JPH05337994A - 射出成形体の製造方法 - Google Patents

射出成形体の製造方法

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JPH05337994A
JPH05337994A JP15051692A JP15051692A JPH05337994A JP H05337994 A JPH05337994 A JP H05337994A JP 15051692 A JP15051692 A JP 15051692A JP 15051692 A JP15051692 A JP 15051692A JP H05337994 A JPH05337994 A JP H05337994A
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JP
Japan
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cavity
resin
injection
mold
solidified layer
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Application number
JP15051692A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Ishikura
和正 石倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication of JPH05337994A publication Critical patent/JPH05337994A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/56Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形方法により、高圧ガスなどの加圧流
体を圧入することなく、キャビティ内の溶融樹脂に中空
部を形成し、中空部を有する成形体を製造する方法。 【構成】 固定型2aと移動型2bとを閉合してキャビ
ティ3を形成し、このキャビティ3内に、キャビティ3
を満たすに十分な量の溶融樹脂6をノズル11より注入
する。この注入樹脂のキャビティ面に接する部分が冷却
して固化層を形成した直後、固定型2a及び移動型2b
にキャビティ面に開口する通気孔21a、21bより吸
気して固化層をキャビティ面に吸着させ、固化層を吸着
したまま移動型2bを後退して成形体7の内部に中空部
71を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、中空部を有する射出
成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形法により中空部を有する樹脂成
形体を成形する方法として、キャビティ内に注入された
溶融樹脂内に高圧流体を圧入することにより、内部に中
空部を形成することは知られている。
【0003】例えば、特公昭57−14968号公報或
いは特公昭61−53208号公報には、型キャビティ
を満たすに不十分な量の溶融樹脂を型キャビティに注入
した後、引き続き同じ入口よりガス体を圧入して型キャ
ビティを満たすことにより、中空樹脂成形体或いは内部
リブ付一体中空成形体を製造する方法が記載されてい
る。
【0004】特開昭63−78714号公報には、溶融
樹脂がガス導入点を通過した直後にガスを溶融樹脂の流
れの中に導入し、その中にガス空洞を形成することによ
り、中空樹脂成形体を製造する方法が記載されている。
【0005】また、特開平3−9820号公報には、キ
ャビティ内に向けて高圧流体を圧入して溶融樹脂内に流
体道を形成し、低圧流体を圧入しながら、型キャビティ
を拡大してキャビティ内の溶融樹脂を中空型物状に成形
することにより、中空樹脂成形体を製造する方法が記載
されている。
【0006】更に、特開平2−295714号公報、特
開平3−121820号公報或いは特開平3−1218
21号公報には、キャビティ内を溶融樹脂で満たしてか
ら、このキャビティ内に流体を圧入し、溶融樹脂の一部
