JPH05345728A - 非グリコシル化還元型組換えヒトil2の安定化医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents
非グリコシル化還元型組換えヒトil2の安定化医薬組成物及びその製造方法Info
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Abstract
むことを特徴とする、クエン酸及びマンニトールを含む
還元型の非グリコシル化組換えヒトIL2の安定化した
医薬組成物を提供すること。 【構成】 デキストラン及びEDTAカルシウム塩を含
むことを特徴とする、クエン酸及びマンニトールを含む
還元型の非グリコシル化組換えヒトIL2の安定化した
医薬組成物を提供することによる。
Description
良された安定性を有し、薬剤としての利用に適した還元
型の非グリコシル化組換えヒトIL2の医薬組成物に関
する。
ンである天然のヒトIL2は、その蛋白質の133アミ
ノ酸配列の58、105及び125位に位置する3つの
システインを有する。天然分子において、システイン5
8及び105はジスルフィド架橋により結合しており、
他方、システイン125は、遊離のスルフヒドリル基を
有する(Robb, R. J. 等、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA
(1984) 81巻 6486-6490頁)。
えDNA技術による製造方法も又、例えば欧州特許EP
091539号に記載されている。
は組換えIL2標品を得ることは、一般に、特に液体形
態、凍結状態又は凍結乾燥形態での長期保存の間におけ
る、その生物学的活性の不安定性へと導く。
であり、用いられている(例えば、ポリエチレングリコ
ール、ジチオスレイトール及びメルカプトエタノール等
の還元剤又はヒト血清アルブミン)。
は、純粋な天然IL2の組成物を記載しており、その生
物学的活性は、液体、凍結状態又は凍結乾燥形態での長
期保存に対して、アルブミン又はグロブリン{適宜に、
糖アルコール、糖モノマー又はポリマー(ヒドロキシ澱
粉又はデキストラン等)等の他の剤を組合せる}の添加
により安定化されている。
に等しい生物学的活性を有する新規の還元型の非グリコ
シル化組換えヒトIL2(r−hIL2と呼ぶ)及びそ
れを含む薬剤としての使用のための組成物が、欧州特許
出願EP0353150に記載されている。還元型のI
L2とは、58、105及び125位の3つのシステイ
ンが遊離のスルフヒドリル基を含み且つ58−105位
にジスルフィド架橋を含む対応する酸化されたIL2に
匹敵する生物学的活性を有するIL2を意味する。スル
フヒドリル基の例えばジチオピリジンを用いる分光測定
法による測定及びCTLL−2マウス細胞系統の増殖を
測定することによる生物学的活性の通常の測定は、特許
出願EP0353150に示されている。
IL2の、クエン酸及びマンニトールを含み且つ患者へ
の注射に適した凍結乾燥した医薬組成物の例、並びに、
連続灌流による投与に特に適した液体組成物の例を与え
る。
質を含み且つ薬物として用いることを意図した医薬組成
物の長期保存は、避けることの困難な制約である。しか
し、そのような保存は、通常、物理的変化(例えば、2
量体又は集塊の形成)又は化学的変化(例えば、酸化又
は脱アミド)等の種々の理由により、蛋白質の生物学的
活性の損失へ導く分解を伴う。それ故、医薬用蛋白質を
含む組成物の、比較的長期間(好ましくは、1年間)に
わたる、適当な温度(好ましくは、約+5℃)での安定
性が、一般的に、必要とされる。そのような安定性を得
ることは、常に、通常関係する蛋白質によって異なる安
定剤の添加を必要とする。
は、特に、上記の還元した組換えIL2の組成物に関係
し、更に、特に、患者に投与することを意図した液体又
は凍結乾燥形態の後者の組成物に関係する。
の還元したr−hIL2の液体又は凍結乾燥した組成物
は、58〜105位にジスルフィド架橋を含み且つ一般
にこの活性の不十分な安定性を有する公知の天然又は組
換えIL2の組成物と異なり、保存(特に、アルブミン
