JPH05332112A - 内燃機関の吸・排気弁作動装置 - Google Patents

内燃機関の吸・排気弁作動装置

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JPH05332112A
JPH05332112A JP13926892A JP13926892A JPH05332112A JP H05332112 A JPH05332112 A JP H05332112A JP 13926892 A JP13926892 A JP 13926892A JP 13926892 A JP13926892 A JP 13926892A JP H05332112 A JPH05332112 A JP H05332112A
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exhaust valve
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速用カムと低速用カムとの切換に係る応答性
を向上させること。 【構成】吸気弁のバルブタイミングを高速用,低速用に
切換えるカム切換弁70と、排気弁のバルブタイミングを
同様に切換えるVTCソレノイド20と、作動油を供給す
るポンプと、を含んで構成する。低速運転から高速運転
に切換わる際は、排気側に供給していた作動油が減少
し、吸気側が増大する。また、高速運転から低速運転に
切換わる際は、吸気側に供給される作動油が急激に減少
し、排気側に供給されていた作動油が増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸・排気弁
作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から低中速運転時のトルクと高速運
転時の出力向上を両立する目的で、運転状態に応じて吸
気弁または排気弁のリフト特性を異ならせ、これによっ
て吸排気のタイミングあるいは吸排気量を制御すること
が知られている(特開昭63−167013号公報等参
照)。
【0003】このような弁作動タイミングの制御装置
は、吸気弁及び排気弁の駆動系統に、機関の中低速運転
時に適したカムプロフィルを有する低速用カムに摺接す
るロッカアームと、前記ロッカアームと互いに変位可能
に摺接し、かつ機関の高速運転時に適合したカムプロフ
ィルを有する高速用カムと摺接する他のロッカアーム
と、を備えている。そして、ロッカシャフトの内部を油
路として利用し、各々のロッカアームにエンジン側から
該エンジンの駆動力を用いて作動油圧を供給し、該作動
油圧の連通を連結または解除することにより、各ロッカ
アームの内部に設けられた油圧式アクチュエータを切換
えて、高速用カムと低速用カムとの切換を行っている。
そして、図14に示すように、高回転時に排気行程と吸気
行程とのオーバーラップが大きくなるようにしていた。
【0004】さらに、この低速用カムと高速用カムとを
機関の中低速運転時または高速運転時においてそれぞれ
十分潤滑し得るように別個の給油通路が設けられてい
る。ここで、吸気弁及び排気弁の両方の駆動系統に設け
られる従来の給油通路に介装される油圧切換弁について
図15を参照しつつ説明すると、油圧切換弁160 は、ガイ
ド孔161 に摺動自在に嵌合するスプール162 が、スプリ
ング163 により図に示す位置に付勢され、ソレノイド16
4 が励磁されると、前記スプリング163 の弾性力に抗し
て、図で上方に吸引されるようになっている。第1ポー
ト165 は作動油圧の入口であって、油路166 を介してエ
ンジンのオイルポンプ167 に連通している。第2ポート
168 は、油路169 を介して低速用カムを潤滑するための
油路170 に連通している。第3ポート171 は、油路172
を介してロッカシャフト173 内部に設けられた油路174
に連通しており、さらに吸気弁及び排気弁の両方の駆動
系統に設けられる各ロッカアームの内部に設けられた油
圧式アクチュエータ175を含む連結装置に油圧を供給し
ている。
【0005】即ち、エンジンの高速運転時には、スプー
ル162 がソレノイド164 により上方に吸引されるので、
第1ポート165 と第3ポート171 とが連通し、エンジン
側から供給される作動油は主としてロッカシャフト173
内部の油路174 に供給される。これにより、アクチュエ
ータ175 が駆動され高速用カムと低速用カムとの切換が
行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の弁作動タイミングの制御装置にあっては、吸気
弁の駆動系統に設けられる各ロッカアームの内部に設け
られた油圧式アクチュエータ175 と、排気弁の駆動系統
に設けられる各ロッカアームの内部に設けられた油圧式
アクチュエータ175 とに、同一の油圧切換弁160 により
同一の油路172 等を介して油圧を供給している。
【0007】さらに、吸気弁の駆動系統に係る油圧式ア
クチュエータを切換えて、例えば高速用カムから低速用
カムへの切換を行う際には、油圧切換弁160 により同一
の油路172 に作動油を供給すると同時に、排気弁の駆動
