JPH05337370A - 炭素−炭素不飽和結合の水素化用触媒及び該触媒の製造方法、並びに該触媒を使用する炭素−炭素不飽和結合の水素化方法 - Google Patents

炭素−炭素不飽和結合の水素化用触媒及び該触媒の製造方法、並びに該触媒を使用する炭素−炭素不飽和結合の水素化方法

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JPH05337370A
JPH05337370A JP14271092A JP14271092A JPH05337370A JP H05337370 A JPH05337370 A JP H05337370A JP 14271092 A JP14271092 A JP 14271092A JP 14271092 A JP14271092 A JP 14271092A JP H05337370 A JPH05337370 A JP H05337370A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウ
ム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオライ
ト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選ばれる少
なくとも一種を担体とし、原子比(アルミニウム原子を
含有する物質を担体として使用する場合、担体も含めた
触媒全体の原子比)が、Cu/Fe/Al/(アルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属)/Zn=1/0.4 〜2.5 /0.
5 〜5.0/0〜0.4 /0〜1.0 である、炭素−炭素不飽
和結合の水素化用触媒。 【効果】 活性、選択性、耐久性及び濾過性が大幅に向
上した炭素−炭素不飽和結合の水素化用触媒が得られ、
クロムなどの環境汚染の心配がなく、高収率、高選択的
に炭素−炭素不飽和結合を水素化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高活性及び高選択性を有
する銅−鉄−アルミニウム原子を主構成成分とする、炭
素−炭素不飽和結合の水素化用触媒及びその製造方法、
並びに該触媒を使用する炭素−炭素不飽和結合の水素化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、炭素−炭素不飽和結合の水素化反応に用いられる触
媒として、銅−クロム酸化物系触媒があり、これは通
常、銅−クロマイト触媒と呼ばれている。その製法はイ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー, 第26巻, 第878 頁 (1936年) に記載されているも
のから現在まで大きく進歩はしていない。この触媒は製
造に際し、多量の6価クロムイオンが排出されるという
重大な欠点を有する。環境汚染防止のため、これらの重
金属は適当な方法で捕集されるが、ここで生ずる重金属
のスラッジの最終的な処理法はまだ確立されていない。
【0003】この問題を解決するために種々の方法で製
造された銅−鉄−アルミニウム系触媒が提案されている
(特開昭53−92395 号公報、特開昭55−8820号公報、特
公昭58−50775 号公報) 。しかしながら、これらの触媒
は活性、選択性、耐久性において従来の銅−クロマイト
触媒に勝るものの、触媒製造時に触媒沈澱スラリーから
触媒を濾別する際の濾過速度が遅く、大規模な濾過設備
を必要とする欠点があったり(特開昭53−92395 号公
報、特開昭55−8820号公報) 、沈澱剤として尿素を使用
するため、これに起因する尿素排水、アンモニア排水処
理に大きな負荷がかかる等の製造工程上に問題があった
(特公昭58−50775 号公報) 。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環境汚染
の問題を内在する銅−クロマイト触媒にとってかわる無
公害触媒の工業的製造方法を確立すべく、上記触媒の微
粒化抑制の問題及び触媒製造プロセスの合理化に付いて
鋭意検討した結果、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジ
ルコニウム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、
ゼオライト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選
ばれる少なくとも一種を担体とし、沈澱剤として尿素の
代わりにアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物
或いは炭酸塩等のアルカリ物質を使用することにより、
触媒の微粒化が抑制でき、活性、選択性、耐久性及び濾
過性が大幅に向上した触媒が得られ、かつ触媒製造工程
が大幅に簡略化された銅−鉄−アルミニウム系触媒の製
造方法を見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウ
ム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオライ
ト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選ばれる少
なくとも一種を担体とし、原子比(アルミニウム原子を
含有する物質を担体として使用する場合、担体も含めた
触媒全体の原子比)が、Cu/Fe/Al/(アルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属)/Zn=1/0.4 〜2.5 /0.
