JPH05335741A - セラミックス多層基板の製造方法 - Google Patents
セラミックス多層基板の製造方法Info
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- JPH05335741A JPH05335741A JP14281492A JP14281492A JPH05335741A JP H05335741 A JPH05335741 A JP H05335741A JP 14281492 A JP14281492 A JP 14281492A JP 14281492 A JP14281492 A JP 14281492A JP H05335741 A JPH05335741 A JP H05335741A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 セラミックス多層基板における導体回路の低
抵抗化を目的とする。 【構成】 セラミックス製グリーンシート1を積層した
後、グリーンシート積層体4を酸化雰囲気下にて乾燥さ
せる。このときの温度は150℃〜240℃の範囲内で
ある。次に、真空条件下にて積層体4を脱脂した後、そ
の積層体4に仮焼成及び本焼成を施す。この条件にて乾
燥を行うことより、脱脂及び仮焼成後のフリーカーボン
量が減少する。
抵抗化を目的とする。 【構成】 セラミックス製グリーンシート1を積層した
後、グリーンシート積層体4を酸化雰囲気下にて乾燥さ
せる。このときの温度は150℃〜240℃の範囲内で
ある。次に、真空条件下にて積層体4を脱脂した後、そ
の積層体4に仮焼成及び本焼成を施す。この条件にて乾
燥を行うことより、脱脂及び仮焼成後のフリーカーボン
量が減少する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス多層基板
の製造方法に関するものである。
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の基板を製造する場合、先
ずセラミックス粉末を主成分とするグリーンシートに
は、タングステンペーストを用いて導体回路が形成され
る。前記導体回路としては、スルーホール内導体回路
と、グリーンシートの表面に形成される配線回路パター
ンとの2種がある。そして、前記グリーンシートは適宜
積層された後、1700℃〜1900℃の温度で焼成さ
れる。
ずセラミックス粉末を主成分とするグリーンシートに
は、タングステンペーストを用いて導体回路が形成され
る。前記導体回路としては、スルーホール内導体回路
と、グリーンシートの表面に形成される配線回路パター
ンとの2種がある。そして、前記グリーンシートは適宜
積層された後、1700℃〜1900℃の温度で焼成さ
れる。
【0003】前記グリーンシートには、通常セラミック
ス粉末の他に、バインダ、溶剤及び分散剤等といったカ
ーボンを多く含む有機質成分が配合されている。よっ
て、グリーンシートを焼成すると、前記カーボンがペー
スト中のタングステンと反応し、炭化タングステン(W
C,W2 C)が生成される。この炭化タングステンは、
導体回路に抵抗増大をもたらすことが知られている。ま
た、グリーンシート中のフリーカーボンは、セラミック
スの焼結を阻害したり、基板の物性を悪化させる原因に
もなる。
ス粉末の他に、バインダ、溶剤及び分散剤等といったカ
ーボンを多く含む有機質成分が配合されている。よっ
て、グリーンシートを焼成すると、前記カーボンがペー
スト中のタングステンと反応し、炭化タングステン(W
C,W2 C)が生成される。この炭化タングステンは、
導体回路に抵抗増大をもたらすことが知られている。ま
た、グリーンシート中のフリーカーボンは、セラミック
スの焼結を阻害したり、基板の物性を悪化させる原因に
もなる。
【0004】そのため、従来方法では、焼成前にグリー
ンシートを150℃未満の温度で乾燥し、更に約600
℃〜1600℃の温度で脱脂及び仮焼成することによ
り、グリーンシート中のフリーカーボン量の低減を図っ
ている。
ンシートを150℃未満の温度で乾燥し、更に約600
℃〜1600℃の温度で脱脂及び仮焼成することによ
り、グリーンシート中のフリーカーボン量の低減を図っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本来、フリーカーボン
を効率よく除去するためには、ある程度の高温かつ酸化