系統に係る油圧式アクチュエータを切換えて、高速用カ
ムと低速用カムとの切換を行うべく油圧切換弁160 によ
り同一の油路172 に作動油を供給している。
【0008】このため、同一タイミングでカムの切換応
答性を向上させるためには、相当量の油量と油圧が必要
となり、オイルポンプの大型化や燃費が悪化するという
不具合があった。本発明は、このような従来の問題点に
着目してなされたもので、オイルポンプの大型化や燃費
の悪化を伴うこと無く、低速運転に適した弁のリフト特
性と、高速運転に適した弁のリフト特性との切換を行う
際の、応答性の向上を図った内燃機関の吸・排気弁作動
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明に係る内
燃機関の吸・排気弁作動装置は、図1に示すように、吸
気弁の開閉特性を、高速運転に適した高速用開閉特性と
低速運転に適した低速用開閉特性とに機関油圧によって
可変駆動する吸気弁開閉特性可変手段と、排気弁の開閉
特性を、高速運転に適した高速用開閉特性と低速運転に
適した低速用開閉特性とに機関油圧によって可変駆動す
る排気弁開閉特性可変手段と、内燃機関の回転速度を検
出する回転速度検出手段と、前記回転速度に基づいて前
記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開閉特性可変手
段とへの作動油圧を各々制御する油圧制御手段と、を備
え、前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開閉特性
可変手段とのうち一方が、第1の所定回転速度以上で供
給機関油を増大することによって高速用開閉特性に変更
され、第1の所定回転速度未満で供給機関油を減少する
ことにより低速用開閉特性に戻るように構成される一
方、前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開閉特性
可変手段とのうち他方は、第2の所定回転速度以上で供
給機関油を減少することによって高速用開閉特性に変更
され、第2の所定回転速度未満で供給機関油を増大する
ことにより低速用開閉特性に戻るように構成されると共
に、前記第1の所定回転速度が前記第2の所定回転速度
以上に設定する構成とした。
【0010】
【作用】以上の構成によれば、供給機関油が増大される
場合には、前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開
閉特性可変手段とのうち一方は、第1の所定回転速度以
上で高速用開閉特性に変更され、一方、他方は、前記第
2の所定回転速度未満で低速用開閉特性に変更される。
【0011】また、供給機関油が減少される場合には、
前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開閉特性可変
手段とのうち一方は、第1の所定回転速度未満で低速用
開閉特性に変更され、一方、他方は、前記第2の所定回
転速度以上で高速用開閉特性に変更される。ここで、第
1の所定回転速度は前記第2の所定回転速度以上に設定
されている。
【0012】まず、回転速度が第2の所定回転速度より
第1の所定回転速度を通過して増大していく際の、吸気
弁開閉特性可変手段及び排気弁開閉特性可変手段の変更
作用について説明する。この際、まず第2の所定回転速
度以上となるときに、供給機関油が減少されて前記他方
が、高速用開閉特性に変更される。そして、第1の所定
回転速度以上となるときに、供給機関油が増大されて前
記一方が高速用開閉特性に変更される。
【0013】次に、逆に、回転速度が第1の所定回転速
度及び第2の所定回転速度を通過して減少していく際
の、吸気弁開閉特性可変手段及び排気弁開閉特性可変手
段の変更作用について説明する。このときは、まず第1
の所定回転速度未満となるときに、供給機関油が減少さ
れて、前記一方が低速用開閉特性に変更され、第2の所
定回転速度未満となるときに、供給機関油が増大され
て、前記他方が低速用開閉特性に変更される。
【0014】従って、一方に供給されていた作動油を減
少させて、他方に供給する作動油を増大させるか、或い
は一方に供給されていた作動油を増大させて、他方に供
給する作動油を減少させることにより、開閉特性の変更
が可能となる。もって、供給流量及び供給圧力が必要な
方に不必要な側の作動油を供給することが可能となり、
作動油を効率良く配分することが可能となり、オイルポ
ンプの大型化や燃費の悪化を伴うこと無く、応答性を更
に改善することが出来る。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図2は、本発明に係る油圧切換弁を設けた車両用内
燃機関のシステム構成を示している。機関1には、エア
クリーナ2から、アクセルペダルに連動するスロットル
弁3、吸気マニホールド4及び吸気弁5を経て、空気が
吸入される。
【0016】ここで、本実施例に係る吸気弁5は、後述
するように、コントロールユニット10からの制御信号に
基づいてカム切換弁70を切換えることにより、弁リフト
特性が切換えられるものが用いられている。吸気マニホ
ールド4のブランチ部には各気筒毎に燃料噴射弁6が設