5〜5.0 /0〜0.4 /0〜1.0 であることを特徴とす
る、炭素−炭素不飽和結合の水素化用触媒及び該触媒の
製造方法、並びに該触媒を使用する炭素−炭素不飽和結
合の水素化方法を提供するものである。
【0005】本発明の銅−鉄−アルミニウム系触媒は以
下に示す又はの方法によって製造される。 下記の第一工程、第二工程、第三工程及び第四工
程、又は第一工程、第二工程及び第三工程をこの順に行
なう製造方法。 (第一工程)アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニ
ウム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオラ
イト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選ばれる
少なくとも一種(以下担体と記す)を水性媒体中に懸濁
させ、その懸濁液中において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩
とアルカリ物質とを反応させることによって担体表面上
に銅化合物及び鉄化合物を沈澱させる工程。 (第二工程)第一工程にて得られた懸濁液中にて水溶性
アルミニウムとアルカリ物質とを反応させることによっ
て、第一工程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子
表面上にアルミニウム化合物を沈澱させる工程。 (第三工程)第二工程にて得られた懸濁液より、沈澱物
を取得し、水洗し、スラリー又は粉体を得るか、あるい
は第四工程を行わない場合には、次いで得られたスラリ
ー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
(ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。
【0006】 下記の第一工程、第二工程、第三工程
及び第四工程、又は第一工程、第二工程及び第三工程を
この順に行なう製造方法。 (第一工程)担体を水性媒体中に懸濁させ、その懸濁液
中において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩とアルカリ物質と
を反応させることによって担体表面上に銅化合物及び鉄
化合物を沈澱させる工程。 (第二工程)第一工程にて得られた懸濁液中にて、
(i)水溶性アルミニウム塩とアルカリ物質とを反応さ
せることによって、又は、(ii)水溶性アルミニウム塩
及び水溶性銅塩若しくは水溶性亜鉛塩又はこれらの混合
物とアルカリ物質とを反応させることによって、第一工
程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子表面上に下
記(a) 乃至(d)から選択される化合物を一回又は二回以
上(二回以上の場合は順不同に)沈澱させる工程。 (a) アルミニウム化合物。 (b) アルミニウム化合物及び銅化合物。 (c) アルミニウム化合物及び亜鉛化合物。 (d) アルミニウム化合物、銅化合物及び亜鉛化合物。 (第三工程)第二工程にて得られた懸濁液より、沈澱物
を取得し、水洗し、スラリー又は粉体を得るか、あるい
は第四工程を行わない場合には、次いで得られたスラリ
ー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
(ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。
【0007】本発明の銅−鉄−アルミニウム系触媒の製
造方法の各工程について以下に説明する。第一工程 本発明の製造方法における第一工程は、次のように行な
う。先ず、水溶性銅塩及び水溶性鉄塩を原子比でCu/Fe
=1/0.4 〜2.5 になるように水に溶解させ、この水溶
液に担体を原子比でCu/担体金属原子=1/0.1 〜3.0
になるように懸濁させる。この懸濁液を60〜120 ℃に加
熱し、銅及び鉄のイオンの全当量数に相当する量のアル
カリ物質の水溶液を加えて、銅化合物及び鉄化合物を触
媒担体表面上に沈澱させる。本発明に用いられる水溶性
銅塩としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅等
が挙げられ、これらの混合物を使用してもよい。本発明
に用いられる水溶性鉄塩としては、硫酸第一鉄、塩化第
一鉄、硝酸第一鉄等が挙げられ、これらの混合物を使用
してもよいが硫酸第一鉄を用いるのが経済面より最適で
ある。また第二鉄塩を併用することも出来るが、第二鉄
塩を加え過ぎると触媒性能、特に触媒物性を悪化させる
ので注意する必要がある。
【0008】本発明に用いられるアルカリ物質としては
例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物
または炭酸塩等が挙げられる。懸濁液へのアルカリ物質
の添加方法については特に制限はないが、操作性を考慮
して通常これらのアルカリ物質は水溶液にて添加され
る。アルカリ物質としてアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の水酸化物を用いる場合、沈澱触媒の濾過性を損