雰囲気下にて乾燥及び脱脂を行うことが良いと考えられ
る。一方、前記環境の下で乾燥及び脱脂を行うと、タン
グステンと酸素とが反応して、酸化タングステン(WO
2 ,WO3 等)が生成されるという事情もある。この酸
化タングステンも、導体回路の高抵抗化、セラミックス
の焼結阻害及び熱膨張による基板の破損等を起こす原因
となることが知られている。従って、従来方法では乾燥
のみを酸化雰囲気下にて行い、脱脂は非酸化雰囲気下に
て行っている。
を効率よく除去するためには、ある程度の高温かつ酸化
雰囲気下にて乾燥及び脱脂を行うことが良いと考えられ
る。一方、前記環境の下で乾燥及び脱脂を行うと、タン
グステンと酸素とが反応して、酸化タングステン(WO
2 ,WO3 等)が生成されるという事情もある。この酸
化タングステンも、導体回路の高抵抗化、セラミックス
の焼結阻害及び熱膨張による基板の破損等を起こす原因
となることが知られている。従って、従来方法では乾燥
のみを酸化雰囲気下にて行い、脱脂は非酸化雰囲気下に
て行っている。
【0006】ところが、この乾燥及び脱脂方法では、グ
リーンシートの焼成前までに充分にフリーカーボンを除
去することができなかった。よって、焼成時にペースト
中に多くの炭化タングステンが生成され、その結果、基
板のシート抵抗が増大してしまうという問題があった。
リーンシートの焼成前までに充分にフリーカーボンを除
去することができなかった。よって、焼成時にペースト
中に多くの炭化タングステンが生成され、その結果、基
板のシート抵抗が増大してしまうという問題があった。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みて成されたもの
であり、その目的は、タングステンペーストによって形
成された導体回路の炭化及び酸化を防止することによ
り、シート抵抗の低い基板を確実に得ることができるセ
ラミックス多層基板の製造方法を提供することにある。
であり、その目的は、タングステンペーストによって形
成された導体回路の炭化及び酸化を防止することによ
り、シート抵抗の低い基板を確実に得ることができるセ
ラミックス多層基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、有機質成分を含むセラミックス製グ
リーンシートにタングステンペーストを用いて導体回路
を形成し、そのグリーンシートを積層した後、グリーン
シート積層体の脱脂及び焼成を行うセラミックス多層基
板の製造方法において、酸化雰囲気下にて150℃〜2
40℃の範囲内で前記グリーンシート積層体を乾燥した
後、非酸化雰囲気下にてその積層体を脱脂している。
めに、本発明では、有機質成分を含むセラミックス製グ
リーンシートにタングステンペーストを用いて導体回路
を形成し、そのグリーンシートを積層した後、グリーン
シート積層体の脱脂及び焼成を行うセラミックス多層基
板の製造方法において、酸化雰囲気下にて150℃〜2
40℃の範囲内で前記グリーンシート積層体を乾燥した
後、非酸化雰囲気下にてその積層体を脱脂している。
【0009】
【作用】この方法では、酸化雰囲気下にて積層体を乾燥
する際の温度を150℃以上に、即ちバインダ等の有機
質成分が分解可能な温度以上に設定している。よって、
真空中や窒素雰囲気中で分解できないグリーンシート中
の有機質成分が効率よく酸化除去され、フリーカーボン
量が極めて低くなる。更に、本方法では乾燥温度を24
0℃以下に、即ちタングステンの酸化温度以下に設定し
ているため、乾燥時に酸化タングステンが生成されるこ
とはない。
する際の温度を150℃以上に、即ちバインダ等の有機
質成分が分解可能な温度以上に設定している。よって、
真空中や窒素雰囲気中で分解できないグリーンシート中
の有機質成分が効率よく酸化除去され、フリーカーボン
量が極めて低くなる。更に、本方法では乾燥温度を24
0℃以下に、即ちタングステンの酸化温度以下に設定し
ているため、乾燥時に酸化タングステンが生成されるこ
とはない。
【0010】また、前記乾燥工程を経たグリーンシート
中には酸素が吸着されている。そのため、脱脂時に前記
酸素と反応させることにより、乾燥時に除去されなかっ
た残りの有機質成分を確実にグリーンシートから酸化除
去することができる。
中には酸素が吸着されている。そのため、脱脂時に前記
酸素と反応させることにより、乾燥時に除去されなかっ
た残りの有機質成分を確実にグリーンシートから酸化除
去することができる。
