JP2574764Y2 - 保温性食品容器 - Google Patents

保温性食品容器

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JP2574764Y2
JP2574764Y2 JP1992051917U JP5191792U JP2574764Y2 JP 2574764 Y2 JP2574764 Y2 JP 2574764Y2 JP 1992051917 U JP1992051917 U JP 1992051917U JP 5191792 U JP5191792 U JP 5191792U JP 2574764 Y2 JP2574764 Y2 JP 2574764Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、インスタントラーメン
等の即席麺類、または、お茶、珈琲等のように主に熱湯
を注ぐことにより飲食できる食品の容器、さらにファー
ストフード、持ち帰り弁当、中華饅頭など保温性が必要
とされる食品の容器に関するものである。さらに詳しく
は、シートに発泡粒子を配合したことにより、容器の断
熱性が格段に向上し、食品の調理性、保存性に優れ、ま
た、断熱性がよく、容器を持つ手や指に熱が伝わりにく
く、持ち易い等の特徴を有する食品容器に関するもの
で、特に表面印刷性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より上記の食品容器には、発泡ポリ
スチレン製容器が断熱性、保温性に優れ、成形、加工性
もよく更に安価なために多用されている。最近になり資
源、環境保護への関心から、焼却処理が容易であり、土
壌中の微生物による生分解が可能である紙を主体とする
食品容器への要望が高まってきている。
【0003】紙基材を主体とするこの種の容器として
は、紙基材上の少なくとも片面にポリエチレン等の熱可
塑性樹脂をラミネートしたものが使用されているが、断
熱性が低く、容器を持つ手に直接熱が伝わり熱くて持ち
にくい、あるいは保温性が劣り内容物の温度が急速に低
下する、更には熱湯等を注水すると容器が軟化して容器
の強度が低下するなどの欠点があった。これらの問題点
を解決する手段として、内容物の熱が容器を持つ指に直
接伝わらないようにすると共に容器の強度を向上させる
ために、容器の胴部の外面に多数のリブを付設する方法
(特開昭51−2576)が知られている。この方法で
はリブの凸部の温度は低く保たれ、容器を持つ指に熱が
伝わらずに持ちやすいものの、リブ部分からの放熱が大
きいので内容物の温度の低下が速く、容器の保温性は劣
っていた。また、リブ付き容器は断熱性は優れているも
のの、見栄えが劣り、印刷性も劣る欠点があった。
【0004】これらのリブ付き容器の代わりの素材とし
て、加熱発泡性粒子を混抄したシートに樹脂をラミネー
トした紙基材が考えられる。この紙基材はリブ付き容器
に比べて保温性に優れ、また表面が平坦であるため印刷
適性も高い。しかし、この発泡紙のみから容器を作った
場合、エッジ部に耐水性があまり良くない欠点を有す
る。
【0005】これらを改善する方法として、容器部分と
保温部分のシートを分離した容器が考えられる。すなわ
ち、リブ紙の代わりとして、加熱発泡性粒子を混抄して
発泡させた紙を使用すると、良好な断熱性が得られる。
しかし、低密度で嵩高であるため通常の印刷用紙と比較
して表面性、作業性でやや劣る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の食品容器は、天
然パルプを主体とした繊維から構成される密度が0.4
〜1.0g/cm3の原紙と、最外層に印刷層を有する
熱膨張性マイクロカプセルを膨張させた発泡粒子を含有
し、且つ天然パルプを主体とした繊維から構成される密
度が0.1〜0.4g/cm3の発泡シート、とを積層
した積層シートから成形された保温性食品容器である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の食品容器は、密
度0.4〜1.0g/cm3の原紙と、最外層に印刷層
を有する密度0.1〜0.4g/cm3の低密度発泡シ
ートとを積層したシートから成形することにより得られ
る。
【0008】以下、本考案について詳しく説明する。
【0009】本考案に使用されるパルプとしては特に限
定されるものではないが、通常の製紙で使用されるもの
の何れもが使用可能である。例えば針葉樹や広葉樹の化
学パルプ、機械パルプ等の木材パルプ、故紙パルプ、さ
らに、麻、綿等の非木材天然パルプ、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等を原料とした合成パルプ等を挙げること
ができ、これらを適宜組み合わして使用する。
【0010】上記のパルプの他にアクリル繊維、レーヨ
ン繊維、フェノール樹脂繊維、ポリアミド繊維、ポリエ
ステル繊維等の有機繊維、またガラス繊維、炭素繊維、
アルミナ繊維等の無機繊維等の各種の繊維を必要に応じ
混抄することも可能である。しかしながら、抄紙性の観
点からすると、パルプを50重量%以上配合したシート
