JPH05339305A - アクリル系樹脂の製造法 - Google Patents

アクリル系樹脂の製造法

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JPH05339305A
JPH05339305A JP4194460A JP19446092A JPH05339305A JP H05339305 A JPH05339305 A JP H05339305A JP 4194460 A JP4194460 A JP 4194460A JP 19446092 A JP19446092 A JP 19446092A JP H05339305 A JPH05339305 A JP H05339305A
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solvent
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昌男 西山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特殊な重合反応器を要さず、高転化率でも粘度
変化が小さく、重合反応の制御が容易である重合法によ
り、全光線透過率が高く、分子量分布の狭い高品質のア
クリル系樹脂を製造する。 【構成】第1及び後段の重合反応器何れに於いてもモノ
マー等に溶剤を加えて重合し、1段目の転化率を10〜
50%、後段の転化率を80%以上とし、その後、溶
剤、低分子量重合体等を除去し、アクリル系樹脂を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性に優れたプラス
チック材料として有用な、アクリル系樹脂の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】アクリル系樹脂は、透明
性、耐光性、機械的強度、成形性及び加工性に優れたプ
ラスチックで、看板、照明器具、車両用部品及び各種装
飾品等に使用されている。近年、レンズ、光ディスク、
光繊維等の光学分野での用途が拡大しており、分子量分
布が狭く、光学的性質に優れた高品質のアクリル系樹脂
を製造する方法が求められている。
【0003】従来、成形材料に使用するアクリル系樹脂
を工業的に製造する方法として、懸濁重合法、塊状重合
法、溶液重合法等が知られている。懸濁重合法は、重合
反応の制御が容易であるため、比較的分子量分布の狭い
アクリル系樹脂を製造できるが、製造時に使用する分散
剤或いは分散安定剤等が樹脂中に残存し、光学的性質の
低下をきたすこと、バッチ生産が主で製造工程が煩雑と
なり、生産性が低いこと、大量の排水処理を必要とする
こと等の欠点がある。
【0004】塊状重合法は、分散剤や分散安定剤を使用
しないこと、大量の排水処理が不要なこと、生産性の良
い連続化が比較的容易なこと、生産性の良い連続化が比
較的容易なこと等、懸濁重合法に比べて有利な点があ
る。しかし、モノマー転化率(以下、転化率という)が
高くなると、一般にゲル効果として知られている、重合
速度の加速現象が起こり、重合反応時に粘度及び温度が
急激に上昇するため、重合熱の除去が困難となり、工業
的規模では重合反応の制御が殆どできないこと、転化率
を60%以上に高くすることが難しいこと、生成するア
クリル系樹脂の分子量分布が広く、又、オリゴマーやゲ
ル化物等の不純物が副生し易くなり、光学的性質が低下
する等の欠点がある。
【0005】塊状重合法のこれら欠点を改良する目的
で、特開昭49−37993号公報には、転化率が50
〜80%に達した後、トルエン等の粘度低減剤とラジカ
ル重合開始剤を追加添加し、転化率を85%以上にする
方法が提案されている。しかし、塊状重合法によって転
化率が50〜80%に達するまで重合反応を制御するこ
とは、通常、非常に困難であり、ラジカル重合開始剤の
使用量や重合温度を特定範囲に限定するなど、製造可能
条件範囲が非常に狭く、工業的規模で実施することは極
めて難しい。又、粘度低減剤の添加やラジカル重合開始
剤の追加添加添加は重合温度等の重合条件を変化させ、
得られるアクリル系樹脂の分子量分布を広くし、光学的
性質が低下する等の欠点がある。
【0006】また、特開昭63−77909号公報に
