JPH05335186A - アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法

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JPH05335186A
JPH05335186A JP41074190A JP41074190A JPH05335186A JP H05335186 A JPH05335186 A JP H05335186A JP 41074190 A JP41074190 A JP 41074190A JP 41074190 A JP41074190 A JP 41074190A JP H05335186 A JPH05335186 A JP H05335186A
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和幸 安達
Masaru Endo
優 遠藤
Noboru Haga
昇 羽賀
Mikio Sasaki
幹夫 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】静電容量の向上を図る。 【構成】エッチングされたアルミニウム箔を純水ボイル
した後、本化成および再化成するにあたって、少なくと
もそのいずれかの工程において不飽和ジカルボン酸また
はその塩を含有する硼酸水溶液中で化成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム電解コンデ
ンサ用電極箔の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の電極箔は次のようにし
て作られている。まず、エッチングされ、かつ、純水中
でボイル処理されたアルミニウム箔を用意し、このアル
ミニウム箔を燐酸や硼酸等の水溶液に浸漬し、一定の電
圧を印加して所望厚さの酸化皮膜を生成させる。そし
て、数100℃の高温雰囲気中に数分間放置する熱処理
工程を数回繰返す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では静電容量を高めるのに限度があり、最近とみに要
望されているより一層の小形かつ高容量化に応えること
ができない。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、より高い静電容量が得られることができるように
したアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、請求項1においては、エッチングされたアルミニ
ウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬してボイル処理し
た後、少なくとも不飽和ジカルボン酸またはその塩を含
有する硼酸水溶液中にそのアルミニウム箔を浸漬して陽
極酸化することを特徴としている。
【0006】また請求項2では、エッチングされたアル
ミニウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬してボイル処
理した後、本化成工程を行ない、さらに再化成工程を行
なうアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法に
おいて、上記再化成工程では少なくとも不飽和ジカルボ
ン酸またはその塩を含有する硼酸水溶液を用いて陽極酸
化を行なうことを特徴としている。
【0007】さらに請求項3においては、エッチングさ
れたアルミニウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬して
ボイル処理した後、本化成工程を行ない、さらに再化成
工程を行なうアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製
造方法において、上記本化成工程および上記再化成工程
のいずれにおいても、少なくとも一度は不飽和ジカルボ
ン酸またはその塩を含む硼酸水溶液中で化成することを
特徴としている。
【0008】本化成および再化成は、必要に応じて数回
繰り返されるが、その場合、例えば最初にアルミニウム
箔を硼酸水溶液中に浸漬し、所定時間電圧を印加して第
1の陽極酸化を行ない、引き続きそのアルミニウム箔を
不飽和ジカルボン酸またはその塩を含有する硼酸水溶液
中に浸漬し、所定時間電圧を印加して第2の陽極酸化を
行なうようにしてもよいし、これとは反対に上記の第1
の陽極酸化工程と第2の陽極酸化工程とを入れ替えても
よい。
【0009】ここで使用される不飽和ジカルボン酸また
はその塩としては、例えばフマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸などの鎖式ジカルボン酸またはその塩、フタル
酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロフタル酸またはその
塩などの環式ジカルボン酸またはその塩が好ましい。
【0010】不飽和ジカルボン酸またはその塩を含有す
る硼酸水溶液のpHは3〜9、好ましくは4.5〜7に
設定される。この硼酸水溶液中における不飽和カルボン
酸の濃度は0.002〜1.0wt%、液温は70〜1
00℃が好適である。また、硼酸の濃度は、0.5〜1
0wt%が好ましい。
【0011】本化成後に、減極処理、熱処理および再陽
極酸化処理が少なくとも1回実施される。その場合、再
陽極酸化処理には本化成と同様、不飽和ジカルボン酸ま
たはその塩を含有する硼酸水溶液を用いることが好まし
く、これによれば、従来法に比べて静電容量が約10%
以上増大する。なお、減極処理にはpH7〜9で液温7
0℃のアンモニア水、またはpH4〜8の燐酸水溶液な
どが用いられ、その浸漬時間は1〜5分であることが好
ましい。
【0012】
【実施例】
〔実施例1〕 (A)まず、純度99.99%で厚さ100μmのアル
ミニウムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッ
チング倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20
倍である。
【0013】(B)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0014】(C)次に、硼酸20g/純水1l(リッ
トル)にフマル酸を0.1g添加した液温85℃の硼酸
水溶液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密
度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧200V
まで上昇させ、同電圧を10分間印加して第1の本化成
を行なった。
【0015】(D)引き続き、同アルミニウムエッチン
グ箔を同じく硼酸20g/純水1lにフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密
度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400V
まで上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成
を行なった。
【0016】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lにフマ
ル酸を0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸
漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成
電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加し
た。
【0017】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0018】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0019】(H)上記(C)と同じ条件の水溶液、す
なわち硼酸20g/純水1lにフマル酸を0.1g添加
した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10
mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上
昇させ、同電圧を13分間印加して第1の再化成を行な
った。
【0020】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0021】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0022】(K)引き続き、上記(H)と同じ条件で
再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0023】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.454μF/平方cmであっ
た。
【0024】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極とし、一方純度99.2%で厚さ20μm、
エッチング倍率50倍のアルミニウム箔(15mm×3
00mm)を陰極とし、セパレ−タを介して巻回して、
コンデンサ素子を作成した。そして、このコンデンサ素
子に電解液を含浸させ、ケ−ス内に封入し、定格400
V,16μFの電解コンデンサを作成したところ、その
静電容量は18.0μFであった。
【0025】なお、上記工程(K)と工程(L)との間
に、85wt%の燐酸25ml/lの水溶液であって、
アンモニア水でpH6.5に調整した液温30℃の水溶
液に4分間浸漬処理を行う工程を介在させてもよい。こ
の工程を追加した電解コンデンサは、例えば105℃、
1000時間の高温貯蔵試験における製品の漏れ電流に
よる劣化を防止できる。
【0026】〔実施例2〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0027】(C)硼酸20g/純水1lにマレイン酸
アンモニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶
液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧200Vまで
上昇させ、同電圧を10分間印加して第1の本化成を行
なった。
【0028】(D)引き続き、同アルミニウムエッチン
グ箔を同じく硼酸20g/純水1lにマレイン酸アンモ
ニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加し
て第2の本化成を行なった。
【0029】(E)さらに、硼酸20g/純水1lにマ
レイン酸アンモニウムを0.1g添加した液温85℃の
硼酸水溶液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電
流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧60
0Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加して第3の本
化成を行なった。
【0030】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0031】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0032】(H)硼酸20g/純水1lにマレイン酸
アンモニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶
液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間
印加して第1の再化成を行なった。
【0033】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0034】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0035】(K)引き続き、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0036】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.455μF/平方cmであっ
た。
【0037】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は18.1μFであった。
【0038】〔実施例3〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0039】(C)硼酸20g/純水1lにフタル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニ
ウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電
圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。
【0040】(D)続いて、同アルミニウムエッチング
箔を同じく硼酸20g/純水1lにフタル酸を0.1g
添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度
10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vま
で上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を
行なった。
【0041】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lにフタ
ル酸を0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸
漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成
電圧400Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加し
た。
【0042】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0043】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0044】(H)硼酸20g/純水1lにフタル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の
再化成を行なった。
【0045】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0046】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0047】(K)引き続き、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0048】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.448μF/平方cmであっ
た。
【0049】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は17.8μFであった。
【0050】〔実施例4〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0051】(C)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニ
ウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電
圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。
【0052】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を同じく硼酸20g/純水1lにフマル酸を0.1g添
加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで
上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行
なった。
【0053】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lにフマ
ル酸アンモニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸
水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流
を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40
分間印加した。
【0054】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3
分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0055】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0056】(H)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の
再化成を行なった。
【0057】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に
3分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0058】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0059】(K)しかる後、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0060】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.456μF/平方cmであっ
た。
【0061】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は18.1μFであった。
【0062】〔実施例5〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0063】(C)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニ
ウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電
圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。
【0064】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を同じく硼酸20g/純水1lにフマル酸を0.1g添
加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで
上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行
なった。
【0065】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lにフマ
ル酸を0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸
漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成
電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加して
第3の本化成を行なった。