けられている。燃料噴射弁6はソレノイドに通電されて
開弁し通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であ
る。そして、燃料噴射弁6はコントロールユニット10か
らの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図示しな
い燃料ポンプにより圧送されてプレッシャレギュレータ
により所定の圧力に調整されて燃料を噴射する。
【0017】このようにして機関1の燃焼室に混合気が
吸入され、燃焼後、排気弁7、排気マニホールド8及び
触媒9を経て排出される。また、本実施例に係る排気弁
7は、後述するように、コントロールユニット10からの
制御信号に基づいて可変バルブタイミング制御用ソレノ
イド20を作動させ、その開閉タイミングが切換えられる
ものが用いられている。
【0018】コントロールユニット10は、マイクロコン
ピュータを内蔵しており、各種のセンサからの入力信号
に基づいて機関の運転状態を判別し、演算処理し、アク
チュエータであるカム切換弁70及び可変バルブタイミン
グ制御用ソレノイド20の作動を制御する。前記各種セン
サとしては、クランク角センサ11,水温センサ14等が設
けられている。クランク角センサ11は、例えば6気筒の
場合、クランク角 120°毎の基準信号REFとクランク
角1〜2°毎の単位信号POSとを出力する。ここで、
基準信号REFの周期、あるいは所定時間内における単
位信号POSの発生数を計測することにより、機関回転
速度Nを算出可能である。
【0019】即ちクランク角センサ11は、回転速度検出
手段の機能を奏するものである。また、機関1のウォー
タジャケットに臨ませて水温センサ14が設けられてい
て、機関冷却水温Twを検出する。次に、吸気弁5に係
る弁リフト特性の切換及び排気弁7の開閉タイミングの
切換について、図3〜図11を参照しつつ説明する。
【0020】先ず、図3を参照しつつ、排気弁7の可変
バルブタイミング装置19の構成を説明する。コントロー
ルユニット10は、機関の運転状態を判別し、これに応じ
て可変バルブタイミング制御用ソレノイド(以下VTC
ソレノイドと称する)20をON・OFF制御する。
【0021】そして、このVTCソレノイド20によって
制御バルブ21を駆動し、排気弁駆動用カムシャフト22の
軸芯に設けられた油孔23の排気弁駆動用カムシャフト22
の一端部におけるドレーン口24を開閉する。前記油孔23
には、図示しないオイルポンプによりシリンダブロック
オイルギャラリ33に送られた作動油が、オリフィス34に
より所定圧力に調節され、排気用分岐通路35及びシリン
ダヘッドオイルギャラリ36を介して供給される。一方、
シリンダブロックオイルギャラリ33には吸気用分岐通路
37も穿設されており、後述するカム切換弁70に連通して
いる。
【0022】前記VTCソレノイド20をONにしてドレ
ーン口24を閉じた状態では、油孔23に供給される油圧
は、排気弁駆動用カムシャフト22の他端部側に軸着した
カムプーリ25取付部の油孔26を経由して、カムプーリ25
と排気弁駆動用カムシャフト22との間のプランジャ27の
図で左端面に作用し、これによりプランジャ27はリター
ンスプリング28に抗して図で右方向に押圧される。
【0023】ここで、プランジャ27は、ヘリカルギア29
でカムプーリ25及び排気弁駆動用カムシャフト22と噛合
っているため、排気弁駆動用カムシャフト22の軸回りに
回転しながら軸方向にストッパ30に当たる右端位置まで
移動する。このとき、カムプーリ25はタイミングベルト
で固定されているから、排気弁駆動用カムシャフト22側
がプランジャ27と共にその軸心まわりを回転し、カムプ
ーリ25と排気弁駆動用カムシャフト22との周方向の相対
位置が変化する。
【0024】一方、前記VTCソレノイド20をOFFに
してドレーン口24を開けると、油圧が排出されるため、
プランジャ27はリターンスプリング28の弾性復元力によ
って、ヘリカルギア29との噛合で回転しながら図で左端
位置に押し戻されるため、カムプーリ25と排気弁駆動用
カムシャフト22との周方向の相対位置が、元に戻る。こ
のため、前記VTCソレノイド20のON・OFFによ
り、カムプーリ25と排気弁駆動用カムシャフト22との周
方向の相対位置が2位置に変化し、作動角を一定とした
まま排気弁7の開閉タイミングを切換えることができ
る。
【0025】即ち、可変バルブタイミング制御用ソレノ
イド20により、排気弁開閉特性可変手段が構成される。
次に、図4〜図8を参照しつつ、吸気弁5の弁リフト特
性の切換装置40の構成を説明する。本実施例に係る機関
1では、1つの気筒について同一の機能を有する2つの
吸気弁5,5を備えている。
【0026】各気筒には2本の吸気弁5,5に対応して
単一のメインロッカアーム41が設けられる。メインロッ
カアーム41の基端は各気筒に共通なメインロッカシャフ
ト43を介してシリンダヘッドに揺動自在に支持され、メ
インロッカアーム41の先端には吸気弁5,5のステム頂
部を当接させるアジャストスクリュ44がナット45を介し
て締結される。
【0027】メインロッカアーム41にはシャフト46にニ
