JPH05345335A

JPH05345335A - スタックモールド金型

Info

Publication number: JPH05345335A
Application number: JP15697392A
Authority: JP
Inventors: Makoto Maruta; 誠丸田
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1992-06-16
Filing date: 1992-06-16
Publication date: 1993-12-27

Abstract

(57)【要約】【目的】樹脂漏れおよび空気の巻き込みを防止する。【構成】固定型１には、成形機ノズル６が常時接続す
る固定側延長マニホールド41を固定する。中間型２の主
マニホールド28には、可動側延長マニホールド61を固定
する。型締および型開に伴って、両延長マニホールド4
1，61が着脱する。可動側延長マニホールド61の先端部
に弁装置85を設ける。この弁装置85は、テーパー状の弁
座部77に当たるボール状の弁体84と、この弁体84を押す
ばね83とからなる。射出工程時や保圧工程時には、樹脂
圧で弁体84が開く。型開時などには、弁体84が閉じる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成形に用いられる
スタックモールド金型に係わり、特に、樹脂通路の開閉
機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】スタックモールド金型は、中間型を挟ん
で、この中間型に対し開閉する固定型と可動型とがあ
り、固定型と中間型との間および中間型と可動型との間
でそれぞれ製品を成形するものである。そして、前記中
間型には、射出成形機のノズルから供給される樹脂を固
定型と中間型との間および中間型と可動型との間にそれ
ぞれ形成されるキャビティへ分配する主マニホールドが
ある。この主マニホールドを含む中間プレートが固定型
に対して開閉するものであるのに対して、一般的に、成
形時固定型に対するノズルの位置は固定しているので、
型締および型開に伴い、ノズルと主マニホールドとの位
置関係は変わる。そのため、通常のスタックモールド金
型では、ノズルから主マニホールドへの樹脂通路が型締
および型開に伴い接続および分断されるようになってい
る。例えば、固定型を貫通した延長マニホールドを主マ
ニホールドに固定し、型締時に延長マニホールドに射出
成形機のノズルを接続し、型開時に延長マニホールドか
らノズルが離れるようにしている。ところが、このよう
に型開時に延長マニホールドからノズルが離れると、延
長マニホールド内の樹脂通路が常時開放状態にあるもの
であると、型開時に、マニホールド内の樹脂の圧力によ
り、延長マニホールドのノズルタッチ部から樹脂が漏れ
やすい。このように樹脂が漏れると、次回の型締時に、
漏れた樹脂が金型とノズルとの間に挟み込まれて、これ
ら金型やノズルを傷めるおそれがある。これとともに、
延長マニホールドの樹脂通路内に空気が入りやすい。こ
のように空気が入ると、成形される製品に模様ができた
りし、成形不良が生じるおそれがある。また、主マニホ
ールドに固定された可動側延長マニホールドに加えて、
射出成形機のノズルが接続される固定側延長マニホール
ドを固定型に固定し、型締時に両延長マニホールドを接
続し、型開時に両延長マニホールドを互いに離すように
したものもあるが、これでも、問題は同様である。

【０００３】そこで、従来より、延長マニホールドの樹
脂通路を開閉する弁装置を設けたりもしているが、従来
の弁装置は、油圧シリンダー装置などを用いたもので、
構造が複雑になっている。なお、射出成形機のノズルと
しては、シャットオフノズルを用いたりしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
スタックモールド金型では、通常、ノズルから主マニホ
ールドへの樹脂通路が型締および型開に伴い接続および
分断されるようになっているが、前記樹脂通路が常時開
放状態であると、型開時に樹脂が漏れたり、樹脂通路内
に空気が入ったりする問題があり、また、前記樹脂通路
を開閉する弁装置を設けたものでも、従来の弁装置は、
油圧シリンダー装置などを用いていて、構造が複雑であ
る問題があった。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、簡単な構造の弁装置により、型開時に樹
脂が漏れたり、樹脂通路内に空気が入ったりすることを
防止できるスタックモールド金型を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、固定型と、この固定型に対して開閉する
中間型と、この中間型に対して前記固定型と反対側で開
閉する可動型とを備え、前記固定型と中間型との間およ
びこの中間型と可動型との間にそれぞれキャビティを形
成するとともに、成形機のノズルから供給される樹脂を
前記各キャビティへ分配する主マニホールドを前記中間
型に備え、前記ノズルから主マニホールドまでの樹脂通
路が型締および型開に伴い接続および分断されるスタッ
クモールド金型において、前記接続および分断される樹
脂通路のうち主マニホールド側樹脂通路におけるノズル
側樹脂通路との接続部を開閉する弁装置を備え、この弁
装置は、前記主マニホールド側樹脂通路内に形成された
弁座部に主マニホールド側から当たって前記樹脂通路の
接続部を閉塞する弁体と、この弁体をノズル側樹脂通路
の方へ付勢するばねとを備えたものである。

