JPH05339743A - 殺菌性及び抗かび性を有する熱交換フィン及びその製造法 - Google Patents

殺菌性及び抗かび性を有する熱交換フィン及びその製造法

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JPH05339743A
JPH05339743A JP4150650A JP15065092A JPH05339743A JP H05339743 A JPH05339743 A JP H05339743A JP 4150650 A JP4150650 A JP 4150650A JP 15065092 A JP15065092 A JP 15065092A JP H05339743 A JPH05339743 A JP H05339743A
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heat exchange
fin
heat exchanger
aluminum
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Takao Washimi
隆男 鷲見
Fujio Yano
不二夫 谷野
Haruichiro Eguchi
晴一郎 江口
Yuji Shin
祐治 新
Yoshio Okada
義夫 岡田
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Satosen Co Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/24Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷暖房装置等の熱交換器のアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる熱交換フィンに、殺菌性及び
抗かび性を付与し、かび臭の発生を防止する。 【構成】 アルミニウム又はアルミニウム合金からなる
熱交換フィンの表面に、亜鉛皮膜が形成されている、殺
菌性及び抗かび性が付与された熱交換フィンおよびその
製法並びに該熱交換フィンを備えた熱交換器を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる、殺菌性及び抗かび性が付与され
た熱交換フィン及びその製造法並びに該熱交換フィンを
備えた熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境の向上に伴い、冷暖房、
空調機器が多用されている。自動車、電車等の車両用の
冷暖房空調機は勿論、一般家庭用、工業用の冷暖房空調
機においても、その熱交換器としての蒸発器及び凝縮器
には、冷媒、熱媒等の流体を通過させるパイプに接触し
て固定されたアルミニウム又はアルミニウム合金製の熱
交換フィンが使用されている。
【0003】該熱交換フィンには各種の形式のものがあ
り、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金製のリ
ボン形状物を、偏平なS字型に繰り返し一定幅で折り曲
げたものを、冷媒、熱媒等の流体を通過させるパイプに
接触して固定し、送風機により送られる空気との接触面
積を広げて熱交換を促進するタイプのものが多く使用さ
れている。これらいずれの形式の熱交換フィンも、送風
機により送られた空気との接触を効率良く行うため、上
記パイプには熱交換フィンが細密に固定されて熱交換器
を構成している。
【0004】上記のような形式の熱交換フィンをはじめ
として、一般に、冷暖房空調機器に使用されているフィ
ンの問題点として、その使用に際して、暫く期間が経過
すると、特に多湿期にかび臭が発生し、不快感を惹起す
るという問題点がある。これは、各種の細菌やかびが熱
交換フィン上で発育して死滅し、また発育を繰り返すこ
とによって堆積する細菌やかびの死骸の臭によるもので
ある。
【0005】現在のところ、この様なかびの不快臭を防
止するのに、芳香剤等で芳香を付与してかび臭を抑制す
ることが行われているが、この方法はかびの発生を防止
するものではなく、根本的な解決手段ではない。
【0006】また、かびや細菌の発育を阻害する液状物
質、例えばアルコール等を噴霧し、かび等の繁殖を抑え
ることも行われているが、細密に組み立てられた熱交換
フィンの細部にまで均一に噴霧することは困難であり、
又、たとえ均一な噴霧ができてもその効果は一時的なも
のに過ぎない。
【0007】この様に、現状では根本的な解決手段は開
発されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
ミニウム又はアルミニウム合金からなる熱交換フィンの
表面に、殺菌性及び抗かび性を付与することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム又は
アルミニウム合金からなる熱交換フィンの表面に、亜鉛
めっき皮膜、例えば亜鉛置換皮膜を形成する場合には、
細菌の発育、繁殖が阻害されるのみならず、かびの発
育、繁殖も阻害されることを見出した。本発明は、この
知見に基づき完成されたものである。
【0010】本発明は、アルミニウム又はアルミニウム
