JP3319485B2 - 耐熱分解性を有するメタクリル樹脂の製造方法 - Google Patents

耐熱分解性を有するメタクリル樹脂の製造方法

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JP3319485B2
JP3319485B2 JP00059094A JP59094A JP3319485B2 JP 3319485 B2 JP3319485 B2 JP 3319485B2 JP 00059094 A JP00059094 A JP 00059094A JP 59094 A JP59094 A JP 59094A JP 3319485 B2 JP3319485 B2 JP 3319485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタクリル樹脂製造方
法に関する。さらに詳しくは、優れた耐熱分解性を有す
るメタクリル樹脂製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来メタクリル樹脂は透明性、耐候性、
機械的強度が優れており、建築用資材や家具・室内装飾
用素材、自動車部品、電気部品等各種成形材料として各
方面に広く利用されている。一般にメタクリル樹脂は2
30℃付近から分解し始め、270℃付近から特に顕著
である。他方、メタクリル樹脂は230℃〜250℃で
射出成形あるいは押出成形される。このとき成形される
メタクリル樹脂が熱分解温度と接近しているため、一部
ポリマーより加熱分解したモノマーが成形品中に残留し
てシルバーストリークスや発泡を発生させたり、着色、
耐熱変形性の低下、臭気による作業環境の悪化等をきた
し、実用上の問題となっている。これまでメタクリル樹
脂の耐熱分解性を向上させるために種々の工夫がなされ
てきている。たとえば、初期において抗酸化剤を添加し
て加熱成形することが試みられたが、充分な効果が得ら
れないばかりか着色する等の欠点を有していた。
【0003】近年、メタクリル樹脂を連続重合法で製造
することにより耐熱分解性が改良されることが示されて
いる。たとえば、特公昭52−32665号公報では温
度130〜160℃において1段完全混合槽型連続重合
を行うに当たり、連鎖移動剤としてメルカプタン濃度
0.01〜1.0モル%および下記式を満足するモノマ
ー組成物を連続的にフィードしてモノマー転化率50〜
78%に維持する方法が開示されている。 10≧A1/2 ・B-1/2×103 3≧A・B×105 2.9≧A-1・(B+10.3)×10-6 ここで、Aは、単量体フィード100g中のラジカル重
合開始剤のモル数を、Bは、ラジカル重合開始剤の重合
温度における半減期(時間)である。
【0004】さらに、特開平3−111408号公報で
は1段完全混合槽型連続重合を行うに当たり、重合温度
130〜160℃における半減期が0.5〜2分の開始
剤を用い、重合温度でのラジカル開始剤の半減期と平均
滞留時間の比が1/200〜1/10000となるよう
に平均滞留時間を設定し、モノマー転化率が45〜70
%とする方法が開示されている。これらいずれの技術に
おいても、問題とする耐熱分解性は未反応モノマー等残
存揮発分を高温下で除去する真空脱揮工程や押出成形工
程を経たポリマーについて評価したものである。本発明
者らの検討によれば重合工程で生成してくるポリマーそ
のものの耐熱分解性については必ずしも十分ではなかっ
た。真空脱揮工程や押出成形工程での熱分解による収率
低下、熱履歴による着色等を考慮すれば重合工程で生成
するポリマーの耐熱分解性を向上させることが極めて重
要である。
【0005】また、多段完全混合槽型連続重合に関して
も開示されている。特開平1−172401号公報で
は、メチルアクリレートまたはエチルアクリレート等の
コモノマーや連鎖移動剤の一部を分割フィードすること
により生成ポリマーの熱安定性等品質が向上すると記載
されているもののこれについての具体的な実施例は一切
述べられていない。本発明者らは、先の出願(特願平5
−279861)において、メタノール5〜29重量%
添加した連続溶液重合法を開示した。本法によればゲル
効果が発現するポリマー濃度を高めることができるので
重合を安定化することができるが、得られるポリマーの
耐熱分解性においては必ずしも満足されるものではな
い。また特開昭62−241905号公報ではメタノー
ルを含む溶解度パラメーター(δ)が10.5〜14.
