JPH053471Y2 - - Google Patents

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JPH053471Y2
JPH053471Y2 JP16917487U JP16917487U JPH053471Y2 JP H053471 Y2 JPH053471 Y2 JP H053471Y2 JP 16917487 U JP16917487 U JP 16917487U JP 16917487 U JP16917487 U JP 16917487U JP H053471 Y2 JPH053471 Y2 JP H053471Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、粉粒体を気流搬送母管から多数の搬
送支管(以下、単に支管という)に、均一に分け
る粉粒体の分配装置、詳しくは、鉛直方向の粉粒
体搬送母管に略直角のベンドを接続した粉粒体の
分配装置に関するものである。
〔従来の技術〕
流動床へ石炭を供給する場合、通常、流動床の
床面積1〜3m2当り1本の給炭管を設けている。
大型の流動床になると、床面積は数百m2にもな
り、給炭管の数も数百本となる。それぞれの給炭
管に石炭の切出し装置を設けることは、経済的に
も、設備の配置も困難であるので、通常は、分配
器を設けて多数の支管に分配して、給炭する方式
が採用されている。
分配器としては、実公昭41−21135号公報に開
示されているものが知られている。この分配器は
第13図に示すように、上端を閉止した分配室1
の下部に、鉛直方向の粉粒体搬送母管2を接続す
るとともに、分配室1の側部に支管3を接続した
ものである。
〔考案が解決しようとする問題点〕
実公昭41−21135号公報記載の分配器において
は、粉粒体搬送母管2の断面積よりも分配室1の
断面積が大きいため、分配室内でガス流速が低下
する。
このため、分配室内に不安定な粒子濃度ムラが
生じ、多数の支管に均一に分配できない、すなわ
ち分配精度が悪いという不都合があつた。
この不都合を改良する手段として、第3図に示
すように、分配室4内に逆円錐状のコーン5を設
けて、断面積を狭める方式が有効であることを本
考案者らは知見した。本考案者らの実験によれ
ば、このコーン5の設置によつて、分配精度は向
上した。
支管6の取出し方式として、第3図に示すよう
に、分配室4の端部よりやや内側に取り付ける
と、粉粒体が分配室4の上端角部7に衝突し、い
わゆるエロージヨンによつて材料が摩耗し、長時
間の使用に耐えないという不都合がある。
このため、第4図および第5図に示すように、
支管8の内径と、分配室4とコーン5との間〓1
0が一致するようにすると、円滑な流れとなり、
前述の支管取付部である分配室の上端角部のエロ
ージヨンが解消される。この場合、分配室4の拡
がり角度θ1とコーン5の角度θ2は同じでもよい
が、θ1<θ2として分配室4とコーン5によつてで
きる間〓10の水平断面積が、各位置において同
一になるようにするのが良い。
この場合、第6図および第7図に示すように、
支管8を鉛直に取り付けることもできるが、第4
図および第5図に示すように、分配室4とコーン
5の間〓10で作られた通路の延長線に支管8を
取り付ける方が、ガス流れはより円滑となり、よ
り安定した特性を示す。
しかしながら、本考案者の実施した実験におい
て、逆円錐状のコーンの先端部がエロージヨンに
より摩耗することが認められた。またコーンの先
端部により、粉粒体の分配が最初から決定されて
しまうので、分配精度が良くない場合が生じるこ
とがあつた。
さらに第4図に示すように、分配室4の入口部
aの粒子濃度分布が均一でないと、分配精度は悪
くなる。入口部aの粒子濃度を均一にするために
は、曲り部bの構造と、粉粒体搬送母管2の鉛直
部(直管部)の長さが重要である。曲り部bの構
造として、最も一般的なものは、第4図に示すよ
うなアールベンドであるが、アールベンドでは遠