合金からなる熱交換フィンの表面に、亜鉛皮膜、例え
ば、亜鉛置換皮膜が備えられていることを特徴とする殺
菌性及び抗かび性を有する熱交換フィンに係るものであ
る。
【0011】また、本発明は、上記熱交換フィンを備え
ていることを特徴とする熱交換器に係るものでもある。
【0012】本発明によれば、大腸菌等の細菌の発育、
繁殖が阻害される。しかも、亜鉛は、ある種のかび乃至
真菌類の発育に必要な金属であるとされているにも拘ら
ず、かびの発育、繁殖も阻害される。その結果、従来、
根本的な抑制が困難であった前記かび臭の発生が根本的
に抑制される。
【0013】本発明により亜鉛皮膜が形成される熱交換
フィンとしては、アルミニウム又は従来から熱交換フィ
ンの分野で慣用されている各種のアルミニウム合金から
なるものがいずれも使用でき、そのサイズ、厚さ、構造
等も特に限定されず、従来公知のものがいずれも使用で
きる。
【0014】本発明において、亜鉛皮膜は、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金からなる熱交換フィンの表面
に、めっきにより形成される。亜鉛皮膜の厚さは、少な
くとも0.03μm程度であれば十分であるが、一方あ
まりに厚いと、熱伝導性が悪くなる、コストが高くなる
等の理由から、通常は、20μm程度までに止めるのが
好ましい。
【0015】本発明では、亜鉛めっきを、アルミニウム
又はアルミニウム合金製の熱交換フィン製造部材、例え
ば、アルミニウム板又はアルミニウム合金板の表面に施
し、これを常法に従い熱交換フィンとして、冷媒、熱媒
を通過させる銅やアルミニウム製のパイプに固定し、熱
交換器を組み立てても良い。また、これに代えて、常法
に従って製造されたアルミニウム又はアルミニウム合金
製の熱交換フィンを上記冷媒、熱媒を通過させるパイプ
に通常の方法で固定し、熱交換器として完成されている
ユニットに、亜鉛めっきを施しても良い。
【0016】亜鉛めっきの方法は、公知の方法が種々採
用でき、例えば、硫酸亜鉛浴、塩化亜鉛浴、ピロ燐酸亜
鉛浴、シアン化亜鉛浴、ジンケート浴、溶融亜鉛浴など
公知のめっき浴を公知慣用の条件下で使用して行えば良
い。
【0017】亜鉛めっきを予め熱交換フィン材としての
アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に施し、これ
を熱交換フィンとして冷媒、熱媒を通過させるパイプに
固定して熱交換器を組み立てる場合は、上記のどの様な
めっき方法を用いてもよい。しかしながら、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金製の熱交換フィンを上記冷媒、
熱媒を通過させる銅やアルミニウム製のパイプに固定し
て熱交換器として完成されたユニットに亜鉛めっきを施
す場合には、フィンが細密に組み立てられているため、
通常の電気亜鉛めっきでは、細部に亘って均一なめっき
皮膜を形成することは困難である。
【0018】かかる場合は、溶融亜鉛めっきでも可能で
あるが、フィンの間隙が狭い場合は、溶融亜鉛により目
詰りを起こすこともあるので、溶融亜鉛に浸漬後、フィ
ンを備えた熱交換器全体に熱風を吹き付けて目詰りを防
止する工程が必要となる。
【0019】本発明者の研究によれば、熱交換フィンを
冷媒、熱媒を通過させる銅やアルミニウム製のパイプに
固定して熱交換器として完成されたユニットの熱交換フ
ィンに亜鉛めっきを施すには、通常の前処理後、アルカ
リ性亜鉛水溶液に浸漬する亜鉛置換方法を採用すると、
低コスト化及び所望の殺菌性及び抗かび性の付与の観点
から、極めて有利であることを見出した。
【0020】即ち、本発明は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金からなる熱交換フィンを、アルカリ性亜鉛水
溶液に浸漬してその表面に亜鉛皮膜を形成することを特
徴とする本発明の熱交換フィンないし熱交換器の製造法
をも提供するものである。
【0021】上記前処理は、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金のめっきに際して通常行われている前処理法が
いずれも使用できる。例えば、濃度10〜20重量%程
度の水酸化ナトリウム水溶液に、温度50〜70℃程度
で5〜30秒程度浸漬して脱脂し、水洗後、直ちに濃度
10〜35重量%程度の硝酸水溶液に、温度5〜35℃
程度で5〜30秒程度浸漬する等の方法が、上記前処理
として採用できる。
【0022】次いで、本発明では上記アルカリ性亜鉛水
溶液を用いて、いわゆる亜鉛置換により、亜鉛皮膜を形
成する。該アルカリ性亜鉛水溶液としては、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金の表面のアルミニウム原子を少
なくとも部分的に亜鉛に置換して、その結果亜鉛皮膜を
フィン表面に少なくとも部分的に形成するものであれ
ば、どのような組成のものでも良い。
【0023】上記アルカリ性亜鉛水溶液は、一般には、
(a)酸化亜鉛及び亜鉛の少なくとも1種を5〜150
g/l程度、好ましくは30〜100g/l程度及び
(b)水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの少なくと
