JPH05332456A - 回転部材のシール構造及びその組付方法並びにシール方法 - Google Patents

回転部材のシール構造及びその組付方法並びにシール方法

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JPH05332456A
JPH05332456A JP13662792A JP13662792A JPH05332456A JP H05332456 A JPH05332456 A JP H05332456A JP 13662792 A JP13662792 A JP 13662792A JP 13662792 A JP13662792 A JP 13662792A JP H05332456 A JPH05332456 A JP H05332456A
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JP
Japan
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peripheral surface
seal
opposed
outer peripheral
inner peripheral
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Application number
JP13662792A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamamoto
隆司 山本
Wataru Egawa
亘 江川
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05332456A publication Critical patent/JPH05332456A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対向外周面及び対向内周面間に簡単に良好な
ラビリンス効果を得て、両部材の軸方向隙間を確実かつ
良好にシールすることができるシール構造とその組付方
法並びにシール方法を提供する。 【構成】 静止側部材3と回転部材4との対向外周面5
及び対向内周面6に環状の第1,第2シール突起11,
12を食い違い状に設け、対向外周面5に突設する第1
シール突起11の外径D1を対向内周面6に突設する第
2シール突起12の内径D2より小径とすると共に、両
部材のうち対向内周面6をもった一方部材3又は4を他
方に対し熱膨張率の小さい材料で形成して、運転時の温
度上昇で各シール突起11,12をラップさせることに
より、軸方向隙間を確実かつ良好にシールできるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静止側部材に対向して
回転する回転部材のシール構造及びその組付方法並びに
シール方法に関するものであって、例えば真空ポンプの
ステータと、該ステータに対し高速回転されるロータと
の間に適用するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静止側部材に対する回転部材のシ
ール構造として、例えば真空ポンプに適用したものは、
実開昭63−54888号公報に記載されている。この
公報記載のものは、図4で示したように、吸気口と排気
口とをもつケーシングAの内部に、ステータBと、該ス
テータBに対向して回転されるロータCとを設けると共
に、このロータCにモータDから延びるロータシャフト
Eを連動連結して、該シャフトEの駆動回転に伴い前記
ロータCを高速回転させることにより、前記ケーシング
Aの吸気口から排気口に向けて排気し、前記吸気口に接
続される真空チャンバーの真空引きを行うようになす一
方、前記ステータBとロータCとの間に形成される排気
通路Fが前記モータDを内装するモータ室G側と連通す
るのを防止するため、シャフト軸受室Hにおける前記シ
ャフトEとの対向部位に、該シャフトE側に向けて突出
する複数の環状シール突起Iを形成して、前記シャフト
Eの回転時に、該シャフトEと前記突起Iとの間に生じ
るラビリンス効果により、前記モータ室Gと前記排気通
路Fとの軸方向隙間をシールして、この排気通路Fから
モータ室G側への排気漏れを防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に、
静止側部材と、該静止側部材に対向状に挿嵌されて回転
駆動される回転部材との軸方向隙間を、確実かつ良好に
シールするためには、前記両部材の対向内周面と対向外
周面とにそれぞれ食い違い状に環状のシール突起を形成
して、該各シール突起を互いにラップさせることが好ま
しく、斯くすることにより前記回転部材の静止側部材に
対する回転時に、その対向内周面と対向外周面間に良好
なラビリンス効果が得られて、これら両部材間の確実か
つ良好なシールが可能となるのである。
【0004】所が、以上の従来の真空ポンプにおいて
は、前記シャフト軸受室Hの片側だけに前記シャフトE
に向けて突出する複数のシール突起Iを設け、この各突
起Iと前記シャフトEとの間に生じるラビリンス効果に
よって、前記排気通路Fと前記モータ室Gとの軸方向隙
間をシールする構造としているため、良好なラビリンス
効果が得られず、また、確実にシールすることもでき
ず、前記排気通路Fからの排気漏れが発生してポンプ効
率が低下するなどの問題があった。尚、前述したよう
に、前記静止側部材と回転部材との間に良好なラビリン
ス効果を得るためには、この回転部材の対向外周面に突
設するシール突起の外径を、前記静止側部材の対向内周
面に突設するシール突起の内径より大径として、これら
各シール突起を組付け時に互いにラップさせる必要があ
るが、このように互いにラップするシール突起を前記両
部材の対向内周面及び対向外周面に予め形成しておく
と、従来の組付技術では、前記各シール突起の存在によ
って前記両部材を挿嵌して組付けることができなかった
のである。また、前記静止側部材と回転部材との間に理
想的なラビリンス効果を得るために、これら両部材をそ
