JPH05347212A - 薄膜電子部品及びその製造方法 - Google Patents

薄膜電子部品及びその製造方法

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JPH05347212A
JPH05347212A JP17913692A JP17913692A JPH05347212A JP H05347212 A JPH05347212 A JP H05347212A JP 17913692 A JP17913692 A JP 17913692A JP 17913692 A JP17913692 A JP 17913692A JP H05347212 A JPH05347212 A JP H05347212A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性を確保するための主導体薄膜として安
価で導電性の良い銅薄膜を採用した場合の問題点を、銅
薄膜の上下に別金属の薄膜を設けることで解決し、安価
で信頼性の高い薄膜導電層を基板上に形成可能とする。 【構成】 絶縁基板10又は絶縁膜上にクロム薄膜1
1、銅薄膜12、ニクロム薄膜13の順に積層して薄膜
導電層を形成した構成であり、クロム薄膜11で基板1
0への付着性を改善し、ニクロム薄膜13で絶縁膜を設
けたときの銅薄膜12の酸化等を防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜コイル、薄膜コン
デンサ、薄膜抵抗等の薄膜電子部品及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平3−201417号及び特
開平3−240210号等で、高周波コイルの導体を蒸
着、スパッタ、イオンプレーティング等の薄膜技術で形
成することが提案されている。
【0003】図11は、薄膜電子部品の1例として薄膜
チップコイルを構成した場合を示す。この図において、
1はセラミック、ガラス、又はこれらの複合材料等の絶
縁基板であり、この上に引き出し導電層2、ポリイミド
等の塗布型有機絶縁樹脂である層間絶縁層3、渦巻き状
コイル部分及び端部電極部分を有する導電層4、層間絶
縁層5、導電層4と同様のパターンの導電層6、及び保
護膜7が順次積層し形成されている。そして、最後に、
端子電極8がめっき等で形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、高周波コイル等
の導電層を、蒸着、スパッタ、イオンプレーティング等
の薄膜技術による導体薄膜で構成する場合、導体薄膜と
して導電性の良好な、銀、銅等を用いることが考慮され
るが、銀、銅はセラミック、ガラス、又はこれらの複合
材料等の絶縁基板に対する密着性に問題があり、さらに
銀は高価であり、銅は層間絶縁に用いるポリイミド等の
塗布型有機絶縁膜により酸化され易い問題もある。
【0005】本発明は、上記の点に鑑み、導電性を確保
するための主導体薄膜として安価で導電性の良い銅薄膜
を採用し、銅薄膜の絶縁基板への付着性の問題や銅薄膜
の酸化の問題は銅薄膜の上下に別金属の薄膜を設けるこ
とで解決し、信頼性が高く安価な薄膜電子部品及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の薄膜電子部品は、絶縁基板又は絶縁膜上に
クロム薄膜、銅薄膜、ニクロム薄膜の順に積層して薄膜
導電層を形成した構成としている。
【0007】また、本発明の薄膜電子部品の製造方法
は、絶縁基板又は絶縁膜上にクロム薄膜、銅薄膜、ニク
ロム薄膜の順に薄膜技術で積層した後、ニクロム薄膜、
銅薄膜、クロム薄膜の順に異なるエッチング剤を用いて
所定のパターン形状にエッチングして薄膜導電層を形成
する工程を備えている。
【0008】
【作用】本発明では、薄膜導電層の導電性を確保するた
めの主導体薄膜として銅薄膜を用いると共に、セラミッ
ク、ガラス、又はこれらの複合材料等の絶縁基板に対す
る銅薄膜の付着性の悪さは、銅薄膜の下地としてクロム
薄膜を絶縁基板上に薄膜技術で形成しておくことで解決
している。また、銅薄膜上に層間絶縁又は保護コートと
してポリイミド等の塗布型有機絶縁膜を設ける場合の銅
薄膜の酸化や塗布型有機絶縁膜の変質の問題は、銅が拡
散しにくいニクロム薄膜を銅薄膜上に薄膜技術で形成す
ることで解決している。さらに、銅薄膜をクロム薄膜や
ニクロム薄膜に比して厚く形成した場合、エッチング剤
で銅薄膜をエッチングする時間が長くなり、銅薄膜の厚
み方向と同じように幅方向もエッチングされて幅が狭く
なる結果、先にエッチングした上層のニクロム薄膜より
も中間層の銅薄膜の幅が狭くなる問題が発生するが、こ
の問題は、下層のクロム薄膜をエッチングした後に、上
