JPH053328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は印刷部材を具備し所定の印字径路に沿
つて往復移動するキヤリツジを有するシリアルプ
リンタにおける紙排出径路の装置に関する。

〈従来技術〉 従来のシリアルプリンタの紙排出径路において
は、紙の排出を容易にし印字状態を目視で確認で
きるように、印字後の紙規制のための紙ガイドが
設けられていた。

第４図によつて説明すると紙案内（外）１と紙
案内（内）２によつて形成される挿入径路に矢印
Ａの方向から記録紙を挿入する。紙押えローラ３
と紙送りローラ４によつて送られた記録紙は紙ガ
イド８によつて排出径路を規制され矢印Ｂの方向
へ排出される、キヤリツジ側の記録紙は、印刷部
材６と紙案内（内）２の間を通過し紙ガイド８の
開口部側に案内されるが、キヤリツジが位置して
いないところの記録紙は、記録紙の剛性により紙
ガイド８の開口部と反対側に搬送され易かつた。
その場合、キヤリツジ７が移動して記録紙を破損
したり記録紙が印刷部材６と紙案内（内）２に挟
まつたりする紙ジヤムが発生し、ときには印刷部
材６をも破損する重大な欠点があつた。

又、実公昭55−37391号に示されるように、揺
動レバーは印字ヘツドの下方のペーパーパンに固
定された支持板に回転可能に支持され、ばねによ
り初期姿勢を保つ形式のものであつたが、紙ジヤ
ムが発生した場合紙屑を取り除くのに手間取り、
又、印字ヘツドが揺動レバーに当接する際、印字
ヘツドの速度が変化しドツト粗密が発生し印字品
質が低下する欠点があつた。

〈考案の目的〉 本考案は、このような欠点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは印字品質を損
ねることがなく、記録紙セツト時の紙ジヤムをな
くして記録紙挿入時の信頼性を向上させることに
ある。

又、紙ジヤムが発生した場合は、容易に除去し
やすくすることにある。

〈構成〉 本考案の特徴となる構成は、印刷手段等が搭載
されたキヤリツジ部を記録紙の搬送方向に対し直
交する方向に移動しながら記録紙に印字を行うシ
リアルプリンタにおいて、記録紙がキヤリツジ部
の印刷手段近傍に案内される紙案内と、印刷手段
の上方に配置された上ぶたと、上ぶたのキヤリツ
ジ側にキヤリツジ部の移動方向に回動自在に支持
され、紙案内より送り出される記録紙を搬送方向
に案内する複数の紙ガイド板とを有し、紙ガイド
板は、その下端部側がキヤリツジ部の移動経路領
域内に位置し、キヤリツジ部の当接により回動さ
れキヤリツジ部が通過後はガイド板の自重により
復帰することを特徴とする。

〈実施例〉 本考案を図面にもとづき説明すると、第１図は
本考案の実施例の断面図であり、第２図はその斜
視図である。紙案内（外）１１と紙案内（内）１
２は記録紙の挿入を容易にする径路を形成してい
る。紙押えローラ１３と紙送りローラ１４により
紙送りが行われる。記録紙に印字を行う印刷手段
である印刷部材１６はキヤリツジ１７上に具備さ
れ、ガイド軸１５に軸支されて印字桁方向に往復
移動する。

紙ガイド板１８は、紙押えローラ１３と紙送り
ローラ１４とによつて送られた紙が、紙案内
（外）１１と紙案内（内）１２との開口部２０の
近傍で、その紙とあたる位置１８ａと上ぶた１９
の開口部２１の近傍で開口部２１に紙を導く位置
１８ｂを円弧で結んだ形状で、桁方向に紙幅をカ
バーする範囲に適当な間隔をおいて複数個設けら
れ、突出部１８ｃとその弾性によつて上ぶた１９
に回動自在に取付けられている。