ードルベアリング47を介してローラ48が回転自在に連結
され、このローラ48に低速用カム49を転接させるように
なっている。メインロッカアーム41は平面図上ほぼ矩形
に形成され、メインロッカアーム41にはローラ48と並ん
で単一のサブロッカアーム42が設けられる。このサブロ
ッカアーム42の基端はサブロッカシャフト50を介してメ
インロッカアーム42に相対的回転可能に連結される。サ
ブロッカシャフト50はサブロッカアーム42に形成された
孔51に摺動可能に嵌合する一方、各メインロッカアーム
41に形成された孔52に圧入されている。
【0028】サブロッカアーム42は吸気弁5に当接する
部位を持たず、その先端には高速用カム53に摺接するカ
ムフォロア部54が円弧状に突出して形成され、その下側
にはこのカムフォロア部54を高速用カム53に押し付ける
ロストモーションスプリング39が介装される。ここで、
図7及び図8を参照しつつ、両ロッカアーム41,42の相
対回転を停止可能とする連結駆動手段として、メインロ
ッカアーム41及びサブロッカアーム42に設けられるプラ
ンジャ55,57及び58を孔56,59及び60に嵌合させる構成
について説明する。
【0029】サブロッカアーム42にはプランジャ55を摺
動自在に嵌合させる孔56が形成され、メインロッカアー
ム41にはプランジャ57,58を摺動自在に嵌合させる孔5
9,60がそれぞれ形成され、プランジャ57の背後に油室6
1が画成される一方、プランジャ58の背後にリターンス
プリング62が介装される。各孔56,59,60は所定位置で
互いに同軸方向に連続し、かつ同一径で形成される。そ
して、油室61にオイルポンプより導入される作動油が、
後述するカム切換弁70を介して高速運転時に導かれ、前
記低速用カム49と高速用カム53との切換を円滑に行うよ
うになっている。尚、プランジャ58の嵌合する孔60の一
端には栓体63が圧入され、栓体63には空気抜き孔64が開
口している。
【0030】そして、図8に示すように、油室61に導か
れる作動油圧によりプランジャ57が孔59,56に、プラン
ジャ55が孔56,60に渡ってそれぞれ嵌合することによ
り、メインロッカアーム41とサブロッカアーム42が一体
化する。また、図7に示すように、リターンスプリング
62の付勢力によりプランジャ57が孔59の端壁に当接した
状態では、各プランジャ55,57,58が各孔56,59,60に
それぞれ収まって、メインロッカアーム41の揺動を拘束
しないようになっている。
【0031】低速用カム49とこれに隣接する高速用カム
53は、それぞれ共通のカムシャフトに一体に形成され、
エンジンの低回転時と高回転時において要求される弁リ
フト特性を満足するように異なる形状(大きさが異なる
相似形も含む)に形成されている。ここで、高速用カム
53は低速用カム49と比べ、弁リフト量を大きくするプロ
フィールを有している。
【0032】即ち、エンジンが所定運転状態の場合に、
メインロッカアーム41は低速用カム49のプロフィールに
従って揺動し、各吸気弁及び排気弁を開閉駆動する。こ
のとき、サブロッカアーム42は高速用カム53によって揺
動されるものの、リターンスプリング62の付勢力により
各プランジャ57,55,58が各孔59,56,60にそれぞれ収
まって、メインロッカアーム41の動きを妨げることはな
い。
【0033】これに対して、作動油圧が油室61に導かれ
ると、各プランジャ57,55,58はリターンスプリング62
に抗して移動し、プランジャ57が各孔59,56に渡って嵌
合するとともに、プランジャ58が各孔56,60に渡って嵌
合することにより、2つのロッカアーム41,42が一体と
なって揺動する。ここに、高速用カム53は低速用カム49
に比較して、リフト量が大きくなるように形成されてい
るから、サブロッカアーム42と一体化した揺動時は、メ
インロッカアーム41のローラ48が低速用カム49から浮き
上がり、各吸気弁及び排気弁は高速用カム53のプロフィ
ールに従って開閉駆動され、リフト量が大きくなる。
【0034】次に、前記油室61に作動油を導くカム切換
弁70について、図9〜図11を参照しつつ説明する。カム
切換弁70の本体部材71には、メインロッカシャフト43内
のオイルギャラリ66に連通するオイル出口通路72と両端
密閉のガイド孔73とが穿設される。前記オイル出口通路
72とガイド孔73とは第2ポート74により連通され、ま
た、該オイル出口通路72は一端72aにおいて前記オイル
ギャラリ66に連通される。
【0035】即ち、第2ポート74が流出孔の機能を奏し
ている。ガイド孔73には、第1ドレーン孔75、第2ドレ
ーン孔76、第1ポート77、第1連通孔78が穿設される。
そして、第1ポート77に作動油が供給されると共に、該
第1ポート77はバイパス通路87により第2ドレーン孔76
と常に連通している。即ち、第1ポート77が流入孔の機
能を奏している。
【0036】ガイド孔73に摺動して嵌合するスプール81
には、出口切換部83と前記第1ポート77を開閉する入口
切換部84とが設けられる。ここで、出口切換部83には、
前記第2ポート74を開閉可能な吐出部開閉部85と、前記