の方が地合、強度等が好ましい。また、廃棄の際に燃焼
する事や、土壌中の微生物による生分解性を考慮する
と、繊維全重量中に天然パルプを70重量%以上配合し
ていることが望ましい。
【0011】食品容器を構成する積層シートの内側の原
紙は、通常の抄紙方法で製造される。この時、密度が
0.4〜1.0g/cm3の範囲内であれば特に規定さ
れないが、容器としての強度や形態を保つために坪量
は、150〜250g/cm 2 が好ましい。特に好まし
くは通常のホット用の紙コップに使われている、適度な
強度、腰、密度や寸法精度をもったものが良い。例え
ば、横方向の引張強度、伸び、剛度がそれぞれ8kg以
上、7.2±1.2%、20±5g・cmであり、密度
が0.7〜1.0g/cm3程度であればよく、容器の
用途によりこれらの値は適宜変更される。
【0012】その後、必要に応じてポリエチレン樹脂等
によるラミネート処理やパラフィンワックス等による撥
水処理を施して、耐水加工をするのが好ましい。
【0013】ラミネートに使用される熱可塑性樹脂とし
ては、例えば低密度、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を挙
げることができる。これらを適宜選択して使用するが、
これに限定されるものではない。
【0014】これらの熱可塑性樹脂は押し出しラミネー
ト形成法等の成形方法により、紙基材上にラミネートさ
れる。ラミネート量は5〜100g/m2であり、さら
に好ましくは10〜50g/m2である。ラミネート量
が5g/m2以下では、熱可塑性樹脂シートにピンホー
ル等が生じ、充分な耐水性が得られず、また、100g
/m2以上のラミネート量では得られたシートが厚くな
りすぎ、後の容器への加工が困難となるので好ましくな
い。
【0015】また、このラミネート樹脂中には、滑剤、
、顔料等を配合し、その性質を改善することも可能
である。
【0016】その他に、液状のものに使用する場合は、
パラフィンワックスやシリコン樹脂等を表面にコーティ
ング処理する方法もある。
【0017】低密度発泡シートは、パルプを主体とした
繊維に、加熱により体積が10〜100倍に膨張する液
体を芯物質とする発泡性粒子を混抄し、得られたシート
を110〜140℃に加熱して発泡粒子を発泡させるこ
とにより得られる密度0.1〜0.4g/cm3のシー
トが断熱性に優れ、好ましい。これには、種々の製造方
法が考えられている。まず、通常ドライヤー表面温度は
110℃前後であるが、少し高めの110〜140℃に
保持できる装置を使用することにより、25〜400g
/m2の坪量のシートでも密度0.1〜0.4g/cm3
のシートが得られる。また、発泡性粒子混抄シートの加
熱発泡前の水分量を65〜72%に調製した後で乾燥す
ると密度が0.1〜0.4g/cm3の嵩高シートが得
られる。更に、ドライヤーの代わりに90〜100℃の
温度の熱水にシートを浸してカプセルを発泡させても、
密度0.1〜0.4g/cm3のシートが得られる。こ
うして得られたシートは、坪量が25〜250g/m2
であれば保温性容器として必要な断熱性が得られる。
【0018】本考案に使用される発泡性粒子は、マイク
ロカプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性マイクロ
カプセルである。この熱膨張性マイクロカプセルとは8
0〜200℃の比較的低温で、短時間の加熱により直径
で約4〜5倍、体積で50〜100倍に膨張する平均粒
径5〜30μmのマイクロカプセルである。低沸点溶剤
としてはイソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサ
ン、ペンタン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシラ
ン等の揮発性有機溶剤(膨張剤)があり、これらを塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等の共重合体からなる熱可塑性樹
脂で包み込んだものである。このマイクロカプセルの膜
ポリマーの軟化点以上に加熱されると膜ポリマーが軟化
を始め、同時に内包されている膨張剤の蒸気圧が上昇
し、膜が押し広げられ、カプセルが膨張する。熱膨張性
マイクロカプセルは比較的低温、短時間で膨張し独立気
泡体を形成し、断熱性に優れた材質となり、かつ、比較
的扱い易いので、本用途には最適である。
【0019】発泡性粒子の配合量はパルプ繊維に対し1
〜40%、好ましくは3〜20%であり、1%以下では
十分な発泡が得られず、また40%を越えると均一な発
泡が得られない上に経済性の面からあまり適当とはいえ
ない。
【0020】パルプスラリーには他に、従来より使用さ
れている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あ
るいは両性の歩留まり向上剤、紙力増強剤、サイズ剤等
が適宜選択して使用される。
【0021】具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤
としては、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオ
ン性、アニオン性および両性の樹脂、ポリエチレンイミ
ンおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリア
ミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミンおよびその誘
導体、カチオン性および両性澱粉、酸化澱粉、カボキシ
メチル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、尿素
ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親水性のポ
リマー粒子等の有機系化合物、および硫酸バンド、アル
ミナゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミ
ニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のアルミ化合
物、さらに硫酸第一鉄、塩化第二鉄あるいはコロイダル
シリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を適宜組み合
わせて使用することができる。
【0022】サイズ剤としては、酸性抄紙用サイズ剤と
してロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性抄紙
用サイズ剤としアルキルケテンダイマー系サイズ剤、ア
ルケニル無水コハク酸系サイズ剤等の各種サイズ剤を挙
げることができる。
【0023】そして、発泡性粒子を混合したパルプスラ
リー中には一般に公知である填料、例えばタルク、カオ
リン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二
酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸
塩、ベントナイト等の鉱物質填料やポリスチレン粒子、
尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等も適宜選択
して併用が可能である。
【0024】さらに、染料、PH調整剤、スライムコン
トロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙用添加助剤も用途に
応じて適宜使用できる。
【0025】また、サイズプレス、ゲートロール等の塗
工方法にてシートの表面に澱粉、ポリビニルアルコー
ル、各種表面サイズ剤、顔料等を塗布することも可能で
ある。 以上の構成原料を主原料とし、通常の抄紙マシー
ンにてシート化する。まず、抄紙工程のワイヤーパート
を経てシート状とした後、プレスパートにより脱水し、
ドライヤーパートにより乾燥処理をする。発泡シート
は、このドライヤーパートの多筒式あるいはヤンキーの
ドライヤーの表面の温度によって、乾燥と同時にシート
中に混抄させた発泡性粒子が発泡し、シート基材中に多
数の独立気泡体を形成し、緊度が低く、断熱性に優れた
シートとなる。
【0026】ここで、発泡シートの坪量は25〜400
g/m2であり、さらに好ましくは50〜300g/m2
である。坪量が25g/m2以下では十分な断熱性があ
るシートが得られず、また、400g/m2以上では抄
紙機の乾燥工程のドライヤーへの負荷が大きく、十分な
加熱処理が得られず、発泡性粒子が十分に発泡するまで
には至らない。ファーストフードや中華饅頭に使われる
低温用容器には、密度0.1〜0.4g/cm3の発泡
シートの坪量は25〜150g/m2でよく、一方ラー
メンカップ等に使用される高温用容器は坪量100〜3
00g/m2の発泡シートを用いることが好ましい。例
えば、3分後の容器外層の表面温度が75℃以下であれ
ば、高温用容器としては適当である。このように、適宜
必要に応じて密度と坪量を選んで調製することができ
る。
【0027】容器の最外層を構成する印刷層は発泡シー
トに顔料と接着剤を主成分とする塗料を塗被して印刷層
を設けるか、あるいは上記塗料を塗被した塗被紙を貼合
せることにより得られる。
【0028】塗被紙の場合、その原紙の坪量は40〜1
00g/m2程度であり、平滑度が20秒以上あればよ
く、その後片面または両面に5〜20g/m2のコーテ
ィング処理をし、必要に応じスーパーカレンダー処理等
を行い、平滑度が1000〜2000秒程度まで表面平
滑性を向上させる。
【0029】また、塗料中には白色度、光沢度、平滑度
およびインキ受理性等を改良するためにクレー、重炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン等の無
機顔料、及びカゼイン、酸化デンプン、デンプン誘導体
及び合成樹脂エマルジョン等の接着剤を混合する。
【0030】接着剤のデンプン誘導体としては、酸処理
デンプン、酵素変性デンプン、酸化デンプン等の変性デ
ンプンまたはリン酸デンプン、酢酸デンプン、キサント
ゲン化デンプン等のデンプンエステル、カルボキシメチ
ルデンプン、ヒドロキシルエチルデンプン、カチオン化