の不在時)における適当な生物学的活性安定性を有す
る。
2の2量体の形成を、特に凍結乾燥した組成物の種々の
温度における保存の間に、ポリアクリルアミドゲル上で
の電気泳動(SDS−PAGE)によって観ることが出
来る(有意の生物学的活性の減少は伴わない)。更に、
上記の還元したr−hIL2の組成物中の安定剤として
のアルブミンの不在は、それらの安定性を、保存の継続
期間及び保存温度によるIL2の損失における可能な不
純物の形成を示す逆相液体クロマトグラフィー(RP−
HPLCと呼ぶ)の後で、分光測定検出法(例えば、2
80nm)を用いて監視することを可能にする(生物学
的活性の減少は伴わない)。
される不純物の形成が、上記の還元したr−hIL2の
場合には、イン・ビトロでの測定において生物学的活性
の減少を伴わないにもかかわらず、そのような形成は、
例えば、患者への長期の投与において抗原反応を生じさ
せる不都合を示すことが出来た。
は蛋白質吸収の分野における他の任意のUV吸収剤の不
在により、並びに、特に凍結乾燥状態での長期保存中に
おけるIL2の2量体形成の本質的な不在により特徴付
けられ且つ患者に対する薬物としての使用に適している
還元型の非グリコシル化組換えヒトIL2の新規な安定
化した医薬組成物に関する。2量体形成の本質的な不在
とは、保存中の2量体含量が2%以下のパーセンテージ
で変化することを意味する。
の組成物の保存時における安定性の(特に、上記のIL
2の2量体形成の本質的不在における)改良が、クエン
酸及びマンニトールを含む還元したr−hIL2の溶液
への、デキストラン並びにエチレンジアミン四酢酸一カ
ルシウム及び二ナトリウム塩(EDTAカルシウム塩と
呼ぶ)の同時添加により得られる。
ーであり、その種々の画分は特定の平均分子量を定め且
つ、特に、ヒトの治療において血漿の代用として使用さ
れる。EDTAカルシウム塩は、製薬用に適したキレー
ト剤である。
シル化組換えヒトIL2の、クエン酸及びマンニトール
を含み且つデキストラン及びEDTAカルシウム塩を含
むことを特徴とする安定化した医薬組成物に関する。
換えヒトIL2は、上記の測定試験により、少なくとも
0.5×107 U/mgに等しい(好ましくは、約1×
107 U/mgに等しい)生物学的活性を有する。これ
らの医薬組成物の安定性の改良は、上記の還元したIL
2、クエン酸及びマンニトールを含む組成物の保存にお
いて、デキストラン及びEDTAカルシウム塩を添加し
てから凍結乾燥し、次いで、種々の温度で長期間貯蔵す
ることにより観られる。この安定性の改良は、分析法を
用いて、例えばSDS−PAGE及びRP−HPLC
(操作条件は、それぞれ、後述する)により監視するこ
との出来る還元したr−hIL2の物理的及び化学的安
定性に関係する。
0,000〜110,000の平均分子量(特に、約7
0,000の平均分子量)を有することを特徴とする還
元型の非グリコシル化組換えヒトIL2の医薬組成物に
関する。
40、デキストラン70又はデキストラン110(それ
ぞれ、約40,000、70,000及び110,00
0の平均分子量を有するデキストラン画分に対応する)
を用いるが、好ましくは、約70,000の平均分子量
を有するデキストラン70を用いる。
に対する重量比が約20〜80(特に、約40)である
ことを特徴とする還元型の非グリコシル化組換えヒトI
L2の医薬組成物に関する。
PLC法による常法での蛋白質測定のmgで表す。例え
ば、上記の還元したr−hIL2を1mg含む凍結乾燥
した組成物は、約20〜80mg(好ましくは、約40
mg)のデキストランの添加により安定化される。
酸:マンニトール:デキストラン:EDTAカルシウム
塩の重量比が約1:10:50:40:0.01である
ことを特徴とする還元型の非グリコシル化ヒトIL2の
医薬組成物に関する。例えば、1mgの上記の還元した
r−hIL2、10mgのクエン酸及び50mgのマン
ニトールを含む凍結乾燥した組成物は、約40mgのデ
キストラン及び約10マイクログラムのEDTAカルシ
ウム塩の添加により安定化される。