を副キャビティ、第2のキャビティ或いは補助室に押し
出すことにより、中空樹脂成形体を製造する方法が記載
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法において
は、いずれも高圧ガスなどの加圧流体をキャビティ内の
溶融樹脂内部に圧入することにより中空部を形成してお
り、高圧流体圧入装置、及び高圧ガス発生装置を必要と
している。
【0008】この発明は、上記の点に鑑み、高圧ガスな
どの加圧流体を圧入することなく、キャビティ内の溶融
樹脂に中空部を形成し、したがって高圧流体圧入装置、
高圧ガス発生装置などを必要としない中空樹脂成形体を
成形する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の射出成
形体の製造方法は、少なくとも移動型にキャビティ面に
開口する通気孔が設けられた金型の固定型と移動型とを
閉合してキャビティを形成し、このキャビティ内に、キ
ャビティを満たすに十分な量の溶融樹脂を注入した後、
注入樹脂のキャビティ面に接する部分が冷却して固化層
を形成した直後、通気孔より吸気して固化層をキャビテ
ィ面に吸着させ、続いて移動型を後退してキャビティを
拡大することにより樹脂内部に中空部を形成させること
を特徴としている。
【0010】請求項2に記載の射出成形体の製造方法
は、移動型に摺動可能にコアーが備えられ、該コアーに
その先端面に開口する通気孔が設けられた金型の固定型
と移動型とを閉合してキャビティを形成し、このキャビ
ティ内に、キャビティを満たすに十分な量の溶融樹脂を
注入した後、注入樹脂のキャビティ面に接する部分が冷
却して固化層を形成した直後、通気孔より吸気して固化
層をコアー先端面に吸着させ、続いてコアーを後退して
キャビティを拡大することにより樹脂内部に中空部を形
成させることを特徴としている。
【0011】また、請求項3に記載の射出成形体の製造
方法は、上記それぞれの射出成形体の製造方法におい
て、移動型又はコアーを後退してキャビティを拡大する
にあたり、樹脂内部に大気を導入することを特徴として
いる。
【0012】上記のキャビティ面に開口して設ける通気
孔は、キャビティ内に注入された溶融樹脂がこの通気孔
内に流入しない大きさ、例えば0.01〜0.3mmと
される。そして、このような通気孔は少なくとも移動型
もしくはコアーに設けられるが、この通気孔の数は特に
限定されず、樹脂の固化層を吸着させるべきキャビティ
面全域にわたって開口するよう多数個を設けるのが好ま
しい。そのために、連続気泡を有する多孔質材料、例え
ば多孔質金属、多孔質セラミックを利用すれば、多数の
微細通気孔がその全域にわたって形成されることにな
り、樹脂の固化層がキャビティ面に均一に吸着するよう
になるので好ましい。また、型にコアー等の摺動部を有
する場合には、この摺動部表面に0.01〜0.3mm
の溝を縦横に設けることより通気孔を形成してもよい。
【0013】この発明において、キャビティ内に注入す
る樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマ
ー、熱硬化性樹脂等の射出成形可能な樹脂であれば特に
限定されない。
【0014】
【作用】請求項1に記載の射出成形体の製造方法におい
ては、キャビティ内に注入された溶融樹脂は、その表層
部はキャビティ面に接して冷却されるなどして硬化し、
固化層を形成する。そして、この固化層は、通気孔から
の吸気減圧により、キャビティ面に吸着される。続い
て、移動型を後退させるが、その後退させた分だけキャ
ビティが拡大されることになる。このとき、表層部の固
化層が後退するキャビティ面に吸着されたまま移動型と
共に後退する。そして、内部の樹脂は未固化状態である
ため表層部の固化層に引きずられ分離する。その結果樹
脂内部に中空部が形成される。
【0015】なお、内部の未固化状態の樹脂が固化層に
引きずられる際、糸引き状態を呈して分離し、この糸引
き部分が柱状として中空部に形成することも可能であ
る。一般に溶融樹脂の粘度が高い場合に糸引き状態を呈
する傾向にあり、これを利用することにより、柱状補強
リブが設けられた中空部を有する成形体を製造すること
ができる。
【0016】請求項2に記載の射出成形体の製造方法に