次に動作を説明する。矢印Ｃの方向より記録紙
を挿入すると、紙案内（外）１１と紙案内（内）
１２によつて形成される径路を通つて、紙押えロ
ーラ１３と紙送りローラ１４によつて紙送りさ
れ、紙案内（外）１１と紙案内（内）１２との開
口部２０より出て、上ぶた１９に回動自在に複数
個取付けられた紙ガイド板１８にあたりその円弧
形状によつて上ぶた１９の開口部２１に導かれ、
印字開始位置まで容易に排出される。次に印字開
始の信号によつて印刷部材１６を具備するキヤリ
ツジ１７は矢印Ｅの方向に印字を行う。このとき
桁方向に適当間隔を持つて上ぶた１９に回動自在
に複数個保持されている紙ガイド板１８は、キヤ
リツジ１７によつて矢印Ｅ方向に押される。紙ガ
イド板１８は回動自在に保持されているため、矢
印Ｆ方向に回転し、キヤリツジ１７の通過後に元
の状態に復帰する。

なお印刷部材１６としては、サーマルヘツド、
ワイヤドツトヘツド、インクジエツトヘツド等、
種々用いることができる。

〈効果〉 以上述べたように本考案によれば、記録紙がキ
ヤリツジ部の印刷手段近傍に案内される紙案内
と、印刷手段の上方に配置された上ぶたと、上ぶ
たのキヤリツジ側にキヤリツジ部の移動方向に回
動自在に支持され、紙案内より送り出される記録
紙を搬送方向に案内する複数の紙ガイド板とを有
し、紙ガイド板は、その下端部側がキヤリツジ部
の移動経路領域内に位置し、キヤリツジ部により
回動されキヤリツジ部が通過後はガイド板の自重
により復帰することにより、紙ガイド板の下端部
は記録紙が排出される紙案内の近くに配置される
ことにより、印刷部材が位置していないところの
紙案内から排出された記録紙は紙ガイド板に確実
に搬送方向に案内され、しかも、紙ガイド板は複
数配置されているので、記録紙が搬送方向とは反
対方向に配送されキヤリツジ部が移動して記録紙
を破る紙ジヤムは発生しなくなり記録紙の挿入性
は格段に向上した。

又、キヤリツジ部が移動して紙ガイド板と当接
しても、紙ガイド板の自重のみであり、その等価
質量は小さなもので且つ機械体毎のバラツキがな
く安定しているため、量産しても紙ガイド板がキ
ヤリツジ部の走行性に与える影響は殆どなく、従
つて当接時のキヤリツジ部の速度変化によりドツ
トの粗密も発生しなく印字品質が損なわれること
もない。

更に、たとえなんらかの異常により紙ジヤムが
発生して記録紙が紙ガイド板にからみついたとし
ても、上ぶたを取り外すことにより破れた小さな
記録紙を取り除くことが非常に容易である。

このように本考案の実用的効果は極めて大きい
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図、第２図はそ
の主要部斜視図、第３図は従来例である。 １１……紙案内（外）、１２……紙案内（内）、
１３……紙押えローラ、１４……紙送りローラ、
１５……ガイド軸、１６……印刷部材、１７……
キヤリツジ、１８……紙ガイド板、１９……上ぶ
た、２０……開口部、２１……上ぶた開口部、２
８……紙ガイド部、２９……上ぶた。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 印刷手段等が搭載されたキヤリツジ部を記録紙
   の搬送方向に対し直交する方向に移動しながら前
   記記録紙に印字を行うシリアルプリンタにおい
   て、 前記記録紙が前記キヤリツジ部の前記印刷手段
   近傍に案内される紙案内と、 前記印刷手段の上方に配置された上ぶたと、 前記上ぶたの前記キヤリツジ側に前記キヤリツ
   ジ部の移動方向に回動自在に支持され、前記紙案
   内より送り出される前記記録紙を搬送方向に案内
   する複数の紙ガイド板とを有し、 前記紙ガイド板は、その下端部側が前記キヤリ
   ツジ部の移動経路領域内に位置し、前記キヤリツ
   ジ部の当接により回動され前記キヤリツジ部が通
   過後は前記ガイド板の自重により復帰することを
   特徴とするシリアルプリンタ。