5(cal/cm3 1/2 である脂肪族1価アルコール30〜
80重量%の存在下に重合を行う方法が開示されている
が、本発明者らが実施した試験によれば、30〜80重
量%の大量のアルコール添加系では成形材料として使用
される分子量を有するメタクリル樹脂を製造すると極め
て耐熱分解性の低いポリマーしか得られないことがわか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した課題を解決し、熱成形時におけるシルバーストリー
クスや発泡、着色および臭気等の発生の少ない、耐熱分
解性に優れたメタクリル樹脂、およびその製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、一定のラジカル重合開始剤の半減期とその濃
度、連鎖移動剤濃度、モノマー濃度および溶媒濃度、重
合温度、平均滞留時間の条件下で反応させることによ
り、上記した課題を解決できることを見いだし、本発明
を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、2段直列結合された
完全混合槽とプラグフロー型反応器を使用して、メチル
メタクリレート単独、またはメチルメタクリレートが7
5重量%以上とメチルアクリレート、エチルアクリレー
トもしくはブチルアクリレートから選ばれた少なくとも
一種以上が25重量%以下の単量体混合物71〜95重
量%および溶媒29〜5重量%からなる組成物に対し、
組成物中ラジカル重合開始剤濃度が1.0×10-3
1.6モル%および連鎖移動剤濃度が1.0×10-3
1.0モル%となるように調製した反応組成物を、重合
温度が1段目完全混合槽100〜170℃、2段目プラ
グフロー型反応器100〜170℃、1段目完全混合槽
の平均滞留時間が重合温度における重合開始剤半減期の
5〜7000倍、2段目プラグフロー型反応器での流通
時間が重合温度における重合開始剤半減期の5〜50倍
となるようにして2段目プラグフロー型反応器出口での
重合率を70〜95%に維持しながら連続的に重合して
得られ、かつ重合反応終了後で後処理工程での熱履歴を
受ける前の下記式で定義される熱分解度(DW)が5w
t%以下である耐熱分解性を有するメタクリル樹脂に関
する。
【0009】
【数3】
【0010】(式中、DWは、窒素気流中、30℃から
300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの
加熱減量率(wt%)、γwiは、i段目反応器出口から
流出する全生成ポリマーに対する末端二重結合を有すポ
リマーの含有率(wt%)、RAi は、i段目反応器で
生成するポリマー中のアクリレート単位濃度(モル
%)、およびΔMi は、i段目反応器での消費モノマー
濃度を示す。)
【0011】本発明で使用する単量体成分としてはメチ
ルメタクリレート単独、またはメチルメタクリレートが
75重量%以上とメチルアクリレート、エチルアクリレ
ートまたはブチルアクリレートから選ばれた少なくとも
一種以上が25重量%以下からなる単量体混合物であ
る。一般にメタクリル樹脂はメチルメタクリレートとア
クリレート類との共重合体であり、その組成比は射出成
形グレード、押出成形グレード等成形目的、すなわちポ
リマーの熱流動性によって決定される。通常、ポリマー
中のアクリレート単位濃度は20重量%以下に設定され
るが、そのためには、メチルアクリレート、エチルアク
リレートまたはブチルアクリレートから選ばれた少なく
とも一種以上を上記25重量%以下とする必要がある。
【0012】供給される単量体混合物組成は生成するポ
リマーの共重合組成とは異なるが、簡単な実験、たとえ
ばポリマーの熱分解ガスクロマトグラフィー測定により
予めその関係を知ることができる。単量体混合物は1段
目完全混合槽に供給されるが、一部を2段目プラグフロ
ー型反応器入口および/あるいは途中にサイドフィード
することもできる。その際、1、2段目に供給される単
量体混合物組成は必ずしも一致させる必要はない。2段
目反応器から流出するポリマー中のアクリレート単位濃
度が所望する濃度になるように供給される。サイドフィ
ード量はメインフィード量に対して1/50〜1/5の
割合が望ましい。
【0013】本発明で使用できる溶媒としてはトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ
ール、エタノール等が挙げられる。これらの中でもメタ
ノールの使用が、重合反応後の処理等を考慮すると特に
望ましい。上記溶媒の使用割合は、単量体もしくは単量
体混合物71〜95重量%に対し、溶媒29〜5重量%
である。溶媒濃度が上記5重量%未満では、メチルメタ
