JPH0513279A - アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法

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JPH0513279A
JPH0513279A JP3186907A JP18690791A JPH0513279A JP H0513279 A JPH0513279 A JP H0513279A JP 3186907 A JP3186907 A JP 3186907A JP 18690791 A JP18690791 A JP 18690791A JP H0513279 A JPH0513279 A JP H0513279A
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JP
Japan
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foil
boric acid
chemical conversion
treatment
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Withdrawn
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JP3186907A
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English (en)
Inventor
Manabu Kazuhara
学 数原
Kazuyuki Adachi
和幸 安達
Masaru Endo
優 遠藤
Noboru Haga
昇 羽賀
Mikio Sasaki
幹夫 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Elna Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Elna Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電解コンデンサ用電極箔の静電容量の向上を図
る。 【構成】エッチングされたアルミニウム箔を純水ボイル
した後、本化成処理および再化成処理するにあたって、
少なくともそのいずれかの工程において高分子酸または
その塩を含有する硼酸水溶液中で化成処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム電解コン
デンサ用電極箔の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の電極箔は次のようにし
て製造されている。まず、エッチングされ、かつ、純水
中でボイル処理されたアルミニウム箔を用意し、このア
ルミニウム箔を燐酸や硼酸等の水溶液に浸漬し、一定の
電圧を印加して陽極酸化処理(化成処理)を行ない、所
望厚さの酸化皮膜を生成させる。そして、酸またはアル
カリ水溶液中に浸漬する減極処理および数100℃の高
温雰囲気中に数分間放置する熱処理工程を行なう。これ
ら化成処理、減極処理、熱処理は、通常数回繰り返され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では静電容量を高めるのに限度があり、最近とみに要
望されているより一層の小形かつ高静電容量化に応える
ことができない。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、より高い静電容量が得られることができるように
したアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、請求項1においては、エッチングされたアルミニ
ウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬してボイル処理し
た後、少なくとも高分子酸またはその塩を含有する硼酸
水溶液中にそのアルミニウム箔を浸漬して陽極酸化する
ことを特徴としている。
【0006】また請求項2では、エッチングされたアル
ミニウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬してボイル処
理した後、本化成工程を行ない、さらに再化成工程を行
なうアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法に
おいて、上記再化成工程では少なくとも高分子酸または
その塩を含有する硼酸水溶液を用いて陽極酸化を行なう
ことを特徴としている。
【0007】さらに請求項3においては、エッチングさ
れたアルミニウム箔を高温の純水中に所定時間浸漬して
ボイル処理した後、本化成工程を行ない、さらに再化成
工程を行なうアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製
造方法において、上記本化成工程および上記再化成工程
のいずれにおいても、少なくとも一度は高分子酸または
その塩を含む硼酸水溶液中で化成することを特徴として
いる。
【0008】本化成および再化成は、必要に応じて数回
繰り返されるが、その場合、例えば最初にアルミニウム
箔を硼酸水溶液中に浸漬し、所定時間電圧を印加して第
1の陽極酸化(本化成処理)を行ない、必要に応じて減
極処理を行なった後、引き続きそのアルミニウム箔を高
分子酸またはその塩を含有する硼酸水溶液中に浸漬し、
所定時間電圧を印加して第2の陽極酸化(再化成処理)
を行なうようにされる。
【0009】本化成処理および再化成処理は、それぞれ
組成、電圧時間などの条件を代えた複数の陽極酸化処理
であってもよい。
【0010】使用し得る高分子酸またはその塩として
は、一般式として、
【0011】
【化1】 または
【0012】
【化2】 で表される。ここで、RはHまたは好ましくは炭素数
1〜5のアルキル基,mは0〜5,nは3以上,XはC
OOまたはSO,YはH,NH,NR(Rは好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基),Na,KまたはL
i,φはフェニル基である。
【0013】なお、官能基X,Yの他に例えば水酸基,
アミノ基,エステル基などが共存しても良い。
【0014】ここで、化学式1において水酸基を共存さ
せた例を化学式3として示す。なお、同式中Pは1以上
である。
【0015】
【化3】 次に、化学式1においてアミノ基を共存させた例を化学
式4として示す。なお、同式中Qは1以上である。
【0016】
【化4】 また、化学式1において水酸基とアミノ基を共存させた
例を化学式5として示す。なお、同式中P,Qはともに
1以上である。
【0017】
【化5】 これら高分子酸またはその塩としては、ポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、ポリエチレンスルホン酸、ポ
リスチレンスルホン酸、およびそれらのアンモニウム
塩、アルカリ金属塩などが安価であり、特に好ましい。
【0018】上記高分子酸またはその塩の分子量は20
0〜100000,溶解のし易さを考慮すると、一般に
分子量は400〜40000が好ましい。
【0019】本発明においては、高分子酸またはその塩
に代えて、その前駆体を適宜用いてもよい。この場合の
前駆体としては、酸アミド、エステル、酸無水物などが
例示される。
【0020】高分子酸またはその塩を含有する硼酸水溶
液のpHは3〜9、好ましくは4.5〜7に設定され
る。この硼酸水溶液中における高分子酸またはその塩の
濃度は0.001〜5.0wt%、特に好ましくは0.