れぞれ長さ方向に複数個に分割して、この分割部材にそ
れぞれ組付時に互いにラップする前記シール突起を設け
て、これら各シール突起を互いにラップさせながら前記
各分割部材を積層状に組付けることも考えられるが、斯
くする場合には、前記静止側部材と回転部材との組付作
業が非常に複雑となり、しかも、これら両部材における
各分割部材の積層隙間から流体漏れが発生し易く、この
流体漏れを阻止することが技術的に困難であることか
ら、採用できなかったのである。
【0005】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その目的は、静止側部材や回転部材を割形にす
ることなく、前記静止側部材と回転部材との対向内周面
及び対向外周面間に簡単に良好なラビリンス効果を得る
ことができて、これら両部材の軸方向隙間を確実かつ良
好にシールすることができるシール構造とその組付方法
並びにシール方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、静止側部材3に対向して回転する回
転部材4のシール構造において、前記静止側部材3と回
転部材4とが相互に対向する対向外周面5と対向内周面
6とに、それぞれ対向周面方向に突出する環状のシール
突起11,12を食い違い状に設けると共に、前記対向
外周面5に突設する第1シール突起11の外径D1を、
前記対向内周面6に突設する第2シール突起12の内径
D2より小径とする一方、前記対向内周面6をもった一
方部材3又は4を、前記対向外周面5をもった他方部材
4又は3に対し熱膨張率の小さい材料で形成したのであ
る。
【0007】第2の発明は、静止側部材3に対向して回
転する回転部材4のシール構造において、前記静止側部
材3と回転部材4とが相互に対向する対向外周面5と対
向内周面6とに、それぞれ対向周面方向に突出する環状
のシール突起11,12を食い違い状に設けると共に、
前記対向外周面5に突設する第1シール突起11の外径
D1を、前記対向内周面6に突設する第2シール突起1
2の内径D2より小径とする一方、前記対向内周面6を
もった一方部材3又は4に、該部材3又は4を冷却する
冷却手段を設けたのである。
【0008】第3の発明は、静止側部材3と回転部材4
とが相互に対向する対向外周面5と対向内周面6とに、
それぞれ対向周面方向に突出する環状のシール突起1
1,12を食い違い状に設けると共に、前記対向外周面
5に突設する第1シール突起11の外径D1を、前記対
向内周面6に突設する第2シール突起12の内径D2よ
り小径とする一方、前記対向内周面6をもった一方部材
3又は4を、前記対向外周面5をもった他方部材4又は
3に対し熱膨張率の小さい材料で形成し、かつ、前記一
方部材3又は4に、該部材3又は4を冷却する冷却手段
を設けたのである。
【0009】第4の発明は、静止側部材3に挿嵌により
組付られ、かつ、前記静止側部材3に対向して回転する
回転部材4のシール構造で、前記静止側部材3と回転部
材4とが相互に対向する対向外周面5と対向内周面6と
に、それぞれ対向周面方向に突出する環状のシール突起
11,12を食い違い状に設けると共に、前記対向外周
面5に突設する第1シール突起11の外径D1を、前記
対向内周面6に突設する第2シール突起12の内径D2
より大径としたシール構造の組付方法において、前記回
転部材4の静止側部材3への挿嵌時、前記対向外周面5
をもった一方部材4又は3を冷却する冷却処理と、前記
対向内周面6をもった他方部材3又は4を加熱する加熱
処理との一方又は双方処理を施し、挿嵌後前記第1シー
ル突起11と第2シール突起12とをラップさせるよう
にしたのである。
【0010】第5の発明は、静止側部材3に対向して回
転する回転部材4のシール方法において、前記静止側部
材3と回転部材4とが相互に対向する対向外周面5と対
向内周面6とに、それぞれ対向周面方向に突出する環状
のシール突起11,12を食い違い状に設けると共に、
前記対向外周面5に突設する第1シール突起11の外径
D1を、前記対向内周面6に突設する第2シール突起1
2の内径D2より小径とする一方、前記対向内周面6を
もった一方部材3又は4を、前記対向外周面5をもった
他方部材4又は3に対し熱膨張率の小さい材料で形成
し、前記回転部材4の回転時に生じる温度上昇により前
記第1シール突起11と第2シール突起12とをラップ
させるようにしたのである。
【0011】
【作用】第1発明のシール構造では、前記静止側部材3
と回転部材4との互いに対向する対向外周面5と対向内
周面6とに、それぞれ環状の第1及び第2シール突起1
1,12が食い違い状に突設され、この第1シール突起
11の外径D1が第2シール突起12の内径D2より小
径とされ、前記両部材のうち一方部材3又は4が他方部
材4又は3に対し熱膨張率の小さい材料で形成されてい
るため、運転時の温度上昇により前記一方部材3又は4
と前記他方部材4又は3とがそれぞれ熱膨張を起こすも
のの、前記一方部材3又は4では温度上昇による熱膨張
が起こり難く、一方、この一方部材3又は4に対し前記
他方部材4又は3側では熱膨張が起こり、前記第1シー
ル突起11が前記第2シール突起12に対し拡径される
こととなって、これら第1及び第2シール突起11,1
2が互いにラップされる。従って、前記静止側部材3と
前記回転部材4との対向外周面5及び対向内周面6間に
大きな隙間を確保して、この回転部材4の回転時に前記
静止側部材3に接触したりするのを防止できながら、前
記第1及び第2シール突起11,12を互いにラップさ
せることが可能となって、前記静止側部材3と回転部材
4との対向外周面5及び対向内周面6間に良好なラビリ
ンス効果が得られ、これら両部材3,4の軸方向隙間を
確実かつ良好にシールすることができる。
【0012】また、以上の構造では、前記対向外周面5
に設けられる第1シール突起11の外径D1を、前記静
止側部材3の対向内周面6に設けられる第2シール突起
12の内径D2よりも小径となし、運転中の温度上昇で
前記一方部材3又は4に対し前記他方部材4又は3を熱
膨張させることにより、前記第1及び第2シール突起1
