射出成形用金型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のものとしては、例えば図４および図５に示すようなものがある 。射出成形用金型は固定側金型１および移動側金型２よりなり、両型１，２が型 合わせされた状態で、所望の成形品３が形成されるキャビティ８が形成されると 共に、このキャビティ８への樹脂の通路であるランナー４およびサブマリンゲー ト５が形成されるようになっている。

【０００３】 成形方法は、図４に示すように、まず、ランナー４を介してサブマリンゲート ５の開口からキャビティ８内に樹脂を射出して硬化させる。この状態では、キャ ビティ８にて成形品３が、ランナー４等にてランナー部７が形成される。その後 、図５に示すように、移動側金型２を上昇させ、押出しピン６にて成形品３およ びランナー部７を突き出す。この場合、サブマリンゲート５の開口周縁部で成形 品３とランナー部７とを切断するようにしている。

【０００４】 ところが、その開口周縁部は、角度θ１が鋭角（３０°〜４５°）であるが、 角度θ２が鈍角であるため、この角度θ２側が切れ難く、この切断時には、図５ に示すように、樹脂屑Ｐがサブマリンゲート５の開口付近に残ることがある。こ の場合には、次回に成形される成形品の外観不良発生要因となる虞がある。

【０００５】 この対策として、実公平１ー１０１８９号公報で提案されているように、圧縮 空気で、その樹脂屑等を吹き落とすようにしたものがある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上記公報で提案されているものにあっては、圧縮空気で吹き落 とすようにしているため、圧縮空気を送るための装置が必要となり、構造が複雑 となる。

【０００７】 そこで、この考案は、樹脂屑等がサブマリンゲート付近の樹脂通路等に残留す ることを簡単な構造で防止できる射出成形用金型を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、かかる課題に着目してなされたもので、固定側金型に設けられた サブマリンゲートの開口からキャビティ内に樹脂を射出して硬化させた後、移動 側金型を固定側金型から離間させ、押出しピンにて成形品を固定側金型から離間 させると同時に、前記サブマリンゲートの開口の周縁部で樹脂を成形品側とサブ マリンゲート側とに切断して分離する射出成形用金型において、前記開口周縁部 の、前記移動側金型移動方向を含む断面における前記開口両側の角度を略鋭角に 設定した射出成形用金型としたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】

かかる手段によれば、サブマリンゲートの開口周縁部の、移動側金型移動方向 を含む断面における開口両側の角度を略鋭角に設定しているため、サブマリンゲ ート開口で、成形品とゲート側とがその境で綺麗に切断されることとなり、樹脂 屑の残留を従来より抑制できる。従って、開口周縁部の開口両側の角度を略鋭角 とする単純な構成で自動的に切断されることとなる。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１１】 図１および図２は、この考案の第１実施例を示すものである。従来例と同一の 部分については同一符号を付して説明する。

【００１２】 まず構成を説明すると、射出成形用金型は、固定側金型１１および移動側金型 ２よりなり、両型１１，２が型合わせされた状態で、所望の成形品３が形成され るキャビティ８が形成されると共に、このキャビティ８への樹脂の通路であるラ ンナー４およびサブマリンゲート５が形成されるようになっている。

【００１３】 この固定側金型１１にはキャビティ８の一部を形成する凹所１２が上下方向に 沿って形成されると共に、この凹所１２に開口するサブマリンゲート１３が形成 されている。このサブマリンゲート１３等は例えば鋳造により所定形状に成形す ることができる。

【００１４】 このサブマリンゲート１３の開口周縁部１４は、移動側金型２移動方向を含む 断面における開口両側の角度θ１，θ２が鋭角に形成されている。この実施例で は、角度θ１は、３０°〜４５°に、又、角度θ２は、３０°〜９０°に設定さ れている。

【００１５】 なお、符号６は成形品３およびランナー部７を突き出す押出しピンである。

【００１６】 次に、かかる構成より成る射出成形用金型の作用について説明する。

【００１７】 図４に示すように、移動側金型２と固定側金型１１とを型合わせして、キャビ ティ８を形成した後、ランナー４からサブマリンゲート５の開口を介してキャビ ティ８内に樹脂を射出して硬化させる。

【００１８】 この状態では、キャビティ８にて成形品３が、ランナー４等にてランナー部７ が形成される。その後、図２に示すように、移動側金型２を上昇させ、押出しピ ン６にて成形品３およびランナー部７を突き出す。この際、サブマリンゲート５ の開口周縁部１４で成形品３側とランナー部７側とに切断されることとなる。

【００１９】 この場合、角度θ１，θ２の両方が鋭角とされているため、いわゆるノッチ効 果によりサブマリンゲート１３の開口周縁部１４で、成形品３側とランナー部７ 側とが綺麗に切断されることとなり、従来のように樹脂屑等が残ることがない。

【００２０】 従って、サブマリンゲート１３の開口周縁部１４の角度θ１，θ２を鋭角とす る簡単な構造とすることにより、圧縮空気を用いる必要がなく、樹脂屑等の残存 を抑制できる。

【００２１】 また、図３には、この考案の第２実施例を示す。

【００２２】 この実施例は、固定側金型１１の嵌合凹所１５に入れ子１６が配設されている 。この入れ子１６には、キャビティ８の一部を形成する凹所１２が形成されると 共に、サブマリンゲート１３が形成されている。この入れ子１６の配設状態では 、このサブマリンゲート１３がランナー４と連続するようになっている。

【００２３】 このようにすれば、角度θ１，θ２が共に鋭角であるような場合でもサブマリ ンゲート１３を容易に成形できる。

【００２４】 他の構成および作用は第１実施例と同様であるので説明を省略する。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案によれば、サブマリンゲートの開口の周縁 部の、移動側金型移動方向を含む断面における開口両側の角度を略鋭角に設定す ることにより、樹脂屑等がサブマリンゲート開口付近に残留することを簡単な構 造により防止できる、という実用上有益な効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の射出成形用金型の第１実施例を示す
断面図である。

【図２】同第１実施例の離型状態を示す断面図である。

【図３】この考案の第２実施例を示す図１に相当する断
面図である。

【図４】従来例を示す図１に相当する断面図である。

【図５】同従来例を示す図２に相当する断面図である。

【符号の説明】

２ 移動側金型 ３ 成形品 ４ ランナー ６ 押出しピン ８ キャビティ 11 固定側金型 13 サブマリンゲート 14 開口周縁部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定側金型に設けられたサブマリンゲート
   の開口からキャビティ内に樹脂を射出して硬化させた
   後、移動側金型を固定側金型から離間させ、押出しピン
   にて成形品を固定側金型から離間させると同時に、前記
   サブマリンゲートの開口の周縁部で樹脂を成形品側とサ
   ブマリンゲート側とに切断して分離する射出成形用金型
   において、 前記開口周縁部の、前記移動側金型移動方向を含む断面
   における前記開口両側の角度を略鋭角に設定したことを
   特徴とする射出成形用金型。