JPH05339898A - 発泡体粒子を含有する紙の製造方法 - Google Patents

発泡体粒子を含有する紙の製造方法

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JPH05339898A
JPH05339898A JP3286429A JP28642991A JPH05339898A JP H05339898 A JPH05339898 A JP H05339898A JP 3286429 A JP3286429 A JP 3286429A JP 28642991 A JP28642991 A JP 28642991A JP H05339898 A JPH05339898 A JP H05339898A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡性粒子をパルプに混抄することにより均
一な発泡シートの製造方法を提供する。 【構成】 パルプ100部に平均粒径5〜30μmの発
泡性粒子1〜40部を配合して抄紙したシートを、加熱
により発泡させて、低密度の嵩高な紙を製造する方法に
おいて、加熱発泡前の水分量が65〜72%の状態でシ
ートを加熱発泡することにより、密度が0.1〜0.3
g/cm2の均一で嵩高な発泡体粒子を含有する紙が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば即席麺類やお茶
等のカップ用として断熱性、保温性に優れた低密度原紙
の製造法に関し、更に詳しくはパルプに発泡体粒子を含
有したシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来食品容器等に用いられるシートには
発泡スチロールや発泡ポリエチレン等の高分子ポリマー
が断熱性、保温性に優れ、成型、加工性もよく、安価で
あるため大量に使用されているが、昨今の環境汚染防止
の動きから、自然に分解したり燃焼しても汚染物質や煤
煙等が出にくい紙等への転換が進められている。紙基材
にこれらの断熱機能をもたせる方法としては、独立気泡
に近い空気層を紙に与えるのが有効な方法であるが、従
来紙状基材に独立気泡に近い気泡を与える方法として
は、中空カプセルを含む塗工層を設けることや、発泡性
カプセルを塗工した後発泡させて低密度化する方法、発
泡性カプセルをパルプとともに抄紙して抄紙マシンの熱
ロール上で発泡させる方法等が知られている。
【0003】これらの内、真に断熱性等に有効な発泡紙
を得るには、塗工層に発泡剤を塗工して一部の層のみを
発泡状態にする方法より、中空カプセルや発泡性カプセ
ルをパルプと混抄してカプセルを紙全体に分布させ、紙
全体を発泡状態にする方が望ましい。しかし、中空カプ
セル等をパルプと混抄する方法は、パルプと中空カプセ
ルとで比重差があり過ぎて巧く均一に抄紙する事が難し
く、余り実用的でない。すなわち、特開昭52−399
24号公報にはシラスバルーンを抄紙の際添加して嵩高
紙を作製する方法が示されているが、比重が低いために
水に浮いてしまうので抄紙しにくい問題がある。またそ
の実施例に示された表から判るように抄紙された原紙の
密度は0.37〜0.67g/cm3であり、我々の目
標とする発泡ポリスチレン並の低密度と比べるとまだま
だ高すぎる。
【0004】一方、特開昭47−24263号公報には
発泡性プラスチックを繊維と混抄する方法が示されてい
るが、その実施例1から判るようにパルプ6gにプラス
チック30gと、これは発泡性プラスチックを主体とし
た発明であり、我々の目指す紙を主体とするシートとは
異なる。また、発泡性カプセルを使用する方法は、例え
ば特開昭63ー173686号公報に感熱紙の原紙を製
造する例が知られているが、この方法では発泡された原
紙の密度は0.5g/cm3程度にしか低下せず、本発
明が目的とする有効な断熱性やクッション性を得るには
まだ発泡度が不十分であることが判った。
【0005】また、断熱材料として一般に使用されてい
る発泡スチロールの熱伝導性は0.045w/m/k程
度と小さいが、上記発泡性カプセルを含有する密度0.