1,12を互いにラップさせて、前記両部材3,4の対
向外周面5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果
を得るようにしているため、前記一方部材3又は4に他
方部材4又は3を挿嵌して組付けるとき、前記各シール
突起11,12が前記一方部材3又は4に対する他方部
材4又は3の嵌挿を阻害したりすることなく、この一方
部材3又は4への他方部材4又は3の挿嵌を確実に、か
つ、容易に行うことができて、組付作業も簡単に行える
のである。さらに、以上の発明では、前記静止側部材3
と回転部材4とをそれぞれ長さ方向に複数個に分割し
て、この各分割部材を積層状に組付けときに、該各分割
部材に設けたシール突起を互いにラップさせるもののよ
うに組付作業を複雑としたり、また、前記各分割部材の
積層隙間から流体漏れが発生したりすることもないので
ある。
【0013】第2発明のシール構造では、前記両部材の
うち対向内周面をもった一方部材3又は4に冷却手段が
設けられているため、運転時には、該冷却手段で前記一
方部材3又は4が冷却されることにより、この一方部材
3又は4の熱膨張が抑制され、また、前記他方部材4又
は3側では、運転時の温度上昇により熱膨張が起こるこ
とから、これら一方部材3又は4と他方部材4又は3と
の間に大きな熱膨張差が発生して、前記各シール突起1
1,12を互いに確実にラップさせ得るのであり、従っ
て、前記静止側部材3と回転部材4との間に接触したり
することのない大きな隙間を確保できながら、前記第1
及び第2シール突起11,12を互いにラップさせるこ
とが可能となって、前記静止側部材3と回転部材4との
対向外周面5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効
果が得られ、前記両部材3,4間の軸方向隙間を一層確
実かつ良好にシールすることができる。しかも、前述し
た第1発明の場合と同様に、前記対向外周面5に設けら
れる第1シール突起11の外径D1が、前記対向内周面
6に設けられる第2シール突起12の内径D2よりも小
径とされているため、前記一方部材3又は4に他方部材
4又は3を挿嵌して組付けるとき、前記各シール突起1
1,12が嵌挿を阻害したりすることもなく、前記一方
部材3又は4への他方部材4又は3の挿嵌を確実、かつ
容易に行うことができて、組付作業も簡単に行えるので
ある。
【0014】第3発明のシール構造では、前記両部材の
うち対向内周面をもった一方部材3又は4を、対向外周
面5をもった他方部材4又は3に対し熱膨張率の小さい
材料で形成すると共に、前記対向内周面6をもった一方
部材3又は4に冷却手段を設けているため、運転時に
は、該冷却手段で前記一方部材3又は4が冷却され、し
かも、この一方部材3又は4は熱膨張率の小さい材料で
形成されているため、該一方部材3又は4の熱膨張が一
層良好に抑制され、また、前記他方部材4又は3側で
は、運転時の温度上昇により熱膨張が起こることから、
これら一方部材3又は4と他方部材4又は3との間に大
きな熱膨張差が発生して、前記各シール突起11,12
を互いに確実にラップさせ得るのであり、従って、前記
静止側部材3と回転部材4との間に接触したりすること
のない大きな隙間を確保できながら、前記第1及び第2
シール突起11,12を互いにラップさせることが可能
となって、前記静止側部材3と回転部材4との対向外周
面5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得ら
れて、前記両部材3,4間の軸方向隙間を一層確実かつ
良好にシールすることができる。しかも、前述した各発
明の場合と同様に、前記対向外周面5に設けられる第1
シール突起11の外径D1が、前記対向内周面6に設け
られる第2シール突起12の内径D2よりも小径とされ
ているために、前記一方部材3又は4に他方部材4又は
3を挿嵌して組付けるとき、前記各シール突起11,1
2が嵌挿を阻害したりすることはなく、前記一方部材3
又は4への他方部材4又は3の挿嵌を確実に行うことが
できて、組付作業も簡単に行える。
【0015】第4発明にかかるシール構造の組付方法で
は、前記対向外周面5に設けられる第1シール突起11
の外径D1が、前記対向内周面6に設けられる第2シー
ル突起12の内径D2よりも大径とされているが、前記
回転部材4の静止側部材3への挿嵌時に、これら両部材
のうち対向外周面5をもった一方部材3又は4が冷却処
理され、又は、対向内周面6をもった他方部材4又は3
が加熱処理され、若しくは、前記一方部材3又は4と他
方部材4又は3とがそれぞれ共に冷却,加熱処理される
ことにより、これら冷却処理や加熱処理に伴い前記第1
シール突起11や第2シール突起12がそれぞれ縮径又
は拡径されて、前記一方部材3又は4への他方部材4又
は3の挿嵌作業が簡単にできながら、前記各シール突起
11,12を互いに簡単にラップさせることができる。
従って、この第4発明の場合にも、前述した各発明の場
合と同様に、前記回転部材4の静止側部材3に対する挿
嵌作業を簡単に行うことができながら、前記各シール突
起11,12のラップによって、前記対向外周面5及び
対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得られ、前記
両部材3,4間の軸方向隙間を確実かつ良好にシールす
ることができる。
【0016】第5発明のシール方法では、前記対向外周
面5と対向内周面6とに、それぞれ環状の第1及び第2
シール突起11,12を食い違い状に突設し、この第1
シール突起11の外径D1を第2シール突起12の内径
D2より小径とすると共に、前記両部材のうち対向内周
面6をもった一方部材3又は4を対向外周面5をもった
他方部材4又は3に対し熱膨張率の小さい材料で形成し
て、前記回転部材4の回転時に生じる温度上昇により前
記第1シール突起11と第2シール突起12とをラップ
させるようにしているため、この第5発明の場合にも、
前述した各発明の場合と同様に、前記回転部材4の静止
側部材3に対する挿嵌作業を簡単に行うことができなが