なわないためにもゆっくりと滴下することが望ましい。
本発明においてはアルカリ金属の炭酸塩を用いるのが最
適である。これらのアルカリ物質の濃度は任意に選べる
が、触媒の生産性を考慮した場合、高濃度の沈澱剤を用
いることもできる。例えば炭酸ソーダの場合、20〜23%
の濃度の水溶液が適当である。
【0009】第一工程に使用される担体としてのアルミ
ニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグネシウ
ム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオライト、並びにシリ
カ−アルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種は
反応槽中で調製後、そのまま用いても良く、予め別途調
製された物を用いても良い。これら担体は粒子径の比較
的揃った物を用いるのが好ましい。担体の粒子径は平均
粒径にて 0.1〜500 μm、好ましくは 0.4〜50μm であ
る。平均粒径がこの範囲を下回るものまたは上回るもの
については触媒活性及び濾過性の両性能を本発明の所望
とする水準に同時に維持する事が出来ない。反応槽内で
担体を調製する方法として、担体として使用する量の第
二鉄塩、例えば硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩等を水に溶解さ
せた後、鉄イオンの当量数に相当する量のアルカリ金属
の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム水溶液を60℃以上の温
度で滴下し、中和する方法がある。この方法の場合、生
成した沈澱を精製する事なく、このスラリー中に銅塩及
び鉄塩を仕込むことにより連続して第一工程を行うこと
が出来る。ここで均一な物性を持った担体を用いた場
合、より性能の安定した触媒が製造できる。従って工業
的スケールでの製造には均一な物性を有する担体の使用
がより有利である。
【0010】第二工程 本発明の製造方法における第二工程は次のように行う。
即ち、第一工程で得られた懸濁液中に、(イ)水溶性ア
ルミニウム塩(但しこの場合のAl量は第一工程にて使用
した水溶性銅塩に対し原子比でCu/Al=1/0.1 〜5.0
、好ましくは1/0.5 〜3.0 になる量である)の水溶
液と、(ロ)上記(イ)に記載したアルミニウムイオン
の当量数に相当する量のアルカリ物質を滴下し、懸濁液
の温度を60〜120 ℃に保持しつつアルミニウム化合物を
沈澱させることによって行う。懸濁液の温度がこの範囲
外で行った場合、得られた触媒において所望の活性及び
選択性が得られない。
【0011】上記(イ)に記載の水溶性アルミニウム塩
としては、例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、各種明礬が挙げられるが、その
中でも硫酸アルミニウムが最適である。またこれらの混
合物を使用しても良い。上記(イ)に記載の水溶液にお
いて水素化反応における活性及び選択性を更に向上させ
るために、水溶性銅塩若しくは水溶性亜鉛塩又はこれら
の混合物を(イ)に記載の水溶液に使用した水溶性アル
ミニウム塩に対して原子比でAl/Cu/Zn=1/0〜1/
0〜0.5 となるように存在させることによってアルミニ
ウム化合物と共に銅化合物若しくは亜鉛化合物又はこれ
らの混合物を沈澱させることができる。上記に記載の水
溶性銅塩の例としては第一工程に記載したものを挙げる
ことが出来る。また、上記に記載の水溶性亜鉛塩の例と
しては硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる
が、経済面より硫酸亜鉛が最適である。
【0012】上記の(ロ)に記載のアルカリ物質の例と
しては、同様に第一工程に使用されるアルカリ物質が挙
げられる。その添加方法は操作性の点より水溶液にて加
えるのが好ましい。その濃度は特に限定されないが、経
済的な面より20重量%程度の水溶液とすることが好まし
い。アルカリ物質の添加方法は懸濁液のpHの急激な変化
を防止するために、上記(イ)に記載の水溶液と(ロ)
に記載のアルカリ物質またはその水溶液とを同時に懸濁
液へ添加することが好ましい。更に水溶性アルミニウム
塩以外の水溶性塩を使用する場合には第二工程を一段階
または二段階以上に分割して行うことが出来る。
【0013】第二工程の実施態様の例を挙げれば次の通
りである。 アルミニウム化合物のみを沈澱させる。 アルミニウム化合物と銅化合物とを同時に沈澱させ
る。 アルミニウム化合物と亜鉛化合物とを同時に沈澱さ
せる。 第一段階でアルミニウム化合物と銅化合物とを同時
に沈澱させて、次いで第二段階でアルミニウム化合物と
亜鉛化合物とを同時に沈澱させる。 第一段階でアルミニウム化合物と銅化合物とを同時
に沈澱させて、次いで第二段階でアルミニウム化合物を
沈澱させる。 第一段階でアルミニウム化合物と亜鉛化合物とを同
時に沈澱させて、次いで第二段階でアルミニウム化合物
と銅化合物とを同時に沈澱させる。 第一段階でアルミニウム化合物と亜鉛化合物とを同
