JPH0534602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、煮炊きや煮込みなどの調理に使用
する電気鍋にする。

（従来の技術） この種の電気鍋おいては、調理鍋の底部にヒー
タが設けられ、このヒータで調理鍋内の被調理物
を加熱して調理をするようになつている。ヒータ
としては一般に調理の効率を考慮して消費電力の
大きなものが用いられている。そしてこのヒータ
に自動温度調節器が接続され、この自動温度調節
器が調理鍋の温度を検知し、この検知に応じて接
点機構がオンオフしてヒータの通電が制御され、
この制御により調理鍋が選択された設定温度に保
持される。

（考案が解決しようとする課題） ところで、煮込みの調理などを行なうような場
合には、良好な風味に仕上げるためにその被調理
物を温度の低い所謂とろ火の加熱状態で時間をか
けて調理することが望ましい。

一方、自動温度節器は接点機構をオンオフして
ヒータの通電を制御するものであるが、ヒータの
消費電力が大きい従来においては、設定温度を低
い温度にセツトした場合であつても、オン時の発
熱の際に調理鍋が比較的高温にまで上昇し、この
ためとろ火の加熱状態で調理を行なうことが困難
な難点があつた。

この考案はこのような点に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、必要に応じて煮
込みなどの調理をとろ火の加熱状態で調理するこ
とができる電気鍋を提供することにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） この考案はこのような目的を達成するために、
調理鍋に消費電力の大きいメインヒータと、設け
られた消費電力の大きいメインヒータおよび消費
電力の小さいサブヒータと、これらメインヒータ
とサブヒータとへの通電を選択的に切換える切換
えスイツチと、メインヒータの通電時に調理鍋の
温度に応じてこのメインヒータの通電を制御して
調理鍋を設定温度に保つ自動温度調節器と、この
自動温度調節器を操作して調理鍋の温度を複数段
に設定する操作体とを具備し、前記操作体は一定
範囲の動作で調理鍋の温度を複数段に設定し、そ
の一定範囲を越える動作で前記切換えスイツチを
連動してメインヒータの通電からサブヒータへの
通電に切換えるようにしたものである。

（作用） このような電気鍋においては、サブヒータへの
通電に切換えると、このサブヒータの消費電力が
小さいから、調理鍋が煮込みなどの調理に適する
とろ火の状態で加熱される。そして自動温度調節
器を操作する操作体を利用して切換えスイツチを
操作でき、したがつて構成が簡単となり、また便
利に取り扱うことができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

図中１はケースで、このケース１の内部に例え
ばダイカスト製の調理鍋２が収納され、この調理
鍋２の底部に消費電力の大きいメインヒータ３
と、消費電力の小さいサブヒータ４とが設けられ
ている。ケース１の両側面には取つ手５，５が、
また前面には操作部６がそれぞれ設けられ、前記
操作部６に第２図に示すように、自動温度調節器
７を操作して温度設定を行うための例えばスライ
ド式の操作体８が配設されている。

第３図に電気回路を示し、１０が電源で、この
電源１０の一方の端子側に自動温度調節器７が直
列に接続し、他方の端子側にメインヒータ３とサ
ブヒータ４とが並列に接続し、これらメインヒー
タ３およびサブヒータ４に電源１０の一方の端子
側が切換えスイツチ１１を介して接続し、この切
換えスイツチ１１の接点板１１ａが前記操作体８
に連動してメインヒータ３の端子３ａとサブヒー
タ４の端子４ａとに選択的に接触するようになつ
ている。なお１２はパイロツトランプである。

このような電気鍋において通常の煮炊きなどの
調理を行なう場合には、操作体８を『高、中、
低』の範囲の位置に合せる。この状態では切換え
スイツチ１１の接点板の１１ａがメインヒータ３
の端子３ａに接触し、したがつてメインヒータ３
が自動温度調節器７を通して通電される。ここで
メインヒータ３は消費電力が大きいから、調理鍋
２がその煮炊きなどの調理に適する高温の温度範
囲に加熱される。

一方、とろ火で煮込みの調理を行なう場合に
は、操作体８をスライド操作して『とろ火』の位
置に合せる。するとこの動作に連動して切換えス
イツチ１１の接点板１１ａがメインヒータ３の端
子３ａからサブヒータ４の端子４ａに切換わつて
その端子４ａに接続し、したがつてメインヒータ
３の通電が切れ、サブヒータ４が通電される。こ
のサブヒータ４は消費電力が小さいから、自動温
度調節器７のオン時における発熱が小さく、した
がつて調理鍋２が煮込み調理に適するとろ火の状
態が加熱され、これにより良好な風味の煮込みを
調理することができる。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、煮込み
などの調理を行なう場合に、サブヒータを介して
その被調理物をとろ火の加熱状態で調理して良好
な風味に仕上げる利点がある。さらに、自動温度
調節器を操作して調理鍋の温度を選択するための
操作体のみで、メインヒータからサブヒータへの
通電の切換えを行なえ、したがつてメインヒータ
とサブヒータの通電の切換えを行なう切換えスイ
ツチを操作するための別個の操作体が不要で、構
成が簡単で安価となり、また単一の操作体が調理
鍋の温度の設定と、通電の切換えを連続的な操作
で容易に能率よく行なうことができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は電
気鍋の平面図、第２図は操作部の正面図、第３図
は電気回路図である。 ２……調理鍋、３……メインヒータ、４……サ
ブヒータ、１１……切換えスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理鍋に設けられた消費電力の大きいメインヒ
   ータおよび消費電力の小さいサブヒータと、これ
   らメインヒータとサブヒータとへの通電を選択的
   に切換える切換えスイツチと、メインヒータの通
   電時に調理鍋の温度に応じてこのメインヒータの
   通電を制御して調理鍋を設定温度に保つ自動温度
   調節器と、この自動温度調節器を操作して調理鍋
   の温度を複数段に設定する操作体とを具備し、前
   記操作体は一定範囲の動作で調理鍋の温度を複数
   段に設定し、その一定範囲を越える動作で前記切
   換えスイツチを連動してメインヒータの通電から
   サブヒータへの通電に切換えることを特徴とする
   電気鍋。