ら、運転時には前記各シール突起11,12がラップす
ることになり、このラップによって、前記静止側部材3
と回転部材4との対向外周面5及び対向内周面6間に良
好なラビリンス効果が得られて、前記両部材3,4間の
軸方向隙間を確実かつ良好にシールすることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明にかかる回転部材のシール構造
とその組付方法並びにシール方法を図面の実施例によっ
て説明する。図3は、本発明の適用例として半導体製造
室などを真空引きするために使用される真空ポンプを示
しており、この真空ポンプは、吸気口1aと排気口1b
とを備えたケーシング1の内方上部側に、渦流式ポンプ
要素2を内装している。この渦流式ポンプ要素2は、静
止側部材である円筒形状をなすステータ3と回転部材で
ある筒状のロータ4とを備え、このロータ4の前記ステ
ータ3への挿嵌時に対向される前記ロータ4側の対向外
周面5と、前記ステータ3側の対向内周面6とを、互い
に近接させて挿嵌すると共に、このステータ3の対向内
周面6に、内方に開放する環状の半円溝から成る複数の
排気流路7を形成する一方、前記ロータ4の対向外周面
5に、外方に開放する多数の半円状凹入部8を形成し
て、この各凹入部8に前記排気流路7に臨む羽根81を
設けている。
【0018】また、前記ケーシング1の内方下部側には
モータ9を設け、このモータ9から延びるロータシャフ
ト10を前記ロータ4に連動連結させて、前記モータ9
に伴うロータシャフト10の回転で前記ロータ4を前記
ステータ3に対し高速回転させることにより、前記ケー
シング1の吸気口1aから排気口1bへの排気を行っ
て、前記吸気口1aに接続される前記半導体製造室内な
どを真空にするようにしている。
【0019】しかして、以上のような真空ポンプにおい
て、前記ステータ3とロータ4との間をシールするにあ
たって、第1の発明では、次のようなシール構造を採用
したのである。即ち、図1に拡大して示した実施例は、
前記ロータ4を前記ステータ3の内側に配設して、この
ロータ4の対向外周面5で上下方向複数箇所に、それぞ
れ前記ステータ3の対向内周面6に向かって突出する第
1シール突起11を、また、前記ステータ3の対向内周
面6で上下方向複数箇所に、それぞれ前記ロータ4の対
向外周面5に向かって突出する第2シール突起12を前
記第1シール突起11と食い違い状に設けると共に、こ
の第1シール突起11の外径D1を前記第2シール突起
12の内径D2より小径とする一方、該第2シール突起
12が突設される前記ステータ3を、前記第1シール突
起11が突設される前記ロータ4に対し熱膨張率の小さ
い材料で形成するのであり、例えば前記ロータ4を熱膨
張率の大きいアルミニウム素材などで形成し、また、前
記ステータ3を前記アルミニウムよりも熱膨張率が小さ
いニッケル系合金素材などで形成するのである。
【0020】そして、以上のような真空ポンプの組付時
には、前記ステータ3の内部に前記ロータ4を挿嵌させ
るのであるが、このとき、該ロータ4側に設ける前記第
1シール突起11の外径D1が、前記ステータ3側に設
ける前記第2シール突起12の内径D2よりも小径とさ
れているため、前記ロータ4及びステータ3を割形にす
ることなく、また、これらロータ4及びステータ3に前
記第1,第2シール突起11,12を設けたにも拘ら
ず、これら各シール突起11,12が挿嵌を阻害したり
するすることなく、前記ロータ4のステータ3内への嵌
挿作業を確実に行うことができて、組付作業が簡単に行
える。
【0021】また、以上の真空ポンプを運転するときに
は、前記ステータ3及びロータ4の温度がそれぞれ上昇
するのであるが、前記ステータ3は熱膨張率が小さいニ
ッケル系合金素材などで形成され、一方、前記ロータ4
は前記ステータ3よりも熱膨張率の大きいアルミニウム
素材などで形成されていることから、運転時の温度上昇
によって前記ロータ4側では大きな熱膨張が起こるのに
対し、前記ステータ3側では熱膨張がほとんど起こら
ず、このため、前記ステータ3とロータ4との熱膨張差
により、前記第1及び第2シール突起11,12が互い
にラップされるのであり、従って、前記ロータ4とステ
ータ3との対向外周面5及び5対向内周面6間に大きな
隙間を確保して、前記ロータ4の回転時に前記ステータ
3に接触したりするのを防止しながら、前記第1及び第
2シール突起11,12を互いにラップさせることが可
能となって、前記ロータ4とステータ3との対向外周面
5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得ら
れ、前記ステータ3とロータ4間の軸方向隙間を確実か
つ良好にシールすることができる。
【0022】尚、以上の実施例では、前記第2シール突
起12が突設される前記ステータ3を熱膨張率の小さい
ニッケル系合金素材などで形成し、前記第1シール突起
11が突設される前記ロータ4を熱膨張率の大きいアル
ミニウム素材などで形成したが、前記ロータ4を前記ス
テータ3の外周部に設ける構造においては、前述した場
合とは逆に、前記ステータ3に前記第1シール突起11
を突設すると共に、前記ステータ3を熱膨張率の大きい
アルミニウム素材などで形成し、前記ロータ4に第2シ
ール突起12を突設させて、前記ロータ4を熱膨張率の
小さいニッケル系合金素材などで形成してもよく、斯く
するときにも、前述した場合と同様な作用効果が得られ
る。
【0023】また、第2発明においては、前述した第1
発明の場合と同様に、前記ロータ4とステータ3とに設
けた互いに対向する対向外周面5及び対向内周面6に、
それぞれ第1及び第2シール突起11,12を食い違い
状に設けて、対向外周面5に突設する第1シール突起1
1、即ち、実施例では前記ステータ3の内側に配設する
ロータ4の外周面に突設する第1シール突起11の外径
D1を対向内周面6に突設する前記第2シール突起1
2、即ち、前記ステータ3の内周面6に突設する第2シ
ール突起12の内径D2よりも小径に形成すると共に、
前記ステータ3側に冷却手段を設けるのである。
【0024】具体的には、図3で示したように、前記冷
