JPH0534752B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダ等の記録再生
装置に用いられるテープカセツトに関し、特にカ
セツト本体の前面側外方に延在される磁気テープ
を覆う開閉蓋を設けたものに関する。

〔従来の技術〕

従来、回転磁気ヘツド装置を備えたビデオテー
プレコーダ等の記録再生装置に用いられるテープ
カセツトは、記録再生装置側に設けたテープ引出
し機構により自動的に磁気テープを引出し、ロー
デイング手段により回転磁気ヘツド装置に巻回す
るようになすため、磁気テープの一部をカセツト
本体の前面側外方に臨ませている。また、カセツ
ト本体の前面側には、上記磁気テープの引出すた
めのテープ引出し機構が臨むテープ引出し機構進
入凹部が設けられている。さらに、カセツト本体
の前面側には、カセツト本体の前面側外方に臨む
磁気テープを保護するため、この磁気テープを覆
う前面蓋が回動自在に取付けられている。この従
来用いられているテープカセツトの前面蓋は、前
面蓋の両端に折曲連設した回動アーム部をカセツ
ト本体の両側壁にそれぞれ枢支することにより回
動してカセツト本体の前面側を開閉するように取
付けられている。

ところで、本願出願人は、使用目的に応じてテ
ープ長を異にし且つテープ長に応じて外形サイズ
を異にするいずれのテープカセツトでも同一の装
置で記録再生を可能となす記録再生装置を提案し
ている。この種の記録再生装置に用いられるテー
プカセツトは、外形サイズを異にしても、互換性
をもたせるため同一のテープ引出し機構により磁
気テープの引出しを行なうものであるので、テー
プ引出し機構進入用凹部の構造は共通のものとし
て形成されている。そして、磁気テープは、上記
凹部に臨めばテープ引出し機構による引出しが可
能であるので、外形サイズを異にするいずれのテ
ープカセツトにおいても、構造を共通にする上記
凹部において外方に臨まされる。

このように外形サイズの異なる各テープカセツ
トについて、カセツト本体前面側のテープ引出し
機構進入用凹部を開閉する前面蓋をカセツト本体
に回動自在に枢支するのに、前記従来のもののご
とく、カセツト本体の両側壁で枢支するようにす
ると、外形サイズの大きなテープカセツトでは、
テープ引出し機構進入用凹部は小型のテープカセ
ツトと共通であるにもかかわらず、前面蓋全体が
大型化するという欠点があり、本来保護すべき磁
気テープが延在するテープ引出し機構進入用凹部
外方部分までも覆うようになるという不都合があ
るばかりか、前面蓋の機械的強度が十分に維持で
きなくなる。

そこで、前面蓋の大型化を防止するため、本願
出願人は、前面蓋の両端に折曲連設され前面蓋回
転支軸を支える回動アーム部をカセツト本体の両
側よりも内方の位置に設けた保持部内において枢
支するようにしたテープカセツトを先に提案して
いる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述のように、前面蓋をカセツト本体の両側よ
り内方側位置に枢支するように構成したものにあ
つては、前面蓋の枢支部とカセツト本体の両側壁
との間に未利用空間が形成される。そして、本発
明は、上記空間を利用してカセツト本体内に回転
自在に支承されたテープリールをロツクするリー
ルロツク手段のリールロツク解除機構を設け、効
率の良いリールロツク手段及びリールロツク解除
機構の配設を可能となしテープカセツトを提供し
ようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、一対の上ハーフと下ハーフを突き合
せ結合してなるカセツト本体内に一対のテープリ
ールを回転自在に支承し、これらテープリール間
に亘つてテープ体を巻装するとともに、上記カセ
ツト本体の前面側にテープ引出し機構進入用凹部
とこの凹部の両側に位置して一対のテープ引出し
用窓部を設け、上記テープリール間に亘つて巻装
されるテープ体を上記窓部間に亘つて引出し上記
凹部に沿つて延在させ、さらに上記カセツト本体
の前面側に上記凹部に沿つて延在するテープ体を
覆う前面蓋を回動自在に取付けたテープカセツト
において、上記前面蓋は、その両側に折曲連設さ
れた回動アーム部が上記カセツト本体の両側壁よ
り内方側に形成した保持部内に枢支され上記カセ
ツト本体に回動自在に取付けられるとともに、上
記回動アーム部の外側であつて且つカセツト本体
の上記側壁の内側に、上記前面蓋の回動に連動し
て上記テープリールのリールロツク手段のロツク
解除を行なうリールロツク解除機構を設けるよう
にしたものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