【0066】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0067】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0068】(H)硼酸20g/純水1lに硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加し
て第1の再化成を行なった。
【0069】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0070】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0071】(K)しかる後、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0072】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.456μF/平方cmであっ
た。
【0073】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は18.1μFであった。
【0074】〔実施例6〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0075】(C)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニ
ウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電
圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。
【0076】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を同じく硼酸20g/純水1lにフマル酸を0.1g添
加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで
上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行
なった。
【0077】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lにフマ
ル酸を0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸
漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成
電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加して
第3の本化成を行なった。
【0078】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0079】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0080】(H)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の
再化成を行なった。
【0081】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0082】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0083】(K)しかる後、硼酸20g/純水1lに
硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸
水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流
を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13
分間印加して第2の再化成を行なった。
【0084】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.455μF/平方cmであっ
た。
【0085】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は18.1μFであった。
【0086】〔実施例7〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0087】(C)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニ
ウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電
圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。
【0088】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を同じく硼酸20g/純水1lにフマル酸を0.1g添
加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで
上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行
なった。
【0089】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lに硼酸
アンモニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶
液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間
印加して第3の本化成を行なった。
【0090】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0091】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0092】(H)硼酸20g/純水1lに硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加し
て第1の再化成を行なった。
【0093】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0094】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0095】(K)しかる後、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0096】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.450μF/平方cmであっ
た。
【0097】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は17.9μFであった。
【0098】〔実施例8〕 (A)のアルミニウムエッチング箔および(B)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0099】(C)硼酸20g/純水1lにフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニ
ウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電
圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。
【0100】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を硼酸20g/純水1lに硼酸アンモニウムを0.5g
添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度
10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vま
で上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を
行なった。
【0101】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を同じく硼酸20g/純水1l
に硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温85℃の硼
酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を4
0分間印加して第3の本化成を行なった。
【0102】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0103】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0104】(H)硼酸20g/純水1lに硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加し
て第1の再化成を行なった。
【0105】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0106】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0107】(K)しかる後、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成を繰り返した(第2の再化成)。
【0108】(M)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.440μF/平方cmであっ
た。
【0109】(L)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その静電容
量は17.5μFであった。
【0110】<比較例1> (a)使用したアルミニウムエッチング箔、上記実施例
1の(A)と同じ。
【0111】(b)ボイル工程も上記実施例1の(B)
と同じ。
【0112】(c)硼酸20g/純水1lの水溶液、液
温85℃中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流
