JPH05342520A - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH05342520A
JPH05342520A JP14535492A JP14535492A JPH05342520A JP H05342520 A JPH05342520 A JP H05342520A JP 14535492 A JP14535492 A JP 14535492A JP 14535492 A JP14535492 A JP 14535492A JP H05342520 A JPH05342520 A JP H05342520A
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JP
Japan
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magnetic head
magnetic
chromium nitride
tape
nitride film
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Application number
JP14535492A
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English (en)
Inventor
Hideo Kurokawa
英雄 黒川
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
Shogo Nasu
昌吾 那須
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁気ヘッドのコア1及びギャップ2の表面に
厚み800Å程度の窒化クロム薄膜3を形成し、その表
面に炭素元素を含むイオンを加速照射して炭素元素をド
ーピングする。 【効果】 特性の異なる種々の磁気記録媒体を摺接させ
ても摩耗や磁性粉の凝着が発生しにくく長期にわたって
初期の記録再生特性を維持することが可能であり、信頼
性に優れた高密度磁気記録装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テープ状やディスク状
の磁気記録媒体に摺接して信号を記録再生するのに使用
される磁気ヘッドに関し、特に耐摩耗性を向上するため
に表面保護膜を有する磁気ヘッドとその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からVTR等の磁気記録装置では、
磁気記録媒体に信号を記録再生及び消去するための電磁
変換素子として磁気ヘッドが使用されている。磁気ヘッ
ドはコアとギャップとから構成され、記録時にはコアに
巻かれたコイルに信号に応じた電流を流すことで磁界を
発生させ、ギャップからの漏れ磁界により磁気記録媒体
に信号を記録する。
【0003】再生時は磁気記録媒体からの漏れ磁界を検
出し、先述のコイルにより磁力の変化を電流に変換して
信号を検出する。このような記録、再生を効率よく行う
ためには磁気記録媒体と磁気ヘッドはできるだけ近づけ
ることが望ましく、テープ状の磁気記録媒体(以後テー
プと称する)を使用したオーディオテープレコーダーや
ビデオテープレコーダー等では磁気ヘッドとテープは接
触摺動している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の磁
気ヘッドでは、テープとの接触摺動により摺動面が摩耗
するという課題があった。従来の磁気ヘッドでは、ギャ
ップとコアの材料が異なる。そのためテープが接触摺動
した時にギャップとコアとで摩耗量に差が発生し、段差
が生じて信号の記録再生に支障を生じる(以後このよう
な現象を段差摩耗と称することとする)。この現象はテ
ープと磁気ヘッドとの接触圧力が大きいほど顕著とな
り、例えばオーディオテープレコーダーのようにテープ
のバック面からパッドを押しつけて磁気ヘッドとテープ
を接触させる場合には、段差摩耗はさらに大きくなる。
【0005】段差摩耗の記録再生特性への影響は、使用
する波長が短くなるほど大きくなる。例えば200nm
の段差摩耗が生じた場合、従来のオーディオテープレコ
ーダーでは最も短い記録波長でも約15μmであるため
に再生出力はは0.5dB程度しか低下しないのに対し
て、最短記録波長が1μmのDCC(デジタルコンパク
トカセット)テープレコーダーでは10dB近くの出力
低下が生じる。このように高密度記録(即ち短波長記
録)が要求される最近の磁気記録装置では、特に段差摩
耗の少ない磁気ヘッドの実現が望まれている。
【0006】また最近では磁気抵抗効果素子を用いたM
Rヘッドのような薄膜磁気ヘッドが、小型高性能の点か
ら有望視されている。しかし薄膜磁気ヘッドでは段差摩
耗に加えて摩耗の絶対量を少なくしなければならないと
いう課題があった。すなわち薄膜磁気ヘッドではリング
型バルクヘッドに比べてギャップの有効深さが小さいた
めに、テープとの摺動で摩耗が生じると短時間でギャッ
プが損傷して記録再生ができなくなるという課題があっ
た。
【0007】これらの課題を解決する方法として磁気ヘ
ッドの表面に耐摩耗特性に優れた保護膜を設置すること
が検討されているが、現実には種々の磁気記録媒体に対
して十分に効果のあるものは得られていない。以下に、
最も一般に使用されている塗布型テープを例に説明す
る。