本発明に係るテープカセツトは、第２図に示す
ように、一対の上ハーフ１と下ハーフ２を突き合
せ結合して構成されるカセツト本体３を有してい
る。このカセツト本体３内には、第１図に示すよ
うに一対のテープリール４，５が回転自在に支承
される。また、カセツト本体３の前面側中央部に
は、このテープカセツトをビデオテープレコーダ
等の記録再生装置に装着したときにこの装置側に
設けられたテープ引出し機構が臨むテープ引出し
機構進入用凹部６が形成されている。この凹部６
の両側にはテープ引出し用窓部７，８が開設さ
れ、上記テープリール４，５間に亘つて巻装され
た磁気テープ９が上記窓部７，８を介してカセツ
ト本体３の外方に引出され、上記テープ引出し機
構進入用凹部６内に延在されて走行通過されるよ
うになされている。上記テープ引出し用窓部７，
８内の上記凹部６を区画する支切壁側に寄つた位
置には、テープ走行ガイド用のガイドピン１０，
１０が植立されている。

なお、上記各テープリール４，５は、中心部に
設けたリールハブ部が下ハーフ２に開設される開
口部を介して進入する記録再生装置側のリール軸
と嵌合係止されてこのリール軸と一体に回転駆動
されて磁気テープ９の繰り出し又は巻取りをな
す。

そして、本発明に係るテープカセツトのカセツ
ト本体３には、上記テープ引出し機構進入用凹部
６を開閉自在に覆い、この凹部６内に延在する磁
気テープ９を覆う前面蓋１１を回転自在に枢支す
るための一対の保持部１２，１２が、両側壁１
３，１４よりも内方側位置であつて、テープ引出
し用窓部７，８の外方側位置に形成されている。
これら保持部１２，１２は、カセツト本体３の前
面側から各一対の垂直壁１２ａ，１２ｂを平行と
なるように立設するとともに、これら各垂直壁１
２ａ，１２ｂの間部１２ｃをカセツト本体３の前
面側及び上面側に開口させて、溝状の凹部として
形成されている。

これら保持部１２，１２を介して取付けられる
前面蓋１１は、左、右両端に直交するように回動
アーム部１５，１５が折曲連設されている。これ
ら回動アーム部１５，１５は、前面蓋１１をカセ
ツト本体３に対し回動自在に枢支するように先端
付近の内方側面に軸部１６が一体成形により突設
されている。そして、保持部１２の一方の垂直壁
１２ａに開設された軸穴１７に回動自在に嵌合さ
れている。なお、上記軸穴１７はカセツト本体３
を構成する上ハーフ１と下ハーフ２の突き合せ部
間に形成するようにしておけば、上記各ハーフ１
及び２を組付けるときに前面蓋１１の軸部１６を
予め適合させておくことにより容易に嵌合でき
る。

また、前記各回動アーム部１５，１５の先端縁
形状及び保持部１２内形状は第２図に示すように
前記軸部１６を中心とする回転円弧上に形成して
おくのが好ましい。

また、軸部１６には捩りコイルスプリング１７
ａが巻回され、前面蓋１１はカセツト本体３の前
面側を閉蓋する方向に回動付勢されている。

なお、前面蓋１１とカセツト本体３間には、図
示しないが蓋ロツク機構が設けられ、閉蓋状態に
おいて、上記前面蓋１１をカセツト本体３にロツ
クするようになされている。

また、カセツト本体３内の各保持部１２，１２
と両側壁１３，１４とによつて挟まれた空間内に
は、各テープリール４，５のリールフランジ部４
ａ，５ａの外周縁に該設された係合凹部１８に係
合し、上記前面蓋１１が閉蓋状態にあるとき、上
記テープリール４，５をロツクしてここに巻装さ
れる磁気テープ９の巻きほぐれを防止するリール
ロツク手段を構成するリールロツクレバー２１が
回動自在に取付けられている。このリールロツク
レバー２１は、先端側にテープリール４，５の係
合凹部１８に係合するロツク爪２２を有し、基端
側に筒状の枢支部２３を有し、この枢支部２３を
下ハーフ２に植立した枢支ピン２４に挿通支持さ
せることによりカセツト本体３に回動自在に取付
けられる。そして、上記リールロツクレバー２１
は、枢支部２３に巻回され、一端を下ハーフ２の
ボス部２５に一端を係止させ他端をリールロツク
レバー２１の中途部上端に突設した係止突片２６
に係止させた捩りコイルスプリング２７によりテ
ープリール４，５側へ回動付勢されている。ま
た、枢支部２３の一側には、リールロツクレバー
２１と直交するように回動操作片２８がカセツト
本体３の内方へ突設されている。