却手段として、前記ステータ3の外周一部を剥抜いて、
該ステータ3と前記ケーシング1の内壁との間に水冷却
ジャケット13を形成すると共に、この水冷却ジャケッ
ト13に冷却水の供給口13aと排出口13bとをそれ
ぞれ設けるのである。
【0025】そして、運転時に、前記供給口13aから
前記水冷却ジャケット13を経て排出口13bへと冷却
水を循環させて、前記ステータ3の全体を冷却すること
により、前記ステータ3側での熱膨張を抑制し、また、
前記ロータ4側では運転時の温度上昇による熱膨張を起
こさせて、前記ステータ3とロータ4との間に大きな熱
膨張差を積極的に生じさせるのである。すると、この熱
膨張差によって前記第1及び第2シール突起11,12
をより確実にラップさせられることとなり、このため、
前記ロータ4とステータ3との対向外周面5及び対向内
周面6間に接触したりすることのない大きな隙間を確保
できながら、前記第1及び第2シール突起11,12を
互いにラップさせることが可能となって、前記対向外周
面5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得ら
れ、前記ステータ3とロータ4間の軸方向隙間を一層確
実かつ良好にシールすることができる。しかも、前述し
た第1発明の場合と同様に、前記対向外周面5に設けら
れる第1シール突起11の外径D1が、前記対向内周面
6に設けられる第2シール突起12の内径D2よりも小
径とされているため、前記ロータ4及びステータ3を割
形にしなくとも前記ロータ4をステータ3に挿嵌して組
付けるとき、前記各シール突起11,12が嵌挿を阻害
したりすることもなく、前記ロータ4のステータ3への
挿嵌を確実に行うことができて、組付作業も簡単に行え
るのである。
【0026】尚、以上の実施例では、前記ケーシング1
とステータ3との間に前記水冷却ジャケット13を設け
て、前記ステータ3の全体を冷却するようしたが、前記
ロータ4を前記ステータ3の外周部に設ける構造におい
ては前記ロータ4の外周側に水冷却ジャケットから成る
冷却手段を設けて、運転時に、該ジャケットで前記ロー
タ4側を冷却し、このロータ4と前記ステータ3との熱
膨張差で前記第1及び第2シール突起11,12を互い
にラップさせるようにしてもよい。
【0027】さらに、第3の発明では、前述した第1及
び第2発明の場合と同様に、前記ステータ3とロータ4
とに設けた互いに対向する対向外周面5及び対向内周面
6に、それぞれ第1及び第2シール突起11,12を食
い違い状に設けて、対向外周面5に突設する第1シール
突起11即ち、実施例では前記ステータ3の内側に配設
するロータ4の外周面5に突設する第1シール突起11
の外径D1を、対向内周面6に突設する前記第2シール
突起12即ち、前記ステータ3の内周面6に突設する第
2シール突起12の内径D2よりも小径に形成すると共
に、前記ステータ3とロータ4との一方側を熱膨張率が
小さいニッケル系合金素材などで形成し、また、他方側
を熱膨張率の大きいアルミニウム素材などで形成する一
方、前記ステータ3とロータ4との一方側に前記水冷却
ジャケット13から成る冷却手段を設けたのである。
【0028】以上の第3発明においては、運転時に、前
記水冷却ジャケット13で前記ステータ3とロータ4と
のうち、外側に位置する一方側即ち、実施例では前記ス
テータ3が冷却され、しかも、このステータ3とロータ
4との一方側は熱膨張率の小さいニッケル系合金素材な
どで形成されているため、前記ジャケット13による冷
却作用で前記ステータ3とロータ4との一方側の熱膨張
が一層良好に抑制され、また、前記ステータ3とロータ
4との他方側即ち、実施例ではロータ4が、熱膨張率の
大きいアルミニウム素材などで形成されているため、運
転時の温度上昇により大きな熱膨張が起こることとな
る。従って、前記ステータ3とロータ4との間に大きな
熱膨張差が発生して、これら両者の熱膨張差により前記
第1及び第2シール突起11,12が互いに確実にラッ
プされるのであり、このため、前記ステータ3とロータ
4との間に接触したりすることのない大きな隙間を確保
できながら、前記第1及び第2シール突起11,12を
互いにラップさせることが可能となって、前記ステータ
3とロータ4との対向外周面5及び対向内周面6間に良
好なラビリンス効果が得られて、前記ステータ3とロー
タ4との間の軸方向隙間を一層確実かつ良好にシールす
ることができる。
【0029】しかも、前述した第1及び第2発明の場合
と同様に、前記対向外周面5に設けられる第1シール突
起11の外径D1が、前記対向内周面6に設けられる第
2シール突起12の内径D2よりも小径とされているた
めに、前記ロータ4とステータ3とを割形にしなくとも
前記ロータ4をステータ3に挿嵌して組付けるとき、前
記各シール突起11,12が嵌挿を阻害したりすること
はなく、前記ロータ4のステータ3への挿嵌を確実に行
うことができ、組付作業も簡単に行える。
【0030】また、第4の発明は、前記ロータ4とステ
ータ3との組付方法を工夫して、前記第1及び第2シー
ル突起11,12をラップさせるようにしたもので、そ
の詳細を図2に基づいて説明する。即ち、図2に示した
実施例では、前記ロータ4をステータ3の内側に配設し
たもので、前記ロータ4とステータ3との対向外周面5
及び対向内周面6に前記第1及び第2シール突起11,
12を食い違い状に設けると共に、ロータ4の外周面5
に突設する第1シール突起11の外径D1を、図2のイ
で示したように、ステータ3の内周面6に突設する前記
第2シール突起12の内径D2よりも予め大径に形成し
ておき、前記ロータ4を前記ステータ3に挿嵌して組付
けるとき、第1シール突起11を突設した前記ロータ4
の全体を冷却処理して、同図ロの実線で示したように、
前記第1シール突起11の外径D1を前記ステータ3に
設ける第2シール突起12の内径D2よりも小径となる
ように縮径させ、この第2シール突起12を突設したス
テータ3に、前記第1シール突起11を突設したロータ
4を挿嵌するようにしたものである。
【0031】従って、以上のように前記ロータ4を前記