デンプン等のデンプンエーテルがある。合成樹脂接着剤
としては、スチレン・ブタジェン共重合物の共役ジエン
系共重合ラテックス、酢ビ系共重合ラテックス、アクリ
ル系共重合ラテックス等がある。
【0031】更に保水剤、滑剤等の各種助剤も添加さ
れ、コート剤の分散液の固形分濃度は20〜85%の範
囲が好ましく、カラレスデゾルバー、kadyミル、サ
ンドミル等で適宜分散、混合される。範囲外の濃度では
顔料の分散効果が悪くなる。
【0032】得られた塗料は、各種バーコーター、各種
ブレードコーター、エアナイフコーター等の通常の塗工
に使用されるコーターによって塗工される。その後、ス
ーパーカレンダー等によって表面平滑化処理を施され
る。
【0033】発泡シートと最外層の塗被紙の接着、及び
内層の原紙との間の接着剤としては、アクリルエマルジ
ョン、SBRラテックス、酢酸ビニルエマルジョン、ポ
リビニルアルコール、エポキシ樹脂、各種ホットメルト
樹脂、各種澱粉系糊剤等、通常使用されている食品用の
接着剤であれば良く、特に指定されない。これらを用い
てシートを接着するか、もしくはポリエチレンによる押
し出しラミネートを挟み込んで接着してもよい。
【0034】本考案の食品容器の形状は限定されるもの
ではなく、食品の形状に合わせて成型、加工されるもの
であるが、インスタントラーメン等の即席麺類、また
は、お茶、珈琲等のように主に熱湯を注ぐことにより飲
食できる食品の容器としては円筒形または円錐形等が適
当であろうし、さらにファーストフード、持ち帰り弁
当、中華饅頭などの食品容器としては箱形が適当である
と考えられる。
【0035】容器への成形方法も特に限定されるもので
はなく、一般に広く使用されている通常の製筒機、製箱
機等を使用して、所要の形状へと成形することが可能で
ある。
【0036】
【実施例】以下の実施例により本考案を詳細に説明する
が、もちろん本考案はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、以下において%とあるのはすべ
て重量%を示す。
【0037】実施例1 カナダ標準濾水度(C.S.F )300mlに叩解した広葉
樹晒パルプ(LBKP)70%とカナダ標準濾水度(C.S.F
)310mlに叩解した針葉樹晒パルプ(NBKP)30
%とからなるパルプ(100%)を分散したパルプスラ
リーに、乾燥紙力増強剤(荒川化学工業(株)製、ポリ
ストロン−117)0.2%、カチオン化澱粉(王子ナ
ショナル社製、CATO−15)1.0%、ロジン系エ
マルジョンサイズ剤(荒川化学工業(株)製、サイズパ
インN−771)0.5%、硫酸アルミニウム2.0%
をよく撹拌しながら添加し、パルプ濃度0.03%、P
H7.3に調整し、インレット原料とした。得られたイ
ンレット原料を用いて円網抄紙機により抄紙し、連続の
多筒ドライヤーで乾燥し、坪量220g/m2、厚さ
0.25mm、緊度0.88g/cm3のシートを得
た。
【0038】このシートの表面に低密度ポリエチレン
(三井東圧化学(株)製、商標ミラソン−715)をT
ダイにより押し出しラミネート加工し、ラミ量25g/
2の片面ラミネート紙を得た。このシートを通常の製
筒機を用いて、ラミネート面を内側にして直径9cm、
高さ10cmの円筒形の容器に成型した。
【0039】更に、カナダ標準濾水度(C.S.F )450
mlに叩解した広葉樹晒パルプ(LBKP)80%とカナダ
標準濾水度(C.S.F )470mlに叩解した針葉樹晒パ
ルプ(NBKP)20%とからなるパルプ(100%)を分
散したパルプスラリーに、発泡性マイクロカプセル粒子
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー
F−30D、粒子径10〜20μm)10%、乾燥紙力増強
剤(荒川化学工業(株)製、ポリストロン−117)
0.2%、カチオン化澱粉(王子ナショナル社製、CA
TO−15)1.0%、アルキルケテンダイマー系サイ
ズ剤(荒川化学工業(株)製、サイズパインK903)
0.03%、湿潤紙力増強剤(DICハーキュレス社
製、カイメン−557H)0.4%をよく撹はんしなが
ら添加し、パルプ濃度0.03%、PH7.3に調整
し、インレット原料とした。得られたインレット原料を
用いて円網抄紙機により抄紙し、ヤンキードライヤーで
発泡、乾燥した後、連続の多筒ドライヤーで乾燥し、坪
量151g/m2、厚さ0.94mm密度0.16g/
cm3のシートを得た。これをマシンカレンダー処理し
て密度0.25g/cm3にした。
【0040】また、カナダ標準濾水度(C.S.F )400
mlに叩解した広葉樹晒パルプ(LBKP)80%とカナダ
標準濾水度(C.S.F )410mlに叩解した針葉樹晒パ
ルプ(NBKP)20%とからなるパルプ(100%)を分
散したパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤(荒川化学工
業(株)製、ポリストロン−117)0.1%、アルキ
ルケテンダイマー系サイズ剤(荒川化学工業(株)製、
サイズパインK903)0.05%、湿潤紙力増強剤
(DICハーキュレス社製、カイメン−557H)0.
