JPH0534573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、口紅等の化粧料ステイツクを蓋体の
開閉に関係なくワンタツチで出し入れできるよう
にしたコンパクト容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、口紅などの化粧料ステイツクを収納した
コンパクト容器としては、例えば第３図に示す実
開昭59−7711号公報に記載のコンパクトのよう
に、容器本体１側の内外に設けた筒状の口紅入れ
部２にステイツク状の口紅３を嵌合させて出し入
れする構造のものがある。更には、一般的な構造
として、容器本体の内部に設けた凹部に口紅など
の化粧料ステイツクを収容するものが知られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

第３図のコンパクトの場合、容器本体１の外側
に口紅入れ部２を設けているので、口紅３の出し
入れが蓋体４の開閉に関係なく行なわれるという
利点はある。しかしながら、その反面、化粧用具
としての外観性に欠ける他、ステイツク状の口紅
３による繰り返しの出し入れによつて、長期的に
は口紅入れ部２との嵌合保持力が弱まり、口紅３
が不用意に抜脱するなどの不具合がある。

これに対して、容器本体内の凹部に化粧料ステ
イツクを収納する一般的な構造の場合は、化粧料
ステイツクの出し入れに蓋体の開閉が必ず伴い、
化粧料ステイツクのみを容器側から取り出して単
独使用を望むような場合には煩わしさがある。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたものであり、化粧容器としての外観性を保
てると共に、蓋体の開閉に関係なく口紅等の化粧
料ステイツクをワンタツチで簡便に出し入れでき
るコンパクト容器の提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案は次のよう
に構成されている。

即ち、本考案のコンパクト容器は、容器本体１
０に中皿１２を嵌合し、容器本体１０の後周壁に
蓋体２０を蝶開自在にヒンジ結合したコンパクト
容器である。

中皿１２の内部に設けた化粧料ステイツクＳの
収容室の底板１２ａ、およびこの底板１２ａの
直下の容器本体１０の底板１１ａのそれぞれに
は、化粧料ステイツクＳが横臥姿勢で挿通して容
器外に落下できる大きさの取出孔１２ｂ，１１ｂ
を設けられている。

一方、収容室には、化粧料ステイツクＳを保
持する合成樹脂製の挾持部材１３が格納され、こ
の挾持部材１３の構成は以下のようになつてい
る。即ち、下方の取出孔１２ｂ，１１ｂから挿入
される化粧料ステイツクＳを弾性挾持する挾持爪
１３ｂが設けられ、この挾持爪１３ｂを弾性変形
せしめて化粧料ステイツクＳを下方へ解放脱落で
きるよう形成されている。また、挾持爪１３ｂの
一方側から押圧して弾性変形させる押し釦１３ａ
が設けられ、この押し釦１３ａは容器本体１０の
側周壁１１ｃおよび中皿１２の側周壁１２ｃのそ
れぞれに設けた釦穴１１ｄ，１２ｄから外部へ覗
くよう形成されている。

そして、更に挾持爪１３ｂに連なつて板バネ部
１３ｃが形成され、この板バネ部１３ｃの弾性力
で押し釦１３ａおよび挾持部１３ｂが定常位置に
向かつて復帰するよう付勢されている。

ここで、本考案は、中皿１２に設けた収容室
に挾持部材１３を収容した構造となつているが、
中皿１２を設けないで、容器本体１０に直接収容
室を設け、この収容室に挾持部材１３を収容
する構造でも可能である。

〔作用〕

収容室において、挾持部材１３の挾持爪１３
ｂに化粧料ステイツクＳが挾持収容され、蓋体２
０が閉じた状態で、この化粧料ステイツクＳの取
り出しに際しては、挾持部材１３の押し釦１３ａ
を容器内方に押し込むと、挾持爪１３ｂが弾性作
用で撓む。そして、それまで弾性挾持していた化
粧料ステイツクＳを手放すようにして取出孔１２
ｂ，１１ｂから容器本体１０外部に落下せしめ
る。

また、再び化粧料ステイツクＳを容器本体１０
に収納する場合は、容器本体１０側の取出孔１１
ｂおよび中皿１２側の取出孔１２ｂから内方に向
かつて押し上げ、挾持爪１３ｂに弾性力で挾持さ
せる。この間の操作はワンタツチで行なわれ、蓋
体２０は閉じたままである。このように、蓋体２
０の開閉に関係なく化粧料ステイツクＳの出し入
れを行うことができる。

〔実施例〕

以下、本考案によるコンパクト容器の一実施例
について第１図および第２図を参照しつつ説明す
る。

容器本体１０には中皿１２が嵌合保持され、こ
の中皿１２は口紅などの化粧料ステイツクＳの収
容室と、そして化粧用小道具のパフＰのパフ収
容室とに画成されている。また、収容室の底
板１２ａと、この底板１２ａの直下の容器本体１
０の底板１１ａには、それぞれ取出孔１２ｂ，１
１ｂが重なり合うようにして穿設され、これらは
化粧料ステイツクＳが横置姿勢で挿通して容器外
に落下できる大きさに形成されている。

また、収容室には化粧料ステイツクＳを保持
する合成樹脂製の挾持部材１３が格納されてい
る。この挾持部材１３は主に押し釦１３ａ、挾持
爪１３ｂ、そして板バネ部１３ｃの３つの部分か
らなる一体成形品であり、これら各部分は両側の
リブ１３ｄ，１３ｄによつて連接している。この
うち、挾持爪１３ｂは化粧料ステイツクＳの外周
面の曲率にほぼ等しく、この外周面に密接して係
合できる対向一対の曲面板からなり、化粧料ステ
イツクＳのほぼ上半分の外周面に沿つて長手方向
に係合し、弾性力で挾持して保持できるようにな
つている。第２図は、この挾持爪１３ｂ，１３ｂ
の一対のアンダーカツト嵌合的に保持し、化粧料
ステイツクＳを弾性挾持した側面断面を示してい
る。