ステータ3内に挿嵌させることにより、前記第1シール
突起11を、図2の点線で示したように、前記第2シー
ル突起12にラップさせることができるのである。
【0032】以上の組付方法によれば、前記ロータ4に
設けられる第1シール突起11の外径D1が、前記ステ
ータ3に設けられる第2シール突起12の内径D2より
も大径とされているにも拘らず、前記ロータ4のステー
タ3内への挿嵌時に、前記ロータ4を冷却処理して前記
第1シール突起11を縮径することにより、前記ロータ
4のステータ3への挿嵌作業が簡単にできるのであり、
また、挿嵌作業後には、前記各シール突起11,12を
互いに簡単にラップさせることができるのである。従っ
て、以上の第4発明の場合にも、前述した各発明の場合
と同様に、前記ロータ4及びステータ3を割形にしなく
とも、前記ロータ4のステータ3への挿嵌作業を簡単に
行うことができながら、前記各シール突起11,12の
ラップによって、前記ロータ4とステータ3との対向外
周面5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得
られ、前記ステータ3とロータ4との間の軸方向隙間を
確実かつ良好にシールすることができる。
【0033】また、以上の組付方法において、例えば前
記ロータ4を冷却する代わりに前記ステータ3を加熱処
理してもよい。この場合前記ステータ3の加熱により、
このステータ3を径方向外方に膨張させて、該ステータ
3に設ける前記第2シール突起12を前記ロータ4側に
設ける第1シール突起11の外径よりも大となるように
拡径させ、前記第2シール突起12の拡径によって前記
ロータ4のステータ3内への挿嵌を行うことができるの
である。また、前記ロータ4を冷却処理し、ステータ3
を加熱処理することにより、これら冷却処理及び加熱処
理に伴い前記第1及び第2シール突起11,12を縮径
及び拡径させて、前記ロータ4のステータ3への挿嵌作
業を行ってもよい。又、以上の組付方法において、前記
ロータ4を前記ステータ3の外周部に設けた場合におい
ては、ステータ3に前記第1シール突起11を突設する
と共に、前記ステータ3を冷却処理し、前記ロータ4に
前記第2シール突起12を突設すると共に、前記ロータ
4を加熱処理するか、又はこれら冷却処理と加熱処理と
の一方のみを行うのである。
【0034】さらに、第5の発明は、運転時に生ずる発
熱を利用して前記ステータ3とロータ4との軸方向隙間
を自動的にシールできるようにしたシール方法に関する
ものである。この第5発明は、前述した第1〜第3発明
の場合と同様に、前記ロータ4とステータ3との対向外
周面5及び対向内周面6に、それぞれ第1及び第2シー
ル突起11,12を食い違い状に設けて、対向外周面5
に突設する第1シール突起11、即ち、実施例では前記
ステータ3の内側に配設するロータ4の外周面5に突設
する第1シール突起11の外径D1を、対向内周面6に
突設する前記第2シール突起12の内径D2より小径に
形成すると共に、前記第2シール突起12が突設される
前記ステータ3を、前記第1シール突起11が突設され
るロータ4に対し熱膨張率の小さい材料、例えば前記ロ
ータ3を熱膨張率の大きいアルミニウム素材などで形成
し、前記ステータ3を前記アルミニウムよりも熱膨張率
が小さいニッケル系合金素材などで形成するのである。
【0035】そして、運転時に、前記ロータ4の回転に
伴う温度上昇によりロータ4の外周面5に突設した前記
第1シール突起11を膨張拡径させ、また、前記ステー
タ3の内周面6に突設した第2シール突起12は拡径膨
張を抑制して、これら第1及び第2シール突起11,1
2を互いにラップさせるのである。
【0036】以上のシール方法によれば、前記ロータ4
とステータ3とに第1及び第2シール突起11,12が
食い違い状に突設され、この第1シール突起11の外径
D1が第2シール突起12の内径D2より小径とされて
いるため、前述した各発明の場合と同様に、前記ロータ
4及びステータ3を割形にしなくとも、前記ロータ4の
ステータ3への挿嵌作業を簡単に行うことができ、しか
も、運転時には、前記ロータ4の回転に伴う温度上昇に
より、ロータ4の外周面5に突設した前記第1シール突
起11が膨張拡径されるのに対し、前記ステータ3は熱
膨張率の小さい材料で形成され、該ステータ3の内周面
6に突設した前記第2シール突起12の膨張拡径が抑制
されることから、これら第1及び第2シール突起11,
12を互いに自動的にラップさせ得るのであり、従っ
て、運転時における前記各シール突起11,12のラッ
プによって、前記ロータ4とステータ3との対向外周面
5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得られ
て、前記ステータ3とロータ4との間の軸方向隙間を確
実かつ良好にシールすることができる。
【0037】又、以上のシール方法において、前記ロー
タ4を前記ステータ3の外周部に設けた場合において
は、ステータ3に前記第1シール突起を突設すると共
に、前記ステータ3を熱膨張率の大きいアルミニウム素
材などで形成し、前記ロータ4に第2シール突起12を
突設させて前記ロータ4を熱膨張率の小さいニッケル系
合金素材などで形成するのである。斯くするときにも、
前述した場合と同様な作用効果が得られる。
【0038】尚、以上には、各発明の実施例として真空
ポンプについて説明したが、本発明では、前記真空ポン
プに限らずターボ式流体機械などにも適用できることは
勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明のシール
構造では、前記静止側部材3と回転部材4とが相互に対
向する対向外周面5と対向内周面6とに、それぞれ対向
周面方向に突出する環状のシール突起11,12を食い
違い状に設けると共に、前記対向外周面5に突設する第
1シール突起11の外径D1を、前記対向内周面6に突
設する第2シール突起12の内径D2より小径とする一
方、前記対向内周面6もった一方部材3又は4を、前記
対向外周面5をもった他方部材4又は3に対し熱膨張率