は、メチルメタクリレート、ビニル芳香族、無水マレイ
ン酸及びアルキルアクリレートからなる特定のモノマー
混合物を溶剤の存在下又は不存在下に転化率60%にま
で重合した後、約15〜33重量%の溶剤を加え、転化
率80%以上にまで重合する製造法が提案されている。
しかし、通常、溶剤の不存在下でゲル効果を抑制して、
転化率60%まで重合反応を制御することは難しい。
又、転化率60%以上では重合反応液の粘度が非常に高
くなり、溶剤と均一に混合することが難しく、重合温度
が不均一になり、得られるアクリル系樹脂の分子量分布
が広くなる等の欠点がある。
【0007】溶液重合法は溶剤の使用量が少ないとゲル
効果が起こり、得られるアクリル系樹脂の分子量分布が
広くなるが、モノマーと同等量以上の溶剤を使用しない
ため重合反応時の温度調節や分子量調節は比較的容易で
あり、分散剤等を使用しないため光学的性質が良く、分
子量分布の狭い樹脂の製造が可能である。しかし、良く
知られているように、モノマーと同等量以上の多量の溶
剤の使用は、重合速度、特に、重合初期の重合速度が遅
くなり、生産性が悪くなることや高分子量の重合体を得
ることが難しいこと等の欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、アクリ
ル系樹脂の重合に係る従来技術の欠点を排除し、重合反
応の制御が容易で、分子量分布の狭い、光学的性質の優
れたアクリル系樹脂を製造する方法を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、2個以上の重
合反応器を使用して、70重量%以上のメチルメタクリ
レートと、共重合可能な他のビニル化合物とからなるモ
ノマーを、ラジカル重合開始剤の作用で重合してアクリ
ル系樹脂を製造するにあたり、(1)第1重合反応器で
モノマーと溶剤とを重量比で70〜95/30〜5の割
合で混合し、モノマーの転化率が10〜35%の範囲に
重合し、生成した重合体含有混合物を最終重合反応器を
含む後段の重合反応器へ移すこと、(2)後段の重合反
応器中で重合体含有混合物と溶剤とを重量比で30〜7
0/70〜30の割合で混合すること、(3)後段の重
合反応器でモノマーの転化率が80%以上になるまで重
合すること、(4)第1及び後段の重合反応器での重合
温度を同一とし、温度変化±10℃の範囲内に維持する
こと、(5)最終の重合反応器で得た重合体含有混合物
から溶剤、未反応モノマー及び低分子量重合体を除去す
ること、を特徴とするアクリル系樹脂の製造法に関す
る。
【0010】メチルメタクリレートと共重合可能な他の
ビニル化合物としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレ
ート類、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−ク
ロロアクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物類、アク
リルアミド、メタクリロアミド、アクリル酸、メタクリ
ル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。こ
れらは1種であってもよいし2種以上を混合して使用し
てもよい。
【0011】メチルメタクリレートはJIS K671
6に記載の製品品質を有し、溶存酸素を重合反応に影響
を与えない量、通常、100ppm以下にまで除去した
ものが使用できる。共重合可能な他のビニル化合物はメ
チルメタクリレートに準ずる品質のものであればよい。
メチルメタクリレートの使用量が70重量%未満の場合
は透明性、機械的強度等が低下し、アクリル系樹脂本来
の特性が失われるためめ好ましくない。
【0012】ラジカル重合開始剤としては有機過酸化物
或いはアゾ系化合物等を使用することができる。有機過
酸化物としては、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジ
カーボネート類、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等
のパーオキシエステル類等が挙げられ、アゾ系化合物と
しては、アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビ
スシクロヘキサン−t−カーボニトリル等が挙げられ
る。これらは1種であってもよいし、2種以上お混合し
て使用してもよい。ラジカル重合開始剤は、モノマー1
00重量部当たり0.0005〜1重量部、好ましくは
0.001〜0.5重量部の割合で使用される。
【0013】溶剤はモノマー及び生成するアクリル系樹
脂に対して溶解性を有し、重合反応を実質的に阻害しな
いもので、沸点が40〜225℃程度、好ましくは60
〜150℃程度の範囲にあるものが使用できる。具体的
には、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、メチルイソブチ
レート、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロ
ドデカン、イソオクタン、デカリン、ジメチルスルホキ
シド、エチレンカーボネート、ノルマルブタノール等を
例示できる。これら溶剤は、溶存酸素を重合反応に影響
を与えない量にまで除去してから使用される。
【0014】これらの溶剤は第1重合反応器では、モノ
マーとの重量比で(モノマー/溶剤)70〜95/30
〜5、好ましくは75〜90/25〜10の割合で使用
する。溶剤の使用量が上記下限より少ない場合は、重合
反応の進行につれて粘度が高くなり、転化率50%まで
の重合反応制御が困難となり好ましくない。後段の重合
反応器では、溶剤は、第1重合反応器で生成した重合体
含有混合物と、重量比が(重合体含有混合物/溶剤)3
0〜70/70〜30、好ましくは35〜60/65〜
40の範囲に調整され均一に混合される。溶剤の使用量
が上記下限より少ないとゲル効果により重合反応液の粘
度が高くなり、重合反応の制御が困難となり、分子量分
布が広くなるため好ましくない。逆に溶剤が上記上限よ
り多い場合は、重合反応の制御のし易さには差はない
が、製造した重合混合物から溶剤や未反応モノマー、低
分子量重合体等の除去に長時間を要し、生産性が悪くな
るため好ましくない。
【0015】本発明では、第1重合反応器で重合体への
転化率を10〜50%、好ましくは20〜40%程度と
し、後段の重合反応器で高転化率まで重合する。第1重
合反応器での溶剤量は少ないため、従来の溶液重合法と
は異なり、第1重合反応器での重合速度は速く、又、溶
剤が存在するため転化率50%までゲル効果が防止でき
る。更に、転化率が50%を越えゲル効果を生じ易い後
段の重合反応器では、追加添加した溶剤の作用により重
合反応液の急激な粘度上昇は起こらず、重合発熱による
温度変化も小さくなるため、重合反応の制御は容易で、
分子量分布の狭いアクリル系樹脂が得られ、又、低分子
量重合体等の不純物の生成も抑制でできる。又、第1重
合反応器での重合反応液の粘度は低く、後段の重合反応
器での溶剤との混合は容易で重合反応に殆ど影響を与え
ない。更に、重合反応液の粘度が低いため、重合反応器
に塊状重合で使用されるような高価な特殊設備を必要と
しない。
【0016】後段の重合反応器で転化率が80%未満で
は、未反応モノマーが多くなり、回収装置や操作が煩雑
となり好ましくない。従って、後段の重合反応器では転
化率を可能な限り高めることが好ましい。重合温度は第
1段及び後段の重合反応器何れに於いても、60〜18
0℃、好ましくは80〜150℃の範囲が好適である。
この際、各重合反応器の重合温度は同一に設定され、温
度の変動±10℃の範囲内、好ましくは±5℃の範囲内
に維持して重合させる。重合温度が50℃以下では重合
速度が遅く、又、多くのラジカル重合開始剤を必要とし
経済的でない。一方、180℃を越える温度では低分子
量重合体等の不純物の生成量が増加し好ましくない。
又、温度変化が±10℃以上になると重合速度の制御が
困難となり、分子量分布が広くなるので好ましくない。
【0017】又、本発明では生成するアクリル系樹脂の
分子量調節、熱安定性の向上等を目的としてn−ブチル
メルカプタン、イソブチルメルカプタン、n−オクチル
メルカプタン、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン
或いはオクチルチオグリコレート等のチオグリコール酸
エステル類等の連鎖移動剤を使用することができる。連
鎖移動剤の使用量は混合物100重量部当たり0.02
〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.8重量部の
範囲である。更に、本発明で使用する原料混合溶液は反
応開始時或いは反応途中で重合反応を阻害することのな
い添加剤、例えば、ジオクチルフタレート等の可塑剤、
ステアリルアルコール等の潤滑剤、アントラキノン・レ
ッド等の染料、フタロシアニン・ブルー、二酸化チタン
等の顔料、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤或いは
レゾルシノール系化合物、ベンゾトリアジン、ベンゾト
リアゾール等の紫外線防止剤等を添加することもでき
る。
【0018】本発明のアクリル系樹脂は2個乃至それ以
上の攪拌槽型重合反応器で製造できる。以下に本発明の
アクリル系樹脂の製造法の1例を重合反応器を2個用い
る図1に基づき詳述する。原料調整槽1で所定量のメチ
ルメタクリレート或いはメチルメタクリレートと共重合
可能な他のビニル化合物からなるモノマー混合物、ラジ
カル重合開始剤及び必要に応じて連鎖移動剤、各種の添
加剤からなる混合物と溶剤とを(混合物/溶剤=70〜
95/30〜5の重量比)約20℃の温度で均一に混合
する。この混合物を第1の定量ポンプ2によって抜き出
し、フィルター3で径が0.2μm以上の塵埃を除去
し、得られた重合反応原液の温度を第1の加熱機4で5
0〜180℃、好ましくは80〜150℃の範囲に昇温
し、同一温度に温調してある第1重合反応器5に供給す
る。第1重合反応器5で転化率10〜50%、好ましく
は20〜40%まで重合させる。転化率の変化は重合反
応時の重合反応原液の温度変化及び/又は粘度変化を測
定することによって知ることができる。
【0019】第1重合反応器5での重合反応終了後、生
成した重合体含有混合物及び沸点よりやや低い温度に加
熱した所定量の溶剤を、それぞれ第2の定量ポンプ7及
び溶剤用定量ポンプ8で第2重合反応器10に供給す
る。溶剤は、重合体含有混合物/溶剤=30〜70/7
0〜30の重量比になるよう供給される。又、必要であ
れば追加の共重合可能なビニル化合物や連鎖移動剤を追
加原料用ライン11から同反応器に供給する。第2重合
反応器10へ供給する重合体含有混合物及び溶剤の温度
は第2の加熱機9で調節する。第2重合反応器10での
重合温度は第1重合反応器と同一と同一とする。重合体
含有混合物と溶剤はスタティックミキサー等を用いて混
合しながら第2重合反応器10に供給してもよい。第2
重合反応器10での転化率は80%以上、好ましくは9
5%以上になるまで重合し、実質的にラジカル重合開始
剤の全てを消費する。重合反応液の温度は、蒸発した溶
剤がコンデンサー12で凝縮され第2重合反応器10へ
還流されること及び重合反応器のジャケットによる温度
調節とで制御され、±10℃、好ましくは±5℃の範囲
内に維持される。反応圧力は、第1段及び後段の重合反
応器共に、メチルメタクリレートの飽和蒸気圧よりやや
高めにすることが好ましい。
【0020】第2重合反応器10での重合反応が終了
後、生成した重合反応混合物は定量ポンプ13により加
熱機14に送られ、加熱機14では可能な限り短時間で
220〜260℃程度の温度に昇温する。この時の圧力
は溶剤の飽和蒸気圧よりも若干高く設定し、反応混合物
の発泡などによる加熱機能の低下を防ぐ。昇温した重合
反応混合物はライン15の下部にあるニードルバルブを
通じて脱気装置16でフラッシュされ、温度220〜2
60℃、圧力10〜150mmHgの条件で重合反応混
合物から溶剤、未重合成分及び低沸点重合体等が除去さ
れる。温度が220℃以下ではフラッシュされた後のア
クリル系樹脂の温度が低下し、溶剤、未重合成分等の除
去が不充分となり好ましくない。又、270℃以上では
オリゴマー或いはゲル化物が生成したり、アクリル系樹
脂が熱分解により劣化するので好ましくない。除去され
た溶剤、未重合成分及び低沸点重合体等はライン17を
経てリサイクルラインへ送られる。この脱気により、ア
クリル系樹脂中の溶剤、低分子量重合体等の含有量は1
重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とされ、重合
体は脱気装置16の下部から第4の定量ポンプ18で抜