時に沈澱させ、次いで第二段階でアルミニウム化合物を
沈澱させる。 アルミニウム化合物、銅化合物及び亜鉛化合物を同
時に沈澱させる。 これらの工程の組み合わせを複数回繰り返して行な
う。 以上述べた方法にて得られた懸濁液についてpHを7.0 以
上に調節した後、0〜8時間熟成を行なう。
【0014】第三工程 第三工程では第二工程で得られた沈澱物を常法により分
離し、水洗し、スラリー又は粉体を得るか、あるいは第
四工程を行わない場合には、次いで得られたスラリー又
は粉体を乾燥及び焼成する。焼成温度は通常100℃以上1
200℃以下の範囲であり、好ましくは 400℃以上900℃以
下である。焼成時間は特に制限されないが、経済的には
10時間以下が良い。焼成を終了したものは粉砕してもよ
いが、粉砕することなく直ちに触媒として使用すること
もできる。
【0015】第四工程 本発明の製造方法においては、第四工程は行っても良い
が、行わなくても良い。第四工程を行う場合には、次の
ように行なう。まず、(イ)第三工程にて得られたスラ
リー又は粉体と、(ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属
水酸化物、アルカリ土類金属塩及びアルカリ土類金属水
酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、
アルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物等と記す)と
を混合する。この場合において、アルカリ金属/アルカ
リ土類金属水酸化物等は、原子比がCu/(アルカリ金属
及び/又はアルカリ土類金属)=1/0〜0.4 、好まし
くは1/0.001 〜0.4 となるように混合する。アルカリ
金属/アルカリ土類金属水酸化物等は、粉体又は粒状の
形態で添加してもよいが、好ましくは水溶液で添加す
る。アルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物等として
は、例えば、Ba(OH)2、Ca(OH)2、BaCO3 、NaOH等が挙げ
られる。このようにして得られたスラリー又は粉体を乾
燥し、焼成する。焼成温度は通常 100℃以上1200℃以下
の範囲であり、好ましくは 400℃以上 900℃以下であ
る。焼成時間は特に制限されないが、経済的には10時間
以下が良い。焼成を終了したものは粉砕してもよいが、
粉砕することなく直ちに触媒として使用することもでき
る。
【0016】本発明の触媒は上記金属の組合せにより優
れた活性、選択性等の性能を有するものであるが、本発
明の効果を損なわない範囲で他の金属、例えば貴金属等
を添加することも可能であり、何ら他の金属の併用を排
除するものではない。
【0017】本発明においては、上記のような水素化用
触媒の存在下、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物の
炭素−炭素不飽和結合を水素化する。本発明における炭
素−炭素不飽和結合を有する化合物とは、−C=C−結
合を含む化合物であり、このような結合を含む化合物と
しては、大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、落花
生油、ゴマ油、パーム油、パーム核油、アマニ油、ヒマ
シ油、ヤシ油などの植物油、及び牛脂、魚油、豚脂など
の動物油、並びにこれらから得られる不飽和脂肪酸等が
挙げられ、これらについて、水素化反応を行った場合に
は、前記の炭素−炭素不飽和結合が選択的に水素化され
る。
【0018】本発明において、炭素−炭素不飽和結合を
有する化合物の水素化反応の反応温度は 150〜 250℃が
好ましく、また水素圧は1〜50kg/cm2程度が好ましい。
また、上記触媒の使用量は出発物質である炭素−炭素不
飽和結合を有する化合物に対して 0.1〜20重量%、好ま
しくは 0.5〜10重量%の範囲である。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 還流冷却器を有する反応器に、水(300g) 、 CuSO4・5H
2O (48g) 、 FeSO4・7H2O (59g) 及び水酸化アルミニ
ウム(昭和電工製ハイジライトH−32、12.14g) を入
れ、撹拌しながら温度を96℃に上昇させた。温度を95℃
±2℃に保ちながら1時間保持した。次いでこの温度を
保ちながら、Na2CO3 (44.8g) を水(150g) に溶解させ
た溶液を約80分かけて滴下した。反応において最初青緑
色の沈澱が徐々に褐色に変化し、最終的に黒色となっ
た。滴下終了後のpHは8.95であった。温度を95℃±2℃
に保ちながらCuSO4・5H2O(4.8g) 、Al2(SO4)3・16H2O
(46.8g) を水(109.2g) に溶解させた溶液とNa2CO3 (2
7.6g) を水 (98.2g) に溶解させた溶液を同時に滴下
した。金属塩の水溶液は60分、アルカリ物質の水溶液は
30分かけて滴下した。アルカリ物質の水溶液滴下後のpH
は8.71、金属塩水溶液滴下後のpHは8.11であった。これ
