JPH05342587A - マルチビーム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、簡素化された構成で同時に複数トラ
ックの信号系列の再生可能な、転送速度が向上されたマ
ルチビーム装置を提供することを目的とする。 【構成】本発明は、レーザ素子５が発生した時間分割さ
れた複数のレーザが、ビーム整形部６、第１のビームス
プリッタ７を介し対物レンズ３で集光され光ディスク１
の所定位置に入射され、取り出された情報を含む反射光
は、第２のビームスプリッタ９で制御系信号とデータと
に分離され、コリメートレンズ１１を透して１個のディ
テクタ１２に入光し、ここで光電変換された信号が前記
時間分離に基づき、同期回路１３，別弁回路１４により
処理され、所望する複数トラックの情報が同時に再生で
きるマルチビーム装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はマルチビームを用いた光
ディスクに情報を記録再生するマルチビーム装置の再生
部の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ディスク装置においては、特開
昭６１−１１７７４４号公報に記載されるように、マル
チビーム半導体レーザから出力する光が光学系を介して
絞り込まれ、光記録媒体の複数の点に照射される。その
複数の点からの反射光を前記光学系で集光させ、光ディ
テクタに導く。

【０００３】その複数の点からの反射光を前記光学系で
光学的に複数のビームに分割し、ビーム毎に別々に光デ
ィテクタに導く。前記光ディテクタ上で反射光の光強
度、偏光方向の変化を捕らえ、前記複数の点として記録
された情報を再生していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した光デ
ィスク装置は、１つの信号系列により１ビーム分の情報
を再生する。従って、複数の情報を同時に得るために
は、マルチビームを複数化し、さらにその本数に応答す
る再生系も必要であり、回路規模が多くなる。

【０００５】また、複数のトラックからの再生ビームを
分離検出するためには、光学系の調整が非常に難しかっ
た。

【０００６】そこで本発明は、簡素化された構成で同時
に複数トラックの信号系列の再生可能な、転送速度が向
上されたマルチビーム装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、記録媒体の所定位置にデータを記録再生す
る複数の光ビームを同時に生成するマルチビーム発光手
段と、前記マルチビーム発光手段から複数の光ビームを
所定時分割して生成するように駆動させるレーザ駆動手
段と、前記レーザ駆動手段に第１の基準時間信号を与え
る発振手段と、前記マルチビーム発光手段により照射さ
れた光ビームの記録媒体からの複数のデータを含む反射
光の再生光量を検出する検出手段と、前記検出手段から
の出力を前記発振手段が与える第２の基準時間信号に基
づき区分し弁別する同期・弁別手段とで構成されるマル
チビーム装置を提供する。

【０００８】

【作用】以上のような構成のマルチビーム装置により、
複数の再生ビームを１個のディテクタに導き、同時に複
数トラックの信号系列が再生される。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１０】図１には、本発明による第１実施例として
のマルチビーム装置の概略的な構成を示し説明する。本
発明に用いるレーザには、マルチビームレーザ、面発光
レーザ、シングル若しくはマルチビームレーザをビーム
合成したものが好適する。

【００１１】このマルチビーム装置においては、まず情
報を記録された光ディスク１のトラック上の所定位置に
ビームスポット２を形成する対物レンズ３が設けられ
る。レーザ駆動回路４の駆動信号により、マルチビーム
レーザ若しくはレーザを発生するレーザ素子５を駆動さ
せる。発生したレーザは、ビーム整形部６、入射光・反
射光を分離する第１のビームスプリッタ７を介して、前
記対物レンズ３で集光され前記光ディスク１に入射され
る。

【００１２】また前記ビームスプリッタ７には、前記光
ディスク１から取り出されたデータを含む反射光がフォ
ーカス・トラッキング制御系８とデータとに分離するた
めの第２のビームスプリッタ９が設けられる。

【００１３】前記第２のビームスプリッタ９の出力側に
は、検出部１０が設けられている。この検出部１０は、
コリメートレンズ１１及び１個のディテクタ１２により
構成される。前記ディテクタ１２により得られた出力
は、同期回路１３，別弁回路１４により処理され、所望
する複数トラックの情報が再生される。また、前記レー
ザ駆動回路４及び前記同期回路１３には、基準時間信号
を与える発振回路１１が設けられている。

