JPH05335350A - カルコパイライト薄膜の製造方法 - Google Patents

カルコパイライト薄膜の製造方法

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JPH05335350A
JPH05335350A JP14239392A JP14239392A JPH05335350A JP H05335350 A JPH05335350 A JP H05335350A JP 14239392 A JP14239392 A JP 14239392A JP 14239392 A JP14239392 A JP 14239392A JP H05335350 A JPH05335350 A JP H05335350A
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Mikihiko Nishitani
幹彦 西谷
Takayuki Negami
卓之 根上
Takahiro Wada
隆博 和田
Takashi Hirao
孝 平尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上にCu/Inの積層膜を形成し、カル
コゲン雰囲気処理あるいはカルコゲン薄膜との固相反応
によってカルコパイライト薄膜を形成する製造方法にお
いて、In薄膜を表面の凹凸のない平坦な膜を形成する
ことによって微視的に見ても組成ばらつきのない薄膜を
作製する。 【構成】 基板1上にCu薄膜3を形成する工程と、そ
の上に加速したイオンを基板1に照射しながら蒸着して
In薄膜4を形成する工程と、カルコゲン蒸気中あるい
はカルコゲンを含むガス雰囲気中で熱処理する工程とか
ら構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー変換効率の
高い薄膜太陽電池を構成する薄膜の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池の吸収層として用いられる従来
のカルコパイライト薄膜は、図2に示したような2段階
プロセスを用いて作製されている。すなわち、基板上に
Mo等の電極を形成した後にCu薄膜とIn薄膜を膜厚
比が1:2.2〜2.4程度で形成し、その基板をカルコ
ゲン雰囲気中たとえばSeやSの雰囲気中あるいはカル
コゲンを含むガス中たとえばH2SeやH2Sで熱処理を
行い、CuInSe2やCuInS2薄膜を形成してい
る。また、図2に示したのと同様にCuとInの積層膜
を形成した後、図3に示したようにさらにカルコゲンた
とえばSeやTeの薄膜を蒸着し、熱処理を行なって固
相反応によってCuInSe2やCuInTe2の薄膜を
形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたよ
うなカルコパイライト薄膜の製造方法の解決すべき問題
点は、薄膜面内における微視的な組成のばらつきであ
る。カルコパイライト薄膜の電気的特性はその組成に大
きく依存しているので、薄膜を積層して構成する太陽電
池においては、これらの微視的組成のばらつきが特性を
低下させる大きな要因の一つである。この組成のばらつ
きは、図2及び図3に示したような製造方法においては
特にIn薄膜の状態に起因している。すなわち、従来の
In薄膜の蒸着法では、図2及び図3のSに示したよう
にIn薄膜の表面状態における凹凸がどうしても生じて
しまうため、結果としてカルコパイライト薄膜の組成の
微視的ばらつきをひきおこすという問題点があった。し
たがって、本発明の解決すべき課題は図2や図3の製造
方法において平坦なIn薄膜を形成する方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のカルコパイライ
ト薄膜の製造方法は、基板上にCu薄膜を形成する工程
とその上に加速したイオンを基板に照射しながら蒸着し
てIn薄膜を形成する工程と、カルコゲン蒸気中あるい
はカルコゲンを含むガス雰囲気中で熱処理する工程とか
ら構成される。
【0005】
【作用】In薄膜形成時に適当に加速されたイオンを照
射する本発明の製造方法によれば、従来技術における課
題であったIn薄膜表面の凹凸が改善され、微視的にみ
ても平坦な薄膜が形成できるようになり、その結果とし
てカルコパイライト薄膜の微視的な組成のばらつきがな
くなり、太陽電池などのデバイスの作製に適した均質な
薄膜が作製できる。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。図1には本発
明のカルコパイライト薄膜の製造方法を示している。基
板としてたとえばガラス基板1の上にモリブデン2を約
1〜2μmの厚さにスパッターあるいは電子ビームによ
って蒸着したものを用いる。まず、Cu薄膜を通常の真
空蒸着、RFスパッタリングあるいはイオンビームスパ
