JPH05335351A - 軸状電子部品の搬送ドラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグネットボックス内で、平行磁界によって
整列されているダイオード等の軸状電子部品を取出す搬
送ドラムとして、先端まで曲がりのない軸状電子部品の
みを取り出せるものを提供する。 【構成】 搬送ドラム２周面幅Ｉをマグネットボックス
１の開口幅Ｌより僅かに狭くすることにより、周面の中
心に沿って形成され軸状電子部品３の本体部３ｂを嵌入
させる凹部５の両側に、切出し爪９を挿入する一対の環
状溝８を形成し、さらにこの環状溝８の外側に各凹部８
と対応してリード３ａ先端を吸着する小型磁石６を埋め
込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、マグネットボックス
内で磁気吸引力により整列している軸状電子部品を１本
ずつ連続して切り出す搬送ドラムに関する。

【０００２】

【従来の技術】ダイオード等の軸状電子部品を整列させ
て取出す装置として、図４に示すようにマグネットボッ
クス１と搬送ドラム２を組合わせたものがある。

【０００３】マグネットボックス１は、板状磁石を埋め
込んだ側板４,４を、整列させる軸状電子部品３の長さ
よりも僅かに大きい間隔を保って、対向・配置したもの
で、この間隔は取り出し側に向けて少し狭ばめられてい
る。整列させるべく多数の軸状電子部品３,……を間隔
の広い供給側（紙面手前側）から投入すると、軸状電子
部品３,……は、磁性体でできている両端のリード３ａ,
３ａが側板４,４間に発生している磁界に吸引されて、
側板４と直交するように整列しながら、幅が狭く磁界が
強くなっている取り出し側に徐々に移動する。

【０００４】搬送ドラム２は、その一部をマグネットボ
ックス１の取出し位置に挿入した状態で、回転するもの
で、軸状電子部品３の本体３ｂ（ガラス封止部）を嵌入
させる凹部５を、周面の中心に沿って所定間隔で形成
し、各凹部５,５…の両側に小型磁石６,６…を埋め込ん
だものである。この搬送ドラム２は、所定速度で回転す
ることにより、整列された軸状電子部品３を１本ずつ、
各凹部５と両端の磁石６,６に位置決め吸着して取出
す。

【０００５】この搬送ドラム２の反対側には、搬送ドラ
ム２の両側に配置された切出し爪７,７が所定タイミン
グで、吸着されている軸状電子部品３を１つずつ切り出
し、次工程に送り出す。この搬送ドラム２における小型
磁石６の両側配置構造を図５に拡大して示す。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記図５に示す構造の
搬送ドラム２は、マグネットボックス１から軸状電子部
品２を１本ずつ吸着し、取り出すことができるが、図４
に示すように、付け根から離れた位置で曲がったリード
３ａを持つ軸状電子部品３のように取出す必要がないも
のまで、小型磁石６が吸着するので、取出してしまうこ
とがある。このように搬送ドラム２が曲がったリード３
ａを持つ軸状電子部品３を切り出して次工程に送ると、
次工程で軸状電子部品３の詰り等による装置の停止等の
トラブルの原因となる。

【０００７】そこで本発明は、このような曲ったリード
を有する軸状電子部品を取り出さない搬送ドラムを提供
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明が提供する軸状電
子部品の搬送ドラムは、軸状電子部品の本体部を嵌入さ
せる凹部と、その両端のリードを吸着する一対の小型磁
石を周面に所定ピッチで配列した構造を有し、マグネッ
トボックス内に一部を挿入し回転して、マグネットボッ
クスの平行磁界によって整列された軸状電子部品を１本
づつ切り出す搬送ドラムにおいて、

【０００９】周面幅を軸状電子部品の全長と略一致さ
せ、周面の端縁寄りの位置にリード先端を吸着する上記
小形磁石を埋め込んだことを特徴とする。

【００１０】さらに、上記構成で、搬送ドラムからの取
り出し側において、軸状電子部品を爪片によって取り出
すため、小型磁石の内側の周面に沿って取り出し爪の動
作空間となる一対の環状溝を形成した構造も提供する。

【００１１】

【作用】上記構成の搬送ドラムは、その周面幅を軸状電
子部品の全長と略一致させることにより、小型磁石の配
置間隔を軸状電子部品の全長と略一致させている。した
がって、曲がりがなく一直線状の軸状電子部品でないと
吸着動作を行わず、これにより先端側で曲がっている軸
状電子部品を切り出し対象から排除する。