の小さい材料で形成したから、運転時の温度上昇に伴う
前記一方部材3又は4と前記他方部材4又は3との熱膨
張差により、前記第1シール突起11と第2シール突起
12とを互いにラップさせることができ、従って、前記
静止側部材3と前記回転部材4との対向外周面5及び対
向内周面6間に大きな隙間を確保し、この回転部材4の
回転時に前記静止側部材3に接触したりするのを防止で
きながら、前記第1及び第2シール突起11,12を互
いにラップさせることが可能となって、前記静止側部材
3と回転部材4との対向外周面5及び対向内周面6間に
良好なラビリンス効果が得られ、これら両部材3,4の
軸方向隙間を確実かつ良好にシールすることができる。
また、以上のシール構造では、前記対向外周面5に設け
られる第1シール突起11の外径D1を、前記静止側部
材3の対向内周面6に設けられる第2シール突起12の
内径D2よりも小径としているため、前記一方部材3又
は4に他方部材4又は3を挿嵌して組付けるとき、前記
各シール突起11,12が前記一方部材3又は4に対す
る他方部材4又は3の嵌挿を阻害することなく、この一
方部材3又は4への他方部材4又は3の挿嵌を確実に行
うことができて、組付作業も簡単に行えるのである。さ
らに、以上の第1発明では、前記静止側部材3と回転部
材4とをそれぞれ長さ方向に複数個に分割して、この各
分割部材を積層状に組付けときに、該各分割部材に設け
たシール突起を互いにラップさせるもののように組付作
業を複雑としたり、また、前記各分割部材の積層隙間か
ら流体漏れが発生したりすることもないのである。
【0040】また、第2発明のシール構造では、前記両
部材のうち対向内周面6をもった一方部材3又は4に冷
却手段を設けているため、運転時に、該冷却手段で前記
一方部材3又は4を冷却して、この一方部材3又は4の
熱膨張を抑制し、一方、前記他方部材4又は3側では運
転時の温度上昇で熱膨張を起こさせて、これら一方部材
3又は4と他方部材4又は3との間に大きな熱膨張差を
発生させることにより、前記各シール突起11,12を
互いに確実にラップさせ得るのであり、従って、前記静
止側部材3と回転部材4との間に接触したりすることの
ない大きな隙間を確保できながら、前記第1及び第2シ
ール突起11,12を互いにラップさせることが可能と
なって、前記静止側部材3と回転部材4との対向外周面
5及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得ら
れ、前記両部材3,4間の軸方向隙間を一層確実かつ良
好にシールすることができる。しかも、前述した第1発
明の場合と同様に、前記対向外周面5に設けられる第1
シール突起11の外径D1が、前記対向内周面6に設け
られる第2シール突起12の内径D2よりも小径とされ
ているため、静止側部材3や回転部材4を割形にするこ
となく前記一方部材3又は4に他方部材4又は3を挿嵌
して組付けるとき、前記各シール突起11,12が嵌挿
を阻害したりすることもなく、前記一方部材3又は4へ
の他方部材4又は3の挿嵌を確実に行うことができて組
付作業も簡単に行えるのである。
【0041】さらに、第3発明のシール構造では、前記
両部材のうち対向内周面6をもった一方部材3又は4
を、対向外周面5をもった他方部材4又は3に対し熱膨
張率の小さい材料で形成すると共に、前記対向内周面6
をもった一方部材3又は4に冷却手段を設けているた
め、運転時に、該冷却手段で前記一方部材3又は4を冷
却し、しかも、この一方部材3又は4を熱膨張率の小さ
い材料で形成しているため、該一方部材3又は4の熱膨
張を一層良好に抑制でき、また、前記他方部材4又は3
側では、運転時の温度上昇により熱膨張が起こることと
なって、これら一方部材3又は4と他方部材4又は3と
の間に大きな熱膨張差を発生させて、前記各シール突起
11,12を互いに確実にラップさせ得るのであり、従
って、前記静止側部材3と回転部材4との間に接触した
りすることのない大きな隙間を確保できながら、前記第
1及び第2シール突起11,12を互いにラップさせる
ことが可能となって、前記静止側部材3と回転部材4と
の対向外周面5及び対向内周面6間に良好なラビリンス
効果が得られて、前記両部材3,4間の軸方向隙間を一
層確実かつ良好にシールすることができる。しかも、前
述した各発明の場合と同様に、前記対向外周面5に設け
られる第1シール突起11の外径D1が、前記対向内周
面6に設けられる第2シール突起12の内径D2よりも
小径とされているために、前記一方部材3又は4に他方
部材4又は3を挿嵌して組付けるとき、前記各シール突
起11,12が嵌挿を阻害したりすることはなく、前記
一方部材3又は4への他方部材4又は3の挿嵌を確実に
行うことができて、組付作業も簡単に行える。
【0042】また、第4発明にかかるシール構造の組付
方法では、前記対向外周面5に設けられる第1シール突
起11の外径D1を、前記対向内周面6に設けられる第
2シール突起12の内径D2よりも大径となし、前記回
転部材4の静止側部材3への挿嵌時に、これら両部材の
うち対向外周面5をもった一方部材3又は4を冷却処理
し、又は、対向内周面6をもった他方部材4又は3を加
熱処理し、若しくは、前記一方部材3又は4と他方部材
4又は3とをそれぞれ共に冷却,加熱処理することによ
り、これら冷却処理や加熱処理に伴い前記第1シール突
起11や第2シール突起12を縮径又は拡径させるよう
にしているため、前記第1シール突起11の外径D1が
前記第2シール突起12の内径D2よりも大径とされて
いるにも拘らず、以上のような冷却及び加熱処理を施す
ことにより、前記一方部材3又は4への他方部材4又は
3の挿嵌作業を簡単にできる。しかも、挿嵌作業後に、
冷却処理された前記一方部材3又は4を常温に戻し、又
は、加熱処理された前記他方部材4又は3を常温に戻す
ことによって、前記各シール突起11,12を互いに簡
単にラップさせることができ、従って、前述した各発明
の場合と同様に、前記回転部材4の静止側部材3に対す
る挿嵌作業を簡単に行うことができながら、前記各シー
ル突起11,12のラップによって、前記対向外周面5