も1種を50〜700g/l程度、好ましくは300〜
500g/l程度含むものが好ましい。
【0024】より好適な組成は、(a)酸化亜鉛を5〜
150g/l程度、好ましくは30〜100g/l程度
及び(b)水酸化ナトリウムを50〜700g/l程
度、好ましくは300〜500g/l程度含むものであ
る。
【0025】上記のようなアルカリ性亜鉛水溶液に浸漬
することにより、アルミニウム又はアルミニウム合金の
表面に、亜鉛置換により、少なくとも部分的に亜鉛めっ
き皮膜を形成できる。
【0026】なお、上記アルカリ性亜鉛水溶液に代え
て、一般に市販されている亜鉛置換液も使用可能である
が、亜鉛以外の金属、特に鉄等が同時に析出するもの
は、得られる皮膜が殺菌性、抗かび性に劣る傾向があ
り、好ましくない。
【0027】上記アルカリ性亜鉛水溶液に浸漬する際の
条件としては、亜鉛めっき皮膜が形成される限り特に限
定されないが、一般には、温度5〜35℃程度、好まし
くは10〜20℃程度にて、所望の亜鉛皮膜が形成され
るまで、特に15〜120秒程度、好ましくは30〜6
0秒程度の時間浸漬すれば良い。
【0028】必要に応じて、上記アルカリ性亜鉛水溶液
への浸漬後、水洗し、濃度10〜35重量%程度の硝酸
水溶液に、温度5〜35℃程度で5〜30秒程度浸漬
し、再度上記アルカリ性亜鉛水溶液に同様の条件下で浸
漬することを繰り返しても良い。所望の亜鉛皮膜形成後
は、必要に応じて水洗し、乾燥して、本発明の熱交換フ
ィンないし熱交換器を得る。
【0029】こうして形成される亜鉛置換皮膜の厚さ
は、0.01〜0.1μm程度、好ましくは0.03〜
0.08μm程度である。置換した亜鉛の量は、エネル
ギー分散型X線分析装置(堀場製作所製、EMAX−2
700、加速電圧15KV)で定量分析を行ない、表面
アルミニウムに対する亜鉛の重量百分率(表面アルミニ
ウム原子を被覆している亜鉛原子の重量百分率、以下
「Zn/Al比」という)で表した場合に、該Zn/A
l比が約20%以上であれば、十分な殺菌性及び抗かび
性が付与される。この結果から、本発明では、亜鉛皮膜
は、フィンの表面を完全に被覆していなくても、十分な
殺菌性及び抗かび性が発揮されるものである。
【0030】更に、本発明者の研究によれば、上記各種
の亜鉛めっき方法により形成された亜鉛皮膜に、必要で
あれば、クロメート皮膜を形成することにより、亜鉛皮
膜の耐蝕性を向上させることができる。かかるクロメー
ト皮膜の形成は、通常公知のクロメート処理により行う
ことができるが、上記アルカリ性亜鉛水溶液に浸漬して
亜鉛皮膜を形成する場合は、形成されている亜鉛皮膜が
極めて薄いため、下記の組成のクロメート処理液を使用
するのが好ましい。
【0031】 クロメート処理液組成 酸化クローム 0.5〜8g/l程度 硫酸(濃度50〜92重量%) 0.01〜1ml/l程度 硝酸(濃度32〜63重量%) 0.01〜1ml/l程度 このクロメート処理液に浸漬する際には、温度5〜35
℃程度において、5〜30秒程度の時間浸漬するのが好
ましい。
【0032】かかるクロメート処理によって、亜鉛皮膜
の上にクロメート皮膜が形成されるが、これによって亜
鉛皮膜の有する殺菌性及び抗かび性が損なわれることは
殆どない。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、次の如き優れた効果が
奏される。
【0034】(1)本発明の熱交換フィンは、殺菌性の
みならず、抗かび性が付与されているため、従来防止困
難であった細菌やかびの発生、繁殖、死滅に伴うかび臭
の問題点を、根本から解決できる。
【0035】(2)本発明により熱交換フィン上に亜鉛
めっき皮膜を形成しても、熱交換器の重量をほとんど増
大させるものではないので、軽量が要請される車両用の
冷暖房装置の熱交換器に、特に有用である。
【0036】(3)本発明により熱交換フィン上に形成
された亜鉛めっき皮膜は、長期使用に耐え、ほぼ、熱交
換器の寿命の間、特に補修を必要とすること無く、長期
間、殺菌性、抗かび性を発揮する。
【0037】(4)亜鉛めっき皮膜に、更にクロメート
皮膜を形成した場合には、上記特徴に加えて、耐蝕性も
向上する。
【0038】
【実施例】以下、実施例を掲げて、本発明をより詳しく
説明する。以下の実施例において、「%」は特に断らな
い限り「重量%」を指す。
【0039】実施例1 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−1050)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0040】次いで、建浴時に下記の組成を有するアル
カリ性亜鉛水溶液(以下「亜鉛置換液A」という)に室
温で60秒間浸漬し、水洗後、乾燥した。
【0041】 水酸化ナトリウム 400g/l 酸化亜鉛 40g/l こうして得られた置換亜鉛皮膜の厚さは平均0.03μ
mであった。また、置換した亜鉛の量を、エネルギー分
散型X線分析装置(堀場製作所製、EMAX−270
0、加速電圧15KV)で定量分析を行ない、亜鉛とア
ルミニウムの重量割合(以下、単に「Zn/Al比」と
いう)を求めたところ、Zn/Al比は28%であっ
た。