5g/cm3の紙ね熱伝導性は0.07w/m/kと非
常に大きくて、断熱材としてはまだ不十分であることが
判った。更に、特開昭55−18116号公報にはマイ
クロカプセルを混抄して作製した振動板について記され
ているが、この板にしても密度は0.5g/cm3程度
であり、やはり我々が目的とする低密度は得られていな
い。このようなことから、断熱性、保温性、強度等の特
性が発泡ポリスチレン並である0.1〜0.3g/cm
3の低密度の紙はまだ知られておらず、その開発が要望
されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
液体を芯物質とする発泡性粒子を配合して抄紙したシー
トを加熱発泡させることにより、密度が0.1〜0.3
g/cm3の断熱性に優れ、またクッション性のある紙
を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明は、パルプに発泡性
粒子を配合して抄紙したシートを加熱により発泡させ
て、低密度の嵩高な紙を製造する方法において、上記シ
ートの加熱発泡前の水分量が65〜72%の状態で加熱
発泡させ、密度が0.1〜0.3g/cm3の均一な嵩
高な紙を得る事が可能になった。本発明者等は、発泡前
のシートに必要な熱を均一に与える事に着眼し鋭意検討
した結果、加熱発泡する前のシートの水分量を、一般の
抄紙の場合の乾燥時のシート水分量より相当量多くして
ドライヤーに送ることにより、均一発泡性に優れたシー
トを製造する事ができることが判った。一般に抄紙にお
いては、ドライヤー乾燥前の水分はできるだけ低くする
のが通常であり、例えば60%以下にするのが普通であ
る。しかし、この水分を65〜72%にすると、良好な
発泡が得られることがわかった。また、このような高水
分域においてはパルプ間の結合が完全ではないので、発
泡体の膨張を妨げることが少なく、またパルプ繊維が移
動できるために発泡が充分に行われると思われる。
【0008】本発明のシートを発泡させる製造方法とし
ては、シートの水分量を所定量に調整後にドライヤーマ
シーン上で乾燥と同時に発泡を行う方法と、シートを一
旦発泡性粒子の発泡温度以下の温度で乾燥を行い、その
後再び含水させて水分量を所定量に調整した後加熱処理
を行う二通りの方法が可能である。
【0009】本発明に使用されるパルプとしては、通常
の製紙で使用されるものの何れもが使用可能である。例
えば針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械パルプ等の木材
パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材天然パルプ、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等を原料とした合成パルプ
等を挙げる事ができ、これらを組み合わせて使用する。
上記のパルプの他にアクリル繊維、レーヨン繊維、フェ
ノール繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有
機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維等の無機
繊維等、各種の繊維を混抄することも可能である。しか
しながら、抄紙性の観点からすると、パルプを50重量
%以上配合した方がシートの地合、強度において優れて
いる。
【0010】本発明に使用する発泡性粒子は、マイクロ
カプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性マイクロカ
プセルである。このカプセルは、80〜200℃の比較
的低温度で短時間の加熱により、直径が約4〜5倍、体
積が50〜100倍に膨張する平均粒径5〜30μmの
粒子である。低沸点溶剤としてはイソブタン、ペンタ
ン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水
素、メチルシラン等の揮発性有機溶剤(膨張剤)を塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等の共重合体化ら成る熱可塑性樹
脂で包み込んだものであり、マイクロカプセルの膜ポリ
マーの軟化点以上に加熱されると膜ポリマーが軟化しは
じめ、同時に内包されている膨張剤の蒸気圧が上昇し、
膜が押し広げられてカプセルが膨張する。熱膨張性マイ
クロカプセルは比較的低温、短時間で膨張して独立気泡
を形成し、断熱性に優れた材を提供でき、また比較的扱
い易いので、本用途には最適である。これら発泡性粒子
として、マツモトマイクロスフェアーF−30D、同F
−30GS、F−20D、F−50D、F−80D(松
本油脂製薬(株)製)、エクスパンセルWU、同DU
(スウェーデン製、販売元日本フィライト(株))が知
られているが、もちろんこれらに限定されるわけではな
い。発泡性粒子の配合量は、パルプ繊維100部に対し
て1〜40部、好ましくは3〜20部であり、1部以下
では十分な発泡が得られず、40部以上では経済性の面
からあまり適当とはいえない。
【0011】パルプスラリーにはその他に、各種のアニ
オン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留ま
り向上剤、紙力増強剤、サイズ剤等が適宜選択して使用
される。具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤とし
て、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオン性、
アニオン性および両性の樹脂、ポリエチレンイミンおよ
びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミン、
ポリアミド、ポリアミドポリアミンおよびその誘導体、
カチオン性および両性澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチ
ル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、尿素ホル
マリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親水性のポリマ
ー粒子等の有機系化合物、および硫酸バンド、アルミナ
ゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウ
ム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のアルミ化合物、
さらに硫酸第一鉄、塩化第一鉄あるいはコロイダルシリ
カ、ベントナイト等の無機系化合物等を組み合わせて使
用することができる。
【0012】サイズ剤としては、酸性抄紙用にロジン系
サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性抄紙用にアルキル
ケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系
サイズ剤等の各種サイズ剤を挙げることができる。
【0013】これら以外には、一般には公知であるが填
料も混合することが出来る。例えばタルク、カオリン、
焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チ
タン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸塩、ベ
ントナイト等の鉱物質填料やポリスチレン粒子、尿素ホ
ルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等が挙げられる。さ
らに、染料、PH調整剤、スライムコントロール剤、消
泡剤、粘剤等の抄紙用添加助剤も用途に応じて使用でき
る。
【0014】また、本発明の発泡体粒子を含有する紙に
サイズプレス、ゲートロール等の塗工方法にてシート表
面に澱粉、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、顔料
等を塗布することも可能である。以上の構成原料を主原
料として用いて抄紙するが、目標とする坪量は25〜4
00g/m2の範囲で適宜選択する。
【0015】まず、本発明の第一の製造方法としては、
抄紙工程のワイヤーパートでシート化した後、プレスパ
ートにより脱水する。通常は後の乾燥を容易にするため
に、ここで水分量を抄紙原紙の60%前後にまで落とす
が、本発明ではシート全体に均一に熱を与える為に、緩
めにプレスして水分量を65〜72%に調整する。72
%を越えると、シートの乾燥に時間がかかりすぎて適当
ではない。このように、65〜72%と高水分にするこ
とは抄紙の常識からははずれているが、ここでの目的で
あるシートを均一に発泡させる為に必須である。その
後、ドライヤーパートにシートを送って乾燥処理を施し
発泡させるが、その温度としてはマイクロカプセルの最
高発泡温度±30℃の範囲にあることが好ましい。例え
ば、マツモトマイクロスフェアーF−30Dでは、13
0±30℃にあることが好ましく、特に110〜140
℃にあることが望ましい。
【0016】本発明の第二の製造方法としては、まず抄
紙工程のワイヤーパートでシート化した後、プレスパー
トで通常の60%前後の水分までできるだけ脱水し、そ
の後発泡剤を発泡させない温度範囲で乾燥し、未発泡原
紙を製造する。このときの水分は、50〜5%の範囲に
あれば製造上問題はない。
【0017】次いで、再び水分をこの未発泡原紙に与え
て65〜72%に調整した後、発泡させるためにドライ
ヤーで乾燥することにより得られる。この方法で、未発
泡原紙を製造するためのドライヤーまたは熱風乾燥機の
温度としては、発泡剤の最高発泡温度より40℃以上低
いことが好ましく、発泡原紙を製造するドライヤーとし
ては、第一の方法の最高発泡温度±30℃にあることが
好ましい。例えばF−30Dを使用するときは、未発泡
原紙製造には80℃以下、発泡原紙製造には130±3
0℃にあることが望ましい。
【0018】この第二の製造方法は、抄紙する抄紙機の
速度が速かったり、最高温度があまり高くできない場合
に好ましく、ここで挙げる発泡原紙製造用には、ヤンキ
ードライヤー等の低速だがドライヤー温度を高くし易い
抄紙機を利用したり、また、発泡原紙にしわが入りにく
いように通紙ラインを工夫したものを使用できる等の利
点があり、有用である。いずれにしても、本発明の密度
が0.1〜0.3g/cm3である低密度な発泡原紙を
有効に製造するには、発泡用ドライヤーに入る原紙の水
分を65〜72%と、通常より高くすることが必要であ
ることがわかった。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろん本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、以下において%及び部数はすべて
重量%、部数を示す。
【0020】実施例1 カナダ標準濾水度(CSF)450mlに叩解した広葉
樹晒パルプ(LBKP)80%とカナダ標準濾水度(C
SF)470mlに叩解した針葉樹晒パルプ(NBK
P)20%とから成るパルプ(100部)を分散したパ
ルプスラリーに、発泡性マイクロカプセル粒子(松本油
脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−30
D、粒子径10〜20μm、最高発泡温度130℃)1
0部、乾燥紙力増強剤(荒川化学工業(株)製、ポリス
トロン117)0.2部、カチオン化澱粉(王子ナショ
ナル社製、CATO−15)1.0部、アルキルケテン
ダイマー系サイズ剤(荒川化学工業(株)製、サイズパ
インK903)0.03部、湿潤紙力増強剤(DICハ
ーキュレス社製、カイメン557H)0.4部をよく撹
拌しながら添加し、パルプ濃度0.03%、PH7.3
に調整し、抄紙原料とした。得られた抄紙原料を用い
て、常法に従って角型手抄きシートマシーン(80メッ
シュ)により坪量300g/m2の紙を抄紙し、3kg
/cm2で1分間プレスした後、濾紙ではさんで5kg
