JPH05332297A - 板金製ポンプケーシング - Google Patents

板金製ポンプケーシング

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JPH05332297A
JPH05332297A JP4165384A JP16538492A JPH05332297A JP H05332297 A JPH05332297 A JP H05332297A JP 4165384 A JP4165384 A JP 4165384A JP 16538492 A JP16538492 A JP 16538492A JP H05332297 A JPH05332297 A JP H05332297A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛性の高い吸込ノズル又は吐出ノズルを有
し、吸込フランジおよび吐出フランジのフランジ単体の
剛性が確保できるとともに、フランジの主要部をポンプ
ケーシングとは異なった材質を選択でき、かつ、各種規
格に対応可能な板金製ポンプケーシングを提供する。 【構成】 ケーシング本体1と、吸込フランジ7と吐出
フランジ6の少なくとも一方とを備えた板金製ポンプケ
ーシングにおいて、吸込フランジ7に接続される吸込ノ
ズル3と、吐出フランジ6に接続される吐出ノズル5と
を備え、吸込ノズル3及び吐出ノズル5の少なくとも一
方は、ケーシング本体1に接合されるとともに相手側フ
ランジとのシール面を構成する略円筒状の環状部材から
なり、環状部材に固定される吸込フランジ7又は吐出フ
ランジ6は相手側フランジとの接続部を構成する厚肉の
剛性を有した部材からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板金製ポンプケーシング
に係り、特にステンレススチール等の鋼板をプレス成形
することにより製作する板金製ポンプケーシングに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からステンレススチール等の鋼板を
プレス成形してポンプケーシングを製作することが行わ
れている。斯かる板金製ポンプケーシングは、プレス成
形の都合上鋳物製ポンプケーシングに比較して板厚を小
さくせざるを得ない。口径100mm以下のポンプケーシ
ングの場合、板金製のポンプケーシングの板厚は、生産
性等を考慮して経験的に鋳物製の1/2.5程度が一般
的である。この板厚比で強度的に検討すると、例えば、
SUS304の許容引張応力は13.1kgf/mm2であるの
に対し、FC200の許容引張応力は2.0kgf/mm2であ
り、板金製ポンプケーシングは、強度的には、この板厚
で十分であっても、剛性確保が困難であった。
【0003】また、プレス成形したポンプケーシングに
吸込フランジおよび吐出フランジを溶接等によって固着
している。斯かるポンプケーシングの吸込フランジおよ
び吐出フランジは、相手側の配管との接続を強固にする
ために、フランジ単体の剛性を確保する必要がある。そ
のため、従来、比較的厚いステンレス鋼板を使用してプ
レス成形により製作するか、又は、薄いステンレス鋼板
を使用してプレス成形によりフランジ本体を製作すると
ともに、このフランジ本体に裏板等の補強材を溶接等に
より固着していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、板金製
ポンプケーシングは、前述したように剛性に欠けるとい
う欠点がある。特に、吸込ノズル及び吐出ノズルは、従
来、口径とほぼ同一径にしているため、配管外力によっ
て変形してしまう恐れがあった。そのため、これら吸込
ノズル及び吐出ノズルを囲むようにリブ等の補強部材を
設けなければならないという問題点があった。
【0005】また、従来のプレス製ポンプケーシングの
吸込フランジおよび吐出フランジは、上述したように、
厚板をプレス成形により製作するか、又は、薄板をプレ
ス成形したフランジ本体に補強材を設けて製作すること
により、フランジ単体の剛性を確保するようにしてい
た。そのため、前者の場合(厚板のプレス成形)には、
プレス成形が容易ではなく、又、ポンプケーシングがス
テンレス製の場合、フランジもステンレス製にしなけれ
ばならないため材料費が高価になるという問題点があっ
た。一方、後者の場合(薄板を補強)には、部品点数が
増加し、製作コストが上昇するという問題点があった。