及び対向内周面6間に良好なラビリンス効果が得られ、
前記両部材3,4間の軸方向隙間を確実かつ良好にシー
ルすることができる。
【0043】さらに、第5発明にかかるシール方法で
は、前記対向外周面5と対向内周面6とに、それぞれ環
状の第1及び第2シール突起11,12を食い違い状に
突設して、この第1シール突起11の外径D1を第2シ
ール突起12の内径D2より小径に形成すると共に、前
記両部材のうち対向内周面6をもった一方部材3又は4
を、対向外周面5をもった他方部材4又は3に対し熱膨
張率の小さい材料で形成して、前記回転部材4の回転時
に生じる温度上昇により前記第1シール突起11と第2
シール突起12とをラップさせるようにしているため、
前述した各発明の場合と同様に、前記回転部材4の静止
側部材3に対する挿嵌作業を簡単に行うことができなが
ら、運転時に前記各シール突起11,12を自動的にラ
ップさせることができ、前記静止側部材3と回転部材4
との対向外周面5及び対向内周面6間に良好なラビリン
ス効果が得られて、前記両部材3,4間の軸方向隙間を
確実かつ良好にシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各発明を説明する説明図である。
【図2】第4発明を説明する説明図である。
【図3】各発明の適用例として示す真空ポンプの縦断面
図である。
【図4】従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
3 静止側部材(ステータ) 4 回転部材(ロータ) 5 対向外周面 6 対向内周面 11 第1シール突起 12 第2シール突起 D1 外径 D2 内径

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止側部材3に対向して回転する回転部
    材4のシール構造であって、前記静止側部材3と回転部
    材4とが相互に対向する対向外周面5と対向内周面6と
    に、それぞれ対向周面方向に突出する環状のシール突起
    11,12を食い違い状に設けると共に、前記対向外周
    面5に突設する第1シール突起11の外径D1を、前記
    対向内周面6に突設する第2シール突起12の内径D2
    より小径とする一方、前記対向内周面6をもった一方部
    材3又は4を、前記対向外周面5をもった他方部材4又
    は3に対し熱膨張率の小さい材料で形成していることを
    特徴とする回転部材のシール構造。
  2. 【請求項2】 静止側部材3に対向して回転する回転部
    材4のシール構造であって、前記静止側部材3と回転部
    材4とが相互に対向する対向外周面5と対向内周面6と
    に、それぞれ対向周面方向に突出する環状のシール突起
    11,12を食い違い状に設けると共に、前記対向外周
    面5に突設する第1シール突起11の外径D1を、前記
    対向内周面6に突設する第2シール突起12の内径D2
    より小径とする一方、前記対向内周面6をもった一方部
    材3又は4に、該部材3又は4を冷却する冷却手段を設
    けていることを特徴とする回転部材のシール構造。
  3. 【請求項3】 静止側部材3と回転部材4とが相互に対
    向する対向外周面5と対向内周面6とに、それぞれ対向
    周面方向に突出する環状のシール突起11,12を食い
    違い状に設けると共に、前記対向外周面5に突設する第
    1シール突起11の外径D1を、前記対向内周面6に突
    設する第2シール突起12の内径D2より小径とする一
    方、前記対向内周面6をもった一方部材3又は4を、前
    記対向外周面5をもった他方部材4又は3に対し熱膨張
    率の小さい材料で形成し、かつ、前記一方部材3又は4
    に、該部材3又は4を冷却する冷却手段を設けているこ
    とを特徴とする回転部材のシール構造。
  4. 【請求項4】 静止側部材3に挿嵌により組付られ、か
    つ、前記静止側部材3に対向して回転する回転部材4の
    シール構造で、前記静止側部材3と回転部材4とが相互
    に対向する対向外周面5と対向内周面6とに、それぞれ
    対向周面方向に突出する環状のシール突起11,12を
    食い違い状に設けると共に、前記対向外周面5に突設す
    る第1シール突起11の外径D1を、前記対向内周面6
    に突設する第2シール突起12の内径D2より大径とし
    たシール構造の組付方法であって、前記回転部材4の静
    止側部材3への挿嵌時、前記対向外周面5をもった一方
    部材4又は3を冷却する冷却処理と、前記対向内周面6
    をもった他方部材3又は4を加熱する加熱処理との一方
    又は双方処理を施し、挿嵌後前記第1シール突起11と
    第2シール突起12とをラップさせていることを特徴と
    するシール構造の組付方法。
  5. 【請求項5】 静止側部材3に対向して回転する回転部
    材4のシール方法であって、前記静止側部材3と回転部
    材4とが相互に対向する対向外周面5と対向内周面6と
    に、それぞれ対向周面方向に突出する環状のシール突起
    11,12を食い違い状に設けると共に、前記対向外周
    面5に突設する第1シール突起11の外径D1を、前記
    対向内周面6に突設する第2シール突起12の内径D2
    より小径とする一方、前記対向内周面6をもった一方部
    材3又は4を、前記対向外周面5をもった他方部材4又
    は3に対し熱膨張率の小さい材料で形成し、前記回転部
    材4の回転時に生じる温度上昇により前記第1シール突
    起11と第2シール突起12とをラップさせるようにし
    ていることを特徴とする回転部材のシール方法。
JP13662792A 1992-05-28 1992-05-28 回転部材のシール構造及びその組付方法並びにシール方法 Withdrawn JPH05332456A (ja)

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