き出され、ペレタイザー19によってペレットとされ
る。
【0021】ここで、原料調整槽1と第1重合反応器3
は同一であってもよい。重合体含有混合物からの溶剤、
低分子量重合体等の除去は上気のフラッシュ型装置以外
に、高粘度用薄膜蒸発器(例えば、商品名”EXEV
A”、神鋼パンテック社製等)やベント付押出機を使用
してもよく、又、本発明の脱気装置とそれらを併用する
ことはより好ましい。ペレット化は脱気装置下部から溶
融したアクリル系樹脂を1軸或いは多軸の押出機に供給
して行うこともできる。本装置の原料調整槽、重合反応
器、ライン、定量ポンプはジャケットに熱媒や冷媒を通
すことにより全て温度調節が可能となっている。又、ア
クリル系樹脂混合物を移送するラインはできるだけ短
く、堆積物が発生しないように設計されている。原料調
整槽及び重合反応器は不活性ガスで充分に置換してから
使用し、又、重合反応時の重合反応器の空間部は不活性
ガス雰囲気が好ましい。以上、2個の重合反応器の例で
説明したが、本発明では3個以上の反応器を使用するこ
ともでき、又、連続して運転することも可能でおる。3
個以上の重合反応器を使用する場合、第2重合反応器以
降の各重合反応器での到達転化率を順次高く設定して運
転される。
【0022】
【実施例】以下に実施例、比較例によって本発明を更に
詳しく説明する。実施例のモノマー転化率、アクリル系
樹脂の全光線透過率及び分子量、分子量分布の測定は下
記の方法で行った。 (1)モノマー転化率 第1及び第2段の重合反応器より重合体含有混合物5〜
10gを試料として試験管に取り、液体窒素で冷却す
る。試料重量を測定した後、試料をクロロホルムに完全
に溶解し、その溶液を攪拌下、試料重量の約20倍量の
メタノール中に流し込みアクリル系樹脂を析出させる。
瀘別によりアクリル系樹脂を分離し、約60℃で16時
間減圧乾燥した後、得られたアクリル系樹脂の重量を測
定する。転化率は乾燥後のアクリル系樹脂の重量と試料
重量との割合から求めた。尚、重合体含有混合物中の溶
剤含有量はガスクロマトグラムにより定量して求めた。 (2)全光線透過率 製造したアクリル系樹脂を射出成形(樹脂温度230
℃、射出圧力750Kgf/cm)により100mm
×100mm×3mm(厚さ)の板状体に成形し、その
板状体を試料に用いてASTM D1003に従って全
光線透過率を測定する。 (3)分子量、分子量分布 GPC装置(東ソー製HLC−8020型、カラムはS
hodex KF−80M)を使用し、製造したアクリ
ル系樹脂0.3gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解した試料を測定し、標準ポリメチルメタクリレートで
作成した検量線に基づき数平均分子量、重量平均分子量
及び分子量分布を求める。
【0023】実施例1 原料調整槽1でメチルメタクリレート4750g、メチ
ルアクリレート250g、トルエン882gを20℃で
混合し、この混合液に窒素ガスを流速150ml/分で
約10分間吹き込みみ、溶存酸素を除去した。この混合
液の溶存酸素はDOメーター(セントラル科学製、UC
−12−SOL型)で測定した結果5ppm以下であっ
た。この混合液にラウロイルパーオキサイド10gとラ
ウロイルメルカプタン15gを加え、均一に混合した
後、第1の定量ポンプ2により抜き出し、フィルター3
により径0.2μm以上の塵埃等を除去し、第1の加熱
機4で105℃に昇温し、105℃に温度調節した第1
重合反応器5に移液し、温度105℃、攪拌翼の150
rpmで90分間重合した。この時の転化率は32%で
あった。又、この間の温度変化は±2℃以内であった。
この重合体含有混合物を第2の定量ポンプ7で抜き出
し、105℃に温度調節した第2重合反応器10へ移液
した。次いで、溶剤用定量ポンプ8によって105℃に
加熱したトルエン3618gを第2重合反応器10に供
給し、混合して、回転数100rpmで攪拌しながら同
温度で3時間重合した。この時の転化率は91%であっ
た。この間の温度変化は±3.5℃以内であった。
【0024】重合体含有混合物を第3の定量ポンプ13
を通して第3の加熱器14に送り、加圧下に245℃に
加熱した後、温度240℃で50mmHg以下の減圧状
態にした脱気装置16にフラッシュし、溶剤、低分子量
