JPH0419653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、テープカセツトに関し、特にカセツ
ト本体内に巻装されている磁気テープをテープ引
出し機構を介してカセツト本体外方に引出し、回
転磁気ヘツド装置に巻回して記録再生を行なうビ
デオテープレコーダ等に用いられるテープカセツ
トに関する。

〔従来の技術〕

従来、回転磁気ヘツド装置を有するビデオテー
プレコーダ等の磁気記録再生装置にあつては、テ
ープカセツト内に巻装された磁気テープをテープ
引出し機構を介して引出し、回転磁気ヘツド装置
に巻回するようにしている。そのため、この種の
磁気記録再生装置に用いられるテープカセツトに
あつては、磁気テープは、その一部をカセツト本
体の前面側外方に延在させた状態でカセツト本体
内に巻装されている。このように磁気テープの一
部がカセツト本体外方に臨むテープカセツトにあ
つては、持ち運び時や保管時における磁気テープ
の保護を図るため、カセツト本体外方に臨む磁気
テープを覆う開閉蓋が設けられている。

そして、上述のような磁気記録再生装置に用い
られるテープカセツトにあっては、磁気テープの
一部が外方に臨む前面側にテープ引出し機構が臨
む凹状のテープ引出し機構進入部が形成されてい
るため、上記磁気テープの前面側のみを開閉蓋で
覆つただけでは、磁気テープの背面側に大きく開
口するテープ引出し機構進入部から手指等を臨ま
せ上記磁気テープに触れることができ、磁気テー
プの十分な保護が達成できない。

そこで、テープカセツト本体の外方に臨む磁気
テープの前面側を覆う前面蓋と連動して回動操作
され、上記磁気テープの背面側を覆う背面蓋を設
け、上記前面蓋と背面蓋とで磁気テープを挾持す
るように覆い、閉蓋時に磁気テープが一切外方に
臨まないように構成したテープカセツトが提供さ
れている。

従来提供されているこの種のテープカセツト
は、開蓋時に背面蓋が前面側の外側にスライドし
て突出する構造を有するため、磁気記録再生装置
に装着するときに、上記背面蓋が突出する領域を
確保持して圧着支持する必要があり、カセツト支
持手段による支持領域を大きく取ることができ
ず、安定して装着することができない。また、背
面蓋が前面蓋の外側へ突出するため、背面蓋のみ
が外側から開かれてしまい磁気テープの保護が十
分でなくなる。さらに、前面蓋の機械的強度も十
分でなくなる。

このような問題点を解決するため、背面蓋が前
面蓋内から外側に突出することなく、前面蓋内で
回動し磁気テープを覆うように構成したものが提
案されている。しかし、先に提案されているこの
種のテープカセツトにあつては、背面蓋を前面蓋
内で回動可能となすため、閉蓋した状態で前面蓋
と背面蓋間に隙間が生じ、塵芥等が侵入し磁気テ
ープを汚損させてしまう等して十分な磁気テープ
の保護が達成できない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、本考案は、開蓋時に背面蓋が前面蓋の
外側へ突出することなく、前面蓋内で回動し得る
ように構成されたテープカセツトにおいて、閉蓋
時に前面蓋と背面蓋間に塵芥等の侵入する隙間が
生ずることなく、磁気テープの保護を十分に行な
い得るようにしたテープカセツトを提供しようと
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、一対の上ハーフと下ハーフを突き合
わせ結合してなるカセツト本体内に回転自在に支
承される一対のテープリールと、上記カセツト本
体内の前面側両側に設けられたテープ体引出し窓
からカセツト本体外方に引出され該カセツト本体
前面側に延在されて上記テープリール間に亘つて
巻装されるテープ体と、上記カセツト本体に回動
自在に支持され少なくとも上記カセツト本体の前
面側に延在するテープ体を覆う前面蓋と、この前
面蓋に回動自在に支持され上記テープ体の背面側
を覆う背面蓋とを有するテープカセツトにおい
て、上記前面蓋の背面側に上記カセツト本体の前
面と直交するように設けられ上記背面蓋の両端に
設けられた枢支部を枢支する一対の支持片と、上
記背面蓋の上端に近接した位置に配置され、上記
一対の支持片間を連結する上記カセツト本体の前
面と平行な連結片を設けてなるものである。

