JPH053479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機等の用紙搬送路に設けられる
用紙搬送装置に関し、特に、感光体ドラムでの画
像転写部に向けて、用紙の搬送タイミングを制御
するために、レジストレーシヨンゲートによる用
紙の一時停止を行つた際に、スリツプローラによ
る用紙のビビリ振動が発生することを防止出来る
ように構成してなる用紙搬送装置に関する。

（従来の技術） 感光体ドラムの手前の部分で、用紙搬送路にレ
ジストレーシヨンゲートを設けて、該レジストレ
ーシヨンゲートによつて用紙の一時停止を行わ
せ、感光体ドラムの画像の移動にタイミングを一
致させて、該停止された用紙を送り出すような手
段は、複写機においては、従来より一般に用いら
れている手段である。

このような複写機においては、通常は第３図に
示されるような構成の用紙搬送装置が用いられて
いる。

この第３図に示される用紙搬送装置において、
図示を省略した用紙トレイから給紙ローラによつ
て順次送り出される用紙７を、スリツプローラ１
とピンチローラ２とによつて構成される搬送ロー
ラ装置により、挟持した状態で搬送するが、その
搬送の途中で、ソレノイド４によつて作動される
レジストレーシヨンゲート３を設けていて、その
レジストレーシヨンゲート３により用紙を一時停
止させるように構成している。

そして、前記レジストレーシヨンゲート３によ
つて一時停止された用紙７は、感光体ドラム５に
形成されるトナー画像の位置にタイミングを一致
させた状態で、レジストレーシヨンゲート３が開
かれてその先に設けられた搬送ローラ装置によつ
て搬送され、画像の転写部に向けて送り込まれ、
転写コロトロン６による放電によつて、画像の転
写が行われるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） このような装置においては、用紙７がレジスト
レーシヨンゲート３によつて停止されても、スリ
ツプローラ１の駆動が継続された状態にあるため
に、該スリツプローラ１と用紙７との摩擦によつ
て、用紙７に通常ビビリ振動と呼ばれる振動が発
生し、それによつて搬送部から異音が発生すると
いう欠点を有している。

そこで、従来の複写機においては、上記したよ
うな異音が発生することを防止するために、第３
ａ図に示されるように、レジストレーシヨンゲー
ト３とスリツプローラ１との間に樹脂製シート材
８を設けておき、その樹脂製シート材８によつて
用紙を押圧するようにしている。

この樹脂製シート材８は、用紙搬送路に対して
その幅方向に複数枚のシートを設けているもの
で、該樹脂製シート材８によつて用紙７を搬送面
に対して所定の負荷で押え付け、ビビリ振動が発
生することを防止するような手段が用いられてい
る。

しかしながら、上記したような従来の装置にお
いては、樹脂製シート材を設けることによつて、
用紙に対する幅方向のバランスが微妙に変化して
しまい、用紙の斜め送りが発生したり、または、
負荷が強すぎる場合には、薄紙の場合には、紙詰
り等が発生する等の欠点が生じることがある。

さらに、紙詰りが発生した場合に、その紙の除
去を行う際に無理に引き出すことによつて、用紙
にダメージを与えたりしてしまうことがあり、ビ
ビリ振動を押える効果に比較して欠点が多いもの
であつた。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられて
いる装置の欠点を解消するもので、用紙にビビリ
振動が発生することを防止出来るとともに、用紙
搬送路に悪影響が生じない装置を提供することを
目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案は、用紙搬送路にレジストレーシヨンゲ
ートと、スリツプローラ方式の搬送ローラを設
け、感光体ドラムに形成したトナー画像に対応さ
せて、用紙の送り出しのタイミングを制御できる
ように構成してなる用紙搬送装置に関する。

本考案の用紙搬送装置においては、前記搬送ロ
ーラを駆動軸に設けたスリツプローラと、該スリ
ツプローラに対して押圧されるピンチローラとか
ら構成し、前記スリツプローラと同軸に大径の補
助ローラを配置し、前記補助ローラを、用紙搬送
路のガイド部材に対して用紙を押圧する位置に設
けている。

したがつて、本考案の装置においては、レジス
トレーシヨンゲートによつて用紙を停止させた際
に、スリツプローラが回転していても、それによ
つて発生される振動は補助ローラに吸収されるこ
とになり、搬送部から異音が発生することを防止
出来るとともに、通常の用紙の搬送に際しても、
補助ローラによつて用紙をアツパーシユートに押
圧した状態で送ることが出来るので、安定した状
態で、用紙の搬送作用を行い得るものとなる。