クリレートのラジカル重合に顕著な自動促進効果、すな
わち系内粘度上昇による重合速度の異常加速現象が生じ
て安定に重合維持ができなくなる。一方、溶媒濃度が上
記29重量%を越えると、設定できる分子量範囲が狭め
られ、かつ生成ポリマー中の末端二重結合を有するポリ
マーの含有率γwを10wt%以下に設定できる条件が
極端に狭くなる。
【0014】重合開始剤としては、ジ−t−ブチルパー
カーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシジネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘ
キサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−
t−アミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド等の有機過酸化物、
【0015】あるいは2,2’−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−
アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)、1,1’−アゾビスイソブチレ
ート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボ
ニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
【0016】単量体もしくは単量体混合物、溶媒等の組
成物中のラジカル重合開始剤濃度は、1.0×10-3
1.6モル%、好ましくは1.0×10-3〜1.2モル
%の範囲である。重合開始剤濃度が、上記1.0×10
-3モル%未満では、1段目完全混合槽での重合率が低
く、結果的に2段目プラグフロー型反応器で生成したポ
リマーの割合が大きくなり分子量分布が広がってしま
う。一方、上記1.6モル%を越えると、高重合率を達
成できるが設定できる分子量範囲が狭められ、かつ生成
ポリマー中の末端二重結合を有するポリマーの含有率γ
wを10wt%以下に設定できる条件範囲が極端に狭く
なる。また、大量の重合開始剤の使用は製品ポリマーの
透明性に問題が生じる。重合開始剤の半減期および分解
速度は日本油脂(株)発行「有機過酸化物」資料集第1
3版、アトケム吉富(株)発行「技術資料」および和光
純薬工業(株)発行「アゾ系重合開始剤(AZO POLYMERI
ZATION INITIATORS )」等のデータより得ることができ
る。
【0017】連鎖移動剤としては通常のラジカル重合で
用いられるt-ブチルメルカプタン、n−オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、チオグリコール
酸イソオクチル等が使用できる。単量体もしくは単量体
混合物、溶媒等の組成物中の連鎖移動剤濃度は、1.0
×10-3〜1.0モル%、好ましくは1.6×10-2
1.0モル%の範囲である。連鎖移動剤濃度が、上記
1.0×10-3モル%未満では、生成ポリマー中の末端
二重結合を有するポリマーの含有率γw を10重量%以
下にすることが困難となる。一方、上記1.0モル%を
越えると、生成ポリマーの分子量が小さくなり充分な機
械的物性を得ることができない。
【0018】これら重合開始剤と連鎖移動剤の重合槽へ
の供給は、フィードする原料組成物に対し所望の濃度と
なるようにそれぞれ単独に供給してもよいが、予め単量
体もしくは単量体混合物、あるいは溶媒に溶解してから
連続供給するのが望ましい。また、一部を2段目プラグ
フロー型反応器入口および/あるいは途中にサイドフィ
ードすることもできる。本発明の重合温度は、1段目完
全混合槽で100〜170℃、2段目プラグフロー型反
応器で100〜170℃である。1段目、2段目で必ず
しも一致させる必要はない。重合温度が上記100℃未
満では、生成ポリマー鎖中に200℃以下で断裂する熱
的に極めて弱いヘッド−ヘッド結合が残存するおそれが
ある。一方、上記170℃を越えると、オリゴマーの生
成が著しく、ポリマーに着色が生ずる。
【0019】本発明において、1段目完全混合槽の平均
滞留時間は、重合温度における重合開始剤の半減期の5
〜7000倍となるようにする。平均滞留時間が、重合
開始剤の半減期の上記5倍未満では、所望の重合率を得
るには大量の重合開始剤が必要となるので製品ポリマー
の透明性が損なわれる。一方、上記7000倍を越える
と、重合反応槽が大きくなりすぎて工業的に不利であ
る。2段目プラグフロー型反応器の流通時間は、重合温
度における開始剤半減期の5〜50倍となるようにす
る。流通時間が、重合開始剤の半減期の上記5倍未満で