【0011】以下に本発明のセラミックス多層基板の製
造方法について工程順に詳細に説明する。本発明では、
グリーンシートを形成するセラミックス材料としては、
窒化アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素等
の粉末が用いられる。前記セラミックス粉末には、焼結
助剤、バインダ、分散剤及び可塑剤等が適宜添加され、
それらを混合することにより原料スラリーが得られる。
その原料スラリーをプレス成形またはシート成形するこ
とにより、シート状のグリーンシートが製造される。ま
た、前記グリーンシートには必要に応じてドリル等を用
いてスルーホール形成用孔が透設される。
造方法について工程順に詳細に説明する。本発明では、
グリーンシートを形成するセラミックス材料としては、
窒化アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素等
の粉末が用いられる。前記セラミックス粉末には、焼結
助剤、バインダ、分散剤及び可塑剤等が適宜添加され、
それらを混合することにより原料スラリーが得られる。
その原料スラリーをプレス成形またはシート成形するこ
とにより、シート状のグリーンシートが製造される。ま
た、前記グリーンシートには必要に応じてドリル等を用
いてスルーホール形成用孔が透設される。
【0012】本発明で使用されるタングステンペースト
とは、導電性金属であるタングステン粉末にバインダ及
び分散剤等を混合し、所定の粘度及び密度に調整したも
のをいう。また、前記ペーストには、タングステン、モ
リブデン、ニオブ、タンタル等の導電性金属の粉末も用
いることができる。
とは、導電性金属であるタングステン粉末にバインダ及
び分散剤等を混合し、所定の粘度及び密度に調整したも
のをいう。また、前記ペーストには、タングステン、モ
リブデン、ニオブ、タンタル等の導電性金属の粉末も用
いることができる。
【0013】グリーンシート表面への導体回路(配線回
路パターン)の形成は、例えばスクリーン印刷機等を用
い前記ペーストを印刷することによって行われる。ま
た、スルーホール形成用孔を備えるグリーンシートの場
合には、同様の方法によって前記孔内にペーストが充填
され、当該部分にスルーホール内導体回路が形成され
る。
路パターン)の形成は、例えばスクリーン印刷機等を用
い前記ペーストを印刷することによって行われる。ま
た、スルーホール形成用孔を備えるグリーンシートの場
合には、同様の方法によって前記孔内にペーストが充填
され、当該部分にスルーホール内導体回路が形成され
る。
【0014】導体回路が形成されたグリーンシートは、
適宜積層された後に熱圧着され、グリーンシート積層体
となる。この後、前記積層体には上述の所定条件下にて
乾燥が施される。
適宜積層された後に熱圧着され、グリーンシート積層体
となる。この後、前記積層体には上述の所定条件下にて
乾燥が施される。
【0015】積層体を乾燥させる手段としては、例えば
従来公知の乾燥装置を使用することが可能である。ま
た、積層体を乾燥させる場合、乾燥装置の内部を酸素ま
たは空気等によって酸化雰囲気に維持しておくことが必
要である。
従来公知の乾燥装置を使用することが可能である。ま
た、積層体を乾燥させる場合、乾燥装置の内部を酸素ま
たは空気等によって酸化雰囲気に維持しておくことが必
要である。
【0016】また、この場合、前記乾燥装置内へ酸素や
空気等を積極的に供給しかつ循環させることが好まし
い。その理由は、有機質成分の酸化除去を促進させると
共に、積層体の乾燥ムラを防止するためである。
空気等を積極的に供給しかつ循環させることが好まし
い。その理由は、有機質成分の酸化除去を促進させると
共に、積層体の乾燥ムラを防止するためである。
【0017】更に、前記装置内に複数の積層体を配置す
る場合、各々の積層体を密接して配置させないことが、
乾燥ムラの防止を図るうえで好適である。前記グリーン
シート積層体の乾燥時において昇温速度及び降温速度
は、0.1℃/分〜1℃/分の範囲内であることが望ま
しい。
る場合、各々の積層体を密接して配置させないことが、
乾燥ムラの防止を図るうえで好適である。前記グリーン
シート積層体の乾燥時において昇温速度及び降温速度
は、0.1℃/分〜1℃/分の範囲内であることが望ま
しい。
【0018】前記速度が0.1℃/分より小さいと、乾
燥工程全体に要する時間が長くなり、好ましくない。一
方、前記速度が1℃/分より大きいと、積層体に大きな