【０００７】

【作用】本発明のスタックモールド金型では、成形時、
中間型に対し固定型と可動型とを型締して、固定型と中
間型との間およびこの中間型と可動型との間にそれぞれ
キャビティを形成するが、型締に伴い、主マニホールド
側樹脂通路とノズル側樹脂通路とが接続される。そし
て、成形機のノズルから樹脂を射出するが、主マニホー
ルド側樹脂通路におけるノズル側樹脂通路との接続部に
ある弁装置で、樹脂圧により、ばねの付勢に抗し、弁体
が弁座部から離れて開く。したがって、ノズルからの樹
脂は、主マニホールド側樹脂通路に流入し、主マニホー
ルドにより分配されて、各キャビティ内に充填される。
そして、保圧工程の終了などに伴い、弁体にばねの付勢
に抗する圧力がかからなくなると、このばねの付勢によ
り、弁体が弁座部に当たり、主マニホールド側樹脂通路
におけるノズル側樹脂通路との接続部が閉塞される。さ
らに、キャビティ内に充填された樹脂が固化した後、型
開するが、それに伴って、主マニホールド側樹脂通路と
ノズル側樹脂通路とが分断される。このとき、前述のよ
うに主マニホールド側樹脂通路におけるノズル側樹脂通
路との接続部が閉塞されているので、主マニホールド側
樹脂通路から樹脂が漏れたり、主マニホールド側樹脂通
路内に空気が入ったりすることはない。

【０００８】

【実施例】以下、本発明のスタックモールド金型の一実
施例について、図面を参照しながら説明する。このスタ
ックモールド金型は、図３に示すように、固定型１と中
間型２と可動型３とからなっている。これら中間型２お
よび可動型３は、それぞれ図示左右方向に移動し、これ
により、中間型２に対して、固定型１が図示右側で開閉
し、可動型３が左側で開閉するものである。そして、型
締時に、固定型１と中間型２との間および中間型２と可
動型３との間に、それぞれ製品形状のキャビティ４が複
数ずつ形成されるようになっている。なお、固定型１と
中間型２との間のキャビティは図示していない。６は射
出成形機のノズルである。

