JPH053401B2 - - Google Patents

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JPH053401B2
JPH053401B2 JP29288085A JP29288085A JPH053401B2 JP H053401 B2 JPH053401 B2 JP H053401B2 JP 29288085 A JP29288085 A JP 29288085A JP 29288085 A JP29288085 A JP 29288085A JP H053401 B2 JPH053401 B2 JP H053401B2
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catalyst
chromium
hydrogen chloride
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gas
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JP29288085A
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Masanobu Ajioka
Shinji Takenaka
Hiroyuki Ito
Masafumi Kataita
Yoshitsugu Jinno
Tadamitsu Kyora
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は塩素の製造方法、より詳細には塩化水
素ガスを含酸素ガスで酸化し塩素を製造する方法
の改良に関するものである。 (発明の技術背景) 塩素は食塩電解により大規模に製造されてお
り、塩素の需要は年々増大するにもかかわらず、
食塩電解の際に同時に生成する苛性ソーダの需要
は塩素のそれよりも少ないために、各々の不均衡
をうまく調整するのは困難な状況が生じている。 一方、有機化合物の塩素化反応またはホスゲン
化反応の際に大量の塩化水素が副生しており、副
生塩化水素の量は、塩酸の需要量より大巾に多い
ために、大量の塩化水素が未利用のままで無駄に
廃棄されている。また廃棄のための処理コストも
かなりの額に達する。 上記のように大量に廃棄されている塩化水素か
ら効率よく塩素を回収出来れば、苛性ソーダ生産
量とのアンバランスを生じることなく、塩素の需
要を満たすことが出来る。 (従来の技術および発明が解決しようとする問題
点) 塩化水素を酸化して塩素を製造する反応は古く
からDeacon反応として知られている。1868年
Deaconの発明による銅系の触媒が、従来最も優
れた活性を示す触媒とされ、塩化銅と塩化カリに
第三成分として種々な化合物を添加した触媒が多
数提案されている。しかしながら、これらの触媒
で工業的に充分な反応速度で塩化水素を酸化する
ためには、反応温度を400℃以上にする必要があ
り、触媒成分の飛散に伴なう触媒寿命の低下等が
問題となる。 以上の観点から、銅系以外の触媒として、酸化
クロムは銅等に比較すると高温に対する安定性、
耐久性があるので、酸化クロムを塩化水素の酸化
に触媒として用いる提案もあるが、未だ充分な活
性を示す結果は報告されていない。例えば、英国
特許第584790号には、無水クロム酸または硝酸ク
ロム水溶液を適当な担体に含浸させて熱分解した
触媒上に塩化水素を400℃前後で流通させ、塩素
を発生させ、触媒が失活した後、塩化水素の供給
を停止し、空気を流通させ触媒を再生後、空気の
流通を断つて、ふたたび塩化水素を流通させる不
連続的方法が記載されている。また、英国特許第
676667号には、重クロム酸塩または暗黒緑色の酸
化クロムを、担体上に担持した触媒を用い、塩化
水素と含酸素ガスを420〜430℃の反応温度で空間
速度380Hr-1で反応させ、平衡値の67.4%の塩化
水素の転化率、空間速度680Hr-では63%の塩化
水素の転化率を得ている。その際反応温度340℃
でも反応は認められるが、この場合には空間速度
を65Hr-1といつた低い値にしてしかも52%の転
化率を得ているにすぎない。 またこれらの改良法として、英国特許846832号
には酸化クロム触媒の存在下、反応系中のガス相
にクロミルクロライドを存在させて実施されてい
る。その具体例として六価の重クロム酸アンモニ
ウムを焼成して六価の酸化クロムとなし、これを
水素で還元して得た三価の酸化クロムを触媒に用
い、塩化水素と酸素の等モル混合物を420℃の反
応温度で空間速度1200Hr-1で反応させ、平衡値
の92%の塩化水素の転化率を得ているが、185時
間後には46%に低下するため、活性を維持するた
め原料塩化水素にクロミルクロライドを混入する
方法がとられている。 しかしながら、重クロム酸アンモンやクロミル
クロライドなどのように六価クロムは人体に有害
であり、また該方法は、触媒調整時の水素還元