【0008】塗布型テープの磁性層は磁性粒子とバイン
ダーとから構成されており、バインダーの中には摩擦係
数を小さくして滑り性を改善するための潤滑剤と、磁気
ヘッド等の摺動部材に付着する磁性粉を除去するための
研磨剤が混入されている。潤滑剤、研磨剤の種類や割合
によってテープの摺動特性(研磨性、滑り性等)は大き
く異なり、例えばAl2O3を研磨剤として混入したテープ
では研磨性が強くなる。
【0009】一方α-Fe2O3等を研磨剤として混入した場
合には研磨性が弱く、ヘッドの表面に磁性粉が凝着しや
すくなる。研磨性の強いテープでは磁気ヘッド摺動面の
段差摩耗や摩耗が発生し易く、これを防止する保護膜と
しては従来から検討さているような窒化ホウ素(特開No
平3-267363)やサイアロン(特開No昭63-302401)のよ
うに硬くて機械強度に優れた材料が効果的である。
【0010】しかしこれらの材料は基板との付着性に課
題があり、実用上は磁気ヘッドとの付着性を高めるため
の中間層が必要で保護膜としては厚くなってしまう。先
述のように磁気ヘッド上の保護膜はスペーシング損失と
なるため、特に高密度記録再生を行う装置では特性が低
下するという課題があった。
【0011】また研磨性の弱い磁気テープを走行させる
と、表面に磁性粉が凝着して特性が低下するという課題
があった。すなわち信頼性の高い高密度記録再生装置を
実用化するためには、極めて薄い膜厚でも優れた耐摩耗
特性を備えかつ磁性粉が凝着しにくい保護膜により耐久
性、信頼性に優れた磁気ヘッドを実現しなければならな
いという課題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、保護膜として炭素をドーピングした窒化
クロム薄膜を磁気ヘッドに形成するものである。
【0013】
【作用】上記構成により、本願発明の磁気ヘッドでは、
上記従来の課題を解決できる。
【0014】保護膜形成時において、磁気ヘッドの機能
を損なわないためには磁気ヘッドの温度は200℃以下
でなければならず、できれば室温に近いことが望まし
い。耐摩耗特性に優れている材料(例えばSiC,TiC,Si3N
4,WC,BN,等)を基板温度が200℃の条件でスパッタリ
ング法や真蒸着法等で薄膜形成すると、通常非晶質(ア
モルファス)になる。このため硬度等の機械特性が低下
して十分な耐摩耗特性が得られない。
【0015】これに対して窒化クロムは成膜時の条件を
選定すれば200℃以下でも結晶性の膜形成が可能であ
り、かつ磁気ヘッドとの付着性も良好であるため薄膜で
もバルクに近い耐摩耗特性を示す。また窒化クロム薄膜
の表面に炭素をドーピングして表面を改質することで、
研磨性の弱い磁気テープが摺動した時にも磁性粉が凝着
しにくくなる。この理由についてはよくわかっていない
が、摺動面に炭素元素が存在することで磁性粉と窒化ク
ロム薄膜とが凝着しにくくなるためではないかと考えて
いる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す磁気ヘッドの構
成図である。磁気ヘッドのコア1及びギャップ2の表面
に厚み800Åの窒化クロム薄膜3を形成し、その表面
に炭素元素を含むイオンを加速照射して炭素元素をドー
ピングした。窒化クロム薄膜はクロム3をターゲットと
してアルゴンガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気中(真空
度1.0〜3.0Pa、Ar/N2比0.5〜1.0)でのR
Fスパッタリング法で形成した。
【0017】炭素のドーピングは図2に示す薄膜形成装
置で行った。真空槽4には原料ガスをイオン化するイオ
ン銃5と磁気ヘッドホルダー部6が設置されており、磁
気ヘッド8表面の窒化クロム膜には磁気ヘッドホルダー
部6を介してバイアス電圧が印加される構成になってい
る。イオン銃5内に導入された原料ガスはフィラメント
7から放出される熱電子によってプラズマ化され、プラ
ズマ中のイオンは磁気ヘッドホルダー6及び磁気ヘッド
8に印加されたバイアス電圧により引き出されて窒化ク
ロム膜に加速衝突する。この衝突エネルギーによりイオ
ン中の炭素元素が窒化クロム膜内にドーピングされる。
【0018】本発明でドーピングを実施した時の主な条
件を(表1)に示す。また、基板及びコア材料がNiZnFe
-BaTiO3でギャップがAl2O3で構成されたオーディオカセ
ットテープレコーダー用磁気ヘッドの表面に炭素をドー
ピングした窒化クロム膜を形成し、走行耐久試験を行っ
た結果を(表2)に示す。
【0019】耐久試験はオートリバース型のオーディオ
カセットデッキを使用し、磁気テープはSUPER CHROME
(BASF社製、研磨性の強いテープ)とPS-1(AXIA社製、
研磨性の弱いテープ)を使用した。耐久時間について
は、保護膜が摩耗して磁気ヘッド表面が露出するまでの
時間で評価した。
【0020】研磨性の強いSUPER CHROMEテープを走行さ
せると、窒化クロム薄膜以外はいずれも30時間未満で
膜が摩耗して磁気ヘッドが露出する現象が認められた。
これに対して窒化クロム薄膜は1000時間後の試験で
も摩耗は発生せず、記録再生特性の劣化が認められなか
った。
【0021】しかし研磨性の弱いPS-1テープを走行させ
ると磁気ヘッド表面に磁性粉等が凝着し、スペーシング
損失になるとともに磁性層が減磁して特性が劣化した。
【0022】これに対して窒化クロム薄膜に真空度1.