熱応力が加わり、積層体に変形または破損が生じ易くな
る。
燥工程全体に要する時間が長くなり、好ましくない。一
方、前記速度が1℃/分より大きいと、積層体に大きな
熱応力が加わり、積層体に変形または破損が生じ易くな
る。
【0019】また、前記乾燥温度が最高温度に達した
後、その温度を20時間〜30時間の間維持することが
好ましい。その理由は、有機質成分中の炭素と酸素とを
充分に反応させるためである。また、グリーンシートに
添加されている低沸点有機化合物のことを考慮したため
である。
後、その温度を20時間〜30時間の間維持することが
好ましい。その理由は、有機質成分中の炭素と酸素とを
充分に反応させるためである。また、グリーンシートに
添加されている低沸点有機化合物のことを考慮したため
である。
【0020】乾燥された積層体は、非酸化雰囲気下、即
ち約0.050Torr以下の真空条件下にて脱脂される。
脱脂の好適温度範囲は500℃〜1000℃である。
尚、この温度は、グリーンシート及びタングステンペー
スト中の有機物の分解温度によって多少異なる。
ち約0.050Torr以下の真空条件下にて脱脂される。
脱脂の好適温度範囲は500℃〜1000℃である。
尚、この温度は、グリーンシート及びタングステンペー
スト中の有機物の分解温度によって多少異なる。
【0021】また、真空条件下での脱脂の利点は、グリ
ーンシート内部に取り込まれた酸素と炭素との反応によ
り生成された二酸化炭素を容易に除去できることであ
る。その後、前記積層体は、非酸化雰囲気下において常
法に従って焼成される。この場合、前記焼成を1400
℃〜1600℃の仮焼成と、1700℃〜1900℃の
本焼成とに分けて行っても良い。
ーンシート内部に取り込まれた酸素と炭素との反応によ
り生成された二酸化炭素を容易に除去できることであ
る。その後、前記積層体は、非酸化雰囲気下において常
法に従って焼成される。この場合、前記焼成を1400
℃〜1600℃の仮焼成と、1700℃〜1900℃の
本焼成とに分けて行っても良い。
【0022】上述の諸工程を経たとしても、ペースト中
のタングステンが炭化及び酸化して、比抵抗の高いタン
グステン化合物に変化してしまうことはない。従って、
本発明によれば、シート抵抗の低い好適なセラミックス
多層基板を確実に得ることが可能になる。
のタングステンが炭化及び酸化して、比抵抗の高いタン
グステン化合物に変化してしまうことはない。従って、
本発明によれば、シート抵抗の低い好適なセラミックス
多層基板を確実に得ることが可能になる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を窒化アルミニウム製の多層基
板の製造方法に具体化した実施例について図面に基づき
詳細に説明する。
板の製造方法に具体化した実施例について図面に基づき
詳細に説明する。
【0024】本実施例1では、平均粒径が約1.5μm
で酸素含有率が1.2重量%の窒化アルミニウム粉末を
1000gに対して、平均粒径が約1.5μmである焼
結助剤としての酸化イットリウム粉末45重量%と、ア
クリロニトリル系バインダ20重量%と、分散剤0.4
5重量%と及び可塑剤2.5重量%とを混合し、原料ス
ラリーとした。そして、前記原料スラリーをボールミル
中に装入し、40時間混合した。
で酸素含有率が1.2重量%の窒化アルミニウム粉末を
1000gに対して、平均粒径が約1.5μmである焼
結助剤としての酸化イットリウム粉末45重量%と、ア
クリロニトリル系バインダ20重量%と、分散剤0.4
5重量%と及び可塑剤2.5重量%とを混合し、原料ス
ラリーとした。そして、前記原料スラリーをボールミル
中に装入し、40時間混合した。
【0025】その後、スラリーをドクターブレード法に
よりシート成形し、かつプレス機にて80mm角に打ち抜
くことにより、所望のグリーンシート1とした。次い
で、前記グリーンシート1には、図1(a)示すよう
に、ドリルを用いて複数のスルーホール形成用孔2を透
設した。
よりシート成形し、かつプレス機にて80mm角に打ち抜
くことにより、所望のグリーンシート1とした。次い
で、前記グリーンシート1には、図1(a)示すよう
に、ドリルを用いて複数のスルーホール形成用孔2を透
設した。
【0026】また、本実施例1では、平均粒径が1.3
μmのタングステン粒子5000gに、アクリル系バイ
ンダ3.4重量%、溶剤6.6重量%、チクソ剤0.1