は、重合率を高くすることができない。一方、上記50
倍を越えると、プラグフロー型反応器が大きくなりすぎ
る。
【0020】本発明において、重合率を2段目プラグフ
ロー型反応器出口で70〜95%、70〜90%になる
ように連続的に重合する。2段目プラグフロー型反応器
出口での重合率が上記70%未満では、単位時間当たり
のポリマー収量が小さくなり反応器を二つ使用するメリ
ットが小さくなる。一方、2段目の重合率が上記95%
以上では、反応速度が小さので反応器が極端に大きなも
のにするか、重合温度あるいは開始剤濃度を高めること
を必要とし、一般的ではない。2段目出口から流出する
ポリマーは1段目完全混合槽と2段目プラグフロー型反
応器とで生成したポリマーの混合物となるのでポリマー
中の末端二重結合を有するポリマーの含有率は両者の平
均値となる。本発明において、熱分解度DWは5%以
下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以
下とする。熱分解度DWは、下記式で定義される。
【0021】
【数4】
【0022】(式中、DWは、窒素気流中、30℃から
300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの
加熱減量率(wt%)、γwiは、i段目反応器で生成す
る全生成ポリマーに対する末端二重結合を有すポリマー
の含有率(wt%)、RAi は、i段目反応器で生成す
るポリマー中のアクリレート単位濃度(モル%)、およ
びΔMi は、i段目反応器での消費モノマー濃度を示
す。)
【0023】ここで、本発明におけるγw 、すなわち全
ポリマー鎖に対する末端二重結合を有するポリマー鎖の
重量分率は、下式より求められる。1段目の完全混合型
連続重合では、 γw =50Rtd・ν(2+ν)/(Rp (1+ν)) (2) 2段目のプラグフロー型連続重合では、重合を実施する
t時間積分する必要がある。
【0024】
【数5】
【0025】ここで、t=0のとき、1段目完全混合槽
から流出するポリマーのγw であり、(2)式である。
式中、νおよび各反応速度は瞬間値であるが、これらは
常法により実測可能である。 ν = Rp /(Rtr + Rtd + Rtc/2) (4) Rp = kp (2fkd [I]/kt )1/2 [M] (5) Rtr=(ktrx[X] +ktrs[S] +ktrm[M] +ktri[I] )Q (6) Rtd= akt Q2 (7) Rtc= (1−a)kt Q2 (8) Q=(2fkdI/kt )1/2 (9)
【0026】式(2) 〜(9) における略字の説明を以下に
記す。 γwi:i段目反応器出口より流出する生成ポリマーのγ
w ΔMi :i段目反応器での反応率変化を示す。 ν:動力学的鎖長(単位時間に生長して消費されたモノ
マー数と停止した回数との比) [M] :モノマー濃度(モル・L-1) [I] :開始
剤濃度(モル・L-1) [X] :連鎖移動剤濃度(モル・L-1) [S] :溶媒
濃度(モル・L-1) Q:全ラジカル濃度(モル・L-1) Rp :成長速度(モル・L-1・秒-1) Rtd:不均化停止速度(モル・L-1・秒-1) Rtc:再結合停止速度(モル・L-1・秒-1) Rtr:全連鎖移動速度(モル・L-1・秒-1) kp :成長速度定数(L・モル-1・秒-1) kt :全停止速度定数(L・モル-1・秒-1) ktrx :連鎖移動剤Xへの連鎖移動速度定数(L・モル
-1・秒-1) ktrs :溶媒Sへの連鎖移動速度定数(L・モル-1・秒
-1) ktrm :モノマーMへの連鎖移動速度定数(L・モル-1
・秒-1) ktri :開始剤Iへの連鎖移動速度定数(L・モル-1
-1) a:全停止反応に対する不均化停止反応の起こる割合 f:開始剤効率
【0027】2段直列結合された完全混合槽とプラグフ
ロー型反応器を使用した連続重合の場合、2段目から流
出するポリマーは各槽で生成するポリマーの混合物とし
て得られるため、重合を維持する各槽内の反応組成物
(モノマーあるいはコモノマー、ラジカル重合開始剤、
連鎖移動剤、溶媒)の各濃度および所定の重合温度にお
ける各素反応速度定数(開始速度、生長速度、連鎖移動
速度、再結合停止速度と不均化停止速度の各速度定数)
を(2)および(3)式に代入して得た各段で生成する
ポリマーのγw 、およびポリマー中アクリレート単位濃
度から(1)式を用いて最終槽から流出してくるポリマ
ーの熱分解度DWが所望の値となるように操作設計すれ
ばよい。
【0028】重合を維持する反応器内各反応組成物濃度
については、ガスクロマトグラフィー等の分析により決
定されるが、完全混合槽型連続重合、回分重合あるいは