心力のために、粉粒体は外側に集められて不均一
となり、分配精度は非常に悪くなる。
本考案は上記の諸点に鑑みなされたもので、逆
円錐状のコーンの代りに、略逆円錐台を配設する
とともに、曲り部として略直角のベンドを設ける
ことにより、分配精度が向上し、かつエロージヨ
ンを防止することができる粉粒体の分配装置の提
供を目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案の粉粒体の分配装置は、第1図を参照し
て説明すれば、鉛直方向に上昇する粉粒体搬送母
管2を同心状に拡大して、天井部11を閉止した
略逆円錐状の分配室12を形成し、該分配室12
に粉粒体搬送母管2と同状の略逆円錐台13を、
分配室12の側壁と略逆円錐台13との間に間〓
14が生じるように配置し、この間〓14の天井
部11に内径の等しい支管8を多数配置し、一
方、粉粒体搬送母管の下端に略直角のベンド16
が接続され、粉粒体搬送母管の鉛直部の長さLと
粉粒体搬送母管の内径Dとの比、L/Dを10以上
としたことを特徴としている。
本考案における「略逆円錐台」とは、逆円錐状
のコーンの下部(先端部)をかなり大きく切断
し、この部分に底板を設けて中空状としたもの、
または内部がつまつている状態のものを指称し、
逆円錐状のコーンの製作・加工時に、逆円錐状の
コーンの先端部を少し切除した形状のものを除外
する。
本考案の分配装置において、L/Dが15〜30と
なるようにするのが望ましい。また略直角のベン
ドは、90°のベンド以外に、80°のベンドまたは
100°のベンドでも略同等の効果が得られる。
本考案の分配装置において、分配室出口におけ
る間〓14を支管内径と等しくするのが望まし
い。また分配室の側壁内側と、支管の外側壁の内
側とが同一直線となるようにするのが望ましい。
また支管8の断面積の合計が、粉粒体搬送母管2
よりも大きく、好ましくは1.1〜1.7倍になるよう
にする。
さらに各支管8は天井部11の中心点から等し
い距離に配置され、かつ天井部において各支管中
心間の距離が等しくなるように配置され、各支管
中心間の距離が、支管内径よりも5〜30mm長くす
るのが望ましい。
〔作用〕
水平方向の粉粒体搬送母管17から気流により
搬送された粉粒体は、略直角のベンド16および
鉛直方向の粉粒体搬送母管2を経て分配室12内
に導入され、略逆円錐台13と分配室側壁との間
〓14を通過して、支管8内に均一に分配され
る。この場合、粉粒体は略逆円錐台の底部の平坦
部15に直角方向に衝突するので、エロージヨン
が少なくなり、かつ粉粒体が略直角のベンド16
で遠心力を受ける程度が少なく、鉛直部を上昇す
る間に分散され、さらに略逆円錐台の底部の平坦
部15に衝突することにより、粉粒体が均一化さ
れる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本考案の好適な実施例を
詳細に説明する。ただしこの実施例に記載されて
いる構成機器の形状、その相対配置などは、とく
に特定的な記載がない限りは、本考案の範囲をそ
れらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる
説明例にすぎない。
第1図および第2図は本考案の粉粒体の分配装
置の一実施例を示している。2は鉛直方向に上昇
する粉粒体搬送母管で、この粉粒体搬送母管2を
同心状に拡大して、天井部11を閉止した略逆円
錐状の分配室12を形成し、該分配室12の天井
部11に内径の等しい支管8を多数配置し、さら
に該分配室内に粉粒体搬送母管2と同心状の略逆
円錐台13を、分配室の側壁と略逆円錐台との間
に間〓14が生じるように配置している。15は
略逆円錐台13の底部の平坦部である。
一方、鉛直方向の粉粒体搬送母管2の下端に、
略直角のベンド16を介して水平方向の粉粒体搬
送母管17が接続され、鉛直部の長さLと鉛直方
向の粉粒体搬送母管の内径Dとの比、L/Dが10
以上となつている。
水平方向の粉粒体搬送母管17により気流搬送