密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧200
Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第1の本化
成を行なった。
【0113】(d)次に、同アルミニウムエッチング箔
を硼酸20g/純水1lの水溶液、液温85℃中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第
2の本化成を行なった。
【0114】(e)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lの水溶
液、液温85℃中に浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電
圧を40分間印加して第2の本化成を行なった。
【0115】(f)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3
分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0116】(g)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0117】(h)第1の再化成として、上記(c)と
同じ条件の水溶液すなわち硼酸20g/純水1lの水溶
液、液温85℃中に浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電
圧を13分間印加した。
【0118】(i)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に
3分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0119】(j)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0120】(k)再び、硼酸20g/純水1lの水溶
液、液温85℃中に再度浸漬し、電流密度10mA/平
方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、
同電圧を13分間印加して第2の再化成を行なった。
【0121】(l)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.296μF/平方cmであっ
た。
【0122】(m)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様の定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その容量は
11.7μFであった。
【0123】<比較例2> (a)のアルミニウムエッチング箔および(b)のボイ
ル工程は上記実施例1と同じ。
【0124】(c)硼酸20g/純水1lに硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
アルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第1の本化成を行なっ
た。
【0125】(d)次に、同アルミニウムエッチング箔
を硼酸20g/純水1lに硼酸アンモニウムを0.5g
添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエッ
チング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流
を流し、化成電圧400Vまで上昇させ、同電圧を10
分間印加して第2の本化成を行なった。
【0126】(e)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を硼酸20g/純水1lに硼酸
アンモニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶
液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで
上昇させ、同電圧を40分間印加した。
【0127】(f)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3
分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0128】(g)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0129】(h)第1の再化成として、硼酸20g/
純水1lに硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温8
5℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方
cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同
電圧を13分間印加した。
【0130】(i)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に
3分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0131】(j)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0132】(k)再び、硼酸20g/純水1lに硼酸
アンモニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶
液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間
印加して第2の再化成を行なった。
【0133】(l)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.423μF/平方cmであっ
た。
【0134】(m)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様の定格400V,1
6μFの電解コンデンサを作成したところ、その容量は
16.8μFであった。
【0135】参考までに、次表に上記各実施例および各
比較例で得られた化成箔の箔容量とその化成箔を用いて
試作した電解コンデンサの静電容量を示す。
【0136】
【表1】 この表から明らかなように、本発明によると箔容量およ
び製品容量ともに、従来法による比較例に比べて約10
%以上増大している。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エッチングされたアルミニウム箔を純水ボイルした後、
少なくとも本化成工程において、不飽和カルボン酸もし
くはその塩を含有する硼酸水溶液中で化成するようにし
たことにより、静電容量の高い電極箔が製造される。
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 アルミニウム電解コンデンサ用電
極箔の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム電解コンデ
ンサ用電極箔の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の電極箔は次のようにし
て製造されている。まず、エッチングされ、かつ、純水
中でボイル処理されたアルミニウム箔を用意し、このア
ルミニウム箔を燐酸や硼酸等の水溶液に浸漬し、一定の
電圧を印加して陽極酸化処理(化成処理)を行ない、所
望の厚さの酸化皮膜を生成させる。そして、酸またはア
ルカリ水溶液中に浸漬する減極処理および数100℃の
高温雰囲気中に数分間放置する熱処理工程を行なう。こ
れら化成処理、減極処理、熱処理は、通常数回繰り返さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では静電容量を高めるのに限度があり、最近とみに要
望されているより一層の小形かつ高容量化に応えること
ができない。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、より高い静電容量が得られることができるように
したアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、請求項1においては、エッチングされたアルミニ
ウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬してボイル処理し
た後、少なくとも不飽和ジカルボン酸またはその塩を含
有する硼酸水溶液中にそのアルミニウム箔を浸漬して陽
極酸化することを特徴としている。
【0006】また請求項2では、エッチングされたアル
ミニウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬してボイル処
理した後、本化成工程を行ない、さらに再化成工程を行
なうアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法に
おいて、上記再化成工程では少なくとも不飽和ジカルボ
ン酸またはその塩を含有する硼酸水溶液を用いて陽極酸
化を行なうことを特徴としている。
【0007】さらに請求項3においては、エッチングさ
れたアルミニウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬して
ボイル処理した後、本化成工程を行ない、さらに再化成
工程を行なうアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製
造方法において、上記本化成工程および上記再化成工程
のいずれにおいても、少なくとも一度は不飽和ジカルボ
ン酸またはその塩を含む硼酸水溶液中で化成することを
特徴としている。
【0008】本化成および再化成は、必要に応じて数回
繰り返されるが、その場合、例えば最初にアルミニウム
箔を硼酸水溶液中に浸漬し、所定時間電圧を印加して第
1の陽極酸化(本化成処理)を行ない、必要に応じて減