や、反応終了後のクロミルクロライドの分離精製
など工程が煩雑となる。 このようなことより、酸化クロムを触媒に用い
ても、上記英国特許846832記載のように新たな反
応試薬を加えない限り、従来公知の方法は反応温
度も高く、空間速度も低いために工業的な操業に
耐え得る状態にはない。すなわち、従来報告され
ている酸化クロム触媒は、銅系触媒に比較して特
に優れた性能を示すものではなかつた。 本発明の目的とするところは、活性が高く、塩
化水素の処理量も多い(高、空間速度)触媒を用
いて塩化水素から塩素を効率よく長期間安定に製
造する方法を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、酸化クロムを主成分とする触媒
の存在下、塩化水素を含酸素ガスで酸化し、塩素
を製造する方法を種々検討した結果、酸化クロム
触媒(Cr2O3)の中、三価クロム塩に硝酸クロム
または塩化クロムを用い、その沈澱触媒を得るた
めの中和剤として塩基性化合物にアンモニアを用
いて得られた水酸化クロムを、800℃に満たない
温度で焼成して得た酸化クロムを主成分とし、そ
の際好ましく酸化珪素をバインダーにして成型し
た触媒は高活性を維持できることを見出し、先に
出願した。 さらに検討をすすめ、このような三価クロム塩
と塩基性化合物により、沈澱させて合成した水酸
化クロムを焼成して得られた酸化クロム触媒を用
いて長期間その活性を保持するためには、特に反
応温度が重要であることがわかり、本発明に達し
た。 即ち、触媒として三価クロムの塩を、塩基性化
合物により沈澱させて得られた水酸化クロムを焼
成して酸化クロムに調整した触媒を用い、塩化水
素に対し酸素のモル比を0.25〜10とし、300〜500
℃の温度で反応させることを特徴とする塩化水素
より塩素の製造方法である。 本発明の方法における反応温度は、300〜500℃
に維持して行う必要があり、通常は350〜450℃が
好ましい。 温度が高いほど、塩化水素の転化速度は速くな
るが、本発明触媒のような水酸化物を焼成して得
られた酸化クロム触媒は、触媒からのクロム成分
の揮発速度が大きくなり、触媒を長期間使用する
上で問題となる。また、本発明触媒は300℃以下
では塩化水素の転化速度が小さく、工業上十分な
空間速度で塩化水素を供給することができない。
さらに、本発明に使用される高活性の酸化クロム
触媒は、原料ガス中に含まれる鉄分により被毒さ
れ易く、また、工業的に副生する塩化水素ガス中
の微量の鉄分は完全に除くことが困難なため、塩
化鉄の沸点に近い300℃以上の温度で反応を行な
うことが、触媒上への鉄分の沈着を押さえ、長期
間触媒の高活性を保つ上からも必要となる。 また本発明において、反応に供する塩化水素と
含酸素ガス中の酸素のモル比は0.25〜10であるこ
とが必要である。理論量の0.25より酸素が少ない
と、塩化水素の転化率が低く、生成した塩素の分
離操作が繁雑になることや、原料費の増加等で不
利となる。また触媒を長期使用した場合、しだい
に転化率が低下するため、触媒寿命の点で問題と
なる。 このような長期的な活性の低下は、酸素のモル
比が低いほど大きくなるため、酸素の使用量は多
い方が好ましいが、10モル以上使用する場合に
は、反応ガス中の生成塩素濃度が低いため、反応
ガスからの塩素の分離が困難となる。 触媒床に供給する塩化水素の量は、200〜180N
/時間、Kg.catの範囲が適している。 本発明において原料の三価クロム塩としては、
塩化クロム、硝酸クロム、硫酸クロム、炭酸クロ
ム等の無機酸の塩でもギ酸クロム、酢酸クロム、
シユウ酸クロム等の有機酸の塩を用いることがで
きるが、特に塩化クロム、硝酸クロムが最適であ
る。 また塩基性化合物としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、アン
モニア等無機アルカリの他にメチルアミン、ジメ
チルアミン、ピリジン、エタノールアミン、水酸
化テトラメチルアンモニウム等のような有機塩基
性化合物でも良いが、特にアンモニアがよい。ナ
トリウム等のアルカリ金属や、アルカリ土類金属
を用いた場合には、それらの金属が沈澱中に残存
しやすく得られた触媒の活性が低下するので好ま
しくない。 焼成は通常空気中あるいは、酸素気流中行なわ
れるが、800℃に満たない温度で行なうことが好
ましく、これ以上の温度で処理したものは、触媒
活性が非常に低い。 焼成時間は通常、数時間乃至20時間程度で良
い。 本発明の方法では焼成後の酸化クロムは粉砕し
てそのまま用いてもよいが、好ましくは酸化クロ
ムに酸化珪素をバインダーとして少量添加後、打
錠成型または押出成型したものや、添加後スプレ
ードライヤー等で造粒乾燥、焼成して用いる。反
応器は固定床でも流動床でも差し支えない。 本発明の方法に用いられる原料の塩化水素は、
通常有機化合物の塩素化反応の際に副生する塩化
水素またはホスゲン化反応の際に副生する塩化水
素等の副生塩酸が多用される。 塩化水素の酸化剤は含酸素ガスであつて、酸素