層のニクロム薄膜を再度エッチングして銅薄膜の幅に揃
えることで解消できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る薄膜電子部品及びその製
造方法の実施例を図面に従って説明する。
【0010】図1乃至図7において本発明の第1実施例
を説明する。まず、図1に示すように、セラミック、ガ
ラス、又はこれらの複合材料等の絶縁基板10上にセラ
ミックやガラスに対して密着性(付着性)の良好なクロ
ム(Cr)薄膜11を蒸着、スパッタ、イオンプレーテ
ィング等の薄膜技術で形成し、その上に導電性を確保す
るために充分厚く銅(Cu)薄膜12を同様の薄膜技術
で形成し、さらにその上に銅の酸化及び拡散防止のため
のニクロム(Ni−Cr)薄膜13を形成する。ここで、
クロム薄膜11の膜厚は50〜2000Å、銅薄膜12
の膜厚は数千〜数万Å、ニクロム薄膜13の膜厚は50
〜2000Å程度である。また、ニクロム薄膜は、ニッ
ケルが80重量%でクロムが20重量%の組成のもので
ある。
【0011】次いで、図2に示すように、ホトリソグラ
フ技術により所定のパターンでレジスト15を上層のニ
クロム薄膜13上に形成する。すなわち、ニクロム薄膜
上の全面にレジストを塗布した後に露光、現像処理する
ことで所定のパターンのレジスト15を残す。
【0012】それから、ニクロムを溶融除去可能なエッ
チング剤(エッチング液)で図3の如く上層のニクロム
薄膜13をエッチング処理してレジスト15で被覆され
ている以外の部分を除去する。
【0013】上層のニクロム薄膜13のエッチング処理
後、図4のように、銅を溶融除去可能なエッチング剤
(エッチング液)で中間層の銅薄膜12をエッチング処
理する。その際、銅薄膜12は厚みが大きく、エッチン
グ時間が長くなるため、銅薄膜の厚さ方向のみならず幅
方向もエッチングされてしまうことが図4から判る(ニ
クロム薄膜13が銅薄膜12よりも幅が大きくオーバー
ハングしている。)。
【0014】その後、クロムを溶融除去可能なエッチン
グ剤(エッチング液)で下層のクロム薄膜11を図5の
ようにエッチング処理する。
【0015】図5の状態では、上層のニクロム薄膜13
が銅薄膜12よりも幅広となっているため、ニクロムを
溶融除去可能なエッチング剤(エッチング液)でニクロ
ム薄膜13を再度エッチング処理して図6の如くニクロ
ム薄膜13のオーバーハングをなくして銅薄膜12と同
程度の幅とする。
【0016】このとき、仮に上層のニクロム薄膜の代わ
りにクロム薄膜(下層と同じ)が採用されている場合に
は、上層のオーバーハング除去時に下層のクロム薄膜1
1まで除去されてしまうため、オーバーハング除去がで
きない問題が発生するが、下層のクロム薄膜11と異な
るエッチング剤を使用可能なニクロム薄膜13で上層を
構成することで上層のオーバーハング除去を効果的に実
行できる。この結果、後工程のポリイミド等の塗布型有
機絶縁樹脂による層間絶縁層の形成時に、オーバーハン
グ部分に気泡が溜まったりする問題を除去できる。
【0017】その後、図7のように、レジスト15を剥
離液で剥離、除去する。
【0018】図1乃至図7の工程により、絶縁基板10
に対する密着性が良好で、層間絶縁層による酸化、変質
の不具合のない信頼性の高い安価な薄膜導電層20が得
られる。また、銅薄膜12の厚みが大きい場合に発生す
る上層のニクロム薄膜13のオーバーハングを除去する
ことができ、信頼性のより一層の向上を図り得る。
【0019】図8乃至図10は本発明の第2実施例であ
って、上記第1実施例に示した薄膜導電層と、これと同
様の積層構造を持つ薄膜導電層とを層間絶縁層のコンタ
クトホールを介して接続する場合を示す。
【0020】まず、図8のように、絶縁基板10上に第
1実施例と同様に薄膜技術で順次積層して形成されたク
ロム薄膜11、銅薄膜12及びニクロム薄膜13の3層
からなる第1の薄膜導電層20上にポリイミド等の塗布
型有機絶縁樹脂による層間絶縁層21を形成する。この
場合、層間絶縁層21のコンタクトホール22の形成は
ホトリソグラフ技術によって行うことができる。
【0021】次に、ニクロムを溶融除去可能なエッチン
グ剤(エッチング液)でニクロム薄膜13をエッチング
処理して図9の如くコンタクトホール22に面したニク
ロム薄膜部分を除去する。
【0022】それから、層間絶縁層21上に(コンタク
トホール22上も含めて)、上述の第1実施例の場合と
同様にして薄膜技術にてクロム薄膜11、銅薄膜12及
びニクロム薄膜13の3層からなる第2の薄膜導電層2
3を形成する。
【0023】図8乃至図10に示した第2実施例の構成
とすれば、コンタクトホール22のニクロム薄膜13が
除去されているため、コンタクトホール22では第1の
薄膜導電層20の銅薄膜12に第2の薄膜導電層23の