更に、各種の規格(JIS,DIN等)に基づいた多種
類のフランジを用意して規格に合わせてポンプケーシン
グに接合しているため、フランジ及びポンプケーシング
の製作が煩雑になるという問題点があった。
【0006】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、剛性の高い吸込ノズル又は吐
出ノズルを有し、吸込フランジおよび吐出フランジのフ
ランジ単体の剛性が確保できるとともに、フランジの主
要部をポンプケーシングとは異なった材質を選択でき、
かつ、各種規格に対応可能な板金製ポンプケーシングを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明の板金製ポンプケーシングは、ケーシング
本体と、吸込フランジと吐出フランジの少なくとも一方
とを備えた板金製ポンプケーシングにおいて、前記吸込
フランジに接続される吸込ノズルと、前記吐出フランジ
に接続される吐出ノズルとを備え、前記吸込ノズル及び
吐出ノズルの少なくとも一方は、前記ケーシング本体に
接合されるとともに相手側フランジとのシール面を構成
する略円筒状の環状部材からなり、該環状部材に固定さ
れる前記吸込フランジ又は吐出フランジは相手側フラン
ジとの接続部を構成する厚肉の剛性を有した部材からな
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】前述した構成からなる本発明によれば、吸込ノ
ズル及び吐出ノズルの少なくとも一方は、ケーシング本
体に接合される環状部材で構成したため、その外径及び
肉厚を大きくでき、剛性を確保することができる。ま
た、ケーシング本体にはノズル部を形成する必要がない
ため、ケーシング本体を単純形状にでき、生産性の向上
を図ることができる。そして、ケーシング本体内に、羽
根車を収容する内ケーシングを設けた場合には、ケーシ
ング本体の形状がハイドロ部に無関係になるため、口径
変化に対して吸込ノズルを構成する環状部材の取替えだ
けで、ケーシング本体が口径に無関係に共用可能にな
る。
【0009】また、吸込フランジ又は吐出フランジは、
ノズル部を構成する環状部材にねじ込み等によって固定
された厚肉の部材により構成したため、該フランジをプ
レス成形以外の方法(例えば、鋳造等)で製作でき、フ
ランジ単体の剛性を容易に確保することができるととも
に、耐食性を必要とするポンプケーシングの場合でも、
非接液部のフランジ本体をケーシング本体とは別材質
の、例えば、鋳鉄等を使用することが可能となり、材料
費の低減及び製作コストの低減を図ることができる。ま
た、ノズルについては何ら変更することなく、フランジ
のみを取替えることができるため、JIS規格、DIN
規格等の各種フランジ規格に対応可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る板金製ポンプケーシング
の一実施例を図1及び図2を参照して説明する。図1は
本発明の板金製ポンプケーシングを備えた陸上設置の横
型遠心ポンプを示す縦断面図である。図1において、符
号1はケーシング本体を構成する外ケーシングを示し、
この外ケーシング1は、ステンレススチール等の一枚の
鋼板をプレスにより深絞りして形成されている。外ケー
シング1は、円筒容器状の本体部2と、この本体部2の
開口部側に設けられたケーシングフランジ4とを備えて
いる。そして、本体部2の底部には開口2aが形成され
るとともに円筒状側壁には吐出ノズル5が溶接等により
固着されており、この吐出ノズル5の先端部に吐出フラ
ンジ6が溶接等により接続されている。また、外ケーシ
ング1の本体部2の開口2aには、吸込ノズル3が嵌合
され溶接によって固定されている。吸込ノズル3は、図
2にその詳細図が示されるように、外径及び肉厚が大き
い環状部材からなっている。吸込ノズル3はケーシング
本体と同材質のステンレススチール等からなり、ノズル
口径Φを形成する開口部3aと凹部3bと雄ねじ部3c
とを有し、その前端面が相手側フランジ(図示せず)と
のシール面3sになっている。即ち、吸込ノズル3の外
周部がシール面外径(ds)を構成している。一方、吸
込ノズル3に固定される吸込フランジ7は、ケーシング
本体とは異なった材料、例えば、鋳鉄(FC)等からな
り、その内端部に雌ねじ部7aを有し、この雌ねじ部7
aによって吸込ノズル3に螺合されている。