されてきた粉粒体は、略直角のベンド16で鉛直
方向に方向転換されるが、このとき、アールベン
ドのように遠心力により外側に集められる度合が
少なく、粉粒体は鉛直部を上昇する間にも分散さ
れ、鉛直部長さLが長い程、均一に分散される。
母管内径Dとの比をL/Dとすれば、第12図に
示すように、L/Dが大きい程、分配精度は良く
なるが、L/Dを30以上としても、その効果が少
なく、L/Dとしては15〜30とするのが好まし
い。
粉粒体を気流搬送する場合、安定した空気搬送
を行うために必要な最低流速があり(以下、最低
流速という)、それは主に粉粒体の性状と搬送管
の内径によつて異なり、同一粉粒体であれば、搬
送管の直径によつて異なる。その関係を第9図に
示している。すなわち、搬送管の管径が小さくな
ると、より遅い流速でも安定した搬送が可能であ
ることを示している。
一方、搬送管のエロージヨン(摩耗)は、一般
的に流速の2〜3乗に比例して増加するので、エ
ロージヨンを少なくするためには、流速が遅い程
良い。このため、搬送母管から多数の支管に分配
するとき、搬送母管の断面積と支管の断面積の合
計とが同一であれば、搬送母管と支管のガス流速
は同一となる。しかしながら、支管の直径は小さ
いので、搬送母管よりも遅いガス流速で安定して
搬送できる。したがつて、支管のガス流速を搬送
母管よりも遅くして、エロージヨンを抑制するこ
とができる。さらに流速を遅くすることによつ
て、圧力損失を少なくすることができる。
たとえば、10mmアンダーの石炭を、搬送母管流
速25m/secで搬送し、第1図に示す分配装置で
支管に分配する場合、支管の断面積を搬送母管よ
りも25%多くすると、支管の流速は20m/secと
なり、エロージヨンは(20/25)3=0.512で約半
分となり、圧力損失は(20/25)2=0.64で約2/3
となる。
このように、エロージヨン、圧力損失を大幅に
低減し、安定した搬送ができる。なお支管断面積
を搬送母管の断面積の2倍にしても、搬送は可能
であつたが、安定した搬送を行うためには1.7倍
以下が好ましい。
第2図に示すように、各支管8は、天井部11
の中心点から等しい距離、すなわち同一半径に中
心点があるように配置され、天井部において、各
支管中心間の距離lが等しくなるように、すなわ
ち中心点から同一の角度θ3になるように配置して
(この例では45°)、支管中心間の距離lが、支管
内径dから2dの範囲となるように支管を密に配
置する。このことによつて分配室12は小さくな
り、分配室の断面積が小さくなつて、流速の低下
度合が少なくなり、安定した高い分配精度が得ら
れる。
支管8は第10図に示すように、支管の肉厚t
を共有するように配置するのが最も密に配置する
ことになる。肉厚tはエロージヨンに耐える厚さ
が必要であり、通常5mm以上が必要である。この
ような構造は、通常鋳物で実施される。一方、支
管を天井部に溶接する構造の場合は、第11図に
示すように、支管8表面間の距離l1として、10mm
程度以上が必要となる。
このように支管中心間の距離lは、好ましくは
支管内径dよりも5〜30mm長くすることによつ
て、性能のよい分配装置が得られる。
つぎに本考案者らが実施した実施例について説
明する。
実験例 1 2mmアンダーの石炭を第8図に示す分配装置に
供給した。すなわち、内径41mmの粉粒体搬送母管
2から16本の内径11mmの支管8に分配した。分配
室4の拡がり角度は60°、水平搬送母管に曲り半
径200mmのベンドを取り付けて鉛直とし、鉛直部
のL/Dは20、母管流速は14m/secであつた。
その結果、±60%の分配精度となり、分配精度
としては悪い値であつた。この場合、分配室内に
粒子の濃度分布が生じていた。
実験例 2 2mmアンダーの石炭を第4図に示すコーンを備
えた分配装置に供給した。粉粒体搬送母管2の内
径は41mm、支管8の内径は11mmで、本数は16本で
あつた。また分配室の拡がり角度θ1は60°、コー