一方、前面蓋１１の各回動アーム部１５，１５
の外方側面には、軸部１６と同軸に上記回動操作
片２８を押圧する操作子２９を突設した回動操作
軸３０がリールロツクレバー２１の回動操作片２
８と対向するように突設されている。上記操作子
２９は、回動操作軸３０の一側に植立するように
突設されている。この操作子２９は、前面蓋１１
の開蓋動作に連動してリールロツクレバー２１の
回動操作片２８を押圧してロツク爪２２をテープ
リール４，５の係合凹部１８から解除するに足る
長さを有している。そして、上記操作子２９は、
前面蓋１１が第１図に示すように閉蓋状態にある
ときに、上記回動操作片２８に当接しないカセツ
ト本体３の上方へ突出する位置関係を有するよう
に回動操作軸３０に突設される。

すなわち、本発明に係るテープカセツトのリー
ルロツク解除機構は、前面蓋１１に設けられる回
動操作軸３０と、この回動操作軸３０に突設され
る操作子２９と、リールロツクレバー２１に突設
された回動操作片２８とから構成される。

そして、本発明に係るテープカセツトは、記録
再生装置に装着されて蓋ロツク機構のロツクが解
除されると前面蓋１１が軸部１６を中心にして回
動され、テープカセツト本体３の前面側に臨む磁
気テープ９をテープ引出し機構進入用凹部６に延
在する位置で外部に露出され、テープ引出し機構
によるテープ引出し操作可能状態となる。そし
て、上記前面蓋１１が第３図に示すように開蓋さ
れていくと、回動操作軸３０も一体に回動され、
操作子２９がリールロツクレバー２１の回動操作
片２８に当接する。さらに、前面蓋１１を開蓋す
ると、操作子２９は上記回動操作片２８を押圧操
作し、第４図に示すようにリールロツクレバー２
１を回動させてロツク爪２２のテープリール４，
５の係合凹部１８からの係合を解除させ、上記テ
ープリール４，５を回動可能状態となす。

〔発明の効果〕

上述のように、本発明は前面蓋をカセツト本体
の両側より内方側位置で枢支するようになし、前
面蓋の枢支部とカセツト本体の両側壁との間の空
間を利用してカセツト本体内に回転自在に支承さ
れたテープリールをロツクするリールロツク手段
のリールロツク解除機構を設けるようになしたの
で、効率良くカセツト本体内に配設できる。さら
に、一対のテープリール間の間隔に比し小さな前
面蓋を設け、その両側にテープ引出し窓部を設け
るようにしたものであつても、各テープリールか
ら引出される磁気テープの走行通路を阻害するこ
となくリールロク手段及びリールロツク解除機構
の配設ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るテープカセツトの下ハー
フ側を示す平面図であり、第２図は上記テープカ
セツトの側面図であり、第３図は前面蓋を開蓋し
た状態の側面図であり、第４図は前面蓋を開蓋し
た状態の要部平面図である。 ３……カセツト本体、４，５……テープリー
ル、６……テープ引出し機構進入用凹部、７，８
……テープ引出し用窓部、９……磁気テープ、１
１……前面蓋、１２……保持部、１５……回動ア
ーム部、２１……リールロツクレバー、２２……
ロツク爪、２８……回動操作片、２９……操作
子、３０……回動操作軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対の上ハーフと下ハーフを突き合せ結合し
   てなるカセツト本体内に一対のテープリールを回
   転自在に支承し、これらテープリール間に亘つて
   テープ体を巻装するとともに、上記カセツト本体
   の前面側にテープ引出し機構進入用凹部とこの凹
   部の両側に位置して一対のテープ引出し用窓部を
   設け、上記テープリール間に亘つて巻装されるテ
   ープ体を上記窓部間に亘つて引出し上記凹部に沿
   つて延在させ、さらに上記カセツト本体の前面側
   に上記凹部に沿つて延在するテープ体を覆う前面
   蓋を回動自在に取付けたテープカセツトにおい
   て、上記前面蓋は、その両側に折曲連設された回
   動アーム部が上記カセツト本体の両側壁より内方
   側に形成した保持部内に枢支され上記カセツト本
   体に回動自在に取付けられるとともに、上記回動
   アーム部の外側であつて且つカセツト本体の上記
   側壁の内側に、上記前面蓋の回動に連動して上記
   テープリールのリールロツク手段のロツク解除を
   行なうリールロツク解除機構を設けてなるテープ
   カセツト。