【0011】また、図1に示されるように、ケーシング
フランジ4は、モータ(図示せず)のブラケット8に固
定され支持されている。ブラケット8に固定されたケー
シングカバー9は、外ケーシング1の開口部を閉塞する
ように設けられている。
【0012】一方、外ケーシング1の内側には、内ケー
シング10が設けられており、この内ケーシング10は
ステンレススチール等の一枚の鋼板をプレスにより深絞
りして形成されている。内ケーシング10は円筒容器状
の本体部11と、この本体部11より吸込側に延設され
た円筒状の吸込側部12とから構成されている。そし
て、内ケーシング10の本体部11の開口側端部は、ケ
ーシングカバー9に嵌合され支持されている。ケーシン
グカバー9は、鋳物製等からなるモータ側ブラケット8
に保持されているため、高い剛性を有し、この高い剛性
を有したケーシングカバー9に内ケーシング10は支持
されている。内ケーシング10の吸込側部12の一端
は、吸込ノズル3の近傍まで延びている。そして、内ケ
ーシング10の吸込側部12の端部と吸込ノズル3との
間隙には、弾性材からなるシール部材13が介装されて
おり、このシール部材13によって吸込側(低圧側)と
吐出側(高圧側)とがシールされている。なお、シール
部材13は高圧側と低圧側との差圧により吸込側に押さ
れるため、脱落することもなく確実にシールできる。
【0013】内ケーシング10の内側には羽根車14が
収容されており、この羽根車14は主軸15の自由端に
連結され支持されている。主軸15は軸受(図示せず)
により回転自在に支持されており、この主軸15とケー
シングカバー9との間には軸封装置16が設けられてい
る。また内ケーシング10の本体部11の内側にはガイ
ドベーンまたはボリュートを構成する案内装置17が設
置され、吸込側部12の内側には旋回防止板18が固定
されている。内ケーシング10の吸込側部12の後端部
はライナー部Lを構成し、羽根車14の吸込側の端縁部
14aとライナー部Lとの間には僅かなクリアランスが
形成されている。
【0014】前記遠心ポンプの作用を簡単に説明する
と、吸込ノズル3より吸い込まれた流体は、内ケーシン
グ10の吸込側部12を通って羽根車14内に導かれ
る。回転する羽根車14から吐出された流体は、案内装
置17によって圧力回収がなされ、内ケーシング10の
本体部11に穿設された開口部11aより外ケーシング
1と内ケーシング10との間の空間に流入し、その後、
外ケーシング1に形成された吐出ポート2bから吐出ノ
ズル5を経て図示されない吐出配管に排出される。内ケ
ーシング10から外ケーシング1と内ケーシング10と
の間の空間に流入した流体はシール部材13によって吸
込側への流入が防止されている。なお、仮想線で示され
るように内ケーシング10から吐出された流体を吐出ノ
ズル5に導くためのガイド板19を設けても良い。
【0015】本実施例においては、吸込ノズル3を、外
ケーシング1に接合される環状部材で構成したため、そ
の外径及び肉厚を大きくでき、剛性を確保することがで
きる。また、ケーシング本体を構成する外ケーシング1
にはノズル部を形成する必要がないため、ケーシング本
体を単純形状にでき、生産性の向上を図ることができ
る。そして、外ケーシング1内に、羽根車14を収容す
る内ケーシング10を設けているため、ケーシング本体
の形状がハイドロ部に無関係になり、口径変化に対して
吸込ノズルを構成する環状部材の取替えだけで、ケーシ
ング本体が口径に無関係に共用可能になる。
【0016】また、吸込フランジ7を吸込ノズル3にね
じ込み等によって固定される厚肉の部材により構成した
ため、該フランジをプレス成形以外の方法(例えば、鋳
造等)で製作でき、フランジ単体の剛性を容易に確保す
ることができるとともに、耐食性を必要とするポンプケ
ーシングの場合でも、非接液部のフランジをケーシング
本体とは別材質の、例えば、鋳鉄等を使用することが可
能となり、材料費の低減及び製作コストの低減を図るこ
とができる。また、吸込ノズル3については何ら変更す
ることなく、吸込フランジ7のみを取替えることができ
るため、JIS規格、DIN規格等の各種フランジ規格
に対応可能となる。なお、図1に示す実施例において
は、吸込ノズル及び吸込フランジに本発明を適用した
が、吐出ノズル及び吐出フランジに適用した場合も全く
同様である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸込ノズル及び吐出ノズルの少なくとも一方は、ケーシ