【００１４】次に、このように構成されたマルチビーム
装置の動作を説明する。

【００１５】まず、レーザ素子５から出力された複数の
光ビームは、ビーム整形部６で平行光に整形される。こ
こで、図１に示すように本実施例では５本の光ビームを
例とする。

【００１６】前記光ビームは、第１のビームスプリッタ
７を通過して、対物レンズ３より光ディスク１上の記録
層内の複数箇所にそれぞれ集光される。前記記録層から
の反射光は、第１のビームスプリッタ７で方向が変えら
れ、コリメートレンズ１１を通り、ディテクタ１２で光
電変換され、電気信号として検出される。なお、ビーム
スプリッタでビームの方向を変えるためには、周知の１
／４波長板を挿入したり、ＰＢＳを用いるなどしてもよ
い。また、実際の信号の検出に必要なフォーカス信号、
トラッキング信号は、第２のビームスプリッタ９で分離
された光で検出されるが周知の技術を用いることとし
て、その説明を省略する。

【００１７】ここで、図２を参照して前記レーザ素子５
から出力される複数の光ビーム及びディテクタ１２によ
り再生される再生波形について説明する。

【００１８】前記レーザ素子５は、複数の光源を持つレ
ーザ素子であり、レーザ駆動回路４により、図２に示す
ように、１番目のレーザ、２番目のレーザ、…、ｎ番目
のレーザ（ｎは２以上の整数、図１では５とした）が発
振回路１１の基準時間信号に基づいた時分割で駆動され
る。従って、各レーザビームによる再生波形が時分割で
重ね合わさった波形がディテクタ１２により再生され
る。

【００１９】そして同期回路１３において、前記発振回
路１１が生成する第２の基準時間信号により、前記ディ
テクタ１２が検出する出力信号を各再生ビーム毎に分離
する。さらに、弁別回路１４により、光ディスク１上に
記録された情報を再生する。

【００２０】以上のことから第１実施例では、時分割さ
れた複数の再生ビームを１個のディテクタで検出し、そ
の出力を分割することにより、同時に複数トラックの信
号系列を再生することができ、回路が簡単になると共
に、転送速度を向上できる。

【００２１】次に図３には、本発明による第２実施例と
してのマルチビーム装置の概略的な構成を示し、説明す
る。ここで、第２実施例の構成部材で図１に示した構成
部材と同等の部材には、同じ参照符号を付し、その説明
を省略する。

【００２２】このマルチビーム装置は、同期回路１３と
発振回路１５との間に位相整合回路１６を設けている。
この第２実施例では、第１実施例と比較して、第２の基
準時間信号をレーザ素子１７からディテクタ１８までの
遅れ時間を前記位相整合回路１６で補正している。前記
位相整合回路１６の位相量の調整としては、前記レーザ
素子１７から１つのみ発光して、その出力により遅れ量
を算出し、それを位相整合回路１６に入力し、補正す
る。これ以外は、基本的動作は第１実施例と同様であ
る。

【００２３】また第３実施例として、図３と同じ構成
で、弁別回路で検出した信号により発振回路の周波数を
制御し、媒体上のデータ周期に合わせる。基本的動作
は、媒体上の信号周期にあわせてレーザ発光周期がその
整数倍に制御できるため、より安定した再生を実現でき
る。

【００２４】前述した各実施例における発振回路の各ビ
ーム毎の発振周期は、再生信号のデータ周期以上がよ
く、２倍以上１０倍が最も好適する。また前記発振回路
は高周波重量回路を兼ねてもよく、その場合には、各発
振周期内で高周波動を発生し、レーザ駆動回路を制御す
る。

【００２５】また各実施例の光学系は、相変化、記憶媒
体用であったが、光磁気媒体を用いる場合には、検出部
にポーラライズドビームスプリッタ（ＰＢＳ）を挿入
し、ディテクタを２個用いる光磁気検出系およびビーム
照射系を構成させればよい。また、光磁気検出系は、単
にディテクタの前に検光子を入れるだけでもよい。以上
の実施例は単独で用いても、組み合わせて用いてもよ
い。