換えヒトIL2の安定化した医薬組成物は、本質的にI
L2の2量体を含まないことを特徴とする。本質的にI
L2の2量体を含まないとは、IL2組成物が2%以下
のIL2の2量体を含むことを意味する。
ルシウム塩及びマンニトールを含む溶液を、クエン酸を
含むIL2の水溶液に加え、そうして得られた溶液を凍
結乾燥することを特徴とする還元型の非グリコシル化組
換えヒトIL2の安定化した凍結乾燥した医薬組成物の
製造方法にも関する。製造例を以下に与える。
を含む還元型の非グリコシル化組換えIL2の医薬組成
物の安定化のためのデキストラン及びEDTAカルシウ
ム塩の利用、並びに、デキストラン及びEDTAカルシ
ウム塩を加えることを特徴とする、クエン酸及びマンニ
トールを含む還元型の非グリコシル化組換えIL2の医
薬組成物の安定化の方法に関する。下記の例は、この発
明を説明するが、制限はしない。
成物。88gのデキストラン70、0.022gのED
TAカルシウム塩及び110gのマンニトールを含む9
90mlの水溶液を、例えば特許出願EP035315
0に記載されているようにして得た2mg/mlの還元
したr−hIL2及び18.2mg/mlのクエン酸を
含む1210mlの水溶液に加える。得られた溶液を
0.22ミクロンの直径の細孔を有する膜を通して濾過
する。こうして得た均質な溶液1mlをフラスコ中へ無
菌的に分配してから凍結乾燥した後に、それらの用量フ
ラスコを窒素大気下でシールして、少なくとも使用前の
1年間わたって約4℃の温度で保存することが出来る。
を有する: 還元したIL2 : 約 1mg クエン酸 : 10mg マンニトール : 50mg デキストラン70 : 40mg EDTAカルシウム塩: 0.01mg。
蒸留水の注入により内容物を溶解した後で患者への注射
に、並びに、例えば、予め水で戻した溶液を、500m
lの5%グルコースTravenol(登録商標)灌流用溶液を
含むViaflaex(登録商標)コンテナ中に導入した後で連
続灌流に適している。
ン及びEDTAカルシウム塩による安定化。 1−分析方法: a)RP−HPLCによる分析:還元したr−hIL2
組成物の保存中の可能な不純物の形成、並びに、蛋白質
のmgで表した還元したr−hIL2の測定は、300
A、5ミクロンのVYDACカラム(0.46×25c
m)上の分析用RP−HPLC{流量は1ml/分であ
り、5分間で0〜30%に、次いで、20分間で30〜
73%に変化するアセトニトリル線形勾配使用(0.1
%トリフルオロ酢酸を含む)}により評価する(280
又は220nmでの分光測定検出使用)。
量体の形成は、20%濃度のアクリルアミドを用いるゲ
ル上での電気泳動により評価する。試料を前もって、3
%SDS及び5%メルカプトエタノールを含む変性用緩
衝液中で、2分間100℃に加熱する。泳動を、0.5
5%SDS緩衝液を用いて行ない、その後に、銀染色を
行なう。還元したr−hIL2について約15.5Kd
aの見かけ分子量が、及び、2量体について約31Kd
aの見かけ分子量が測定される。
ラゾリウム比色試験を用いて、CTLL−2マウス白血
病細胞系統の増殖を測定することにより測定する(Moss
mann T等、 J. Immunol.Meth. (1983) 65 55-63 )。
及びEDTAカルシウム塩による化学的安定化。 EDTAカルシウム塩と組合せた種々のデキストランに
よるr−hIL2の化学的安定化を、蛋白質の可能な化
学修飾を促進し且つ比較的短期間の研究を可能にする3
7℃の温度で研究する。
hIL2の溶液を用いて開始して行なう(その溶液に、
EDTAカルシウム塩、マンニトール及びそれぞれ1種
の研究すべきデキストランを含む溶液を窒素大気下で加
える)。得られた溶液を、1mlで用量フラスコに分配
した後に凍結乾燥し、次いで、それらを1か月より長い
種々の期間にわたって37℃に維持する。デキストラン
及びEDTAカルシウム塩を含まない対照用フラスコを
同時に37℃に置く。次いで、各フラスコの内容物を1
mlの蒸留水中に入れてRP−HPLCにより分析す
る。