重量%、分散剤0.3重量%及び可塑剤0.1重量%を
配合した混合物を、三本ロール混合機を使用して、均一
に混合した。そして、これを所定の粘度及び密度に調整
して、導体回路形成のためのタングステンペーストPと
した。
μmのタングステン粒子5000gに、アクリル系バイ
ンダ3.4重量%、溶剤6.6重量%、チクソ剤0.1
重量%、分散剤0.3重量%及び可塑剤0.1重量%を
配合した混合物を、三本ロール混合機を使用して、均一
に混合した。そして、これを所定の粘度及び密度に調整
して、導体回路形成のためのタングステンペーストPと
した。
【0027】このペーストPをスクリーン印刷機によっ
て印刷することにより、図1(b)に示すように、グリ
ーンシート1のスルーホール形成用孔2内にペーストP
を充填した。そして、当該部分にスルーホール内導体回
路3aを形成した。更に、同方法に準じてグリーンシー
ト1表面にペーストPを印刷することにより、配線回路
パターン3bを形成した(図1(b) 参照)。
て印刷することにより、図1(b)に示すように、グリ
ーンシート1のスルーホール形成用孔2内にペーストP
を充填した。そして、当該部分にスルーホール内導体回
路3aを形成した。更に、同方法に準じてグリーンシー
ト1表面にペーストPを印刷することにより、配線回路
パターン3bを形成した(図1(b) 参照)。
【0028】次に、図1(c)に示すように、前記グリ
ーンシート1を数枚積層した後、これらをラミネート装
置によって熱圧着させ、グリーンシート積層体4とし
た。更に、前記積層体4を一般に良く使用されている通
風乾燥装置内に配置し、装置内部に空気を充分に供給し
かつ循環させた。そして、乾燥装置内の温度を0.5℃
/分の速度で昇温し、最高乾燥温度である150℃に到
達させた。この乾燥温度を24時間維持して積層体4を
充分に乾燥させた後に、0.5℃/分の速度で降温し
て、積層体4を常温に冷却した。
ーンシート1を数枚積層した後、これらをラミネート装
置によって熱圧着させ、グリーンシート積層体4とし
た。更に、前記積層体4を一般に良く使用されている通
風乾燥装置内に配置し、装置内部に空気を充分に供給し
かつ循環させた。そして、乾燥装置内の温度を0.5℃
/分の速度で昇温し、最高乾燥温度である150℃に到
達させた。この乾燥温度を24時間維持して積層体4を
充分に乾燥させた後に、0.5℃/分の速度で降温し
て、積層体4を常温に冷却した。
【0029】次いで、乾燥された積層体4を0.01To
rrの真空雰囲気下に移し、700℃かつ3時間の脱脂を
施した。その後、常法に従って前記積層体4に窒素ガス
雰囲気下にて1560℃,10時間の仮焼成を施し、更
に1870℃,3時間の本焼成を施した。その結果、導
体回路を備える所望の窒化アルミニウム多層基板とし
た。
rrの真空雰囲気下に移し、700℃かつ3時間の脱脂を
施した。その後、常法に従って前記積層体4に窒素ガス
雰囲気下にて1560℃,10時間の仮焼成を施し、更
に1870℃,3時間の本焼成を施した。その結果、導
体回路を備える所望の窒化アルミニウム多層基板とし
た。
【0030】得られた基板の特性を評価するために、基
板のシート抵抗(mΩ/□)を測定した。また、同基板
について積層体4の脱脂後におけるフリーカーボン量
(%)も測定した。これらの結果を表1に示す。
板のシート抵抗(mΩ/□)を測定した。また、同基板
について積層体4の脱脂後におけるフリーカーボン量
(%)も測定した。これらの結果を表1に示す。
【0031】また、実施例2として、乾燥温度のみを2
20℃に変更することを除き、基本的には前記実施例1
の手順に従って同様の基板を作成した。更に、前記各実
施例に対する比較例として、乾燥温度のみを100℃に
変更して、同様の基板を作成した。これらの基板につい
て前記測定を行った結果を表1に共に示す。
20℃に変更することを除き、基本的には前記実施例1
の手順に従って同様の基板を作成した。更に、前記各実
施例に対する比較例として、乾燥温度のみを100℃に
変更して、同様の基板を作成した。これらの基板につい
て前記測定を行った結果を表1に共に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、各実施例1,2
における脱脂後のフリーカーボン量は、0.50%,
0.10%と、何れも比較例の0.90%に比して小さ
い値を示した。また、特に220℃で乾燥を行った実施
例2では、その傾向が顕著であった。