プラグフロー型連続重合の物質収支式から求めた計算値
を使用することもできる(井本立也,李 秀逸著、「重
合反応工学」、第66頁、71頁、121頁(197
0)、日刊工業新聞社発行)。重合系の粘度が増加して
自動加速現象が現れる領域では、一般に言われているよ
うに停止速度定数が低下したとしてγwを取り扱うと耐
熱分解性は良く一致した。モノマーとポリマーの密度差
による反応液の体積変化が無視できない場合には重合系
の各濃度項を補正すれば良い(幡手泰雄、羽野忠、宮田
隆夫、中塩文行、坂井渡著、「化学工学」、第35巻、
第8号、第903頁(1971)、化学工学発行)。ま
た、γw によりメタクリル樹脂の耐熱分解性を予測設計
するためには反応系中の酸素は1ppm以下まで充分に
取り除いておかねばならない。これはメチルメタクリレ
ートと酸素が共重合し、鎖中に熱的に不安定な過酸化結
合を生成するからである。
【0029】本発明において、DWを求めるためにγw
の関係式に使用される種々の素反応速度定数やファクタ
ーは事前に求めておく必要があるが、これらは実験室的
に容易に求めることができる。メチルメタクリレート単
独またはメチルメタクリレート75重量%以上とメチル
アクリレート、エチルアクリレートまたはブチルアクリ
レート25重量%以下からなる単量体混合物の生長速度
定数、停止速度定数、ポリマーラジカルの各組成物への
連鎖移動速度定数は、常法により求めることができる
(大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、
化学同人発行)。また、ポリマー・ハンドブック第2版
(ウィリィインター サイエンス社発行)記載のメチル
メタクリレートの各素反応速度定数データも使用でき
る。不均化停止反応と再結合停止反応の起こる割合の決
定や計算によって求めたポリマー鎖末端二重結合濃度の
評価は核磁気共鳴スペクトル法で末端構造を直接測定す
ることにより可能である(コウイチ・ハタダ著、ポリマ
ー ジャーナル、第1巻、No.5、第395頁(19
86)、高分子学会発行)。
【0030】ポリマーの分子量は極限粘度測定あるいは
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定で
きる。動力学的鎖長νは数平均分子量Mn をモノマー単
位の平均分子量で除して求めた。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるもの
ではない。 本例で示すポリマーの物性測定は以下の方
法により行った。 (1)熱分解度DWは熱重量分析によった。セイコー電
子工業(株)製RTG220型熱重量分析(TGA)装
置を用いて、メタクリル樹脂約5mgを白金パン上に置
き、300ml/minの窒素気流中、室温から500
℃まで2℃/minの昇温速度で加熱し減量率変化を測
定した。熱分解度はDTG曲線で解重合型のジッパー分
解のピークとランダム分解のピークとの変曲点における
減量率とした。この変曲点は本TG条件では実質的に3
00℃である。
【0032】(2)重合率は、GLサイエンス製GC−
380型ガスクロマトグラフィーを用いて重合槽から流
出する反応液中の未反応モノマー濃度を測定することに
より求めた。 (3)ポリマーの分子量は東ソー製8010型ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定した。動力
学的鎖長νは数平均分子量Mnをモノマー単位の平均分
子量で除して求めた。 (4)ポリマーの全光線透過率の測定には日本電色工業
製、型式:Z−センサーΣ80NDHを用いて、透過法
で測定した。
【0033】実施例1 2段直列結合された完全混合槽とプラグフロー型反応器
を使用して連続重合を行うに当たり、第1段にヘリカル
リボン翼付き10リットル完全混合槽、第2段に内径3
/4インチのスタティックミキサーを用いた。メチルメ
タクリレート83.8部、メチルアクリレート6.3
部、及びトルエン9.8部からなる混合物に、n−ドデ
シルメルカプタンを0.148モル%、ジ−t−アミル
パーオキサイドを0.006モル%の濃度になるように
配合して得た組成物を第1槽目に1Kg/Hrで連続的
にフィードするとともに槽底部よりギヤポンプにて抜き
出してスタティックミキサーに流入させた。第1槽内の
反応液量は5Kgとし、レベル一定となるように流量調
整を行い、平均滞留時間は5時間とした。第2段の流通
時間は2時間とした。重合温度はともに150℃となる
ようにジャケット温度を調整した。
【0034】したがって、第1段完全混合槽での平均滞
留時間は開始剤半減期の48倍、第2段目スタティック
ミキサーの19倍とした。1段目の重合率61.3%、