【００１２】一方、凹部形成位置の両側に切り出し爪を
挿入する環状溝を設けているので、搬送ドラムからの軸
状電子部品の取り出しは支障なく行われる。

【００１３】

【実施例】本発明の一実施例を図１〜図３について説明
する。

【００１４】図１は、軸状電子部品３の供給側から見た
マグネットボックス１と搬送ドラム２を示す。マグネッ
トボックス１は板状磁石を埋め込んだ２枚の側板４,４
を略平行状（詳しくは取出し側に向けて幅を狭め、上方
から見るとハ字状）に対向配置して構成されている。こ
のマグネットボックス１は両側板間に磁力線が側板４，
４と垂直に形成され、取出し側に向けて磁束密度が大き
くなっている。

【００１５】搬送ドラム２はマグネットボックス１の取
出し位置の幅Ｌより僅かに小さい周面幅ｌを持つもの
で、周面の中心位置に全周にわたって、軸状電子部品３
の本体部３ｂを嵌め込む凹部５,５,……を形成し、その
両側に取り出し爪の動作空間となる一対の環状溝８,８
を形成し、さらにその外側に小型磁石６,６,……を埋め
込んでいる。上記凹部５は、軸状電子部品３の本体部３
ｂの形状と大きさに合せた形状と深さを持ち、小型磁石
６,６,……の位置はリード３ａの先端を吸着するように
各凹部５,５,……と対応させ、搬送ドラム２の周縁に沿
っている。

【００１６】上記構成において、多数の軸状電子部品
３,３,……をマグネットボックス１の供給側に投入する
と、軸状電子部品３,３,……は側板４,４間の磁力線方
向に整列されながら、取出し側に徐々に移動する。取出
し位置に設けられた搬送ドラム２は、所定速度で回転す
ることにより、凹部５と小型磁石６,６によって軸状電
子部品３を位置決め吸着する。このように吸着された軸
状電子部品３は図２に示すように搬送ドラム２の回転に
より、取り出し位置に達すると、図３に示すように回転
運動し環状溝８,８に入り込む一対の取り出し爪９,９に
よって切り出され、次工程に１つずつ整列姿勢を保って
受け渡される。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、マグネットボックスと協動し
て軸状電子部品３を整列供給する搬送ドラム２におい
て、軸状電子部品３の両端のリード３ａを吸着する小型
磁石６を、軸状電子部品３の全長と略等しい間隔で配置
できる構造を提供したから、リード３ａの付け根部のみ
ならず先端部に曲がりがある軸状電子部品を切り出し対
象としないように選別して整列供給できる。したがっ
て、整列供給した軸状電子部品３にリード曲がりがある
不良品が混入し、自動機を停止させる等のトラブルをな
くし、生産効率を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】軸状電子部品の供給側から見た整列供給装置の
正面図で、この発明の搬送ドラムをマグネットボックス
とともに示す。

【図２】図１の整列供給装置の側面図

【図３】図１の搬送ドラムに吸着された軸状電子部品を
取り出し爪で切り出す状態を上方から見た平面図

【図４】従来の搬送ドラムを用いた整列供給装置の正面
図

【図５】図４の搬送ドラムの凹部周辺の拡大断面図

【符号の説明】

１ マグネットボックス ２ 搬送ドラム ５ 凹部 ６ 小型磁石 ８ 環状溝 Ｌ マグネットボックスの取り出し位置の開口幅 ｌ 搬送ドラムの周面幅

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸状電子部品の本体部を嵌入させる凹部
   と、その両端のリードを吸着する一対の小型磁石を周面
   に所定ピッチで配列した構造を有し、軸状電子部品を１
   本づつ切り出す搬送ドラムにおいて、 周面幅を軸状電子部品の全長と略一致させ、周面の端縁
   寄りの位置にリード先端を吸着する上記小形磁石を埋め
   込んだことを特徴とする軸状電子部品の搬送ドラム。
2. 【請求項２】 小型磁石の内側の周面に沿って取り出し
   爪を嵌入させる一対の環状溝を形成したことを特徴とす
   る請求項１記載の軸状電子部品の搬送ドラム。