コは、下記の配合を有する: 還元したIL2 : 0.55mg クエン酸 : 5mg マンニトール : 50mg デキストラン : 40mg EDTAカルシウム塩: 0.01mg。
T40、T70及びT110を、それぞれ、試験した。
下記の結果が得られた:
IL2のデキストランに対する重量比)で、研究したデ
キストランの種々の平均分子量の型は、還元したr−h
IL2の37℃における化学的安定性についての同等の
顕著な効果を有するが、デキストラン及びEDTAカル
シウム塩の不在においては、形成された不純物の量は、
僅か8日の保存期間で、RP−HPLCを判断不能
(n.i.)にする。
れ10及び20mgの用量で、前記の40mgの用量と
比較して試験した。下記の結果が得られた:
いての効果をデキストランを用いて観察するが、約1:
20のIL2:デキストランの重量比に対応する最小用
量ですでに顕著である。
及びEDTAカルシウム塩による物理的安定化 還元したr−hIL2の、それぞれ−20℃、+2/+
8℃、周囲温度(約20±5℃)及び37℃での、長期
保存(1か月〜1年)における、EDTAカルシウム塩
と組合せたデキストラン70による物理的安定化を研究
する。
開始する。デキストラン及びEDTAカルシウム塩を含
まない対照用フラスコを同時に同一貯蔵条件下に置く。
各フラスコの内容物を1mlの上記の変性用緩衝液に入
れて、SDS−PAGEにより分析する。
TAカルシウム塩での同一配合を有するフラスコにおい
て測定し、同一温度条件下に維持する。下記の結果が得
られた:
如何なる温度(特に、デキストラン及びEDTAを含ま
ない対照用配合が有意の2量体形成を示す周囲温度及び
37℃)においてもIL2の2量体の形成を阻止すると
いうことが観察される。
得られる物理的安定化は又、如何なる保存温度において
も、還元したIL2の生物学的活性の安定性を維持す
る。
は、薬物としての使用に対する必要性に応じて、デキス
トラン及びEDTAカルシウム塩を含む還元したr−h
IL2の組成物の長期の保存を達成することを可能にす
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 クエン酸及びマンニトールを含み且つデ
キストラン及びEDTAカルシウム塩を含むことを特徴
とする、還元型の非グリコシル化組換えヒトIL2の安
定化した医薬組成物。 - 【請求項2】 デキストランが約40,000〜11
0,000の平均分子量を有することを特徴とする、請
求項1に記載の組成物。 - 【請求項3】 デキストランが約70,000の平均分
子量を有することを特徴とする、請求項2に記載の組成
物。 - 【請求項4】 デキストランのIL2に対する重量比が
約20〜80であることを特徴とする、請求項3に記載
の組成物。 - 【請求項5】 デキストランのIL2に対する比率が約
40であることを特徴とする、請求項4に記載の組成
物。 - 【請求項6】 IL2:クエン酸:マンニトール:デキ
ストラン:EDTAカルシウム塩の重量比が約1:1
0:50:40:0.01であることを特徴とする、請
求項5に記載の組成物。 - 【請求項7】 本質的に、IL2の2量体を含まないこ
とを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載の組成物。 - 【請求項8】 デキストラン、EDTAカルシウム塩及
びマンニトールを含む溶液を、クエン酸を含むIL2の
水溶液に加え、そうして得られた溶液を凍結乾燥するこ
とを特徴とする、還元型の非グリコシル化組換えヒトI
L2の安定化した凍結乾燥した医薬組成物の製造方法。 - 【請求項9】 クエン酸及びマンニトールを含む還元型
の非グリコシル化組換えヒトIL2の医薬組成物の安定
化のためのデキストラン及びEDTAカルシウム塩の利
用。 - 【請求項10】 デキストラン及びEDTAカルシウム
塩を加えることを特徴とする、クエン酸及びマンニトー
ルを含む還元型の非グリコシル化組換えヒトIL2の医
薬組成物の安定化方法。
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