ンの角度θ2も60°、水平搬送母管に曲り半径200mm
のベンドを取り付けて鉛直とし、鉛直部のL/D
は20、母管流速は14m/secであつた。
その結果、±35%の分配精度が得られ、分配精
度が向上し、分配室内にも粒子の濃度分布は生じ
なかつた。
しかしながら、さらに分配精度の向上が必要で
あり、また逆円錐状のコーンの先端部にエロージ
ヨンによる摩耗が認められた。
実験例 3 2mmアンダーの石炭を第1図に示す略逆円錐台
13を備えた分配装置に供給した。ただし、水平
搬送母管に半径200mmのアールベンドを取り付け
た。粉粒体搬送母管の内径は41mm、支管の内径は
11mmで、本数は16本であつた。また分配室の拡が
り角度は60°、略円錐台の角度は60°、鉛直部の
L/Dは20、母管流速は14m/sであつた。その
結果、分配精度は±10%に向上した。
実験例 4 2mmアンダーの石炭を第1図に示す略逆円錐台
13を備えた分配装置に供給した。粉粒体搬送母
管の内径は41mm、支管の内径は11mmで、本数は16
本であつた。また分配室の拡がり角度は60°、略
逆円錐台の角度も60°、鉛直部のL/Dは20、母
管流速は14m/secであつた。
その結果、分配精度は±5%と大幅に向上し、
エロージヨンも少なく、性能の良い分配装置が得
られた。
〔考案の効果〕
本考案の粉粒体の分配装置は上記のように構成
されているので、アールベンドを用いる場合に比
べて、分配精度が大幅に向上し、かつ内部のエロ
ージヨンが少なく、きわめて高い性能で、粉粒体
を均一に分配することができるという効果を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の粉粒体の分配装置の一実施例
を示す正面図、第2図は同平面図、第3図、第4
図、第6図は本考案者らが既に開発している粉粒
体分配装置の正面図、第5図は第4図に示す装置
の平面図、第7図は第6図に示す装置の平面図、
第8図は実験例1で用いた装置の正面図、第9図
は搬送管の管径(内径)と流速との関係を示すグ
ラフ、第10図および第11図は支管の配置例を
示す説明図、第12図は粉粒体搬送母管の鉛直部
の長さと母管内径との比、L/Dと分配精度との
関係を示すグラフ、第13図は従来の粉粒体の分
配装置の一例を示す断面図である。 1……分配室、2……粉粒体搬送母管、3……
支管、4……分配室、5……逆円錐状のコーン、
6……支管、7……上端角部、8……支管、10
……間〓、11……天井部、12……分配室、1
3……略逆円錐台、14……間〓、15……底部
の平坦部、16……略直角のベンド、17……粉
粒体搬送母管。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 鉛直方向に上昇する粉粒体搬送母管2を同心
    状に拡大して、天井部11を閉止した略逆円錐
    状の分配室12を形成し、該分配室12に粉粒
    体搬送母管2と同状の略逆円錐台13を、分配
    室12の側壁と略逆円錐台13との間に間〓1
    4が生じるように配置し、この間〓14の天井
    部11に内径の等しい支管8を多数配置し、一
    方、粉粒体搬送母管2の下端に略直角のベンド
    16が接続され、粉粒体搬送母管2の鉛直部の
    長さLと粉粒体搬送母管2の内径Dとの比、
    L/Dを10以上としたことを特徴とする粉粒体
    の分配装置。 2 L/Dが15〜30である実用新案登録請求の範
    囲第1項記載の粉粒体の分配装置。
JP16917487U 1987-11-05 1987-11-05 Expired - Lifetime JPH053471Y2 (ja)

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JPH0175029U JPH0175029U (ja) 1989-05-22
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