（実施例） 図示された実施例に従って、本考案の用紙搬送
装置の構成を説明する。

第１図および第１ａ図に示されるように、本考
案のスリツプローラ１はピンチローラ２に対応し
て設けられ、両ローラによつて用紙を挟持して搬
送するように構成されている。また、この図示さ
れる実施例においては、スリツプローラ１の軸１
ａには、そのスリツプローラの両側に補助ローラ
１０が２個またはそれ以上の数設けられている。

この補助ローラ１０としては、スポンジ等の柔
かい材料を用い、軸１ａにスリツプローラ１と同
様にして固定して設けているもので、その外径を
スリツプローラ１よりも若干大径に構成してい
る。さらに、本考案の用紙搬送路には、用紙搬送
路の上部分を規制するアツパーシユート９を設け
ていて、そのアツパーシユート９に用紙７の上面
が接触されるような状態に構成されている。

第１ａ図に示されるように、本考案の用紙搬送
路においては、スリツプローラ１とピンチローラ
２とによつて挟持される用紙７には、その挟持部
の前後のローラの両側と前後の側で、該用紙７の
上面が補助ローラ１０によつてアツパーシユート
９に押圧されるようになる。

したがつて、レジストレーシヨンゲート３によ
つて用紙が停止された場合に、スリツプローラ１
が回転されていても、その用紙の上面がアツパー
シユート９に接触されているので、スリツプロー
ラ１の回転による摩擦で用紙が振動を発生しよう
としても、その周囲の部分が補助ローラ１０によ
つてアツパーシユート９に押圧された状態にある
ので、従来より用いられている装置の場合のよう
なビビリ振動が発生し、それが異音となつて周囲
に影響を与えるような事態が発生することはなく
なる。

また、本考案の上記したような構成の挟持搬送
装置は、第２図に示されるＵターン搬送路にも容
易に適用が可能である。この実施例においては、
用紙トレイ１２からフイードローラ１３によつて
送り出された用紙７は、スリツプローラ１とピン
チローラ２とにより構成される挟持ローラ装置を
経て、Ｕターンシユート１１、および、ガイド１
４を通つて画像転写部に向けて搬送される。

この装置においては、上記補助ローラ１０はＵ
ターンシユート１１のガイド面に向けて用紙７を
押圧するようになつており、前記ガイド１４の前
方に設けられたレジストレーシヨンゲートによつ
て停止される。この第２図は、上記したようにし
て用紙７が停止された場合の状態を示している。

以上説明したように、本考案の用紙搬送装置に
おいては、スリツプローラ１の両側に補助ローラ
１０を設けることによつて、その補助ローラによ
り用紙をガイド部材に向けて押圧するような構成
の装置として形成しているが、ガイド部材として
は、上記したようなアツパーシユートを設けて
も、または、シユート部材をそのままで用いても
良いものであり、その他に、補助ローラの材質も
スポンジに限定されることなく、他の比較的柔か
い素材を用いることが出来るものである。

（考案の効果） 本考案の用紙搬送装置は、上記したような構成
を有するものであるから、スリツプローラが空転
される際の振動と異音の発生を防止出来るもので
あり、それによつて、複写機の周囲に悪影響を与
えることを防止出来るものとなる。

また、本考案の用紙搬送装置は、複写機に従来
より使用されている部材に若干の部材を追加する
のみで、その目的を達成することが出来るもので
あり、複写機の制御コスト等に与える影響を非常
に少なくすることが出来るとともに、騒音防止の
点からは大きな効果を奏することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の挟持ローラ装置の構成を示す
断面図、第１ａ図はその側面図、第２図は本考案
のローラ装置を複写機に適用する場合の実施例を
示し、第３図および第３ａ図は従来例の構成を示
す説明図である。 図中の符号、１……スリツプローラ、２……ピ
ンチローラ、３……レジストレーシヨンゲート、
４……ソレノイド、５……感光体ドラム、６……
転写コロトロン、７……用紙、８……樹脂製シー
ト材、９……アツパーシユート、１０……補助ロ
ーラ、１１……Ｕターンシユート、１２……用紙
トレイ、１３……フイードローラ、１４……ガイ
ド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 用紙搬送路にレジストレーシヨンゲートと、ス
   リツプローラ方式の搬送ローラを設け、感光体ド
   ラムに形成したトナー画像に対応させて、用紙の
   送り出しのタイミングを制御できるように構成し
   てなる用紙搬送装置において、 前記搬送ローラを駆動軸に設けたスリツプロー
   ラと、該スリツプローラに対して押圧されるピン
   チローラとから構成し、 前記スリツプローラと同軸に大径の補助ローラ
   を配置し、 前記補助ローラを、用紙搬送路のガイド部材に
   対して用紙を押圧する位置に設けることを特徴と
   する用紙搬送装置。