【０００９】前記固定型１は、射出成形機の固定側プラ
テンに取付けられる固定側取付け板11と、この固定側取
付け板11の左側にスペーサブロック12を介して固定され
た受け板13と、この受け板13の左側に固定された型板14
とを備えている。また、前記固定側取付け板11と受け板
13との間には、これらに対して相対的に左右方向へ移動
する突き出し板15が設けられており、この突き出し板15
には、固定型１と中間型２との間で成形された製品を型
開時に離型させるための突き出しピン（図示していな
い）が固定されている。一方、前記可動型３は、射出成
形機の可動側プラテンに取付けられる可動側取付け板16
と、この固定側取付け板16の右側にスペーサブロック17
を介して固定された受け板18と、この受け板18の右側に
固定された型板19とを備えている。また、前記可動側取
付け板16と受け板18との間には、これらに対して相対的
に左右方向へ移動する突き出し板20が設けられており、
この突き出し板20には、中間型２と可動型３との間で成
形された製品を型開時に離型させるための突き出しピン
21が固定されている。さらに、前記中間型２は、スペー
サブロック22を介して互いに固定された一対の受け板2
3，24と、右側の受け板23の右側に固定された型板25
と、左側の受け板24の左側に固定された型板26とを備え
ている。そして、前記固定型１の型板14と中間型２の右
側の型板25との間および可動型３の型板19と中間型２の
左側の型板26との間に、それぞれキャビティ４が形成さ
れるようになっている。すなわち、固定型１の型板14と
中間型２の右側の型板25との間および可動型３の型板19
と中間型２の左側の型板26との間が、それぞれパーティ
ングラインPL1 ，PL2 になっている。また、前記中間型
２の両受け板23，24間には、スペーサ27を介して主マニ
ホールド28が設けられている。この主マニホールド28
は、射出成形機の成形機ノズル６から供給される溶融し
た熱可塑性樹脂を各キャビティ４へ分配するランナー29
を内部に有しているとともに、ヒーター30を内蔵してい
る。また、前記主マニホールド28の左右両面に接続され
たブッシュ31が受け板23，24および型板25，26に貫通し
てある。これらブッシュ31は、各キャビティ４へそれぞ
れ開口するゲート32を先端部に有している。すなわち、
前記主マニホールド28のランナー29の最終分岐路は、各
ブッシュ31の内部を介して各キャビティ４にそれぞれ連
通するものである。なお、各ブッシュ31内には、それぞ
れスピアー33が設けられている。

【００１０】前記固定型１には、固定側取付け板11の右
面にローケートリング40が固定されているとともに、こ
のローケートリング40と同軸的に筒状の固定側延長マニ
ホールド41が固定されていている。この固定側延長マニ
ホールド41は、その外周面に形成された鍔部42が固定側
取付け板11と受け板13とにスリーブ43を介し挟まれて固
定されている。固定側延長マニホールド41の外周面には
バンドヒーター44が巻かれている。また、固定側延長マ
ニホールド41内には、ノズル側樹脂通路45が軸方向に貫
通形成されている。そして、この樹脂通路45の右端部が
成形機ノズル６の接続されるノズルタッチ部46になって
いる。一方、樹脂通路45の左側は、径を大きくしてあっ
て、ノズル組み込み部47になっている。そして、このノ
ズル組み込み部47には、第１のサックバックノズル48が
左右方向へ移動自在に組み込まれている。この第１のサ
ックバックノズル48は、その外周面に形成された鍔部49
がノズル組み込み部47の内周面のストッパー面50ないし
固定側延長マニホールド４１の左端面に固定されたスト
ッパーリング５１に当たる範囲内で移動できるものであ
る。これとともに、第１のサックバックノズル48は、ノ
ズル組み込み部47内に組み込まれたばね52により常時左
方へ付勢されている。また、第１のサックバックノズル
48内には、樹脂通路53が軸方向へ貫通形成されている。
この樹脂通路53は、径小な流出口54として第１のサック
バックノズル48の左端面へ開口しているが、この左端面
は凸状の当たり面55となっている。