005〜0.2wt%、液温は70〜100℃が好適で
ある。また、硼酸の濃度は0.5〜10wt%、特に好
ましくは1〜5wt%である。
【0021】本化成処理後に、減極処理、熱処理および
再化成処理が好ましくは少なくとも1回実施される。そ
の場合、再化成処理には、本化成処理と同様、高分子酸
またはその塩を含有する硼酸水溶液を用いることが好ま
しい。本発明よれば、従来法に比べて静電容量が5%以
上増大する。
【0022】なお、減極処理にはpH7〜9で液温50
〜90℃のアンモニア水(濃度0.001〜0.2wt
%)、またはpH4〜8の燐酸水溶液(濃度0.1〜8
wt%)などが用いられ、その浸漬時間は1〜5分間で
あることが好ましい。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕(A)まず、純度99.99%で厚さ10
0μmのアルミニウムエッチング箔を用意した。この場
合、そのエッチング倍率はエッチングしていない平坦
(プレーン)箔に対して20倍である。
【0024】(B)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0025】(C)次に、純水1l(リットル)に硼酸
20gおよびポリアクリル酸アンモニウム(分子量40
00)を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
アルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第1の本化成処理を行な
った。
【0026】(D)引き続き、同アルミニウムエッチン
グ箔を同じく純水1l(リットル)に硼酸20gおよび
ポリアクリル酸アンモニウム(分子量4000)を0.
5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流
密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400
Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化
成処理を行なった。
【0027】(E)さらに、第3の本化成として、同ア
ルミニウムエッチング箔を純水1l(リットル)に硼酸
20gおよびポリアクリル酸アンモニウム(分子量40
00)を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化
成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加し
た。
【0028】(F)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0029】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0030】(H)上記(C)と同じ条件の水溶液、す
なわち純水1l(リットル)に硼酸20gおよびポリア
クリル酸アンモニウム(分子量4000)を0.5g添
加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度1
0mA/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで
上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の再化成処理
を行なった。
【0031】(I)再化成後のアルミニウムエッチング
箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸漬
し、減極処理を行なった。
【0032】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0033】(K)引き続き、上記(H)と同じ条件で
再化成処理を繰り返した(第2の再化成処理)。
【0034】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.442μF/平方cmであっ
た。
【0035】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極とし、一方純度99.2%で厚さ20μm、
エッチング倍率50倍のアルミニウム箔(15mm×3
00mm)を陰極とし、セパレ−タを介して巻回して、
コンデンサ素子を作製した。そして、このコンデンサ素
子に電解液を含浸させ、ケ−ス内に封入し、定格400
V16μFの電解コンデンサを作製したところ、その静
電容量は17.5μFであった。
【0036】なお、上記工程(K)と工程(L)との間
に、85wt%の燐酸25ml/lの水溶液であって、
アンモニア水でpH6.5に調整した液温30℃の水溶
液に4分間浸漬処理を行なう工程を介在させてもよい。
この工程を追加した電解コンデンサは、例えば105
℃、1000時間の高温貯蔵試験における製品の漏れ電
流による劣化を防止できる。
【0037】〔実施例2〕(A)まず、純度99.99
%で厚さ100μmのアルミニウムエッチング箔を用意
した。この場合、そのエッチング倍率はエッチングして
いない平坦箔に対して20倍である。
【0038】(B)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0039】(C)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリメタクリル酸ナトリウム(分子量5000)
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミ
ニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方
cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同
化成電圧を10分間印加して第1の本化成処理を行なっ
た。
【0040】(D)引き続き、同アルミニウムエッチン
グ箔を同じく純水1l(リットル)に硼酸20gおよび
ポリメタクリル酸ナトリウム(分子量5000)を0.