〔作用〕

本考案は、背面蓋が枢支される前面蓋に設けら
れる一対の支持片間を連結する連結片を設けてな
るので、のこ連結片により上記前面蓋と背面蓋間
に生ずる隙間を覆つて防塵を達成できる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

本考案によるテープカセツトは、第２図に示す
ように一対の上ハーフ１と下ハーフ２を突き合せ
結合して構成されるカセツト本体３を有してい
る。このカセツト本体３内には、一対のテープリ
ール４，５が回転自在に支承されている。これら
テープリール４，５間には、テープ体である磁気
テープ６が巻装されている。この磁気テープ６
は、カセツト本体３の前面側両端に設けられた図
示しないテープ体引出し窓からカセツト本体３の
外方へ引出され、該カセツト本体３の前面側に延
在されて一方のテープリール４から他方のテープ
リール５に亘つて巻装されている。従つて、磁気
テープ６は、カセツト本体３の前面側部分に於い
てカセツト本体３の外方へ臨まされている。ま
た、カセツト本体３の磁気テープ６が外方に臨む
前面側のテープ体引出し窓間の部分には、このテ
ープカセツトが装着されるビデオテープレコーダ
等の磁気記録再生装置に設けられるテープ引出し
機構が進入するテープ引出し機構進入部７が形成
されている。このテープ引出し機構進入部７は、
カセツト本体３の前面側を凹状にくぼませて構成
されているため、テープ体引出し窓間に亘つて延
在する磁気テープ６の背面側はカセツト本体３の
底面側から大きく開口されている。

そして、カセツト本体３の前面側には、この前
面側を覆つて磁気テープ６の前面を覆う前面蓋８
が回動自在に支持されている。この前面蓋８は、
第１図に示すように、カセツト本体３の前面部の
厚さに略等しい高さを有する前面板９と、この前
面板９の上端側に直交して設けられる上面板１０
と、これら前面板９と上面１０の両端に設けられ
た側面板１１，１１とから構成されている。これ
ら側面板１１，１１は、前面蓋８をカセツト本体
３に取付けたときの回転アーム部と作用し、先端
側は円弧状部となされている。上記各側面板１
１，１１の内側面側には、支軸１２が植立されて
いる。そして、前面蓋８は、カセツト本体３の両
側壁の前面側に設けられた係合孔に支軸１２を係
合させてカセツト本体３の前面側に回動自在に取
付けられる。なお、カセツト本体３内には蓋ロツ
ク爪１３が設けられ、前面蓋８を閉蓋したときに
側面板１１，１１に穿設された係合孔１４に係合
し、この前面蓋８をロツクするように構成されて
いる。

上記前面蓋８の背面側には、第１図に示すよう
に上方側を傾斜させ、テープ引出し機構進入部７
の幅に略等しい背面蓋１５が回動自在に取付けら
れる。この背面蓋１５は、上方側の傾斜部の両側
に設られた段差部１６，１６に突設したピン状の
枢支部１７，１７を、前面蓋８の前面板９の背面
側にこの前面板９に直交するように設けられた支
持片１８，１８に突設した係合孔１９，１９に枢
支して上記前面蓋８に回動自在に取付けられる。
上記背面蓋１５の下方側両側には、テープ引出し
機構進入部７の相対向する両側壁の高さ方向に亘
つて設けられたスライドガイド溝２０に係合する
ガイドピン２１，２１を外方側側面に突設した支
持アーム２２，２２が突設されている。また、背
面蓋１５の下端縁には、前面蓋８とともにカセツ
ト本体３の前面側を閉蓋したときに、第３図に示
すように、上記前面蓋８との間に磁気テープ６が
保持されるに足る空間を形成するように上記前面
蓋８に突き当り上記背面蓋１５の閉蓋時における
位置決めをなすとともに、前面蓋８と背面蓋１５
の下端縁側を密閉する位置決め片２３が幅方向全
幅に亘つて突設されている。