おいては、固化層がコアーの先端面に吸着されてコアー
と共に後退する。このとき、内部の樹脂は未固化状態で
あるため表層部の固化層に引きずられて分離し、その部
分に中空部が形成され、部分的に中空部を有する成形体
が成形される。
【0017】また、請求項3に記載の射出成形体の製造
方法においては、注入樹脂の表層部の固化層が、後退す
るキャビティ又はコアーに吸着して引きずられる結果形
成される樹脂内部の中空部に大気が導かれ、中空部が減
圧状態とならずに中空部の形成が阻害されない。
【0018】
【実施例】次に、この発明の射出成形体の製造方法を図
面を参照して説明する。
【0019】図1は、この発明の射出成形体の製造方法
に用いられる射出成形装置の一例を示す一部断面正面図
である。図において、1は射出成形機の射出シリンダ
ー、2は金型を示している。金型2は、固定型2aと移
動型2bからなり、固定型2aは図示していない射出成
形機の固定板に取着され、移動型2bはやはり図示して
いない射出成形機の移動板に取着されている。移動型2
bは移動板と共に前進、後退(図面において左右の往復
移動)するようにされ、移動型2bは前進したとき固定
型2aと閉合し、キャビティ3が形成されるようになっ
ている。
【0020】固定型2a及び移動型2bには、キャビテ
ィ3面に開口するそれぞれ複数の通気孔21a・・、2
1b・・がそれぞれ設けられている。この通気孔21a
・・、21b・・はそれぞれの空気溜部22a、22b
を経て通気路23a、23bを通じて減圧装置5に連結
されている。なお、4a、4b及び4cは通気路23
a、23bなどを開閉するための開閉バルブである。
【0021】また、固定型2aにはスプルーブッシュ2
4が設けられ、このスプルーブッシュ24は射出シリン
ダー1の先端に取着された射出ノズル11に当接し、シ
リンダー1内で溶融された樹脂6がスプルーブッシュ2
4のスプルーを経てキャビティ3内に注入されるように
なっている。
【0022】上記図1の装置を用いた、この発明の射出
成形体の製造方法を、図2(a)〜(d)を参照して説
明する。先ず、可動板を前進させることにより移動型2
bを前進させて固定型2aと閉合して形成されたキャビ
ティ3内に、射出ノズル11から溶融熱可塑性樹脂6を
キャビティ3内に注入する(図2(a))。注入する溶
融熱可塑性樹脂6はキャビティ3内を充満するに十分な
量とする。キャビティ3内に充満した溶融熱可塑性樹脂
6は、固定型2a及び移動型2bのそれぞれに設けられ
た冷却孔(図示せず)を流れる冷却媒体により冷却さ
れ、固定型2a及び移動型2bのキャビティ面に接する
表層部から冷却される(図2(b))。その結果、キャ
ビティ3内の溶融熱可塑性樹脂6の表層部は冷却して固
化層となる。
【0023】この固化層は形成されるが、樹脂内部まで
は冷却固化されない間に、減圧装置5に連結された弁4
a、4b及び4cを開き、減圧管23a、23bを通じ
て固定型2a及び移動型2bのそれぞれの吸気孔21
a、21bより吸気を開始する。この吸気減圧により注
入樹脂表層部の固化層は固定型2a及び移動型2bのキ
ャビティ面に吸着する。続いて、樹脂内部は未だ冷却固
化されていない間に移動型2bの後退を開始させる。
【0024】この移動型2bが後退すると、その分だけ
拡大されたキャビティ3aが形成されるが、移動型2b
のキャビティ面に吸着している固化層も移動し、拡大キ
ャビティ3aに対応する形状の成形体7が形成される。
このとき、固定型側の固化層は固定型2aのキャビティ
面に吸着しており、一方移動型2bのキャビティ面に吸
着している固化層は移動し内部の未固化状態の樹脂を引
きずる結果、中央部の溶融樹脂は分離してそこに中空部
71が形成される(図2(c))。
【0025】この状態において、キャビティ3内の成形
体7は更に冷却されて内部が固化状態となる。弁4a及
び4b又は4cを閉じ、吸気管21a、21bの吸気を
止め、移動型2bを更に開き成形体7を落下させて取り
外す(図2(d))。以上の作動を繰り返すことによ
り、内部に中空部71を有する成形体7は順次成形され
る。
【0026】次に、上記方法の具体的実施例を説明す