また、挾持爪１３ｂの一方側にはこれを横方向
から押圧して弾性変形させる押し釦１３ａが設け
られ、この押し釦１３ａは容器本体１０の側周壁
１１ｃおよび中皿１２の側周壁１２ｃのそれぞれ
に設けた釦穴１１ｄ，１２ｄから外部へ覗くよう
形成されている。即ち、この挾持爪１３ｂを容器
内方へ押し込むと、挾持爪１３ｂが弾性変形して
それまで挾持していた化粧料ステイツクＳを、取
出孔１２ｂ，１１ｂから下方の容器外へ解放脱落
できるようになつている。

更に、挾持爪１３ｂの後方に連なつて板バネ部
１３ｃが形成され、この板バネ部１３ｃは端部が
収容室の立壁１２ｅの面に当接しており、弾性
力でもつて押し釦１３ａおよび挾持部１３ｂが定
常位置に向かつて復帰するよう付勢している。

なお、容器本体１０および蓋体２０のそれぞれ
の前周壁には、蓋ロツク用係合対の一方と他方で
あるロツク釦１４およびロツク爪２１が設けら
れ、これら両部材の係合によつて、蓋体２０を閉
じて容器本体１０にロツクするようになつてい
る。また、挾持部材１３についても、実施例のご
とき形状のものに限定されず、化粧料ステイツク
Ｓを弾性的に挾持および解放する構造は、他にも
種々のものが考えられて設計可能である。

以上の実施例においては、中皿１２に設けた収
容室に挾持部材１３を収容した構造となつてい
るが、中皿１２を設けないで、容器本体１０に直
接収容室を設け、この収容室に挾持部材１３
を収容する構造にしてもよい。

次に、実施例の動作態様および作用は、収容室
内に化粧料ステイツクＳが挾持部材１３の挾持
爪１３ｂに挾持されて収容され、蓋体２０を閉じ
たままで化粧料ステイツクＳを取り出す場合、挾
持部材１３の押し釦１３ａを容器内方に押し込み
操作すると、この押圧力によつて挾持爪１３ｂが
弾性で前方の斜め上方に撓んで逃げようとする。
そして、それまで弾性挾持していた化粧料ステイ
ツクＳを解放し、化粧料ステイツクＳは横臥姿勢
で取出孔１２ｂ，１１ｂから容器本体１０外部に
落下する。

一方、化粧料ステイツクＳを再び容器本体１０
に収納する場合は、容器本体１０側の取出孔１１
ｂおよび中皿１２側の取出孔１２ｂ化粧料ステイ
ツクＳを横臥姿勢で挿し入れ、内方の挾持爪１３
ｂに向かつて押し上げて係合挾持させる。この間
の操作はワンタツチで行なわれ、蓋体２０は閉じ
たままであつてもよい。このように、蓋体２０の
開閉に関係なく化粧料ステイツクＳの出し入れを
行うことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によるコンパクト
容器は、蓋体の開閉のいずれの状態にも関係な
く、口紅などの化粧料ステイツクを単独で容器本
体からワンタツチで出し入れして使用することが
でき、蓋体を開かない限り所望の化粧料ステイツ
クを取り出すことができないといつた従来の煩わ
しさが解消される。また、容器本体の外部に化粧
料ステイツクを収納する型の従来のものに比べて
も、化粧容器としての外観性および機能性に優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案によるコンパクト容
器の一実施例を示し、第１図は全体の斜視図、第
２図は要部の正面断面図である。第３図は従来例
の斜視図である。 １０……容器本体、１２……中皿、１１ｂ，１
２ｂ……取出孔、１３……挾持部材、１３ａ……
押し釦、１３ｂ……挾持爪、１３ｃ……板バネ
部、１３ｄ……リブ、２０……蓋体、Ｓ……口紅
などの化粧料ステイツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体１０に中皿１２を嵌合し、容器本体１
   ０の後周壁に蓋体２０を蝶開自在にヒンジ結合し
   たコンパクト容器であつて、中皿１２の内部に設
   けた化粧料ステイツクＳの収容室の底板１２ａ
   およびこの直下の容器本体１０の底板１１ａのそ
   れぞれには、化粧料ステイツクＳが横臥姿勢で挿
   通して容器外に落下できる大きさの取出孔１２
   ｂ，１１ｂを設け、一方、収容室には化粧料ス
   テイツクＳを保持する合成樹脂製の挾持部材１３
   を格納し、この挾持部材１３には、下方の取出孔
   １２ｂ，１１ｂから挿入される化粧料ステイツク
   Ｓを弾性挾持する挾持爪１３ｂを設ける共に、こ
   の挾持爪１３ｂを弾性変形せしめて化粧料ステイ
   ツクＳを下方へ解放脱落できるよう形成し、ま
   た、挾持爪１３ｂの一方側から押圧して弾性変形
   させる押し釦１３ａを設けると共に、この押し釦
   １３ａを容器本体１０の側周壁１１ｃおよび中皿
   １２の側周壁１２ｃのそれぞれに設けた釦穴１１
   ｄ，１２ｄから外部へ覗くよう形成し、そして、
   挾持爪１３ｂに連なつて板バネ部１３ｃを形成し
   て、この板バネ部１３ｃの弾性力で押し釦１３ａ
   および挾持部１３ｂを定常位置に向かつて復帰付
   勢するよう構成したことを特徴とするコンパクト
   容器。