第1ドレーン孔75を所定のタイミングで開閉可能なドレ
ーン孔開閉部86とが設けられる。また、該スプール81は
案内溝等が設けられており、ガイド孔73内を摺動する際
に該スプール81が回転しないような構造となっている。
【0037】さらに、該スプール81は一端が閉塞された
円筒状に構成されており、該閉塞端近傍に第2ドレーン
孔76と常に連通している油圧開放孔89を有している。そ
して、第1ドレーン孔75、第2ドレーン孔76は実質的な
絞りを介してオイルパンに連通し、第1ポート77は前述
の吸気用分岐通路37に連通している。さらに、第1ポー
ト77と第1連通孔78との間には、当該カム切換弁70の切
換用ソレノイド90が介装される。
【0038】また、前記第1ポート77と反対側のガイド
孔73はストッパ部材80にて閉塞されており、該ストッパ
部材80にはスプリング92が巻回されている。そして、該
スプリング92は前記スプール81を図9に示す位置に右方
に押圧付勢している。さらに、前記第1ドレーン孔75と
ドレーン孔開閉部86との位置関係は、スプール81の先端
部81aが前記ストッパ部材80に当接した際に、前記第1
ドレーン孔75がドレーン孔開閉部86により開口されるよ
うな位置に設けられている。
【0039】コントロールユニット10は、機関の運転状
態を判別し、これに応じて切換用ソレノイド90をON・
OFFする。そして、前記切換用ソレノイド90がOFF
の時点では、前記スプール81はスプリング92の弾性力に
より図において右方に押圧付勢され、図9に示す位置と
なっている。このとき、第2ポート74は吐出部開閉部85
により閉止されており、第1ポート77に供給された作動
油はオイル出口通路72に流れることはない。この時は、
第1ポート77に供給された作動油は、バイパス通路87及
びスプール81の閉塞端近傍に設けられた油圧開放孔89を
介して第2ドレーン孔76より排出される。もって、オイ
ル出口通路72,オイルギャラリ66への作動油圧は図11に
hで示すように所定の低い圧力に保たれている。
【0040】そして、メインロッカアーム41とサブロッ
カアーム42との相対回転の停止状態では、この切換用ソ
レノイド90がONとなる。すると、第1ポート77と第1
連通孔78とが連通され、第1ポート77に供給された作動
油が第1連通孔78に供給される。従って、スプール81が
スプリング92に抗して図において左方に移動することと
なり、先ず、吐出部開閉部85により閉止されていた第2
ポート74が開口し、第1ポート77に供給された作動油が
オイル出口通路72に供給されることとなる。尚、この時
点においては、ドレーン孔開閉部86は第1ドレーン孔75
を閉止しており、第1ポート77に供給された作動油の殆
どがオイル出口通路72に供給され、一部がバイパス通路
87及びスプール81の閉塞端近傍に設けられた油圧開放孔
89を介して第2ドレーン孔76より排出される。従って、
オイル出口通路72,オイルギャラリ66への作動油圧は図
11にiで示すように急激に上昇する。
【0041】ここで、第2ドレーン孔76には孔の出口側
の内径により、或いは孔内に介在されることにより実質
的に絞りが設けられており、該絞りがレギュレータとし
ての働きをする。もって、オイル出口通路72,オイルギ
ャラリ66への作動油圧は急激に上昇した後、前記絞りに
より所定の圧力j(例えば4kg/cm2)に保たれる。ここ
で、前記第1ドレーン孔75及び第2ドレーン孔76とドレ
ーン孔開閉部86との位置関係は、次のように設けられて
いる。即ち、スプール81の先端部81aが前記ストッパ部
材80に当接する以前は、前記第1ドレーン孔75及び第2
ドレーン孔76はドレーン孔開閉部86によっては、全く閉
止されず、全開の状態である。そして、スプール81の先
端部81aが前記ストッパ部材80に当接した際に、前記第
1ドレーン孔75のみがドレーン孔開閉部86により開口さ
れるような位置に設けらると共に、第2ドレーン孔76は
第1ドレーン孔75より先端側に位置するので、スプール
81の先端部81aが前記ストッパ部材80に当接した際は、
該第2ドレーン孔76は実質的に閉止された状態となる。
【0042】よって、スプール81が左方に移動して、ス
プール81の先端部81aが前記ストッパ部材80に当接する
直前には、該ドレーン孔開閉部86により前記第1ドレー
ン孔75及び第2ドレーン孔76が完全に開口されている。
これにより、第1ポート77に供給された作動油の殆どが
オイル出口通路72に供給され、一部がバイパス通路87及
びスプール81の閉塞端近傍に設けられた油圧開放孔89を
介して第2ドレーン孔76より排出されると共に、第1ド
レーン孔75及び第2ドレーン孔76から排出される。従っ
て、オイル出口通路72,オイルギャラリ66への作動油圧
は図11にkで示すように急激に下降する。
【0043】そして、スプール81の先端部81aが前記ス
トッパ部材80に当接する直前には、該ドレーン孔開閉部
86による前記第1ドレーン孔75の開口は、その開口幅が
僅かとなり、実質的に絞りを介装したものとなる。この
とき、第2ドレーン孔76は第1ドレーン孔75より先端側
に位置するので、スプール81の先端部81aが前記ストッ