2段目は重合率80.7%、数平均分子量43,000
であった。 表1に2段連続重合運転時の1段目の各素
反応速度、動力学的鎖長νとポリマー中メチルアクリレ
ート単位濃度を示す。これらの値を(2)式に代入する
と、γw1は3.0と求められた。ポリマー中メチルアク
リレート単位濃度は8.2モル%であるので熱分解度D
W1 は1.0%である。表2に2段目の各素反応速度、
動力学的鎖長νとポリマー中メチルアクリレート単位濃
度を示す。これらの値と(1)および(2)式から、2
段目出口から流出してくるポリマーの熱分解度DWは
1.0と求められた。なお、各素反応速度と動力学的鎖
長νは、常法により求めた実測値である。
【0035】得られたポリマーの耐熱分解性を調べるた
め、第2槽底部から反応液をギヤポンプで抜き出し、反
応液を沈澱精製することによってもポリマーを得た。一
方、2段目スタティックミキサーからギヤポンプで抜き
出した反応液を熱交換器で250℃に加熱した後、圧力
が10torrに調節された脱揮槽内に連続的に導入し
てフラッシュした。揮発分を除去された溶融ポリマーは
底部よりギヤポンプでストランドとして抜き出し、切断
してペレットとした。再沈澱精製ポリマー(熱履歴を受
けていない)と真空脱揮後のポリマー(熱履歴を受けて
いる)の耐熱分解性を調べた結果を図1、2にそれぞれ
示した。両者とも熱分解開始温度は300℃であり、T
GおよびDTG曲線において差はほとんど認められず、
重合工程、脱揮工程にかかわらず耐熱分解性良好なポリ
マーが得られたことがわかった。真空脱揮したポリマー
をアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で1
50mmφ×3mmの円板を成形したが、シルバースト
リークスの発生は全くみられなかった。全光線透過率は
93%であり、優れた透明性を有していた。
【0036】 表1 第1槽目で生成するポリマーの熱分解度 生長速度 Rp 0.290 (mmol・ L -1-1) 不均化停止速度 Rtd 3.94×10-5 (mmol・ L -1-1) 動力学的鎖長 ν 440 消費モノマー濃度 ΔM1 5.21 (モル%・L-1) 不飽和末端ポリマー重量分率 γw1 3.0 (wt%) メチルアクリレート単位濃度 RA1 8.2 (モル%) 熱分解度 DW1 1.0 (wt%)
【0037】 表2 第2段目スタテックミキサーから流出するポリマーの熱分解度 総括不飽和末端ポリマー重量分率 γw 2.5 (wt%) 総括メチルアクリレート単位濃度 RA 7.6 (モル%) 熱分解度 DW 0.9 (wt%)
【0038】実施例2〜5 実施例1と同様の方法により、表3、4に示す条件で各
種条件で連続重合を実施した。いずれの実施例でも重合
反応は安定に制御され耐熱分解性良好な重合体が得られ
た。表3、4にに原料組成、重合条件、重合率、樹脂の
特性(数平均分子量、ポリマー中コモノマー組成比、γ
w 、熱分解度DW)をまとめて示した。
【0039】 表3実施例 2 3 4 5 原料組成 第1槽メインフィード組成 MMA(部) 82.4 85.5 90.0 86.0 コモノマー(部) MA MA EA BA 3.3 5.5 4.0 3.9 溶媒(部) トルエン メタノール トルエン メタノール 14.3 8.9 5.9 10.0 重合開始剤(10-3モル%) DTAP DTAP AIBN DTBP 2.1 2.3 4.3 3.6 重合開始剤半減期τ(時間) 0.297 0.297 0.0664 0.194 連鎖移動剤(モル%) DM OM OM DM 0.12 0.11 0.17 0.094
【0040】 表4実施例 2 3 4 5 第2段目スタテックミキサーサイドフィード組成 MMA(部) 93.8 93.5 90.0 80.0 コモノマー(部) 6.2 6.5 10.0 20.0 重合開始剤(モル%) DTAP DTAP DTAP DTBP 0.21 0.105 0.105 0.103 連鎖移動剤(モル%) DM OM OM DM 0 0.105 0.021 0.206 フィード比(メイン/サイド) 10.0/1 10.0/1 20.0/1 20.0/1 (重量比) 重合条件 (A)第1槽 重合温度(℃) 150 150 155 160 原料組成供給速度(kg/時) 1.0 1.67 1.67 1.0 平均滞留時間θ(時間) 5.0 3.0 3.0 5.0 第1槽重合率(%) 49.0 45.7 56.4 56.6 (B)第2段目スタテックミキサー 重合温度(℃) 150 150 150 150 流通時間θ(時間) 2.0 2.0 2.0 2.0 第2段目重合率(%) 90.5 86.0 83.0 87.1 樹脂の特性 数平均分子量(Mn ×10-4) 4.6 4.6 4.0 4.7 RA(モル%) 4.1 6.3 4.7 5.0 γw (wt%) 4.4 3.9 2.8 2.7 熱分解度DW(wt%) 2.4 1.6 1.5 1.2 成形品の特性 シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし 全光線透過率(%) 93 93 93 93