ング本体に接合される環状部材で構成したため、その外
径及び肉厚を大きくでき、剛性を確保することができ
る。また、ケーシング本体にはノズル部を形成する必要
がないため、ケーシング本体を単純形状にでき、生産性
の向上を図ることができる。そして、ケーシング本体内
に、羽根車を収容する内ケーシングを設けた場合には、
ケーシング本体の形状がハイドロ部に無関係になるた
め、口径変化に対して吸込ノズルを構成する環状部材の
取替えだけで、ケーシング本体が口径に無関係に共用可
能になる。
【0018】また、本発明によれば、吸込フランジ又は
吐出フランジは、ノズル部を構成する環状部材にねじ込
み等によって固定された厚肉の部材により構成したた
め、該フランジをプレス成形以外の方法(例えば、鋳造
等)で製作でき、フランジ単体の剛性を容易に確保する
ことができるとともに、耐食性を必要とするポンプケー
シングの場合でも、非接液部のフランジをケーシング本
体とは別材質の、例えば、鋳鉄等を使用することが可能
となり、材料費の低減及び製作コストの低減を図ること
ができる。
【0019】さらに、本発明によれば、ノズルについて
は何ら変更することなく、フランジのみを取替えること
ができるため、JIS規格、DIN規格等の各種フラン
ジ規格に対応可能となる。また、フランジはノズルに対
して回転可能であるため、相手側配管フランジのボルト
孔の位置ズレに対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板金製ポンプケーシングを備えた
遠心ポンプの断面図である。
【図2】図1のノズル部及びフランジ部の拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 外ケーシング 2 本体部 3 吸込ノズル 4 ケーシングフランジ 5 吐出ノズル 6 吐出フランジ 7 吸込フランジ 8 ブラケット 9 ケーシングカバー 10 内ケーシング 11 本体部 12 吸込側部 13 シール部材 14 羽根車 15 主軸 16 軸封装置 17 案内装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明の板金製ポンプケーシングは、ケーシング
本体と、吸込フランジと吐出フランジの少なくとも一方
とを備えた板金製ポンプケーシングにおいて、前記吸込
フランジに接続される吸込ノズル又は前記吐出フランジ
に接続される吐出ノズルを備え、前記吸込ノズル及び吐
出ノズルの少なくとも一方は、前記ケーシング本体に接
合されるとともに相手側フランジとのシール面を構成す
る略円筒状の環状部材からなり、該環状部材に螺合され
る前記吸込フランジ又は吐出フランジは剛性を有した部
材からなることを特徴とするものである。
フロントページの続き (72)発明者 伊勢本 耕司 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング本体と、吸込フランジと吐出
    フランジの少なくとも一方とを備えた板金製ポンプケー
    シングにおいて、前記吸込フランジに接続される吸込ノ
    ズルと、前記吐出フランジに接続される吐出ノズルとを
    備え、前記吸込ノズル及び吐出ノズルの少なくとも一方
    は、前記ケーシング本体に接合されるとともに相手側フ
    ランジとのシール面を構成する略円筒状の環状部材から
    なり、該環状部材に固定される前記吸込フランジ又は吐
    出フランジは相手側フランジとの接続部を構成する厚肉
    の剛性を有した部材からなることを特徴とする板金製ポ
    ンプケーシング。
  2. 【請求項2】 前記環状部材は移送流体との接液部を構
    成し前記ケーシング本体と略同材質の耐食性材料からな
    り、前記吸込フランジ又は吐出フランジは非接液部を構
    成し前記ケーシング本体とは別材質からなることを特徴
    とする請求項1記載の板金製ポンプケーシング。
  3. 【請求項3】 前記ケーシング本体内に内ケーシングを
    設け、該ケーシング内に羽根車を収容するとともに内ケ
    ーシングの吸込側端部と前記吸込ノズルとの間隙に弾性
    体からなるシール部材を介装したことを特徴とする請求
    項1記載の板金製ポンプケーシング。
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