パ部材80に当接した際は、該第2ドレーン孔76は実質的
に閉止された状態となり、該第2ドレーン孔76からは作
動油は流出しない。
【0044】従って、前記圧力は急激に低下した後に、
作動油は第1ドレーン孔75のみより排出されることとな
り、スプール81の先端部81aが前記ストッパ部材80に当
接すると、オイルギャラリ66への作動油圧は、前記第1
ドレーン孔75とドレーン孔開閉部86により形成される絞
りにより、所定の平衡圧力m(例えば2〜3kg/cm2)に
達する。
【0045】即ち、第1ドレーン孔75,第2ドレーン孔
76により圧力開放用のドレーン孔の機能が奏されれ、第
1ドレーン孔75により大きい絞り効果を有して圧力開放
側へ連通する絞り通路の機能が奏される。ここで、当該
平衡圧力mは、前記オイルギャラリ66および油通路65を
通って、前記油室61に導かれることにより、各プランジ
ャ57,55,58がリターンスプリング62に抗して移動する
際の、当該リターンスプリング62の弾性力と釣合うだけ
の油圧となっている。
【0046】即ち、プランジャ57が各孔59,56に渡って
嵌合するとともに、プランジャ58が各孔56,60に渡って
嵌合することにより、2つのロッカアーム41,42が一体
となって揺動するように、前記各プランジャ57,55,58
が、リターンスプリング62の弾性力と大略釣合った状態
で保持された状態である。次に、前記切換用ソレノイド
90がOFFとなる時点(前記メインロッカアーム41とサ
ブロッカアーム42との相対回転を許容する状態に摺動す
る時点)を考える。OFFとなる直前においては、前記
プランジャ57,55,58が図8に示す位置に留まるよう
に、リターンスプリング62の弾性力と大略釣合った状態
で、前記各プランジャ57,55,58に作動油圧の押圧力が
作用するように、スプール81が位置している。
【0047】そして、該切換用ソレノイド90がOFFと
なると、第1ポート77に供給される作動油の第1連通孔
78への供給が停止される。このとき、スプール81をリタ
ーンスプリング62の弾性力に抗して、図10において左方
に押圧していた作動油圧は、スプール81の閉塞端近傍に
設けられた油圧開放孔89を介して第2ドレーン孔76より
排出される。
【0048】従って、オイル出口通路72,オイルギャラ
リ66への作動油圧は図11にnで示すように急激に下降す
る。そして、前記スプール81はスプリング92の弾性力に
より図において右方に押圧付勢され、図9に示す位置と
なり、前述と同様に、オイル出口通路72,オイルギャラ
リ66への作動油圧は図11にhで示すように所定の低い圧
力に保たれることとなる。
【0049】即ち、メインロッカアーム41,サブロッカ
アーム42及びカム切換弁70により、吸気弁開閉特性可変
手段が構成される。次に、コントロールユニット10によ
り、カム切換弁70及び可変バルブタイミング制御用ソレ
ノイド20の作動が制御されて、吸気弁5に係る弁リフト
特性の切換及び排気弁7の開閉タイミングの切換が行わ
れることについて、図12に示すフローチャートを参照し
つつ、その動作を説明する。
【0050】ステップ1(図ではS1と記してある。以
下同様)では、クランク角センサ11より機関回転数N、
及び水温センサ14より機関冷却水温Twを入力する。ス
テップ2では、機関回転数Nが第2の所定回転数N2
上か否かを判断する。そして、機関回転数Nが第2の所
定回転数N2 以上であると判断された場合は、ステップ
3に進む。
【0051】ステップ3では、VTCソレノイド20をO
Nにして、排気弁駆動用カムシャフト22の軸芯に設けら
れた油孔23の排気弁駆動用カムシャフト22の一端部にお
けるドレーン口24を閉止する。すると、オリフィス34に
より所定圧力に調節され、排気用分岐通路35及びシリン
ダヘッドオイルギャラリ36を介して供給される作動油が
プランジャ27の端面に作用することとなり、カムプーリ
25と排気弁駆動用カムシャフト22との周方向の相対位置
が変化し、バルブタイミングが遅れるように、即ち、バ
ルブオーバーラップ行程が拡大するような方向に排気弁
駆動用カムシャフト22がひねられる。
【0052】一方、ステップ2において機関回転数Nが
第2の所定回転数N2 より小さいと判断された場合に
は、ステップ4に進み、VTCソレノイド20をOFFに
して、ドレーン口24を開ける。そして、前記作動油を排
出して、カムプーリ25と排気弁駆動用カムシャフト22と
の周方向の相対位置を元に戻し、バルブタイミングが進
むように、即ち、バルブオーバーラップ行程が短くなる
ような方向に排気弁駆動用カムシャフト22がひねられ
る。
【0053】ステップ5では、機関冷却水温Twが所定
冷却水温Tw1 以下か否かを判断する。そして、ステッ
プ5において機関冷却水温Twが所定冷却水温Tw1
下ではないと判断された場合には、機関冷却水が高く、
もって作動油が十分温められており、作動油の粘性も大
きくないと判断することができる。従って、該粘性の増
大によりスプール移送速度が遅くなることもなく、もっ
て切換用ソレノイド90がOFFからONになった場合等
にスプール81が遅れ無く移動することとなる。従って、
コントロールユニット10が切換タイミングにおいて切換