【００１１】一方、前記中間型２には、主マニホールド
28の右面に可動側延長マニホールド61が固定されてい
る。この可動側延長マニホールド61は、その外周面左端
部に形成された鍔部62が主マニホールド28と受け板23と
にリング63を介し挟まれて固定されている。可動側延長
マニホールド61の外周面にはバンドヒーター64が巻かれ
ている。また、可動側延長マニホールド61内には、主マ
ニホールド側樹脂通路65が軸方向に貫通形成されてい
る。この樹脂通路65の右側は、径を大きくしてあって、
弁組み込み部66になっている。この弁組み込み部66に
は、第１の弁体67が左右方向へ移動自在に組み込まれて
いる。この第１の弁体67は、その外周面右端部に形成さ
れた鍔部68が弁組み込み部66の内周面のストッパー面69
ないし可動側延長マニホールド61の右端面に固定された
ストッパーリング70に当たる範囲内で移動できるもので
ある。これとともに、第１の弁体67は、弁組み込み部66
内に組み込まれたばね71により常時右方へ付勢されてい
る。また、第１の弁体67内には、樹脂通路72がその右端
面へ開口させて形成されている。そして、第１の弁体67
の右端面には、第２のサックバックノズル73がシールリ
ング74を介して固定されている。この第２のサックバッ
クノズル73は、前記第１のサックバックノズル48に着脱
自在に接続されるもので、右端面が第１のサックバック
ノズル48の当たり面55の当たる凹状の受け面75になって
いる。これとともに、第２のサックバックノズル73に
は、第１のサックバックノズル48の流出口54に重なる流
入口76が右側に形成されているとともに、この流入口76
よりも左側がテーパー状の弁座部77になっている。ま
た、前記可動側延長マニホールド61の樹脂通路72の左部
には、第１の弁体67よりも径の大きい連通部78が形成さ
れているとともに、この連通部78の右側に隣接して第１
の弁体67とほぼ同径の弁座部79が形成されている。一
方、第１の弁体67の樹脂通路53は、左側がいったん第１
の弁体67の外周面へ抜けてからその後端に至る開閉通路
80となっている。また、第１の弁体67の樹脂通路53の右
側は径大部81にしてあり、この径大部81内に放射状のス
プリングケージ82が固定されている。そして、このスプ
リングケージ82の右側にばね83を介してボール状の第２
の弁体84が設けられている。この第２の弁体84は、前記
第２のサックバックノズル73の弁座部77に左側から当接
して流入口76を塞ぐものであり、前記ばね83により常時
閉じ方向へ付勢されている。こうして、これら第２の弁
体84およびばね83などにより、主マニホールド側樹脂通
路65におけるノズル側樹脂通路45との接続部を開閉する
弁装置85が構成されている。

【００１２】前記可動側延長マニホールド61の樹脂通路
65は、主マニホールド28のランナー29の入り口部29a に
連続しているが、この入り口部29a は、主マニホールド
28を左右に貫通している。また、中間型２において、主
マニホールド28と左側の受け板24との間にブッシュ91が
固定してあり、このブッシュ91を左右方向へ摺動自在に
貫通したピン92が前記入り口部29a に臨んでいる。この
ピン92は、ばね93により左方へ付勢されているが、型板
26に固定されたストッパーリング94により左方への移動
が制限されるようになっている。一方、可動型３には、
型締時に前記ピン92を右方へ押す押しピン95が可動側取
付け板16に固定されている。

【００１３】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。成形に際しては、図３に示すように、固定型
１に対して中間型２を型締するとともに、この中間型２
に対して可動型３を型締し、固定型１と中間型２との間
および中間型２と可動型３との間にそれぞれキャビティ
４を形成する。固定型１と中間型２との型締に伴い、図
１に示すように、固定側延長マニホールド41側の第１の
サックバックノズル48の当たり面55が可動側延長マニホ
ールド61側の第２のサックバックノズル73の受け面75に
当たり、第１のサックバックノズル48の流出口54が第２
のサックバックノズル73の流入口76に接続される。これ
とともに、ばね52に抗して、第１のサックバックノズル
48が固定側延長マニホールド41に対して相対的に右方へ
移動し、没入する。また、ばね71に抗して、第２のサッ
クバックノズル73および第１の弁体67が可動側延長マニ
ホールド61に対して相対的に左方へ移動し、没入する。
それに伴い、第１の弁体67の開閉通路80が可動側延長マ
ニホールド61の弁座部79から抜けて連通部78に臨む位置
に達する。これにより、第１の弁体67内の樹脂通路72が
連通部78を介して主マニホールド28のランナー29に連通
する。一方、中間型２と可動型３との型締に伴い、可動
型３側の押しピン95が中間型２側のピン92を押し、この
ピン92がばね93に抗して主マニホールド28に対し右方へ
移動する。