のクーチロールをころがし、濾紙枚数とロール使用回数
を変えることにより水分量を66%に調整した。その
後、表面温度140〜150℃のロータリードライヤー
((株)エフシー製作所製、速度0.36cm/s)で
表裏2回通しの乾燥処理を行い、シートを得た。その
後、JISに従い、坪量、厚さ、密度を測定し、また、
発泡むらの有無を見た目で評価した。
【0021】実施例2 プレス後に、挟む濾紙の枚数を変えてクーチロールによ
り水分量を70%に調整した以外は、実施例1と同様の
手順で発泡紙を作成し、物性を測定した。
【0022】比較例1 プレス後に、挟む濾紙の枚数を変えてクーチロールによ
り水分量を60%に調整した以外は、実施例1と同様の
手順で発泡紙を作成し、物性を測定した。
【0023】比較例2 プレス後に、挟む濾紙の枚数を変えてクーチロールによ
り水分量を75%に調整したことと、乾燥させる為に表
裏2回ずつドライヤーに通したこと以外は、実施例1と
同様の手順で発泡紙を作成し、物性を測定した。
【0024】実施例3 坪量を200g/m2にした以外、実施例1と同様の手
順で発泡紙を作成し、物性を測定した。
【0025】実施例4 坪量を100g/m2にし、ドライヤーに1回通して乾
燥処理をした以外、実施例1と同様の手順で発泡紙を作
成し、物性を測定した。
【0026】実施例5 坪量を100g/m2にし、添加する発泡剤をF−20
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー
F−20、粒子径10〜20μm、最高発泡温度120
℃)に変えた以外、実施例1と同様の手順で発泡紙を作
成し、物性を測定した。
【0027】実施例6 坪量を100g/m2にし、発泡剤の添加量を5部にし
た以外、実施例1と同様の手順で発泡紙を作成し、物性
を測定した。
【0028】実施例7 坪量を100g/m2にし、発泡剤の添加量を15部に
した以外、実施例1と同様の手順で発泡紙を作成し、物
性を測定した。
【0029】実施例8 坪量を100g/m2にし、発泡剤の添加量を20部に
した以外、実施例1と同様の手順で発泡紙を作成し、物
性を測定した。
【0030】これらの結果を表1に示す。
【表1】 表1から明かなように、水分量が65%以下であれば、
厚みがまだ不十分であり、密度も高すぎる。また、発泡
むらがひどく、均一なシートが得られない。水分量が7
5%以上である場合、厚さや密度に関しては充分である
が、多数回ドライヤー通しを行わなければ乾燥が出来
ず、そのために発泡むらも起こり易くなる。よって、水
分量に関しては、65〜72%の範囲が適当であると言
える。また、実施例4および6、7、8、で発泡剤の添
加濃度による違いが示されており、発泡剤を多く添加す
るほど厚みもでて密度も低くなっている。
【0031】実施例9 実施例1と同様にプレス後の水分量を調整後、表面温度
を80℃前後に落としたロータリードライヤーで水分を
乾燥した未発泡原紙を作成し、その後再び含水させて水
分を69%にし、表面温度140℃のロータリードライ
ヤーで発泡乾燥処理を行った。得られたシートについ
て、JISに従って坪量、厚さ、密度を測定し、発泡む
らの有無を見た目で評価した。
【0032】比較例3 再含水後の水分量を60%にした以外、実施例9と同様
の処理を行って、発泡原紙を作成した。
【0033】これらの結果を表2に示す。
【表2】 表2では、実施例、比較例ともに密度は0.1〜0.3
g/cm3の範囲にあるが、出来上がったシートが比較
例の場合発泡むらが多く、充分に熱が伝わらなかったも
のと考えられる。すなわち、未発泡原紙から作製する場
合も、水分量は65〜72%の範囲内にあることが重要
である。以上の結果からも明らかなように、本発明によ
り、発泡剤粒子混抄紙の発泡性を著しく向上させること
ができた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、シートのプレス後の水
分量を65〜72%に調整した後で乾燥工程に送ること
により、シート内に均一に熱を伝えることが可能となる
ので、シート中に混抄された発泡剤粒子が均一に独立気
泡を形成し、従来品より低密度で断熱性に優れた発泡剤
混抄紙が作成できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】また、断熱材料として一般に使用されてい
る発泡スチロールの熱伝導性は0.045w/m/k程
度と小さいが、上記発泡性カプセルを含有する密度0.
5g/cm3紙の熱伝導性は0.07w/m/kと非
常に大きくて、断熱材としてはまだ不十分であることが
判った。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例5 坪量100g/m2にし、添加する発泡剤をF−20D
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー
F−20D、粒子径10〜20μm、最高発泡温度12
0℃)に変えた以外、実施例1と同様の手順で発泡紙を
作成し、物性を測定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、シートのプレス後の水
分量を65〜72%に調整した後で乾燥工程に送ること
により、シート内に均一に熱を伝えることが可能となる
ので、シート中に混抄された発泡体粒子が均一に独立気
泡を形成し、従来品より低密度で断熱性に優れた発泡体
混抄紙が作成できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプに発泡性粒子を配合して抄紙した
    シートを、加熱により発泡させて、低密度の嵩高な紙を
    製造する方法において、上記シートの加熱発泡前の水分
    量が65〜72%の状態で発泡性粒子を加熱発泡させ、
    密度が0.1〜0.3g/cm2の均一な嵩高な紙を得
    る事を特徴とする発泡体粒子を含有する紙の製造方法。
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