用ソレノイド90に切換に係る信号を送ったのと同時にス
プール81が移動しバルブリフト量が調整されることとな
り、該切換タイミングが遅れることによる吸気弁5のハ
ジカレ現象が頻発することもないので、ステップ6以下
に進み、吸気弁5に係るバルブリフト量の調節を行う。
【0054】ステップ6では、機関回転数Nが第1の所
定回転数N1 (但しN1 ≧N2 )以上か否かを判断す
る。そして、機関回転数Nが第1の所定回転数N1 以上
であると判断された場合は、ステップ7に進む。ステッ
プ7では、カム切換弁70の切換用ソレノイド90をONに
して、吸気用分岐通路37を通ってオイルポンプより導入
される作動油を遅滞無くオイル出口通路72及びオイルギ
ャラリ66を介して油室61に導き、各吸気弁5を高速用カ
ム53のプロフィールに従って開閉駆動する。ここで、前
述の如く高速用カム53は低速用カム49に比較して、リフ
ト量が大きくなるように形成されているから、各吸気弁
5のリフト量が大きくなる。
【0055】一方、ステップ6において機関回転数Nが
第1の所定回転数N1 より小さいと判断された場合に
は、ステップ8に進み、カム切換弁70の切換用ソレノイ
ド90をOFFにして、吸気用分岐通路37を通って第1ポ
ート77に導入される作動油を第1ドレーン孔75及び第2
ドレーン孔76を介してオイルパン等に戻す。もって、リ
ターンスプリング62の付勢力により各プランジャ57,5
5,58は各孔59,56,60に収まっており、メインロッカ
アーム41の動きは妨げられることがなく、即ち、メイン
ロッカアーム41は低速用カム49のプロフィールに従って
揺動し、各吸気弁5を開閉駆動する。ここで、前述の如
く低速用カム49は高速用カム53に比較して、リフト量が
小さくなるように形成されているから、各吸気弁5のリ
フト量が小さくなる。
【0056】一方、ステップ5において機関冷却水温T
wが所定冷却水温Tw1 以下であると判断された場合に
は、ステップ6以下をジャンプして、即ち吸気弁5に係
るバルブリフト量の調節は行うことなくリターンする。
次に前記フローチャートにより行われる制御に係る作用
を説明する。先ず吸気側の影響について考えると、吸込
む混合気の量(充填効率)は、吸気側のバルブ特性が支
配的である。ここで、低回転域においては、図13に示す
ように、吸気弁5の弁リフト量を小さくすれば、吸気弁
閉時期が早くなり、吸込んだ混合気を下死点後に吐き出
してしまう現象が発生しにくくなるため、充填効率を向
上させることが可能となる。
【0057】逆に、高回転域においては、図13に示すよ
うに、吸気弁5の弁リフト量を大きくすれば、充填効率
を向上させる事ができる。なぜなら吸気量が多くなると
吸気の慣性による遅れが生じるため、吸気弁閉時期を遅
らせる方が充填効率を上昇させることが可能となる。ま
た開弁面積自体も大きくなり、高回転時に必要な大混合
気量を供給し易いためである。
【0058】次に排気側の影響について考える。低回
転、低負荷、特にアイドル運転状態においては、排気弁
7を開から閉にするタイミングが遅いと、即ち、バルブ
オーバーラップ行程が大きいと、燃焼室内の残留ガスも
多くなるため、燃焼不安定が生じ易く、もってこのオー
バラップを小さくすることが望ましい。
【0059】ここで、このオーバラップ行程小を実現す
るために、従来では、高速用と低速用との排気カムを備
え、さらに、図14に示したように、当該低速用カムと高
速用カムとの切換を行うことにより低回転時において排
気弁開弁角度を小さくしていたが、本実施例では、図13
に示すように、排気弁駆動用カムシャフト22を進み方向
にひねることにより行っている。さらに、排気弁駆動用
カムシャフト22をひねる方がカムの切換を行う場合に較
べて、排気ガスの排出時の圧力損失を小さくできるので
ガス交換及びポンピングロスの点でも優れている。
【0060】また高回転では、排気弁駆動用カムシャフ
ト22を遅れ方向にひねることにより排気ガスを効率的に
排出している。即ち、排気吹き出しにより、排気管内に
は圧力振動が生じるが、この圧力振動により排気行程の
後半に負圧が生じれば、残留ガスが吸い出されることと
なる。ここで、バルブオーバーラップを大きくすること
により該負圧波により排気の掃気効果が得られ、排気押
し出し損失が低減され、最高出力はさらに向上すること
となり、排気押出損失を低減することが可能となって、
最高出力をさらに向上できる。
【0061】次に切換応答性について説明する。ここ
で、スプール81が移動を完了するのに許される時間は、
極短い時間に限られる。即ち、カム切換応答性は極めて
良いことが要求される。何故ならば、カムベースサイク
ル区間(0リフト区間)の間で、プランジャであるスプ
ール81を移動する必要があるためである。
【0062】まず、吸気側において、高速運転時に、前
記低速用カム49から高速用カム53への切換を行う際につ
いて説明する。当該切換は、コントロールユニット信号
により、カム切換弁70の切換用ソレノイド90をONにし
て、吸気用分岐通路37を通ってオイルポンプより導入さ
れる作動油を遅滞無くオイル出口通路72及びオイルギャ
ラリ66を介して油室61に導き、各吸気弁5を高速用カム