5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流
密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400
Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化
成処理を行なった。
【0041】(E)さらに、純水1l(リットル)に硼
酸20gおよびポリメタクリル酸ナトリウム(分子量5
000)を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中
にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10m
A/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇
させ、同電圧を40分間印加して第3の本化成処理を行
なった。
【0042】(F)化成処理後のアルミニウムエッチン
グ箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸
漬し、減極処理を行なった。
【0043】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0044】(H)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリメタクリル酸ナトリウム(分子量5000)
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧600Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第
1の再化成処理を行なった。
【0045】(I)再化成処理後のアルミニウムエッチ
ング箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間
浸漬し、減極処理を行なった。
【0046】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0047】(K)引き続き、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成処理を繰り返した(第2の再化成処
理)。
【0048】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.440μF/平方cmであっ
た。
【0049】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V16
μFの電解コンデンサを作製したところ、その静電容量
は17.5μFであった。
【0050】〔実施例3〕(A)まず、純度99.99
%で厚さ100μmのアルミニウムエッチング箔を用意
した。この場合、そのエッチング倍率はエッチングして
いない平坦箔に対して20倍である。
【0051】(B)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0052】(C)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリエチレンスルホン酸アンモニウム(分子量1
000)を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中
にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10m
A/平方cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇
させ、同電圧を10分間印加して第1の本化成処理を行
なった。
【0053】(D)続いて、同アルミニウムエッチング
箔を同じく純水1l(リットル)に硼酸20gおよびポ
リエチレンスルホン酸アンモニウム(分子量1000)
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第
2の本化成処理を行なった。
【0054】(E)さらに、第3の本化成処理として、
同アルミニウムエッチング箔を純水1l(リットル)に
硼酸20gおよびポリエチレンスルホン酸アンモニウム
(分子量1000)を0.5g添加した液温85℃の硼
酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電
流を流し、化成電圧400Vまで上昇させ、同電圧を4
0分間印加した。
【0055】(F)化成処理後のアルミニウムエッチン
グ箔を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水
に3分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0056】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0057】(H)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリエチレンスルホン酸(分子量1000)を
0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の
再化成処理を行なった。
【0058】(I)再化成処理後のアルミニウムエッチ
ング箔を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア
水に3分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0059】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0060】(K)引き続き、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成処理を繰り返した(第2の再化成処
理)。
【0061】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.449μF/平方cmであっ
た。
【0062】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V16
μFの電解コンデンサを作製したところ、その静電容量
は17.8μFであった。
【0063】〔実施例4〕(A)まず、純度99.99
%で厚さ100μmのアルミニウムエッチング箔を用意
した。この場合、そのエッチング倍率はエッチングして
いない平坦箔に対して20倍である。
【0064】(B)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0065】(C)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリP(パラ)スチレンスルホン酸アンモニウム
(分子量1000)を0.5g添加した液温85℃の硼
酸水溶液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流
