JPH0534613U - 三層押し出し電力ケーブル - Google Patents

三層押し出し電力ケーブル

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JPH0534613U JP8388191U JP8388191U JPH0534613U JP H0534613 U JPH0534613 U JP H0534613U JP 8388191 U JP8388191 U JP 8388191U JP 8388191 U JP8388191 U JP 8388191U JP H0534613 U JPH0534613 U JP H0534613U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部半導電層の上に金属製の遮蔽テープを巻
き付けても外部半導電層に傷を付けることがなく、ケー
ブル外径を小さくすること。 【構成】 導体に内部半導電テープを縦添えした上に内
部半導電層、絶縁体、外部半導電層の三層を押し出し被
覆し、該外部半導電層の外周面に動粘度10〜1000
cStのシリコーン・オイルを塗布した後、遮蔽銅テー
プを巻回し、遮蔽銅テープの上に押え巻きテープを巻回
してシースを押し出し被覆して構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、三層押し出し電力ケーブルに係り、特に、外部半導電層の上に金属 製の遮蔽テープを巻き付けても外部半導電層を傷付けることのない三層押し出し 電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、三層押し出し電力ケーブルは、図3に示す如き構成を有している。す なわち、電力ケーブル100は、中心に導体110の外側に内部半導電性テープ 120が縦添されており、この内部半導電性テープ120の上に内部半導電層1 30が被覆されている。また、この内部半導電層130の外側に絶縁体140が 被覆されており、この絶縁体140の外側に外部半導電層150が被覆されてい る。この内部半導電層130、絶縁体140、外部半導電層150は、三層がほ ぼ同時に押し出されて被覆される。
【0003】 外部半導電層150の外側には、金属製の遮蔽テープ(遮蔽銅テープ)170 が巻回されており、この遮蔽銅テープ170の上に押え巻テープ180が巻回さ れている。そして、押え巻テープ180の上に合成樹脂製(例えば、ポリ塩化ビ ニル樹脂)の最外層シース190が被覆されている。この外部半導電層150の 外側に巻回される遮蔽銅テープ170は、長尺幅のテープをスリット状に押し切 りして図4に示す如く、巻き取って形成されているため、遮蔽銅テープ170の 両側端部には、図5に示す如く、同一方向に向かったバリ171、172が発生 している。
【0004】 この遮蔽銅テープ170を従来は、バリ171、172が外部半導電層150 に当接する方向に向けて巻回している。このため、バリ171、172が外部半 導電層150に食い込んだり、ケーブル曲げ時に外部半導電層150と遮蔽銅テ ープ170が滑らず遮蔽銅テープ170にキズ、シワ、凹み等が発生する問題が あった。そこで、従来は、図6に示す如く、外部半導電層150の外周に半導電 性テープ160を巻回させて、外部半導電層150と遮蔽銅テープ170との間 に半導電性テープ160を介在するように構成している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の三層押し出し電力ケーブルにあっては、遮蔽銅テープ1 70を外部半導電層150の外周に巻回された半導電性テープ160の上に巻回 させる際に、遮蔽銅テープ170の両側端部に形成されたバリ171、172の 向きを考慮しないで半導電性テープ160の上に巻きつけている。このため、半 導電性テープ160の上に遮蔽銅テープ170を無造作に巻き付けると、バリ1 71、172が半導電性テープ160を通して外部半導電層150に食い込んだ り、電力ケーブル100を曲げる際に、外部半導電層150と遮蔽銅テープ17 0が滑らず金属テープにキズ、シワ、凹み等が発生するという問題点を有してい る。
【0006】 また、従来の三層押し出し電力ケーブルにあっては、外部半導電層150の外 側に半導電性テープ160を巻き付け、この半導電性テープ160の上に遮蔽銅 テープ170を巻き付け、さらに、遮蔽銅テープ170の上に押え巻テープ18 0を巻回して、押え巻テープ180の上に最外層シース190を押し出し被覆し ている。このため、シース190を押し出し被覆する際の被覆熱で外部半導電層 150に貼り付き、ケーブル布設時に端末処理をする際、最外層シース190、 押え巻テープ180、遮蔽銅テープ170、半導電性テープ160、外部半導電 層150、絶縁体140、内部半導電層130と各層を階段状に剥離して接続す るに、作業性が著しく悪いという問題点を有している。