極処理を行なった後、引き続きそのアルミニウム箔を不
飽和ジカルボン酸またはその塩を含有する硼酸水溶液中
に浸漬し、所定時間電圧を印加して第2の陽極酸化(再
化成処理)を行なう。これとは反対に上記の第1の陽極
酸化工程と第2の陽極酸化工程とを入れ替えてもよい。
【0009】本化成処理および再化成処理は、それぞれ
液組成、電圧印加時間などの条件を代えた複数の陽極酸
化処理であってもよい。
【0010】ここで使用される不飽和ジカルボン酸また
はその塩としては、例えばフマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸などの鎖式ジカルボン酸またはその塩、フタル
酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロフタル酸またはその
塩などの環式ジカルボン酸またはその塩が好ましい。
【0011】本発明においては、不飽和ジカルボン酸ま
たはその塩に代えて、その前駆体を適宜用いてもよい。
この場合の前駆体としては、酸アミド、エステル、酸無
水物などが例示される。
【0012】不飽和ジカルボン酸またはその塩を含有す
る硼酸水溶液のpHは3〜9、好ましくは4.5〜7に
設定される。この硼酸水溶液中における不飽和カルボン
酸の濃度は0.002〜1.0wt%、液温は70〜1
00℃が好適である。また、硼酸の濃度は、0.5〜1
0wt%が好ましい。
【0013】本化成後に、減極処理、熱処理および再陽
極酸化処理が少なくとも1回実施される。その場合、再
陽極酸化処理には本化成と同様、不飽和ジカルボン酸ま
たはその塩を含有する硼酸水溶液を用いることが好まし
く、これによれば、従来法に比べて静電容量が約10%
以上増大する。なお、減極処理にはpH7〜9で液温5
0〜90℃のアンモニア水(濃度0.001〜0.2w
t%)、またはpH4〜8の燐酸水溶液(濃度0.1〜
8wt%)などが用いられ、その浸漬時間は1〜5分で
あることが好ましい。
【0014】
【実施例】 〔実施例1〕 (A)まず、純度99.99%で厚さ100μmのアル
ミニウムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッ
チング倍率はエッチングしていない平坦(プレーン)箔
に対して20倍である。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)次に、純水1l(リットル)に硼酸を20gおよ
びフマル酸を0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液
中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10
mA/平方cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上
昇させ、同電圧を10分間印加して第1の本化成を行な
った。 (D)引き続き、同アルミニウムエッチング箔を同じく
純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1g添加
した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10
mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上
昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行な
った。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加した。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)上記(C)と同じ条件の水溶液、すなわち純水1
lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1g添加した液
温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/
平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇さ
せ、同電圧を13分間印加して第1の再化成を行なっ
た。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)引き続き、上記(H)と同じ条件で再化成を繰り
返した(第2の再化成)。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.454μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極と
し、一方純度99.2%で厚さ20μm、エッチング倍
率50倍のアルミニウム箔(15mm×300mm)を
陰極とし、セパレ−タを介して巻回して、コンデンサ素
子を作成した。そして、このコンデンサ素子に電解液を
含浸させ、ケ−ス内に封入し、定格400V16μFの
電解コンデンサを作成したところ、その静電容量は1
8.0μFであった。
【0015】なお、上記工程(K)と工程(L)との間
に、85wt%の燐酸25ml/lの水溶液であって、
アンモニア水でpH6.5に調整した液温30℃の水溶
液に4分間浸漬処理を行なう工程を介在させてもよい。
この工程を追加した電解コンデンサは、例えば105
℃、1000時間の高温貯蔵試験における製品の漏れ電
流による劣化を防止できる。
【0016】〔実施例2〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびマレイン酸アンモ
ニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
アルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第1の本化成を行なっ
た。 (D)引き続き、同アルミニウムエッチング箔を同じく
純水1lに硼酸を20gおよびマレイン酸アンモニウム
を0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第
2の本化成を行なった。 (E)さらに、純水1lに硼酸を20gおよびマレイン
酸アンモニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水
溶液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度
10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vま
で上昇させ、同電圧を40分間印加して第3の本化成を
行なった。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよびマレイン酸アンモ
ニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加し
て第1の再化成を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)引き続き、同実施例の上記(H)と同じ条件で再
化成を繰り返した(第2の再化成)。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.455μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は18.1μF
であった。
【0017】〔実施例3〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびフタル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエ
ッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電圧を1
0分間印加して第1の本化成を行なった。 (D)続いて、同アルミニウムエッチング箔を同じく純
水1lに硼酸を20gおよびフタル酸を0.1g添加し
た液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10m
A/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇
させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行なっ
た。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよびフタル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧4
00Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加した。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよびフタル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密
度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600V
まで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の再化成
を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)引き続き、同実施例の上記(H)と同じ条件で再
化成を繰り返した(第2の再化成)。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.448μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は17.8μF
であった。
【0018】〔実施例4〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエ
ッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電圧を1