【0041】表3、4における略語の説明を以下に記
す。 MMA:メチルメタクリレート MA:メチルアク
リレート EA:エチルアクリレート BA:ブチルアクリ
レート AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル DTAP:ジ−t−アミルパーオキサイド DTBP:ジ−t−ブチルパーオキサイド DM:n−ドデシルメルカプタン OM:n−オクチルメルカプタン
【0042】比較例1 メチルメタクリレート57.5部、メチルアクリレート
2.6部、及びトルエン39.9部からなる混合物に、
ジ−t−アミルパーオキサイドを0.021モル%、n
−ドデシルメルカプタンを0.021モル%の濃度にな
るように配合して得られた組成物を1.67kg/hr
で第1槽に連続的にフィードし、第2反応器スタティッ
クミキサーに導入した。さらに、メチルメタクリレート
80.0部、メチルアクリレート20.0部、ジ−t−
アミルパーオキサイド0.051モル%、n−ドデシル
メルカプタン0.051モル%からなる組成物を167
g/hrでスタティックミキサー入口部サイドフィード
した。両反応器とも重合温度140℃、平均滞留時間3
hr、流通時間2hrで重合させた。したがって、平均
滞留時間は開始剤半減期の3.4倍、流通時間の2.3
倍であった。1段目の重合率58.3%、2段目重合率
89.2%、数平均分子量38,000で運転した。
【0043】表5に2段連続重合定常運転時の1段目の
各素反応速度、動力学的鎖長νとポリマー中メチルアク
リレート単位濃度を示す。γw1は11.7wt%、RA
1 はポリマー中メチルアクリレート単位濃度は4.0モ
ル%であり、熱分解度DW1は6.7%であった。表5
に2段目の各素反応速度、動力学的鎖長νとポリマー中
メチルアクリレート単位濃度を示す。これらの値と
(1)および(2)式から、2段目出口から流出してく
るポリマーの熱分解度DWは6.0であった。なお、各
素反応速度と動力学的鎖長νは、常法により求めた実測
値である。耐熱分解性を評価のため、第2段目スタティ
ックミキサーから流出する反応液を沈澱精製することに
よってもポリマーを得た。一方、第2段目スタティック
ミキサー出口から反応液をギヤポンプで抜き出し、熱交
換器で250℃に加熱した後、圧力が10torrに調
節された脱揮槽内に連続的に導入してフラッシュした。
揮発分を除去された溶融ポリマーは底部よりギヤポンプ
でストランドとして抜き出し、切断してペレットとし
た。運転開始後15時間後に第2段目スタティックミキ
サーから流出する樹脂液より再沈澱精製したポリマー
(熱履歴を受けていない)と250℃の真空脱揮した後
のポリマー(熱履歴を受けている)の耐熱分解性を調べ
た結果を図3、4にそれぞれに示した。両者とも熱分解
開始温度は250℃であった。DTG曲線は両者とも約
280、370℃に2つのピークが現れたが、真空脱揮
した後のポリマーでは280℃のピークが若干小さくな
った。250℃の真空脱揮で末端二重結合含有ポリマー
が一部分解したものと考えられる。真空脱揮したポリマ
ーをアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で
150mmφ×3mmの円板を成形したところ、シルバ
ーストリークスが発生し、白濁した。全光線透過率は8
9%であった。
【0044】 表5 第1槽目の生成するポリマーの熱分解度 生長速度 Rp 0.327 (mmol・ L -1-1) 不均化停止速度 Rtd 1.82×10-4 (mmol・ L -1-1) 動力学的鎖長 ν 441 消費モノマー濃度 ΔM1 3.18(モル%・L-1) 不飽和末端ポリマー重量分率 γw1 11.7 (wt%) メチルアクリレート単位濃度 RA1 4.0 (モル%) 熱分解度 DW1 6.7 (wt%)
【0045】 表6 第2槽目から流出するポリマーの熱分解度 総括不飽和末端ポリマー重量分率 γw 13.0 (wt%) 総括メチルアクリレート単位濃度 RA 4.9 (モル%) 熱分解度 DW 6.6 (wt%)
【0046】比較例2 メチルメタクリレート63.8部、メチルアクリレート
1.7部、及びメタノール34.5部からなる混合物
に、n−ドデシルメルカプタンを0.021モル%、ジ