【0007】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、外部半導電層の上に金属製の遮蔽テープを巻き付け ても外部半導電層に傷を付けることがなく、ケーブル外径を小さくすることので きる三層押し出し電力ケーブルを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の三層押し出し電力ケーブルは、導体に内 部半導電テープを縦添えした上に内部半導電層、絶縁体、外部半導電層の三層を 押し出し被覆し、該外部半導電層の外周面に動粘度10〜1000cSTのシリ コーン・オイルを塗布した後、遮蔽銅テープを巻回し、遮蔽銅テープの上に押え 巻きテープを巻回してシースを押し出し被覆して構成したものである。
【0009】 そして、遮蔽銅テープを、両側端部のバリが電力ケーブルの軸より外周に向く ようにして巻き付けるのが好ましい。
【0010】
【作用】
外部半導電層と遮蔽銅テープとの間にシリコーン・オイルを介在させいている ため、外部半導電層と遮蔽銅テープとの間に半導電性テープを介在させることが なく、同一の特性の電力ケーブルを従来により0.5mm〜5mmケーブル外径 を小さくすることができる。
【0011】 また、外部半導電層と遮蔽銅テープとの間にシリコーン・オイルを介在させい ているため、外部半導電層と遮蔽銅テープとの間に半導電性テープを介在させる ことがなく、シースの押し出し被覆の際、シースの被覆熱で半導電性テープが外 部半導電層に貼り付くことがなくなり、ケーブル布設時の端末処理をスムーズに 行うことができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の実施例について説明する。 図1〜図2には、本考案に係る三層押し出し電力ケーブルの一実施例が示され ている。
【0013】 図において、1は電力ケーブルである。2は導体で、複数の銅の心線を撚り合 わせて構成されている。3は内部半導電性テープで、導体2の上に縦添えされて いる。4は内部半導電層で、内部半導電性テープ3の上に押出し機によって押し 出し被覆されている。この内部半導電性テープ3は、内部半導電層4を導体2の 上に直接押し出し被覆すると、押し出された合成樹脂が導体2を構成する複数の 心線の隙間に入り込み導体2の上に直接押し出し被覆した内部半導電層4の表面 に凹凸ができてしまい、粗悪な製品となってしまうためである。すなわち、導体 2の上に内部半導電性テープ3を縦添えすることによって、内部半導電性テープ 3の上に内部半導電層4を押し出し被覆した場合、内部半導電性テープ3によっ て内部半導電層4の表面の導体2を構成する複数の心線の隙間への落ち込みを防 止している。
【0014】 5は絶縁体で、導体2に流れる電流が外部に漏電するのを防止するためのもの である。この絶縁体5は、内部半導電層4の外周に押出し機によって押し出し被 覆される。6は外部半導電層で絶縁体5の外周に押出し機によって押し出し被覆 される。この内部半導電層4、絶縁体5、外部半導電層6は、1つの押出し機に よって三層がほぼ同時に、すなわち、内部半導電性テープ3の上に内部半導電層 4を押し出し、その直後に絶縁体5を押し出し、さらにその直後、外部半導電層 6を押し出する。このように電力ケーブル1は、三層押し出しによって製造され る。
【0015】 7はシリコーン・オイルで、外部半導電層6の外周面に塗布される。シリコー ン・オイルは、比較的重合度の低い油状の直鎖状ジメチルポリシロキサンで、熱 的、化学的安定性に特別に優れ、電気的性質も良く、蒸気圧の低い液体である。 このシリコーン・オイルは、一般には、1〜10000センチストークス(cS T)の動粘度のものが使用されるが、外部半導電層6の外周面に塗布されるシリ コーン・オイル7は、動粘度が、10〜1000cSTのシリコーン・オイルで ある。シリコーン・オイルの動粘度を、10〜1000cSTとしたのは、動粘 度が10cST以下だと引火点が200℃以下となり、電力ケーブル製造時の作 業において火災等を引き起こす危険があり、また、動粘度が1000cST以上 になると、外部半導電層6の外周面に塗布した際に、外部半導電層6の外側に厚 いシリコーン被膜を形成してしまうため、この厚いシリコーン被膜が絶縁層を形 成し、外部半導電層6のうえに巻き付ける遮蔽銅テープ8の遮蔽効果が低減する からである。