における脱脂後のフリーカーボン量は、0.50%,
0.10%と、何れも比較例の0.90%に比して小さ
い値を示した。また、特に220℃で乾燥を行った実施
例2では、その傾向が顕著であった。
【0034】よって、実施例1,2においては、乾燥及
び脱脂工程によってグリーンシート1中の有機質成分が
効率よく酸化除去され、確実に炭化タングステンの生成
が防止されていたと推定される。また、比較例より乾燥
温度を高く設定した実施例1,2でも、酸化タングステ
ンは殆ど生成されなかったものと考えられる。
び脱脂工程によってグリーンシート1中の有機質成分が
効率よく酸化除去され、確実に炭化タングステンの生成
が防止されていたと推定される。また、比較例より乾燥
温度を高く設定した実施例1,2でも、酸化タングステ
ンは殆ど生成されなかったものと考えられる。
【0035】また、基板のシート抵抗についても同様の
傾向が見られ、比較例の基板に比して実施例1,2の基
板の方が低かった。しかも、これらの基板については、
変形や破損等は特に認められなかった。(ちなみに24
0℃で乾燥を行った基板では、タングステンペーストP
の酸化による膨張に起因して、基板が破損するに到っ
た。)上記の結果を総合すると、本発明の製造方法に従
えば、シート抵抗の低い好適な基板を確実に得ることが
できるという結論に達する。
傾向が見られ、比較例の基板に比して実施例1,2の基
板の方が低かった。しかも、これらの基板については、
変形や破損等は特に認められなかった。(ちなみに24
0℃で乾燥を行った基板では、タングステンペーストP
の酸化による膨張に起因して、基板が破損するに到っ
た。)上記の結果を総合すると、本発明の製造方法に従
えば、シート抵抗の低い好適な基板を確実に得ることが
できるという結論に達する。
【0036】本発明は上記実施例のみに限定されること
はなく、以下のように変更することが可能である。例え
ば、スルーホール内導体回路3aのみ、または配線回路
パターン3bのみを備える基板に適用することも勿論可
能である。更に、前記実施例のような多層基板ばかりで
なく、単層の基板に適用しても構わない。
はなく、以下のように変更することが可能である。例え
ば、スルーホール内導体回路3aのみ、または配線回路
パターン3bのみを備える基板に適用することも勿論可
能である。更に、前記実施例のような多層基板ばかりで
なく、単層の基板に適用しても構わない。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のセラミッ
クス多層基板の製造方法によれば、タングステンペース
トによって形成された導体回路の炭化及び酸化が防止さ
れるため、シート抵抗の低い基板を確実に得ることがで
きるという優れた効果を奏する。
クス多層基板の製造方法によれば、タングステンペース
トによって形成された導体回路の炭化及び酸化が防止さ
れるため、シート抵抗の低い基板を確実に得ることがで
きるという優れた効果を奏する。
【図1】(a)〜(c)は実施例の窒化アルミニウム基
板の製造方法を示す工程説明図である。
板の製造方法を示す工程説明図である。
1 グリーンシート、3a 導体回路としてのスルーホ
ール内導体回路、3b導体回路としての配線回路パター
ン、4 (グリーンシート)積層体、P (タングステ
ン)ペースト。
ール内導体回路、3b導体回路としての配線回路パター
ン、4 (グリーンシート)積層体、P (タングステ
ン)ペースト。
Claims (2)
- 【請求項1】有機質成分を含むセラミックス製グリーン
シート(1)にタングステンペースト(P)を用いて導
体回路(3a,3b)を形成し、そのグリーンシート
(1)を積層した後、グリーンシート積層体(4)の脱
脂及び焼成を行うセラミックス多層基板の製造方法にお
いて、 酸化雰囲気下にて150℃〜240℃の範囲内で前記グ
リーンシート積層体(4)を乾燥した後、非酸化雰囲気
下にてその積層体(4)を脱脂することを特徴とするセ
ラミックス多層基板の製造方法。 - 【請求項2】前記グリーンシート積層体(4)の乾燥時
における昇温速度及び降温速度は、0.1℃/分〜1℃
/分の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の
セラミックス多層基板の製造方法。
Priority Applications (1)
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