0分間印加して第1の本化成を行なった。 (D)次に、同アルミニウムエッチング箔を同じく純水
1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1g添加した
液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行なっ
た。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸ア
ンモニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液
中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間
印加した。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密
度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600V
まで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の再化成
を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)しかる後、同実施例の上記(H)と同じ条件で再
化成を繰り返した(第2の再化成)。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.456μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μF の電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は18.1μF
であった。
【0019】〔実施例5〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエ
ッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電圧を1
0分間印加して第1の本化成を行なった。 (D)次に、同アルミニウムエッチング箔を同じく純水
1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1g添加した
液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行なっ
た。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加して第3の
本化成を行なった。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモニウム
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第
1の再化成を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)しかる後、同実施例の上記(H)と同じ条件で再
化成を繰り返した(第2の再化成)。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.456μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は18.1μF
であった。
【0020】〔実施例6〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエ
ッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電圧を1
0分間印加して第1の本化成を行なった。 (D)次に、同アルミニウムエッチング箔を同じく純水
1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1g添加した
液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行なっ
た。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を
0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加して第3の
本化成を行なった。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密
度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600V
まで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の再化成
を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)しかる後、純水1lに硼酸を20gおよび硼酸ア
ンモニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液
中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間
印加して第2の再化成を行なった。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.455μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は18.1μF
であった。
【0021】〔実施例7〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエ
ッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電圧を1
0分間印加して第1の本化成を行なった。 (D)次に、同アルミニウムエッチング箔を同じく純水
1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1g添加した
液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行なっ
た。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモ
ニウムを0.1g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加し
て第3の本化成を行なった。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモニウム
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第
1の再化成を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)しかる後、同実施例の上記(H)と同じ条件で再
化成を繰り返した(第2の再化成)。 (L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.450μF/平方cmであった。 (M)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は17.9μF
であった。
【0022】〔実施例8〕 (A)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (B)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (C)純水1lに硼酸を20gおよびフマル酸を0.1
g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエ
ッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同電圧を1
0分間印加して第1の本化成を行なった。 (D)次に、同アルミニウムエッチング箔を純水1lに
硼酸を20gおよび硼酸アンモニウムを0.5g添加し
た液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10m
A/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇
させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成を行なっ
た。 (E)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を同じく純水1lに硼酸を20gおよび硼酸
アンモニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶
液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間
印加して第3の本化成を行なった。 (F)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (H)純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモニウム
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第
1の再化成を行なった。 (I)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬し、減極処理
を行なった。 (J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (K)しかる後、同実施例の上記(H)と同じ条件で再
化成を繰り返した(第2の再化成)。 (M)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.440μF/平方cmであった。 (L)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様、定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その静電容量は17.5μF