【0016】 また、ここにいう動粘度は、流体の内部抵抗を示す物性で、粘度(粘性率)η を密度ρで割った値で、その単位は、ストークス(St)である。この動粘度の 単位Stは、粘度(粘性率)ηの単位がグラム毎秒センチメートル(g/s・c m)、密度ρの単位がグラム毎立方センチメートル(g/cm3 )であるから、 平方センチメートル毎秒(cm2 /s)となる。そして、1ストークス(St) は、 1St=1cm2 /s となる。
【0017】 このシリコーン・オイル7の塗布は、三層押し出しによって内部半導電層4、 絶縁体5、外部半導電層6が押し出し被覆された電力ケーブル1の外部半導電層 6の上から適量のシリコーン・オイル7を滴下し、ワニスまたはスポンジ等によ って均一に塗布する。このシリコーン・オイル7の供給は、ポンプ等で定量的に 行う。
【0018】 8は遮蔽銅テープで、外周面にシリコーン・オイル7が均一に塗布された外部 半導電層6の外側に巻回されている。この遮蔽銅テープ8は、長尺幅のテープを スリット状に押し切りして製造されているため図5に示す如き遮蔽銅テープ17 0同様、遮蔽銅テープ8の両側端部に同一方向に向かったバリ81、82が発生 している。したがって、本実施例においては、図2に示す如く、この遮蔽銅テー プ8のバリ81、82が外部半導電層6側に向かないように外部半導電層6の外 側に巻きつけている。こうすることにより、遮蔽銅テープ8のバリ81、82に よって外部半導電層6の外表面を傷付けるのを防止することができる。
【0019】 9は押え巻テープで、遮蔽銅テープ8の上に巻回されている。10はシースで 、押え巻テープ9の上に合成樹脂製(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂)を押出し機 によって押し出し被覆する。
【0020】 したがって、本実施例によれば、外部半導電層6と遮蔽銅テープ8との間にシ リコーン・オイル7を介在させいているため、従来外部半導電層と遮蔽銅テープ との間に介在させていた半導電性テープを取り除くことができ、同一の特性の電 力ケーブルを従来により0.5mm〜5mmケーブル外径を小さくすることがで きる。
【0021】 また、本実施例によれば、外部半導電層6と遮蔽銅テープ8との間にシリコー ン・オイル7を介在させいているため、従来外部半導電層と遮蔽銅テープとの間 に介在させていた半導電性テープを取り除くことができ、シース10を押し出し 被覆する際、従来のようなシースの被覆熱で半導電性テープが外部半導電層に貼 り付くということがなく、ケーブル布設時の端末処理をスムーズに行うことがで きる。
【0022】
【考案の効果】
本考案は、上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0023】 請求項1の三層押し出し電力ケーブルにおいては、導体に内部半導電テープを 縦添えした上に内部半導電層、絶縁体、外部半導電層の三層を押し出し被覆し、 該外部半導電層の外周面に動粘度10〜1000cSTのシリコーン・オイルを 塗布した後、遮蔽銅テープを巻回し、遮蔽銅テープの上に押え巻きテープを巻回 してシースを押し出し被覆して構成してあるため、外部半導電層の上に金属製の 遮蔽テープを巻き付けても外部半導電層に傷を付けることがなく、ケーブル外径 を小さくすることができる。
【0024】 請求項2の三層押し出し電力ケーブルにおいては、遮蔽銅テープの両側端部の バリが電力ケーブルの軸より外周に向くようにして巻き付けてあるため、外部半 導電層の上に遮蔽銅テープを巻き付けても外部半導電層に傷を付けることがない 。
【提出日】平成4年1月28日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 上記目的を達成するために、本考案の三層押し出し電力ケーブルは、導体に内 部半導電テープを縦添えした上に内部半導電層、絶縁体、外部半導電層の三層を 押し出し被覆し、該外部半導電層の外周面に動粘度10〜1000cSのシリ コーン・オイルを塗布した後、遮蔽銅テープを巻回し、遮蔽銅テープの上に押え 巻きテープを巻回してシースを押し出し被覆して構成したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【作用】