に Al2(SO4)3・16H2O(23.4g) を水 (53.5g) に溶解さ
せた溶液を30分かけて滴下した。この時のpHは4.12であ
った。次いでNa2CO3 (14.3g) を水 (54.9g) に溶解さ
せた溶液を30分かけて滴下した。更に10%NaOH水溶液を
滴下しpHを10.5に調整した。pHを10.5に保ちながら1時
間熟成を行った。熟成終了後、反応物を吸引濾過した。
濾過は極めて容易であり、濾液は無色であった。沈澱を
毎回 450mlの水で3回洗った後、Ba(OH)2(4.21g)を水
(320g)に溶解させた溶液を加え、30分撹拌後蒸発乾固
した。乾燥終了物を軽く粉砕し750℃で1時間空気中で
焼成し、所望の触媒を得た。この触媒のCu/Fe/Al/Ba
/Znの原子比は1/1/1.81/0.063 /0であった。
【0021】この触媒を用いて、以下に示す方法で綿実
油の水素化反応を行った。即ち、500ml のオートクレー
ブに綿実油 100gと上記触媒 2.0gを加え、系内を水素
置換した後、水素圧10kg/cm2、反応温度 160℃で水素化
反応を3時間行わせた。反応終了後冷却し、加温した加
圧濾過器で触媒を濾別し、濾液のヨウ素価(IV)及び
ロダン価(TV)を測定し、 飽和脂肪酸グリセリドS= 100−(Y+Z) リノール酸グリセリドY= 1.246×IV− 1.253×TV オレイン酸グリセリドZ= 2.525×TV−1.3481×IV から組成を求め、飽和脂肪酸グリセリド31.4%、オレイ
ン酸グリセリド62.6%、リノール酸グリセリド 6.0%の
水素化脂肪油を得た。
【0022】実施例2〜3 綿実油の代わりにパーム油、豚脂を使用した以外は実施
例1と同様に反応を行い、リノール酸グリセリド 1.5
%, 2.5%、オレイン酸グリセリド48.0%, 50.2%、飽
和脂肪酸グリセリド50.5%, 46.3%の硬化油を得た。
【0023】実施例4〜5 水酸化バリウムの添加量を表1に示した量に変えた以外
は実施例1と同様の操作を行って触媒を得た。これらの
触媒を使用し、実施例1と同様の反応を行い、表1に示
す組成の生成物を得た。
【0024】実施例6〜8 水酸化バリウムの代わりに水酸化カルシウム、水酸化ナ
トリウム、炭酸バリウムを用いた以外は実施例1と同様
の操作を行って触媒を得た。これらの触媒を使用し、実
施例1と同様の反応を行い、表1に示す組成の生成物を
得た。
【0025】実施例9〜14 水酸化アルミニウムの代わりに、酸化チタン、酸化ジル
コニウム、ゼオライト、シリカ−アルミナ、酸化第二
鉄、酸化マグネシウムを使用した以外は実施例1と同様
の操作を行って触媒を得た。これらの触媒を使用し、実
施例1と同様の反応を行い、表1に示す組成の生成物を
得た。
【0026】実施例15〜19 Cu/Fe/Al/(アルカリ金属・アルカリ土類金属)/Zn
の原子比を表1に示す比率に種々変えた以外は実施例1
と同様にして触媒を得た。これらの触媒を使用し、実施
例1と同様の反応を行い、表1に示す組成の生成物を得
た。
【0027】比較例1〜3 Cu/Fe/Al/(アルカリ金属・アルカリ土類金属)/Zn
の原子比を表2に示す比率に種々に変えた以外は実施例
1と同様にして触媒を得た。これらの触媒を使用し、実
施例1と同様の反応を行い、表2に示す組成の生成物を
得た。
【0028】実施例20〜23 焼成温度を 450℃、 600℃、 900℃及び1050℃とした以
外は実施例1と同様にして触媒を得た。これらの触媒を
使用し、実施例1と同様の反応を行い、表2に示す組成
の生成物を得た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、活性、選択性、耐久性
及び濾過性が大幅に向上した炭素−炭素不飽和結合の水
素化用触媒が得られ、この触媒を用いることによりクロ
ムなどの環境汚染の心配がなく、高収率、高選択的に炭
素−炭素不飽和結合を水素化することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコ
    ニウム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオ
    ライト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選ばれ
    る少なくとも一種を担体とし、原子比(アルミニウム原
    子を含有する物質を担体として使用する場合、担体も含
    めた触媒全体の原子比)が、Cu/Fe/Al/(アルカリ金
    属及び/又はアルカリ土類金属)/Zn=1/0.4 〜2.5
    /0.5〜5.0 /0〜0.4 /0〜1.0 であることを特徴と
    する炭素−炭素不飽和結合の水素化用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水素化用触媒を製造する
    に当り、下記の第一工程、第二工程、第三工程及び第四
    工程、又は第一工程、第二工程及び第三工程をこの順に
    行なうことを特徴とする水素化用触媒の製造方法。 (第一工程)アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニ
    ウム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオラ
    イト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選ばれる
    少なくとも一種(以下担体と記す)を水性媒体中に懸濁
    させ、その懸濁液中において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩
    とアルカリ物質とを反応させることによって担体表面上
    に銅化合物及び鉄化合物を沈澱させる工程。 (第二工程)第一工程にて得られた懸濁液中にて水溶性
    アルミニウムとアルカリ物質とを反応させることによっ
    て、第一工程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子
    表面上にアルミニウム化合物を沈澱させる工程。 (第三工程)第二工程にて得られた懸濁液より、沈澱物
    を取得し、水洗し、スラリー又は粉体を得るか、あるい
    は第四工程を行わない場合には、次いで得られたスラリ
    ー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
    (ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
    リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
    から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
    リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水素化用触媒を製造する
    に当り、下記の第一工程、第二工程、第三工程及び第四
    工程、又は第一工程、第二工程及び第三工程をこの順に
    行なうことを特徴とする水素化用触媒の製造方法。 (第一工程)アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニ
    ウム、マグネシウム、鉄の酸化物及び水酸化物、ゼオラ
    イト、並びにシリカ−アルミナからなる群から選ばれる
    少なくとも一種(以下担体と記す)を水性媒体中に懸濁
    させ、その懸濁液中において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩
    とアルカリ物質とを反応させることによって担体表面上
    に銅化合物及び鉄化合物を沈澱させる工程。 (第二工程)第一工程にて得られた懸濁液中にて、
    (i)水溶性アルミニウム塩とアルカリ物質とを反応さ
    せることによって、又は、(ii)水溶性アルミニウム塩
    及び水溶性銅塩若しくは水溶性亜鉛塩又はこれらの混合
    物とアルカリ物質とを反応させることによって、第一工
    程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子表面上に下
    記(a) 乃至(d) から選択される化合物を一回又は二回以
    上(二回以上の場合は順不同に)沈澱させる工程。 (a) アルミニウム化合物。 (b) アルミニウム化合物及び銅化合物。 (c) アルミニウム化合物及び亜鉛化合物。 (d) アルミニウム化合物、銅化合物及び亜鉛化合物。 (第三工程)第二工程にて得られた懸濁液より、沈澱物
    を取得し、水洗し、スラリー又は粉体を得るか、あるい
    は第四工程を行わない場合には、次いで得られたスラリ
    ー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
    (ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
    リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
    から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
    リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。
  4. 【請求項4】 第一工程及び第二工程の反応温度が60〜
    120 ℃である請求項2又は3記載の水素化用触媒の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 第三工程又は第四工程の焼成温度が 100
    〜1200℃である請求項2〜4のいずれか一項に記載の水
    素化用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の水素化用触媒の存在下
    に、炭素−炭素不飽和結合を水素化することを特徴とす
    る炭素−炭素不飽和結合の水素化方法。
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