クロム薄膜11が接合するため、クロムが銅中に拡散す
るととにクロム中に銅が拡散する相互拡散現象が生じ、
接合部分の抵抗を小さくすることができる。
【0024】なお、上記の第1及び第2実施例の構成
は、薄膜コイル、薄膜コンデンサ、薄膜抵抗等の薄膜電
子部品に採用できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導電性を確保するための主導体薄膜として安価で導電性
の良い銅薄膜を採用し、銅薄膜の絶縁基板への付着性の
問題は銅薄膜の下層にクロム薄膜を、銅薄膜の酸化の問
題は銅薄膜の上にニクロム薄膜を薄膜技術で設けること
で解決し、信頼性が高く安価な薄膜導電層を有する薄膜
電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜電子部品及びその製造方法の
第1実施例を説明するもので、クロム薄膜、銅薄膜、ニ
クロム薄膜の順に絶縁基板上に形成する工程を示す断面
図である。
【図2】上層のニクロム薄膜上にレジストを設ける工程
を示す断面図である。
【図3】上層のニクロム薄膜をエッチング処理する工程
を示す断面図である。
【図4】中間層の銅薄膜をエッチング処理する工程を示
す断面図である。
【図5】下層のクロム薄膜をエッチング処理する工程を
示す断面図である。
【図6】上層のニクロム薄膜を再度エッチング処理する
工程を示す断面図である。
【図7】レジストを除去する工程を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施例であって第1の薄膜導電層
上にコンタクトホールを有する層間絶縁層を設ける工程
を示す断面図である。
【図9】コンタクトホールに面するニクロム薄膜をエッ
チング処理する工程を示す断面図である。
【図10】層間絶縁層上に第2の薄膜導電層を形成する
工程を示す断面図である。
【図11】薄膜電子部品の1例として薄膜チップコイル
を示す断面構造図である。
【符号の説明】
1,10 絶縁基板 11 クロム薄膜 12 銅薄膜 13 ニクロム薄膜 20,23 薄膜導電層 21 層間絶縁層 22 コンタクトホール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板又は絶縁膜上にクロム薄膜、銅
    薄膜、ニクロム薄膜の順に積層して薄膜導電層を形成し
    たことを特徴とする薄膜電子部品。
  2. 【請求項2】 絶縁基板又は絶縁膜上にクロム薄膜、銅
    薄膜、ニクロム薄膜の順に積層して形成した第1の薄膜
    導電層と、第1の薄膜導電層を被覆する如く形成された
    絶縁層上にクロム薄膜、銅薄膜、ニクロム薄膜の順に積
    層して形成した第2の薄膜導電層とを少なくとも備え、
    前記第1及び第2の薄膜導電層の接続部分では前記第1
    の薄膜導電層のニクロム薄膜が除去され、当該第1の薄
    膜導電層の銅薄膜上に前記第2の薄膜導電層のクロム薄
    膜が接合されていることを特徴とする薄膜電子部品。
  3. 【請求項3】 絶縁基板又は絶縁膜上にクロム薄膜、銅
    薄膜、ニクロム薄膜の順に薄膜技術で積層した後、ニク
    ロム薄膜、銅薄膜、クロム薄膜の順に異なるエッチング
    剤を用いて所定のパターン形状にエッチングして薄膜導
    電層を形成することを特徴とする薄膜電子部品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記クロム薄膜のエッチング後に、前記
    銅薄膜の幅よりも突出した前記ニクロム薄膜部分をエッ
    チング剤を用いてエッチングして前記銅薄膜と同程度の
    幅に揃える工程を備える請求項3記載の薄膜電子部品の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005159222A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Tdk Corp 薄膜コモンモードフィルタ及び薄膜コモンモードフィルタアレイ
JP2005159223A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Tdk Corp 薄膜コモンモードフィルタ及び薄膜コモンモードフィルタアレイ
US7207096B2 (en) * 2004-01-22 2007-04-24 International Business Machines Corporation Method of manufacturing high performance copper inductors with bond pads

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