る。熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(MFR10)
を使用し、これを最高温度250℃の射出シリンダー1
で可塑化溶融し、金型のキャビティ3(直径約150m
m、厚さ約7mmの円盤状)に120g注入してキャビ
ティ内を充満した。
【0027】注入したポリプロピレンの表層部はキャビ
ティ面に接して冷却されて固化層が形成された。次い
で、減圧装置5の弁4a、4b 、4c を開き、吸気管よ
り吸気してキャビティ面とポリプロピレンとの界面を7
40mmHgに減圧したところ、ポリプロピレンの表層
部の固化層はキャビティ面に吸着した。その直後、移動
型2bを3mm後退させてポリプロピレン内部まで十分
に冷却した。その後、吸気減圧を止めて移動型2bを通
常の型開き状態まで後退させて円盤状のポリプロピレン
成形体7を取り出した。
【0028】このポリプロピレン成形体7は、直径15
0mm、厚さ10mmであり、内部に32%の中空部7
1が形成されていた。
【0029】上記実施例においては、移動型を一時的に
後退させることにより中空部を形成するものであるが、
次に、中空部を部分的に有する射出成形体(例えば、厚
肉部に中空部を有する射出成形体)を製造する場合の実
施例について、図3(a)〜(d)を参照して説明す
る。
【0030】図3(a)〜(d)は、中空部を部分的に
有する射出成形体の製造方法をその工程順に示す要部断
面図である。
【0031】図面において、1’は射出シリンダー、
2’は金型を示している。金型2’は、固定型2'aと移
動型2'bからなり、固定型2'aは射出成形機の固定板1
2に取着され、移動型2'bは移動板13に取着されてい
る。移動板13の前進により移動型2'bが固定型2'aと
閉合してキャビティ3' を形成するようになっている。
移動型2'bにはコアー8が摺動可能に挿入されており、
図示されていない駆動装置により図面において左右に往
復移動するようにされている。
【0032】固定型2'aとコアー8には通気孔21'a、
81がそれぞれ設けられている。そして、図4の拡大図
面に示すとおり、通気孔21'a、81のそれぞれの先端
のキャビティ面を構成する部分を多孔質材料とすること
により、通気孔21'a、81からの吸気が多孔質材料2
5、82の多数の微細孔を通じてキャビティ3’の全面
にわたって開口するようにされている。なお、22'aは
通気孔21'aに連設された真空溜であり、図示していな
い通路を通じて減圧装置に連結されている。
【0033】先ず、可動板13を前進させることにより
移動型2'bを前進させて固定型2'aと閉合してキャビテ
ィ3’を形成する(図3(a))。次いで、射出シリン
ダー1のノズル11から溶融熱可塑性樹脂を射出してこ
の溶融熱可塑性樹脂でキャビティ内を充満する(図3
(b))。
【0034】キャビティ3’内に充満した溶融熱可塑性
樹脂は、固定型2'a及び移動型2'bのそれぞれの内部に
設けられた冷却孔(図示せず)を流れる冷却水により冷
却され、固定型2'a及び移動型2'bのキャビティ面に接
する部分から冷却される。その結果、キャビティ内の溶
融樹脂の表層部が冷却固化して固化層が形成される。
【0035】この固化層が形成されるとコアー8の通気
孔81の吸気を開始する。この吸気減圧により固化層は
コアー8の先端の多孔質材料部分82に吸着する。そし
て、内部の溶融樹脂は未だ冷却固化されていない間にコ
アー8を後退させる(図3(c))。
【0036】このコアー8の後退分だけキャビティ3’
も拡大するが、コアー8の先端面に固化層が吸着してい
るためコアー8の後退とともに移動し、内部の樹脂は未
固化状態であってその粘度が比較的高いため、表層部の
固化層に引きずられて糸引き状態を呈し、柱状リブ72
が多数形成された中空部71’が形成される(図4)。
【0037】なお、この中空部71’の柱状リブ72
は、コアー8の後退時における内部未固化樹脂の粘度等
のメルトテンション条件により調整される。この内部未
固化樹脂の温度は通常その樹脂の溶融温度+100℃以
下とされ、比較的低温度としてその粘度を高くするとき
上記のとおり糸引き状態で引っ張られて柱状リブ72が
形成されるのである。逆に、樹脂温度を高くして粘度を
比較的低くすれば糸引き状とならず、図2(d)に示す