−t−ブチルパーオキサイドを0.032モル%となる
ように配合して得られた組成物を1.67Kg/Hrで
第1槽に連続的にフィードし、さらに第2段スタティッ
クミキサーにメチルメタクリレート90.0部、及びメ
チルアクリレート10.0部からなる混合物に、n−ド
デシルメルカプタンを0.05モル%、ジ−t−ブチル
パーオキサイドを0.05モル%の濃度になるように配
合して得られた組成物を110g/Hrでサイドフィー
ドした。両反応器とも重合温度140℃、第1槽の平均
滞留時間3時間、第2段スタティックミキサーの流通時
間2hrで連続重合を行った。
【0047】1段目の重合率62.7%、2段目の重合
率88.0%、数平均分子量50,000で運転維持し
た。1段目で生成するポリマーのγw1 14.4、RA
1 (ポリマー中メチルアクリレート単位濃度)3.0モ
ル%、2段目から流出してくるポリマーのγw は14.
4(wt%)、RA(ポリマー中平均メチルアクリレー
ト単位濃度)3.0モル%であり熱分解度DWは9.5
であった。運転開始後15時間後にスタテックミキサー
から流出する反応液より再沈澱精製したポリマーと25
0℃の真空脱揮した後のポリマーの耐熱分解性を調べた
結果、いずれのポリマーサンプルも熱分解開始温度は2
50℃であった。DTG曲線は両者とも約280、37
0℃に2つのピークが現れたが、真空脱揮した後のポリ
マーでは280℃のピークが若干小さくなった。250
℃の真空脱揮で末端二重結合含有ポリマーが一部分解し
たものと考えられる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、2段直列結合された完
全混合槽およびプラグフロー型反応器を用いた連続重合
法において、一定のラジカル重合開始剤の半減期とその
濃度、連鎖移動剤濃度、モノマー濃度および溶媒濃度、
重合温度、平均滞留時間の条件下で反応させることによ
り、重合工程直後、すなわち真空脱揮工程や押出成形工
程を経る前のポリマーの熱分解度DWが5wt%以下で
ある優れた耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で沈殿精製した得られたポリマーの
TGおよびDTG曲線を示す。
【図2】 実施例1で真空脱揮したポリマーのTGおよ
びDTG曲線を示す。
【図3】 比較例1で沈殿精製した得られたポリマーの
TGおよびDTG曲線を示す。
【図4】 比較例1で真空脱揮したポリマーのTGおよ
びDTG曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−206905(JP,A) 特開 平3−206906(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2段直列結合された完全混合槽とプラグ
    フロー型反応器を使用して、メチルメタクリレート単
    独、またはメチルメタクリレートが75重量%以上とメ
    チルアクリレート、エチルアクリレートもしくはブチル
    アクリレートから選ばれた少なくとも一種以上が25重
    量%以下の単量体混合物71〜95重量%および溶媒2
    9〜5重量%からなる組成物に対し、ラジカル重合開始
    剤濃度が1.0×10-3〜1.6モル%および連鎖移動
    剤濃度が1.0×10-3〜1.0モル%となるように調
    製した反応組成物の重合反応を行うに際し、重合温度が
    1段目完全混合槽100〜170℃、2段目プラグフロ
    ー型反応器100〜170℃、1段目完全混合槽の平均
    滞留時間が重合温度における重合開始剤の半減期の5〜
    7000倍、2段目プラグフロー型反応器での流通時間
    が重合温度における重合開始剤半減期の5〜50倍とな
    るようにして2段目プラグフロー型反応器出口での重合
    率を70〜99%に維持しながら連続的に重合し、かつ
    重合反応終了後で後処理工程での熱履歴を受ける前のポ
    リマーの熱分解度DW(窒素気流中、30℃から300
    ℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの加熱減
    量率)が5wt%以下を満足する条件下で反応すること
    を特徴とする耐熱分解性を有するメタクリル樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 溶媒が、メタノールである請求項に記
    載の耐熱分解性を有するメタクリル樹脂の製造方法。
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