であった。
【0023】<比較例1> (a)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (b)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (c)純水1lに硼酸20gを添加した硼酸水溶液、液
温85℃中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流
密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧200
Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第1の本化
成を行なった。 (d)次に、同アルミニウムエッチング箔を純水1lに
硼酸20gを添加した硼酸水溶液、液温85℃中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第
2の本化成を行なった。 (e)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸20gを添加した硼酸水溶
液、液温85℃中に浸漬し、電流密度10mA/平方c
mの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電
圧を40分間印加して第2の本化成を行なった。 (f)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。 (g)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (h)第1の再化成として、上記(c)と同じ条件の水
溶液、すなわち純水1lに硼酸20gを添加した硼酸水
溶液、液温85℃中に浸漬し、電流密度10mA/平方
cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同
電圧を13分間印加した。 (i)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。 (j)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (k)再び、純水1lに硼酸20gを添加した硼酸水溶
液、液温85℃中に再度浸漬し、電流密度10mA/平
方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、
同電圧を13分間印加して第2の再化成を行なった。 (l)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.296μF/平方cmであった。 (m)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様の定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その容量は11.7μFであ
った。
【0024】<比較例2> (a)純度99.99%で厚さ100μmのアルミニウ
ムエッチング箔を用意した。この場合、そのエッチング
倍率はエッチングしていない平坦箔に対して20倍であ
る。 (b)このアルミニウムエッチング箔を液温98℃以上
の純水中で15分間ボイル処理した。 (c)純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモニウム
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミ
ニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方
cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同
電圧を10分間印加して第1の本化成を行なった。 (d)次に、同アルミニウムエッチング箔を純水1lに
硼酸を20gおよび硼酸アンモニウムを0.5g添加し
た液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエッチング
箔を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流
し、化成電圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間
印加して第2の本化成を行なった。 (e)さらに、第3の本化成として、同アルミニウムエ
ッチング箔を純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
アルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇さ
せ、同電圧を40分間印加した。 (f)化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。 (g)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (h)第1の再化成として、純水1lに硼酸を20gお
よび硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温85℃の
硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの
電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を
13分間印加した。 (i)再化成後のアルミニウムエッチング箔を液温70
℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。 (j)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱処理した。 (k)再び、純水1lに硼酸を20gおよび硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加し
て第2の再化成を行なった。 (l)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容量を測定した
ところ、0.423μF/平方cmであった。 (m)この化成箔(15mm×270mm)を陽極とし
て、実施例1と同様の定格400V16μFの電解コン
デンサを作成したところ、その容量は16.8μFであ
った。
【0025】参考までに、次表に上記各実施例および各
比較例で得られた化成箔の静電容量とその化成箔を用い
て試作した電解コンデンサの静電容量を示す。
【0026】
【表1】 この表から明らかなように、本発明によると箔の静電容
量および製品の静電容量ともに、従来法による比較例に
比べて約10%以上増大している。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エッチングされたアルミニウム箔を純水ボイルした後、
少なくとも本化成工程において、不飽和カルボン酸また
はその塩を含有する硼酸水溶液中で化成するようにした
ことにより、静電容量の高い電極箔が製造される。
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 優 神奈川県藤沢市辻堂新町2丁目2番1号 エルナ−株式会社内 (72)発明者 羽賀 昇 神奈川県藤沢市辻堂新町2丁目2番1号 エルナ−株式会社内 (72)発明者 佐々木 幹夫 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号 旭 硝子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチングされたアルミニウム箔を高温
    の純水中に所定時間浸漬してボイル処理した後、少なく
    とも不飽和ジカルボン酸またはその塩を含有する硼酸水
    溶液中にそのアルミニウム箔を浸漬して陽極酸化するこ
    とを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 エッチングされたアルミニウム箔を高温
    の純水中に所定時間浸漬してボイル処理した後、本化成
    工程を行ない、さらに再化成工程を行なうアルミニウム
    電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、上記再化
    成工程では少なくとも不飽和ジカルボン酸またはその塩
    を含有する硼酸水溶液を用いて陽極酸化を行なうことを
    特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 エッチングされたアルミニウム箔を高温
    の純水中に所定時間浸漬してボイル処理した後、本化成
    工程を行ない、さらに再化成工程を行なうアルミニウム
    電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、上記本化
    成工程および上記再化成工程のいずれにおいても、少な
    くとも一度は不飽和ジカルボン酸またはその塩を含む硼
    酸水溶液中で化成することを特徴とするアルミニウム電
    解コンデンサ用電極箔の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007095934A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Showa Denko Kk 弁作用金属材料の化成処理方法

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JP2005200715A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Nichicon Corp アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法
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