【００１４】このような型締状態において、射出成形機
のノズル６から溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この
樹脂は、固定側延長マニホールド41内のノズル側樹脂通
路45とこれに接続された可動側延長マニホールド61内の
主マニホールド側樹脂通路65とを通って、主マニホール
ド28のランナー29内に流入する。より詳しく説明する
と、樹脂は、まず固定側延長マニホールド41内の樹脂通
路45および第１のサックバックノズル48内の樹脂通路53
を通って、その左先端の流出口54から可動側延長マニホ
ールド61側の第２のサックバックノズル73の流入口76内
へ流入する。このとき、図１に鎖線で示すように、射出
された樹脂の圧力により、ばね83の付勢に抗し、第２の
弁体84が左方へ移動する。これにより、第２の弁体84が
弁座部79から離れて、流入口76が開放される。そして、
この流入口76へ流入した樹脂は、第１の弁体67内の樹脂
通路72、その開閉通路80および可動側延長マニホールド
61内の連通部78を含めた主マニホールド側樹脂通路65を
通って、主マニホールド28のランナー29内に流入する。
樹脂は、このランナー29により分配され、各ブッシュ31
内を通り、ゲート32から各キャビティ４内へ流入する。
このような射出工程の後、保圧工程となり、各キャビテ
ィ４内に充填された樹脂に射出成形機側から圧力が加え
られる。このときも、その圧力により、第２の弁体84は
開いている。しかし、少なくとも保圧工程が終了した後
は、第２の弁体84に対してばね82の付勢に抗する圧力が
加わらなくなるので、図１に実線で示すように、このば
ね82の付勢により、第２の弁体84が右方へ移動し、弁座
部79に当たって第２のサックバックノズル73の流入口76
を塞ぐ。

【００１５】そして、キャビティ４内に充填された樹脂
が十分に冷却、固化した後、固定型１に対して中間型２
が型開するとともに、この中間型２に対して可動型３が
型開する。このとき、固定型１と中間型２との型開に伴
い、図２に示すように、ばね52の付勢により、第１のサ
ックバックノズル48が固定側延長マニホールド41に対し
て相対的に左方へ移動し、突出する。このように第１の
サックバックノズル48が突出すれば、成形機ノズル６な
いしノズル側樹脂通路45内の溶融樹脂の圧力は低下す
る。また、ばね71の付勢により、第２のサックバックノ
ズル73および第１の弁体67が可動側延長マニホールド61
に対して相対的に右方へ移動し、突出する。それに伴
い、第１の弁体67の開閉通路80が可動側延長マニホール
ド61の弁座部79内に嵌合する。これにより、第１の弁体
67内の樹脂通路72が主マニホールド28のランナー29から
遮断される。また、第１のサックバックノズル48は、高
々その鍔部49がストッパーリング51に当たるまで移動
し、第２のサックバックノズル65および第１の弁体67
は、高々その鍔部68がストッパーリング70に当たるまで
移動するが、両サックバックノズル48，65の停止後は、
両サックバックノズル48，65が離れる。すなわち、固定
側延長マニホールド41内のノズル側樹脂通路45と可動側
延長マニホールド61内の主マニホールド側樹脂通路65と
が分断される。このときも、ばね83の付勢により、第２
の弁体84は閉じたままである。一方、中間型２と可動型
３との型開に伴い、ばね93の付勢により、ピン92が左方
へ移動する。このように第１の弁体67やピン92が主マニ
ホールド28から離れる方向へ移動すれば、主マニホール
ド28内の溶融樹脂の圧力は低下する。これとともに、型
開に伴い、キャビティ４内で固化した樹脂である成形品
が型板25，26から離れるとともに、突き出しピン21によ
り突き出されて型板14，19から離れ、取り出される。

【００１６】その後、再び前述のようにして型締が行わ
れ、成形が繰り返される。なお、その間、成形機ノズル
６は、固定側延長マニホールド41に接続したままであ
る。また、成形サイクル中、延長マニホールド41，61内
の樹脂は、バンドヒーター44，64の加熱により常時溶融
状態に保たれる。これとともに、主マニホールド28内の
樹脂もヒーター30の加熱により常時溶融状態に保たれ
る。