ような柱状リブのない中空部が形成されることになる。
【0038】また、樹脂にフィラー等が混入された強化
樹脂を使用すれば、柱状リブの形成に伴う未固化樹脂の
動きに対応してフィラーが配向するのでその軸方向の強
度は更に強化される。
【0039】この状態において、キャビティ3’内の樹
脂は更に冷却され、表層部の固化層より順次内部が固化
状態とされ、キャビティ3’内の樹脂がほぼ固化状態と
なり内部に中空部71’を有する成形体7’が形成され
る。その後、通気管からの吸気を止め、可動板13を開
き移動型2'bを成形体7’と共に後退させる(図3
(d))。この成形体7’は、手動もしくは自動で移動
型2'bから取り外される。
【0040】以上の作動を繰り返すことにより、内部に
中空部71’を有する成形体7' が順次成形される。
【0041】なお、この実施例のように、移動型2b又
はコアー8を後退させてキャビティ3、3’を拡大させ
て注入樹脂内部に中空部を形成する際、注入樹脂内部に
大気圧以下の流体を導入することにより、中空部の形成
をより容易にすることもできる。比較的大きな中空部を
有する成形体を製造するときに有用である。
【0042】例えば、図5に示すとおり、射出ノズル1
1内に溶融樹脂6の流れを止めないように流体ノズル9
を設置し、移動型2''bの後退時、すなわちキャビティ
の拡大時に大気吸入管91を開く。こうすれば、移動型
2''bの後退に伴う注入樹脂の表層固化部の移動により
形成される、未固化樹脂部の中空部71''が大気と連通
状態となる。その結果、この中空部71''が減圧状態と
ならないのでその成長が阻害されず、所定の大きさに形
成された成形体7''が形成される。
【0043】次に、図5に示す方法の具体的実施例を説
明する。熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(MFR1
0)を使用し、これを最高温度250℃の射出シリンダ
ーで可塑化溶融し、射出ノズル11から金型のキャビテ
ィ(直径約150mm、厚さ約7mmの円盤状)に12
0g注入してキャビティ内を充満した。
【0044】注入したポリプロピレンの表層部はキャビ
ティ面に接して冷却されて固化層が形成された。次い
で、図示していない減圧装置から吸気してキャビティ面
と注入ポリプロピレンとの界面を740mmHgに減圧
したところ、ポリプロピレンの表層部の固化層はキャビ
ティ面に吸着した。
【0045】その直後、流体ノズル9の大気吸入管91
を開くとともに、移動型2''bを8mm後退させてキャ
ビティを拡大させた。ポリプロピレン内部まで十分に冷
却した後、吸気減圧を止めて移動型2''bを通常の型開
き状態まで後退させて円盤状のポリプロピレン成形体
7''を取り出した。
【0046】このように、流体ノズル9の大気吸入管9
1を開いて、プロピレン内部の形成されつつある中空部
71''に大気を導入することにより、直径150mm、
厚さ15mmの円盤状ポリプロピレン成形体7''にその
体積の55%を占める大きな中空部が支障なく形成され
た。
【0047】なお、以上の実施例のいずれにおいても、
キャビティに注入する樹脂として、二種(或いは二種以
上)の樹脂を使用し、これを順次注入してもよい。この
場合、二種(或いは二種以上)の樹脂の注入量は全体と
してキャビティを満たすに十分な量とすればよい。
【0048】例えば、二個の射出シリンダーを持つ射出
成形機に図1に示すような金型を取着し、第1の射出シ
リンダーより、キャビティを満たすには不十分の量の第
1の樹脂を注入する。次いで、第1の射出シリンダーよ
り第2の樹脂を注入して、外層部が第1の樹脂、内層部
が第2の樹脂でキャビティは充満される。以下、前記し
た工程を経て中空部を有する射出成形体が製造される。
【0049】この樹脂を選択することにより種々の特性
を持つ射出成形体を製造することができる。例えば、中
空部に柱状リブを持つ成形体を製造するにあたり、第1
の樹脂に表面平滑性が得られ易い樹脂を使用し、第2の
樹脂としてフィラーなどの強化材配合樹脂を使用すれ
ば、フィラーはリブの軸方向に配向するので、リブ補強
強化のより優れ、表面平滑性のよい成形体を製造するこ