【００２６】本発明に用いるレーザは、マルチビームレ
ーザ、面発光レーザ、シングル若しくはマルチビームレ
ーザをビーム合成したものが好適する。

【００２７】次に前述した実施例に用いた構成部材につ
いて具体例を示し説明する。

【００２８】図４にはディテクタの具体的な第１の構成
例を示す。まず、ディテクタ基板２１上に検出器２２を
形成する。前記検出器２２の検出面に複数の再生ビーム
２３が集光するように、レンズ２４ａ有するレンズ層２
４を形成する。

【００２９】この構成により、複数の再生ビームを１箇
所に集光させ、高速検出を可能としている。また、前記
検出器２２に隣接して増幅用のアンプ（図示せず）をデ
ィテクタ基板２１上に形成してもよい。

【００３０】図５には、ディテクタの第２の構成例を示
す。この第２の構成例では、ガラス、ポリカーネット
（ＰＣ）ＰＭＭＡ等のプラスチック等の物質で、光ガイ
ド２５を形成し、複数の再生ビーム２６を検出器２７へ
導く。前記光ガイド２５は、楔形の形状を成し、再生ビ
ーム２６の入射端面は断面積が大きく、前記検出器２７
側の端面は検出器大まで絞られる。また、前記光ガイド
２５はファイバ等を用いてもよい。その場合、一方の端
面にレンズを用いて再生ビームを集光しても、一端の断
面を大きくしてもよい。さらに、前記検出器２７に隣接
させて増幅用のアンプ（図示せず）をディテクタ基板上
に形成してもよい。また、図４と図５のディテクタの構
成を組み合わせても、単独であってもよい。

【００３１】以上、説明したように本実施例によれば、
所定の時分割される複数の再生ビームを１個のディテク
タで合成した状態で検出し、その時間分割に基づき分割
し再生することにより、同時に複数トラックの信号系列
を読出すことができる。

【００３２】従って、１個の検出器、即ち、１つの信号
系列により多数のビーム分の情報を再生する。従って、
回路構成が簡素化され、光学系の調整が容易となり、同
時に複数トラックの信号系列を再生することにより、高
速なデータ転送が実現される。 また本発明は、前述し
た実施例に限定されるものではなく、他にも発明の要旨
を逸脱しない範囲で種々の変形や応用が可能であること
は勿論である。

【００３３】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、簡
素化された構成で同時に複数トラックの信号系列の再生
可能な、転送速度が向上されたマルチビーム装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明による第１実施例としてのマル
チビーム装置の概略的な構成を示す図である。

【図２】図２は、図１に示したレーザ素子から出力され
る複数の光ビームの波形とディテクタにより再生される
再生波形を示す図である。

【図３】図３は、本発明による第２実施例としてのマル
チビーム装置の概略的な構成を示す図である。

【図４】図４は、ディテクタの具体的な第１の構成例を
示す図である。

【図５】図５は、ディテクタの具体的な第２の構成例を
示す図である。

【符号の説明】

１…光ディスク、２…ビームスポット、３…対物レン
ズ、４…レーザ駆動回路、５，１７…レーザ素子、６…
ビーム整形部、７…第１のビームスプリッタ、８…フォ
ーカス・トラッキング制御系、９…第２のビームスプリ
ッタ、１０…レーザ駆動回路、１１…コリメートレン
ズ、１２，１８…ディテクタ、１３…同期回路、１４…
弁別回路、１５…発振回路、１６…位相整合回路、２１
…ディテクタ基板、２２，２７…検出器、２３，２６…
再生ビーム、２４…レンズ層、２４ａ…レンズ、２５…
光ガイド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体の所定位置にデータを再生する
   複数の光ビームを同時に生成するマルチビーム発光手段
   と、 前記マルチビーム発光手段から複数の光ビームを所定時
   分割して生成するように駆動させるレーザ駆動手段と、 前記レーザ駆動手段に第１の基準時間信号を与える発振
   手段と、 前記マルチビーム発光手段により照射された光ビームの
   記録媒体からの複数のデータを含む反射光の再生光量を
   検出する検出手段と、 前記検出手段からの出力を前記発振手段が与える第２の
   基準時間信号に基づき区分し弁別する同期・弁別手段と
   を具備することを特徴とするマルチビーム装置。