0Pa、基板バイアス−3.0kVの条件で炭素元素を
ドーピングしたところ、SUPER CHROMEテープに対する耐
摩耗特性は変わらず、PS-1テープに対する凝着現象を防
止することができた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】炭素元素のドーピングは、先述のように炭
化水素ガスのプラズマから炭化水素イオンを引出し、基
板バイアスにより加速照射して行う。ドーピングの効果
はイオンのエネルギー(すなわち基板バイアスの大き
さ)により大きく異なる。窒化クロム膜(膜厚800
Å)に基板バイアスを変化させてドーピングを行った場
合の耐摩耗特性の変化を(表3)に示す。
【0026】
【表3】
【0027】基板バイアスが−1.0kVより小さい
と、研磨性の弱いPS-1テープに対して磁性粉の凝着現象
が生じるため、基板バイアスは−1.0kV以上、好ま
しくは−3.0kV以上が望ましい。これは基板バイア
スが−1.0kVより小さいと基板に衝突する時のエネ
ルギ−が弱く炭素元素のドーピングが不十分であった
り、炭化水素イオンが基板をスパッタリングしてドーピ
ングされにくいことが原因である。
【0028】先述のように磁気ヘッド表面の保護膜はス
ペーシング損失となって記録再生特性を低下させるため
に、その膜厚は耐摩耗特性を低下させない範囲でできる
限り薄いことが望ましい。(表4)に窒化クロム膜の膜
厚を変化させた時の耐摩耗特性を示す。
【0029】膜厚が薄いと耐摩耗特性は低下し厚いと磁
気ヘッド特性が低下するため、窒化クロム膜の膜厚は3
0nm以上100nm以下、好ましくは50nm以上100nm
以下であることが望ましい。
【0030】
【表4】
【0031】実施例では炭化水素ガスとしてC6H6ガスを
使用したが、本発明はこれに限るものでなく炭素元素を
含むいかなるガスであってもかまわない。またArガス
やH 2ガス等を混入できることはもちろんである。また
炭素元素をドーピングする方法については炭化水素イオ
ンの加速照射に限るものではなく、窒化クロム成膜時に
炭素元素を混入する方法でもかまわない。
【0032】また本発明はDCCやオ−ディオカセット
テープレコーダーに使用される磁気ヘッドに限るもので
はなく、磁気媒体と接触摺動して信号を記録再生する磁
気記録装置の磁気ヘッドに対しても有効である。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の磁気ヘッドでは、
特性の異なる種々の磁気記録媒体を摺接させても摩耗や
磁性粉の凝着が発生しにくく長期にわたって初期の記録
再生特性を維持することが可能であり、信頼性に優れた
高密度磁気記録装置を実現する上で極めて効果が大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの一実施例の構成を示す平
面図
【図2】本発明の磁気ヘッドの製造方法を具現化した薄
膜形成装置の構成図
【符号の説明】
1 ギャップ 2 コア 3 炭素ドーピング窒化クロム膜 4 真空槽 5 イオン銃 6 磁気ヘッドホルダー 7 フィラメント 8 磁気ヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも磁気記録媒体との摺動面に、炭
    素元素をドーピングした窒化クロム膜を備えた磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】炭素元素をドーピングした窒化クロム膜の
    厚みが30nm以上である請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気ヘッド部材の少なくとも磁気記録媒体
    と摺動する部分に窒化クロム膜を形成し、その後窒化ク
    ロム膜の表面に少なくとも炭素元素を含むイオンを照射
    する磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】炭素元素を含むイオンを照射する時の照射
    エネルギーが−1.0keV以上である請求項2記載の
    磁気ヘッドの製造方法。
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