【0042】実施例2 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−1050)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0043】次いで、亜鉛置換液Aに室温で60秒間浸
漬し、水洗した。その後、30%硝酸水溶液に室温で1
5秒間浸漬し、更に再度、亜鉛置換液Aに室温で60秒
間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0044】こうして得られた置換亜鉛皮膜の厚さは平
均0.03μmであり、Zn/Al比は23%であっ
た。
【0045】実施例3 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−1050)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0046】次いで、亜鉛置換液Aに室温で60秒間浸
漬し、水洗した。その後、30%硝酸水溶液に室温で1
5秒間浸漬し、更に再度、亜鉛置換液Aに室温で60秒
間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0047】更に、下記組成のクロメート処理液に、室
温で30秒間浸漬して、クロメート処理を施し、水洗、
乾燥した。
【0048】 酸化クロム 1g/l 硫酸(濃度98%) 0.02ml/l 硝酸(濃度62%) 0.02ml/l こうして得られた置換亜鉛皮膜の厚さは約0.03μm
であり、Zn/Al比は21%であった。
【0049】実施例4 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−1100)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0050】次いで、亜鉛置換液Aに室温で60秒間浸
漬し、水洗した。その後、30%硝酸水溶液に室温で1
5秒間浸漬し、更に再度、亜鉛置換液Aに室温で60秒
間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0051】こうして得られた置換亜鉛皮膜の厚さは平
均0.03μmであり、Zn/Al比は25%であっ
た。
【0052】実施例5 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−3203)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0053】次いで、亜鉛置換液Aに室温で60秒間浸
漬し、水洗した。その後、30%硝酸水溶液に室温で1
5秒間浸漬し、更に再度、亜鉛置換液Aに室温で70秒
間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0054】こうして得られた置換亜鉛皮膜の厚さは平
均0.08μmであり、Zn/Al比は25%であっ
た。
【0055】実施例6 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−3003)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0056】次いで、亜鉛置換液Aに室温で60秒間浸
漬し、水洗した。その後、30%硝酸水溶液に室温で1
5秒間浸漬し、更に再度、亜鉛置換液Aに室温で60秒
間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0057】こうして得られた置換亜鉛皮膜の厚さは平
均0.08μmであり、Zn/Al比は23%であっ
た。
【0058】実施例7 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−1050)からなる試験パネル(3cm×3c
m、厚さ0.3mm)を、10%水酸化ナトリウム水溶
液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂し、水洗し、
その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で30秒間浸漬
し、前処理を行なった。
【0059】次いで、下記組成の亜鉛めっき浴に試験パ
ネルを15秒間浸漬して置換めっきを行った後、同めっ
き浴中で、下記の条件下通電し、試験パネルの全面に厚
さ10μmの亜鉛めっきを施し、水洗、乾燥した。
【0060】 亜鉛めっき浴組成 酸化亜鉛 31g/l(亜鉛として25g/l) 水酸化ナトリウム 200g/l ポリエポキシアミン系光沢剤 0.5ml/l めっき条件 温度 25℃ 陰極電流密度 2.5A/dm2
【0061】試験例1 本試験例1においては、上記実施例において得られた試
験パネルを用いて、大腸菌に対する殺菌力を試験した。
試験方法は、下記の通りである。
【0062】(a)試験菌液の調製 大腸菌として、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)
IFO3301を用いた。各供試菌を普通ブイヨン培地
で温度35℃にて18時間、3回継代培養したものを滅
菌りん酸緩衝液を用いて適宜希釈して、試験菌液とす
る。