ッタリングにて、堆積速度を300Å/min.程度で
1000Å形成する。Cu薄膜は、基板温度を特にあげ
る必要もなく以上のような方法で容易に鏡面状態の薄膜
が得られる。続いてIn薄膜を形成する工程にはいる
が、通常の真空蒸着、RFスパッタリングあるいはイオ
ンビームスパッタリング等の方法では従来技術で述べた
ようにIn薄膜は、表面状態は鏡面でない。ところが、
図1(a)に示したような方法、すなわちInフラックス
とアシストイオンを同時に基板に照射しながらIn薄膜
を形成すると鏡面状態のIn薄膜が得られる。Inフラ
ックスを供給する方法としてはアシストイオンを効果的
に照射するために真空度が3x10ー4Torrのより高い真
空度のプロセス、たとえばイオンビームスパッターや通
常の真空蒸着が望ましい。それらの技術について、詳し
くは図4に示している。図4の(a)及び(b)は、それぞれ
図1(a)で示したような方法でIn薄膜を形成したとき
のアルゴンイオン(アシストイオン)の加速電圧に対す
る拡散反射率(幾何光学条件を満たすものを除いてい
る)とIn薄膜の堆積速度である。図4(a)によれば、
アルゴンイオンを100V以上に加速して基板に照射す
るとIn薄膜の拡散反射率が5%あるいはそれ以下にな
り表面が鏡面状態になっていることを示している。一
方、In薄膜の堆積速度は、アルゴンイオンの加速電圧
を増すにしたがって最初は徐々に低下するが300Vを
過ぎたところからIn薄膜の堆積速度が急激に低下す
る。In薄膜の生産性を考慮するとアルゴンイオンを1
00〜300Vの範囲に加速したものをアシストイオン
として照射することが望ましい。以上のような方法及び
条件でIn薄膜2200〜3000Åを形成すると図1
(b)に示したように平坦なIn薄膜が得られる。さら
に、以上のようにして形成したCuとInの積層膜をH
2Seガス中400℃で1時間程度熱処理するとCuI
nSe2薄膜が、同様にH2Sガス中400℃で1時間程
度熱処理するとCuInS2薄膜が形成できる。また、
前記本発明の方法で作製したCuとInの積層膜上にS
eあるいはTeを約1μm程度真空蒸着にて形成し、窒
素雰囲気の密閉した容器の中で400℃で1時間程度熱
処理するとCuInSe2薄膜あるいは、CuInTe2
薄膜が形成できる。
【0007】以上に述べたような方法で作製したカルコ
パイライト薄膜は、すべて微視的にみても組成が均質な
薄膜であることが電子線マイクロアナライザーの面内分
析で明らかになった。
【0008】
【発明の効果】本発明によってより微視的にみても均質
なカルコパイライト薄膜を製造することができ、その結
果として太陽電池等のデバイスの高性能化をはかること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカルコパイライト薄膜の製造方法を示
した図
【図2】従来のカルコパイライト薄膜の製造方法を示し
た図
【図3】従来のカルコパイライト薄膜の製造方法を示し
た図
【図4】本発明のカルコパイライト薄膜の製造方法に用
いるInの蒸着条件とその拡散反射率及び堆積速度を示
した図
【符号の説明】
1 基板 2 下部電極 3 Cu薄膜 4 In薄膜 5 カルコゲン薄膜 6 カルコパイライト薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にCu薄膜を形成する工程とその上
    に加速したイオンを基板に照射しながら蒸着してIn薄
    膜を形成する工程とカルコゲン蒸気中あるいはカルコゲ
    ンを含むガス雰囲気中で熱処理する工程とからなること
    を特徴とするカルコパイライト薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】基板上にCu薄膜を形成する工程とその上
    に加速したイオンを基板に照射しながら蒸着してIn薄
    膜を形成する工程とさらにその上にカルコゲン薄膜を形
    成する工程と前記工程を経た基板を熱処理する工程とか
    らなることを特徴とするカルコパイライト薄膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】加速したイオンがアルゴンイオンであり、
    In薄膜を蒸着する工程が熱加熱真空蒸着法あるいはイ
    オンビームスパッター法であることを特徴とする請求項
    1または2記載のカルコパイライト薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】加速したイオンがアルゴンイオンであり、
    100〜300Vに加速されていることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のカルコパイライト薄膜の
    製造方法。
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