重合体等を除去した。アクリル系樹脂は脱気装置16の
下部の第4の定量ポンプ18のノズルからストランドで
出し、ペレタイザー19の水槽で冷却後、カッターで切
断してペレットとした。製造したアクリル系樹脂の全光
線透過率は93%と良好であり、GPCで測定した数平
均分子量は39500、重量平均分子量は75840で
あり、分子量分布は1.92であった。
【0025】比較例1 原料調整槽1のメチルメタクリレート4750g、メチ
ルアクリレート250gの混合液にトルエン4500g
を添加し、第2重合反応器10でトルエンを添加しなか
った以外は実施例1と同様にして重合した。90分間重
合した時の添加率は7%、第2重合反応器10で3時間
重合した後の転化率が31%であり、実施例1に比べ重
合速度が遅く、実用的ではなかった。 比較例2 第1重合反応器5でトルエンを添加しない以外は実施例
1と同様にして重合した。しかし、60分間重合を続け
た頃から重合反応液の温度が上昇し始め、第1重合反応
器5のジャケットの熱媒の温度を下げたが、温度制御が
困難となり、重合開始後80分後には、重合反応液の温
度が153℃となったため、約10℃の温度のトルエン
4500gを添加混合し、重合反応液の温度を下げた。
冷却後直ちに同反応液をステンレス製容器に抜き取っ
た。この時の転化率は56%であった。トルエン、未反
応モノマー等を除去して得たアクリル系樹脂の数平均分
子量は38800、重量平均分子量は112700であ
り、分子量分布は2.9であり、分子量分布が広いもの
であった。又、全光線透過率は89%であった。
【0026】
【発明の効果】メチルメタクリレートを主成分とするア
クリル系樹脂を製造するに際し、多段重合とし、1段目
及び後段の重合反応器何れに於いても溶剤を加えて重合
し、溶剤の量が少ない1段目の転化率を10〜50%、
溶剤の量を増やした後段の転化率を80%以上とした
後、溶剤、低分子量成分等を除去することにより、 (1)80%以上の高転化率にしても粘度変化が小さ
く、重合反応の制御が容易である。 (2)全光線透過率が高く、分子量分布の狭い高品質の
アクリル系樹脂が得られる。 (3)重合反応液の粘度が低いため、安価な重合反応器
が使用できる。等の効果がある。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のアクリル系樹脂の製造方法に係
るフローシートである。
【符号の説明】
1 原料調整槽 2 第1の定量ポンプ 3 フィルター 4 第1の加熱機 5 第1重合反応器 6 第1のコンデンサー 7 第2の定量ポンプ 8 溶剤用定量ポンプ 9 第2の加熱機 10 第2の重合反応器 11 追加原料用ライン 12 第2のコンデンサー 13 第3の定量ポンプ 14 第3の加熱機 15 移液ライン 16 脱気装置 17 溶剤等除去ライン 18 第4の定量ポンプ 19 ペレタイザー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個以上の重合反応器を使用して、70
    重量%以上のメチルメタクリレートと、共重可能な他の
    ビニル化合物とからなるモノマーを、ラジカル重合開始
    剤の作用で重合してアクリル系樹脂を製造するにあた
    り、(1)第1重合反応器でモノマーと溶剤とを重量比
    で70〜95/30〜5の割合で混合し、モノマーの転
    化率が10〜50%の範囲に重合し、生成した重合体含
    有混合物を最終重合反応器を含む後段の重合反応器へ移
    すこと、(2)後段の重合反応器中で重合体含有混合物
    と溶剤とを重量比で30〜70/70〜30の割合で混
    合すること、(3)後段の重合反応器でモノマーの転化
    率が80%以上になるまで重合すること、(4)第1及
    び後段の重合反応器での重合温度を同一とし、温度変化
    を±10℃の範囲内に維持すること、(5)最終の重合
    反応器で得た重合体混合物から溶剤、未反応モノマー及
    び低分子量重合体を除去すること、を特徴とするアクリ
    ル系樹脂の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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