ガスまたは空気が多用される。反応器の形成が、
流動床式の場合には酸素ガスが、固定床式の場合
には空気が用いられる場合が多い。 (作用および発明の効果) 本発明の方法によれば、酸化クロム触媒を高空
間速度、高転化率で使用することができ、また長
期間その活性を維持することができる。 すなわち本発明によれば塩化水素から長期間安
定に効率良く塩素を製造できる工業的に有利な製
造法を提供することができる。 以下、実施例により本発明を説明する。 実施例 1 硫酸クロム9水塩3.0Kgを脱イオン水30に溶
解させよく撹拌しながら、28%のアンモニア水
2.9Kgを30分間を要して滴下注入した。生じた沈
澱スラリーに脱イオン水を加え200に希釈し、
一晩放置後デカンテーシヨンを繰返し沈澱を洗浄
した。沈澱を別し風乾燥後、100〜120℃で8時
間乾燥後電気炉で空気雰囲気中、100〜600℃まで
3時間を要して昇温し550℃で4時間焼成した。 焼成後の触媒を粉砕し、コロイダルシリカ(酸
化珪素)を全量の10%となるように加え、混練後
3mmφ×5mmのペレツトに押出し成型し550℃で
再び4時間焼成した。 この触媒を内径1インチのNi製反応器に175g
充填し、反応管外部より砂動浴により370℃に加
熱した。 塩化水素ガス2.33N/min、酸素ガス1.17N
/min(SV=1200Hr-1)を370℃に予熱してか
ら触媒層に導入し反応させ。触媒床温度は、ガス
入口より触媒層全長の20%にあたる部分で反応に
よる反応熱のため450℃の最高温度を示した。 反応器流出ガスをヨウ化カリ水溶液の吸収瓶と
苛性ソーダ水溶液の吸収瓶を直列につないだトラ
ツプで捕集し、チオ硫酸ソーダおよび塩酸で滴定
し、未反応塩化水素と生成した塩素を定量した。 反応開始直後の転化率は、70%であつた。その
後、200時間運転後の転化率は66%であつた。ま
たこの時の触媒重量は168gであり、仕込触媒の
96%にあたる。 実施例 2 実施例1と同様の方法で硝酸クロムとアンモニ
ア水とから得た沈澱のスラリーをデカンテーシヨ
ンで洗浄後、焼成後の全重量の10%にあたるコロ
イダルシリカを加えた。この混合スラリーをスプ
レードライヤーで乾燥して得られた粒状粉末を、
空気雰囲気中600℃で3時間焼成し平均粒径50〜
60μの触媒を得た。本触媒375gを内径2インチ
のNi製流動床反応器に充填し、外部を砂動浴に
より370℃に加熱した。塩化水素ガス3.13N/
min、酸素ガス1.56N/minを触媒床に導入し
触媒を流動させながら反応させた。触媒層の温度
は発熱により400℃となつた。 反応開始直後の塩化水素の転化率は68%であ
り、1000時間後でも60%以上の転化率を保つてい
た。またこの時点での触媒重量は364gで、これ
は仕込触媒の94.2%にあたる。 実施例 3 実施例2と同様のスプレードライ造粒により得
られた触媒と反応装置を用い、375gの触媒に対
し塩化水素ガス3.13N/min、酸素ガス1.17N
/min、1.56N/min、3.13N/minの3条
件に対し、触媒層温度400℃で転化率を測定した。 その結果を表−1に示した。
【表】 実施例 4 実施例2と同様の触媒及び反応器に触媒層温度
300、400、500℃において、塩化水素ガスと酸素
のモル比が0.5で両ガスを導入して、それぞれ200
時間連続使用した後の転化率と触媒重量変化を測
定した。その結果を表−2に示した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化クロムを主成分とする触媒の存在下、塩
    化水素ガスを含酸素ガスで酸化し塩素を製造する
    方法において、触媒として三価クロムの塩を、塩
    基性化合物により沈澱させて得られた水酸化クロ
    ムを焼成して調整した酸化クロムを主成分とした
    触媒を用い、塩化水素に対し酸素のモル比を0.25
    〜10とし、300〜500℃の温度で反応させることを
    特徴とする塩化水素より塩素の製造方法。 2 三価のクロム塩が、硝酸クロムまたは塩化ク
    ロムである特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 塩基性化合物が、水酸化アンモンである特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 4 焼成温度が800℃以下である特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 5 触媒が酸化クロムと酸化珪素よりなる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
JP29288085A 1985-12-27 1985-12-27 塩素の製造方法 Granted JPS62153103A (ja)

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