また、背面蓋１５を支持する支持片１８，１８
間には、前面蓋８の前面板９と平行に上記支持片
１８，１８を連結する連結片２５が設けられてい
る。なお、この連結片２５は、上縁側を前面蓋８
の上面板１０に連設されている。従つて、前面板
８に取付けられた背面蓋１５の上方側部分は、支
持片１８，１８と連結片２０で囲まれ、さらに背
面蓋１５の上方側の傾斜部１５ａの上端縁が第３
図に示すように連結片２５の内側面に当接するよ
うに形成されているので、磁気テープ６が保持さ
れる空間は、閉蓋時に略密閉された状態とされ
る。

上述のように構成された前面蓋８及び背面蓋１
５は、前述した蓋ロツク爪１３の係合を解除する
ことにより回動自在となつて開蓋可能状態とな
る。そして、前面蓋１５を支軸１２を中心にして
回動させて、第４図に示すように開蓋していく
と、背面蓋１５も上記前面蓋１５に追随して枢支
部１７，１７を中心にして回動して開蓋してい
く。ところで、背面蓋１５は、ガイドピン２１，
２１をカセツト本体３に設けたスライドガイド溝
２０に係合させているため、このスライドガイド
溝２０に規制されて開蓋している。このスライド
ガイド溝２０は、第４図に示すように、下端側か
ら徐々に前面蓋８から離間し上端側で再び上記前
面蓋８に近接するような曲線状のカム溝として形
成されている。従つて、開蓋を始めと、背面蓋１
５の位置決め片２３を前面蓋８から離間させてい
く。そして、背面蓋１５は、第４図に示すように
磁気テープ６に接触することなく該磁気テープ６
を外方へ臨ませるように開蓋される。さらに前面
蓋８を開蓋すると、背面蓋１５は第５図に示すよ
うに前面蓋８とともにカセツト本体３の上面側へ
回動され、カセツト本体３の前面側を開放し、磁
気テープ６の引出し可能状態をなす。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案は、開蓋時に背面蓋が
前面蓋の外方へ突出することなく、前面蓋内で回
動するテープカセツトにおいて、背面蓋を支持す
る前面蓋に設けられた支持片間に連結片を設け、
背面蓋の前面蓋への取付け側を略密閉し得る構成
となしたので、確実な防塵を行ない磁気テープ等
のテープ体の保護を確実になすことができる。

さらに、背面蓋を支持する一対の支持片は、テ
ープ体面に直交する方向に突設され、且つ連結片
で連結されてなるので、前面蓋の強度の向上を達
成するとともに、テープ体面に直交する方向への
傾き及びテープ体の長手方向への倒れ等の変形が
防止される。そして、上記支持片の変形が防止さ
れることから、これら支持片に支持される背面蓋
は円滑な回動が保証されるとともに上記支持片か
らの外れが防止され確実に支持されるので、カセ
ツト本体内のテープ体の保護を確実に達成し得る
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を構成する前面蓋と背面蓋を示
す分解斜視図であり、第２図は本考案によるテー
プカセツトを示す外観斜視図であり、第３図は前
面蓋及び背面蓋部分の断面図であり、第４図及び
第５図は開蓋操作状態を示す部分断面図である。 ３……カセツト本体、６……磁気テープ、８…
…前面蓋、１５……背面蓋、１７……枢支部、１
８……支持片、２５……連結片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の上ハーフと下ハーフを突き合わせ結合し
   てなるカセツト本体内に回転自在に支承される一
   対のテープリールと、上記カセツト本体内の前面
   側両側に設けられたテープ体引出し窓からカセツ
   ト本体外方に引出され該カセツト本体前面側に延
   在されて上記テープリール間に亘つて巻装される
   テープ体と、上記カセツト本体に回転自在に支持
   され少なくとも上記カセツト本体の前面側に延在
   するテープ体を覆う前面蓋と、この前面蓋に回動
   自在に支持され上記テープ体の背面側を覆う背面
   蓋とを有するテープカセツトにおいて、上記前面
   蓋の背面側に上記カセツト本体の前面と直交する
   ように設けられ上記背面蓋の両端に設けられた枢
   支部を枢支する一対の支持片と、上記背面蓋の上
   端に近接した位置に配置され、上記一対の支持片
   間を連結する上記カセツト本体の前面と平行な連
   結片とを有することを特徴とするテープカセツ
   ト。