1%をよく撹拌しながら添加し、パルプ濃度0.03
%、PH7.3に調整し、インレット原料とした。得ら
れたインレット原料を用いて長網抄紙機により抄紙し、
連続の多筒ドライヤーで乾燥し、坪量62g/m2、厚
さ0.87mm、密度0.71g/cm3のシートを得
た。その後このシートに、No.1カオリン(Engel
hard Mineral & Chemikals(E
MCと略す)社製UW−90)20%、No.2カオリン
(EMC社製HTクレー)50%、重炭酸カルシウム
(備北粉化社製ソフトン1800)15%、水酸化アル
ミニウム(昭和電工社製ハイジライトH−42)15%
の顔料と、酸化デンプン(王子コーンスターチ社製王子
エースA)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.
1%を添加して、固形分67%、PH9.0に調整し、
Kadyミルで分散処理をおこなった溶液に変成スチレ
ンブタジェン共重合体ラテックス(日本合成ゴム社製J
SR−0692)11.5%、グリオキザール2%、ス
テアリン酸カルシウム5%を加え、固形分濃度64%に
調整した塗料を、フラデッド・ニップブレード塗工法に
よって片面塗工量12g/m2になるように両面塗工し
た。調湿後、スーパーカレンダーにより表面平滑度20
00秒まで処理を行った。
【0041】得られた発泡紙とコート紙をアクリルエマ
ルジョンで積層し、そのシートをコート紙を外側にして
直径9cm、高さ10cmの前記円筒形の容器の側面に
アクリルエマルジョンで貼り付けて成形し、容器を得
た。
【0042】実施例2 最外層のコート紙の原紙の坪量を80g/m2にした以
外、実施例1と同様の製法で容器を作製した。
【0043】実施例3 最外層のコート紙の塗工を片面に12g/m2塗工にし
た以外、実施例1と同様の製法で容器を作製した。
【0044】比較例1 坪量307g/m2、密度0.81g/cm3のシートか
らなる市販の紙性容器で比較テストを行った。
【0045】比較例2 市販の発泡ポリスチレン製のインスタントラーメン容器
(日清食品(株)製カップヌードル、坪量202g/m
2、密度0.094g/cm3)で比較テストを行った。
【0046】比較例3 市販のリブ付き紙製のインスタントラーメン容器(サン
ヨー食品(株)製サッポロ一番カップスター)で比較テ
ストを行った。
【0047】上記の実施例1〜3、比較例1〜3の容器
に沸騰した熱湯(98℃)を注ぎ込み、アルミ箔製の蓋
をして、熱電対により熱湯および容器外壁の温度変化を
測定した。また、表面の光沢度の結果も示す。
【0048】表1からも明らかなように、実施例1につ
いては熱湯注水後3分で外壁の表面温度が64℃以下で
あり、充分断熱性の優れた食品容器を得られることが判
った。
【0049】通常の食品容器と比較して、容器表面の光
沢性が優れ、また印刷性にも優れた容器が得られること
が判った。
【0050】
【表1】 また、第2表にそれぞれの紙質を示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【考案の効果】以上述べた方法で製造した本考案の食品
容器は、食品容器を構成する積層シートが天然パルプを
主体とした繊維から成っており、従来の発泡ポリスチレ
ン製容器に比較して、焼却処理、土壌中の微生物による
生分解が容易であり環境保護の点で優れている。更に、
本考案の食品容器は、容器表面を構成するシート中に配
合した発泡性粒子が多数の独立気泡を構成している為、
従来の紙基材のみを主体とするシートに比較して、その
断熱性が格段に向上し内容物の保温性が良く、さらに最
外層の印刷層、特にコート紙により表面性即ち印刷性に
優れた特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による保温性食品容器の断面図
である。
【図2】同容器を構成するシートの断面図である。
【符号の説明】
1‥‥‥紙 2‥‥‥発泡シート 3‥‥‥コート紙 4‥‥‥ポリエチレン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 8/16 B65D 81/34 B65D 81/38

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主体とした繊維から構成さ
    れる密度が0.4〜1.0g/cm3の原紙と、最外層
    に印刷層を有する熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ
    た発泡粒子を含有し、且つ天然パルプを主体とした繊維
    から構成される密度が0.1〜0.4g/cm3の発泡
    シート、 とを積層した積層シートから成形された保温性食品容
    器。
JP1992051917U 1992-07-23 1992-07-23 保温性食品容器 Expired - Fee Related JP2574764Y2 (ja)

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