【0063】(b)測定培地:標準寒天培地 (c)測定方法 各供試菌株の普通ブイヨン培養希釈液を、上記実施例で
得られた亜鉛皮膜を形成したアルミニウム合金製の各試
験パネル(3cm×3cm)の片面に塗布し、塗布直後
及び上記測定培地中温度35℃で4時間培養後に拭き取
り法で常法通り拭き取り、各パネル上の供試菌株の菌株
数を測定する。この操作を同一試料で3回繰り返し、温
度35℃で4時間培養後の菌数の平均値を求めた。
【0064】なお、上記(c)の菌株数の測定において
は、供試菌株の塗布直後の菌数が4〜5×105の範囲
にある試験パネルを、温度35℃で4時間培養後の菌数
の測定に供した。
【0065】結果を、下記表1に示す。なお、本発明の
亜鉛皮膜を形成すること無く、アルミニウム合金パネル
そのものについて、上記と同様に試験した場合、各アル
ミニウム合金パネル上の菌数は、6〜9×104個の範
囲であった。
【0066】試験例2 本試験例2では、抗かび性の試験を行なった。即ち、前
記実施例で得られた各試験パネルの表面(3×3cm)
に、普通ブイヨンを0.1ml塗布し、乾燥させた後、
かび抵抗性試験方法(JIS−Z2911−1981)
の一般工業製品の試験方法に準じて試験した。供試菌株
として、次の2菌株を使用した。
【0067】供試菌株: アスペルギルス ニガー (Aspergillus niger)IFO6
341 ペニシリウム フニクロスム (Penicillium funiculosu
m)IFO6345 かび発育の条件は、温度28℃で4週間行ない、かび発
育の有無を観察した結果を、下記表1に示す。
【0068】なお、本発明の亜鉛皮膜を形成すること無
く、アルミニウム合金パネルそのものについて、同様の
抗かび性試験を行なった場合、各アルミニウム合金パネ
ル上では、かびが発育する確立が高かった。
【0069】
【表1】
【0070】上記表1の結果から明らかなように、本発
明により亜鉛皮膜を形成した場合には、菌数が、亜鉛皮
膜を形成しない場合の6〜9×104個から400個以
下に激減しており、優れた抗菌性を示すことが判る。し
かも、抗菌性のみならず、かびの発育が起こらず、優れ
た抗かび性も付与されていることが判る。
【0071】実施例8 アルミニウム合金(JIS H−4000による合金番
号A−3003)製のフィンを備えた自動者用空調機の
熱交換器ユニット(30cm×30cm、厚さ100m
m、9段のフィン層を備えている)を、10%水酸化ナ
トリウム水溶液に温度50℃にて15秒間浸漬して脱脂
し、水洗し、その後ただちに30%硝酸水溶液に室温で
30秒間浸漬し、前処理を行なった。
【0072】次いで、亜鉛置換液Aに室温で60秒間浸
漬し、水洗した。その後、30%硝酸水溶液に室温で1
5秒間浸漬し、更に再度、亜鉛置換液Aに室温で60秒
間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0073】得られた熱交換器を自動者の空調機に組み
込み、春から夏を経過し、秋になるまでの6か月間、通
常の路上運転と同様の条件下、本出願人の工場敷地内の
部外者立ち入り禁止地区でテスト使用した。該期間中、
官能テストでかび臭等の不快臭は認められなかった。
【0074】なお、上記亜鉛皮膜を形成していない同型
の熱交換器を備えた同型自動車を、同期間中、通常の路
上運転使用した場合は、空調機を使用すると、官能テス
トでかび臭などの不快臭が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 義夫 兵庫県宝塚市御殿山3丁目10番13号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる熱交換フィンの表面に、亜鉛皮膜が備えられている
    ことを特徴とする殺菌性及び抗かび性を有する熱交換フ
    ィン。
  2. 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる熱交換フィンの表面に、亜鉛皮膜が備えられ、更に
    該亜鉛皮膜の上にクロメート皮膜が備えられていること
    を特徴とする殺菌性及び抗かび性を有し、且つ、耐蝕性
    を有する熱交換フィン。
  3. 【請求項3】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる熱交換フィンを、アルカリ性亜鉛水溶液に浸漬して
    その表面に亜鉛皮膜を形成することを特徴とする請求項
    1に記載の熱交換フィンの製造法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる熱交換フィンを、アルカリ性亜鉛水溶液に浸漬して
    亜鉛皮膜を形成した後、更にクロメート処理を行うこと
    を特徴とする請求項2に記載の熱交換フィンの製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載の熱交換フ
    ィンを備えていることを特徴とする熱交換器。
JP4150650A 1992-06-10 1992-06-10 殺菌性及び抗かび性を有する熱交換フィン及びその製造法 Pending JPH05339743A (ja)

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