【００１７】ところで、前述のように型開時には、固定
側延長マニホールド41と可動側延長マニホールド61とが
分離し、ノズル側樹脂通路45と主マニホールド側樹脂通
路65とが分断されたときでも、ばね83の付勢により第２
の弁体84が可動側延長マニホールド61側の第２のサック
バックノズル73の流入口76を塞いでいるので、この流入
口76を介して主マニホールド側樹脂通路65から溶融樹脂
が漏れることはない。これとともに、外部から流入口76
を介して主マニホールド側樹脂通路65内へ空気が入るこ
ともない。しかも、第１の弁体67自体により、流入口76
に通じる第１の弁体67内の樹脂通路65が主マニホールド
28のランナー29から遮断されるので、第１の弁体67の樹
脂通路65内には、主マニホールド28内の樹脂の圧力が加
わらず、樹脂漏れがいっそう確実に防止される。そし
て、樹脂漏れを防止できることにより、両延長マニホー
ルド41，61の突き当て時に支障をきたさない。また、空
気の巻き込みを防止できることにより、成形不良を防止
できる。なお、射出成形機側でも、ノズル６を有する加
熱シリンダー内のスクリューを後退させてサックバック
すれば、よりいっそう確実に樹脂漏れを防止できる。

【００１８】しかも、弁体67，84やサックバックノズル
48，73は、型１，２，３の開閉に連動して、あるいは、
樹脂圧により作動するものであり、特別な駆動源も必要
なく、弁体67，84やサックバックノズル48，73の機構が
簡単な構造である。

【００１９】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、固定型１に固定された固定側延長マニ
ホールド41に成形機ノズル６を常時接続し、中間型２に
固定された可動側延長マニホールド61を型締および型開
に伴い固定側延長マニホールド41に着脱するようにした
が、中間型に固定した１本の延長マニホールドを型締お
よび型開に伴い成形機ノズルに直接着脱するものでも、
本発明を適用できる。すなわち、１本の延長マニホール
ドのノズルタッチ部に前記実施例のような弁装置を設け
ればよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、成形機のノズルから中
間型にある主マニホールドまでの樹脂通路が型締および
型開に伴い接続および分断されるスタックモールド金型
において、前記樹脂通路のうち主マニホールド側樹脂通
路におけるノズル側樹脂通路との接続部を開閉する弁装
置を備え、この弁装置は、弁座部に主マニホールド側か
ら当たって前記接続部を閉塞する弁体と、この弁体をノ
ズル側樹脂通路の方へ付勢するばねとを備えているの
で、射出工程時や保圧工程時のように一定以上の樹脂圧
がかかっているとき以外は、弁体がばねにより付勢され
て前記接続部を確実に閉塞し、型開時、主マニホールド
内の樹脂の圧力にもかかわらず、主マニホールド側樹脂
通路からの樹脂漏れを確実に防止できるとともに、主マ
ニホールド側樹脂通路内に空気が入ることも防止でき、
型締の障害や成形不良を防止できる。しかも、弁装置の
構造が簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスタックモールド金型の一実施例を示
す型締状態の断面図である。

【図２】同上延長マニホールド部分の拡大図である。

【図３】同上延長マニホールド部分の型開状態の断面図
である。

【符号の説明】

１固定型２中間型３可動型４キャビティ６成形機ノズル（ノズル） 28 主マニホールド 45 ノズル側樹脂通路 65 主マニホールド側樹脂通路 77 弁座部 83 ばね 84 第２の弁体（弁体） 85 弁装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定型と、この固定型に対して開閉する
中間型と、この中間型に対して前記固定型と反対側で開
閉する可動型とを備え、前記固定型と中間型との間およ
びこの中間型と可動型との間にそれぞれキャビティを形
成するとともに、成形機のノズルから供給される樹脂を
前記各キャビティへ分配する主マニホールドを前記中間
型に備え、前記ノズルから主マニホールドまでの樹脂通
路が型締および型開に伴い接続および分断されるスタッ
クモールド金型において、前記接続および分断される樹
脂通路のうち主マニホールド側樹脂通路におけるノズル
側樹脂通路との接続部を開閉する弁装置を備え、この弁
装置は、前記主マニホールド側樹脂通路内に形成された
弁座部に主マニホールド側から当たって前記樹脂通路の
接続部を閉塞する弁体と、この弁体をノズル側樹脂通路
の方へ付勢するばねとを備えたことを特徴とするスタッ
クモールド金型。