とができる。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の射出成形体の製造方法に
よれば、中空部もしくは柱状のリブで補強された中空部
を有する成形体を、高圧ガスなどの加圧流体を圧入する
ことなく、射出成形法により容易に製造できる。請求項
2記載の射出成形体の製造方法によれば、厚肉部分に中
空部もしくは柱状のリブで補強された中空部を有する成
形体を、高圧ガスなどの加圧流体を圧入することなく、
射出成形法により容易に製造できる。また、請求項3記
載の射出成形体の製造方法によれば、請求項1及び2の
発明が奏する効果に加え、比較的大きな中空部を有する
成形体を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の射出成形体の製造方法において用い
られる装置の一例を示す模式縦断面図である。
【図2】図1の装置による射出成形体の製造方法の説明
図であり、(a)はキャビティ内に溶融樹脂を注入して
いる状態を示す部分断面図、(b)は溶融樹脂の注入終
了時点を示す部分断面図、(c)は移動型を後退してキ
ャビティを拡げた状態をを示す部分断面図、(d)は移
動型を更に後退して金型を開いた状態をを示す部分断面
図である。
【図3】この発明の射出成形体の製造方法の他の実施例
の説明図であり、(a)は金型閉合時の状態を示す断面
図、(b)は溶融樹脂の注入終了時点を示す部分断面
図、(c)はコアーを後退してキャビティを拡げた状態
を示す部分断面図、(d)は移動型を更に後退して金型
を開いた状態を示す部分断面図である。
【図4】図3(c)の要部拡大断面図である。
【図5】この発明の射出成形体の製造方法のその他の実
施例の要部説明図である。
【符号の説明】
1、1’ 射出シリンダー 11、11’、11'' 射出ノズル 12 固定板 13 移動板 2、2’、2'' 金型 2a、2'a、2''a 固定型 2b、2'b、2''b 移動型 3、3' キャビティ 21a、21b、21'a、81 通気孔 5 減圧機 8 コアー 9 流体ノズル 7、7' 、7'' 射出成形体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも移動型にキャビティ面に開口
    する通気孔が設けられた金型の固定型と移動型とを閉合
    してキャビティを形成し、このキャビティ内に、キャビ
    ティを満たすに十分な量の溶融樹脂を注入した後、注入
    樹脂のキャビティ面に接する部分が冷却して固化層を形
    成した直後、通気孔より吸気して固化層をキャビティ面
    に吸着させ、続いて移動型を後退してキャビティを拡大
    することにより樹脂内部に中空部を形成させることを特
    徴とする射出成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 移動型に摺動可能にコアーが備えられ、
    該コアーにその先端面に開口する通気孔が設けられた金
    型の固定型と移動型とを閉合してキャビティを形成し、
    このキャビティ内に、キャビティを満たすに十分な量の
    溶融樹脂を注入した後、注入樹脂のキャビティ面に接す
    る部分が冷却して固化層を形成した直後、通気孔より吸
    気して固化層をコアー先端面に吸着させ、続いてコアー
    を後退してキャビティを拡大することにより樹脂内部に
    中空部を形成させることを特徴とする射出成形体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 移動型又はコアーを後退してキャビティ
    を拡大するにあたり、樹脂内部に大気を導入することを
    特徴とする請求項1又は2記載の射出成形体の製造方
    法。
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JP2006232187A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Mitsuboshi Belt Kaseihin Kk 自動車用内装部品及びその製造方法
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