外部半導電層と遮蔽銅テープとの間にシリコーン・オイルを介在させいている ため、外部半導電層と遮蔽銅テープとの間に半導電性テープを介在させることが なく、同一の特性の電力ケーブルを従来より0.1mm〜3mmケーブル外径を 小さくすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 7はシリコーン・オイルで、外部半導電層6の外周面に塗布される。シリコー ン・オイルは、比較的重合度の低い油状の直鎖状ジメチルポリシロキサンで、熱 的、化学的安定性に特別に優れ、電気的性質も良く、蒸気圧の低い液体である。 このシリコーン・オイルは、一般には、1〜10000センチストークス(cS )の動粘度のものが使用されるが、外部半導電層6の外周面に塗布されるシリ コーン・オイル7は、動粘度が、10〜1000cSのシリコーン・オイルで ある。シリコーン・オイルの動粘度を、10〜1000cSとしたのは、動粘 度が10cS以下だと引火点が200℃以下となり、電力ケーブル製造時の作 業において火災等を引き起こす危険があり、また、動粘度が1000cS以上 になると、外部半導電層6の外周面に塗布した際に、外部半導電層6の外側に厚 いシリコーン被膜を形成してしまうため、この厚いシリコーン被膜が絶縁層を形 成し、外部半導電層6のうえに巻き付ける遮蔽銅テープ8の遮蔽効果が低減する からである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】 したがって、本実施例によれば、外部半導電層6と遮蔽銅テープ8との間にシ リコーン・オイル7を介在させいているため、従来外部半導電層と遮蔽銅テープ との間に介在させていた半導電性テープを取り除くことができ、同一の特性の電 力ケーブルを従来より0.1mm〜3mmケーブル外径を小さくすることができ る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 請求項1の三層押し出し電力ケーブルにおいては、導体に内部半導電テープを 縦添えした上に内部半導電層、絶縁体、外部半導電層の三層を押し出し被覆し、 該外部半導電層の外周面に動粘度10〜1000cSのシリコーン・オイルを 塗布した後、遮蔽銅テープを巻回し、遮蔽銅テープの上に押え巻きテープを巻回 してシースを押し出し被覆して構成してあるため、外部半導電層の上に金属製の 遮蔽テープを巻き付けても外部半導電層に傷を付けることがなく、ケーブル外径 を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る三層押し出し電力ケーブルの実施
例を示す全体構成図である。
【図2】図1に図示の三層押し出し電力ケーブルの一部
断面正面図である。
【図3】従来の三層押し出し電力ケーブルを示す全体構
成図である。
【図4】図3に図示の遮蔽銅テープの全体図である。
【図5】図4に図示の遮蔽銅テープの断面構成図であ
る。
【図6】図3に図示の三層押し出し電力ケーブルの一部
断面正面図である。
【符号の説明】
1…………………………………………………電力ケーブ
ル 2…………………………………………………導体 3…………………………………………………内部半導電
性テープ 4…………………………………………………内部半導電
層 5…………………………………………………絶縁体 6…………………………………………………外部半導電
層 7…………………………………………………シリコーン
・オイル 8…………………………………………………遮蔽銅テー
プ 9…………………………………………………押え巻テー
プ 10………………………………………………シース 81,82………………………………………バリ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体に内部半導電テープを縦添えした上
    に内部半導電層、絶縁体、外部半導電層の三層を押し出
    し被覆し、該外部半導電層の外周面に動粘度10〜10
    00cSTのシリコーン・オイルを塗布した後、遮蔽銅
    テープを巻回し、遮蔽銅テープの上に押え巻きテープを
    巻回してシースを押し出し被覆してなる三層押し出し電
    力ケーブル。
  2. 【請求項2】 上記遮蔽銅テープは、該遮蔽銅テープの
    両側端部のバリが電力ケーブルの軸より外周に向くよう
    にして巻き付けたものである請求項1記載の三層押し出
    し電力ケーブル。
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JP2015211003A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 日立金属株式会社 電力ケーブル

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