密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧200
Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第1の本化
成処理を行なった。
【0066】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を同じく純水1l(リットル)に硼酸20gおよびポリ
Pスチレンスルホン酸アンモニウム(分子量1000)
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬
し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電
圧400Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第
2の本化成処理を行なった。
【0067】(E)さらに、第3の本化成処理として、
同アルミニウムエッチング箔を純水1l(リットル)に
硼酸20gおよびポリPスチレンスルホン酸アンモニウ
ム(分子量1000)を0.5g添加した液温85℃の
硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cmの
電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を
40分間印加した。
【0068】(F)化成処理後のアルミニウムエッチン
グ箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸
漬し、減極処理を行なった。
【0069】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0070】(H)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリPスチレンスルホン酸(分子量1000)を
0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加して第1の
再化成処理を行なった。
【0071】(I)再化成処理後のアルミニウムエッチ
ング箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間
浸漬し、減極処理を行なった。
【0072】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0073】(K)しかる後、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成処理を繰り返した(第2の再化成処
理)。
【0074】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.450μF/平方cmであっ
た。
【0075】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V16
μFの電解コンデンサを作製したところ、その静電容量
は17.8μFであった。
【0076】〔実施例5〕(A)まず、純度99.99
%で厚さ100μmのアルミニウムエッチング箔を用意
した。この場合、そのエッチング倍率はエッチングして
いない平坦箔に対して20倍である。
【0077】(B)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0078】(C)純水1l(リットル)に硼酸20g
およびポリアクリル酸アンモニウム(分子量4000)
を0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中にアルミ
ニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA/平方
cmの電流を流し、化成電圧200Vまで上昇させ、同
化成電圧を10分間印加して第1の本化成処理を行なっ
た。
【0079】(D)次に、同アルミニウムエッチング箔
を同じく純水1l(リットル)に硼酸20gおよびポリ
アクリル酸アンモニウム(分子量4000)を0.5g
添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度
10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vま
で上昇させ、同電圧を10分間印加して第2の本化成処
理を行なった。
【0080】(E)さらに、第3の本化成処理として、
同アルミニウムエッチング箔を純水1l(リットル)に
硼酸20gおよび硼酸アンモニウムを0.5g添加した
液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇さ
せ、同電圧を40分間印加して第3の本化成処理を行な
った。
【0081】(F)化成処理後のアルミニウムエッチン
グ箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間浸
漬し、減極処理を行なった。
【0082】(G)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0083】(H)純水1l(リットル)に硼酸20g
および硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温85℃
の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平方cm
の電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧
を13分間印加して第1の再化成処理を行なった。
【0084】(I)再化成処理後のアルミニウムエッチ
ング箔を液温70℃、3.5wt%燐酸水溶液に3分間
浸漬し、減極処理を行なった。
【0085】(J)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0086】(K)しかる後、同実施例の上記(H)と
同じ条件で再化成処理を繰り返した(第2の再化成処
理)。
【0087】(L)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.446μF/平方cmであっ
た。
【0088】(M)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様、定格400V16
μFの電解コンデンサを作製したところ、その静電容量
は17.7μFであった。
【0089】<比較例>(a)まず、純度99.99%
で厚さ100μmのアルミニウムエッチング箔を用意し
た。この場合、そのエッチング倍率はエッチングしてい
ない平坦箔に対して20倍である。
【0090】(b)このアルミニウムエッチング箔を液
温98℃以上の純水中で15分間ボイル処理した。
【0091】(c)純水1l(リットル)に硼酸20g
および硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温85℃
の硼酸水溶液中にアルミニウムエッチング箔を浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧2
00Vまで上昇させ、同電圧を10分間印加して第1の
本化成処理を行なった。
【0092】(d)次に、同アルミニウムエッチング箔
を純水1l(リットル)に硼酸20gおよび硼酸アンモ
ニウムを0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に
アルミニウムエッチング箔を浸漬し、電流密度10mA
/平方cmの電流を流し、化成電圧400Vまで上昇さ
せ、同電圧を10分間印加して第2の本化成処理を行な
った。
【0093】(e)さらに、第3の本化成処理として、
同アルミニウムエッチング箔を純水1l(リットル)に
硼酸20gおよび硼酸アンモニウムを0.5g添加した
液温85℃の硼酸水溶液中にアルミニウムエッチング箔
を浸漬し、電流密度10mA/平方cmの電流を流し、
化成電圧600Vまで上昇させ、同電圧を40分間印加
した。
【0094】(f)化成後のアルミニウムエッチング箔
を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア水に3
分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0095】(g)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0096】(h)第1の再化成処理として、純水1l
(リットル)に硼酸20gおよび硼酸アンモニウムを
0.5g添加した液温85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、
電流密度10mA/平方cmの電流を流し、化成電圧6
00Vまで上昇させ、同電圧を13分間印加した。
【0097】(i)再化成処理後のアルミニウムエッチ
ング箔を液温70℃、pH7〜9に調整したアンモニア
水に3分間浸漬し、減極処理を行なった。
【0098】(j)500℃の加熱雰囲気中で2分間熱
処理した。
【0099】(k)再び、純水1l(リットル)に硼酸
20gおよび硼酸アンモニウムを0.5g添加した液温
85℃の硼酸水溶液中に浸漬し、電流密度10mA/平
方cmの電流を流し、化成電圧600Vまで上昇させ、
同電圧を13分間印加して第2の再化成処理を行なっ
た。
【0100】(l)水洗し、乾燥させて化成箔の静電容
量を測定したところ、0.423μF/平方cmであっ
た。
【0101】(m)この化成箔(15mm×270m
m)を陽極として、実施例1と同様の定格400V16
μFの電解コンデンサを作製したところ、その容量は1
6.8μFであった。
【0102】参考までに、次表に上記実施例1〜5およ
び比較例で得られた化成箔の箔容量とその化成箔を用い
て試作した電解コンデンサの静電容量を示す。
【0103】
【表1】 この表から明らかなように、本発明によると箔の静電容
量および製品の静電容量ともに、従来法による比較例に
比べて約5%以上増大している。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エッチングされたアルミニウム箔を純水ボイルした後、
少なくとも本化成処理工程において、高分子酸もしくは
その塩を含有する硼酸水溶液中で化成処理するようにし
たことにより、静電容量の高い電極箔が製造される。
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 優 神奈川県藤沢市辻堂新町2丁目2番1号 エルナ−株式会社内 (72)発明者 羽賀 昇 神奈川県藤沢市辻堂新町2丁目2番1号 エルナ−株式会社内 (72)発明者 佐々木 幹夫 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号 旭 硝子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッチングされたアルミニウム箔を高温の
    純水中に所定時間浸漬してボイル処理した後、少なくと
    も高分子酸またはその塩を含有する硼酸水溶液中にその
    アルミニウム箔を浸漬して陽極酸化することを特徴とす
    るアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  2. 【請求項2】エッチングされたアルミニウム箔を高温の
    純水中に所定時間浸漬してボイル処理した後、本化成工
    程を行ない、さらに再化成工程を行なうアルミニウム電
    解コンデンサ用電極箔の製造方法において、上記再化成
    工程では少なくとも高分子酸またはその塩を含有する硼
    酸水溶液を用いて陽極酸化を行なうことを特徴とするア
    ルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  3. 【請求項3】エッチングされたアルミニウム箔を高温の
    純水中に所定時間浸漬してボイル処理した後、本化成工
    程を行ない、さらに再化成工程を行なうアルミニウム電
    解コンデンサ用電極箔の製造方法において、上記本化成
    工程および上記再化成工程のいずれにおいても、少なく
    とも一度は高分子酸またはその塩を含む硼酸水溶液中で
    化成することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ
    用電極箔の製造方法。
JP3186907A 1991-07-01 1991-07-01 アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 Withdrawn JPH0513279A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09162081A (ja) * 1995-12-08 1997-06-20 Nichicon Corp 電解コンデンサ用電極箔の化成方法
JPH1079326A (ja) * 1996-09-03 1998-03-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンデンサおよびその製造方法
JPH1174159A (ja) * 1997-08-28 1999-03-16 Nichicon Corp 電解コンデンサの駆動用電解液
JP2010080599A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Hitachi Chemical Electronics Co Ltd 導電性高分子固体電解コンデンサの製造方法
JP2018039977A (ja) * 2016-09-01 2018-03-15 株式会社豊田自動織機 イオン伝導性材料

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