53のプロフィールに従って開閉駆動させ、もって各吸気
弁5のリフト量を大きくするように切り換える切換であ
る。
【0063】ここで、油圧の供給流量を多くし、また供
給圧力を高くすることにより図11にiで示すように作動
油圧が急激に上昇し、スプール81を移動させる力が増
し、前記移動に係る時間を短くすることができる。その
為、供給流量及び供給圧力を高いものとしている。ここ
で、スプリング92により、図9において右方に押圧付勢
され、第1ポート77とオイル出口通路72との連通を閉止
している状態のスプール81が、第1ポート77とオイル出
口通路72を連通するように摺動する際は、先ず、前記第
1ポート77からの油圧により、スプール81がスプリング
92に抗して図において左方に移動する。そして、作動油
がオイル出口通路72,オイルギャラリ66および油通路65
を通って、前記油室61に導かれることにより、各プラン
ジャ57,55,58をリターンスプリング62に抗して移動さ
せる必要がある。
【0064】このためにも、切換用ソレノイド90がON
となると、図11にiで示すように、前記油室61に導かれ
る作動油圧を必要十分な作動油圧jまで急激に上昇させ
ることにより、該切換に係る時間を短くすることができ
る。そして、本実施例では、切換用ソレノイド90がON
となり作動油圧がj(例えば4kg/cm2)まで急激に上昇
した後は、オイルギャラリ66即ち油室61への作動油圧は
図11にkで示すように急激に下降し、各プランジャ57,
55,58がリターンスプリング62に抗して移動する際の、
当該リターンスプリング62の弾性力と釣合うだけの油圧
である所定の平衡圧力m(例えば2〜3kg/cm2)に達
し、前記各プランジャ57,55,58が、リターンスプリン
グ62の弾性力と大略釣合った状態で保持された状態とな
る。
【0065】即ち、切換用ソレノイド90がONとなる
と、可及的速やかに、各吸気弁5は高速用カム53のプロ
フィールに従って開閉駆動される。次に、前記高速用カ
ム53から低速用カム49への切換を行う際について考え
る。このとき、コントロールユニット信号により、カム
切換弁70の切換用ソレノイド90がOFFとなる。ここ
で、前述の如く、OFFとなる直前においては、前記プ
ランジャ57,55,58が図8に示す位置に留まるように、
リターンスプリング62の弾性力と大略釣合った状態で、
前記各プランジャ57,55,58に作動油圧の押圧力が作用
するように、スプール81が位置している。
【0066】ここで、該切換用ソレノイド90がOFFと
なると、第1ポート77に供給される作動油の第1連通孔
78への供給が停止されるが、それまで前記リターンスプ
リング62の弾性力と大略釣合った状態の作動油圧であっ
たので、該スプール81を左方に押圧していた作動油圧が
油圧開放孔89を介して第2ドレーン孔76より排出される
ことにより、オイル出口通路72,オイルギャラリ66への
作動油圧は図11にnで示すように急激に下降することと
なり、もって、可及的速やかに、各吸気弁5は低速用カ
ム49のプロフィールに従って開閉駆動されることとな
る。
【0067】また本実施例では、第1の所定回転数N1
が第2の所定回転数N2 と比較して、N1 ≧N2 とした
が、これは、加速運転或いは減速運転をしていく際に、
当該所定回転数N1 ,N2 を通過することとなるため、
VTCソレノイド20のON・OFFのタイミング及びカ
ム切換弁70のON・OFFのタイミングをずらすためで
ある。
【0068】以上説明したように、本実施例によれば、
カム切換弁70に連通する油圧供給源であるオイルポンプ
からの油圧を高めることにより、切換用ソレノイド90を
ONとする際には、スプリング62の押圧力に、より大き
く打ち勝つこととなり、切換用ソレノイド90をONとす
る際の応答性を良好にすることができる。また、前記油
圧を高めても、切換用ソレノイド90がONに切換わった
後には、前記プランジャ57,55,58がリターンスプリン
グ62の弾性力と大略釣合った状態となるので、切換用ソ
レノイド90をOFFにする際には、当該油圧を高めたこ
とによる応答性の劣化は起こることは無く、もって、切
換用ソレノイド90をOFFにする際の応答性をも良好に
することができる。
【0069】従って、リターンスプリング62のバネ定数
を小さくしても、切換用ソレノイド90をOFFにする際
の応答性が悪化することを防止でき、逆に、リターンス
プリング62のバネ定数を小さくすることにより、切換用
ソレノイド90をONにする際の応答性をより向上させる
ことが可能となる。さらに、本発明に係る構成の作用を
説明する。
【0070】排気側にはカムをひねることによりバルブ
タイミングを変化させる排気弁7の可変バルブタイミン
グ装置19が設けられているが、高速運転時,即ちエンジ
ン高回転時には、VTCソレノイド20をONにして、排
気弁駆動用カムシャフト22の一端部におけるドレーン口
24を閉止して、シリンダヘッドオイルギャラリ36を介し
て供給される作動油をプランジャ27の端面に作用させる
ようにしている。これにより、バルブタイミングが遅れ
るように、即ち、バルブオーバーラップ行程が拡大する
ような方向に排気弁駆動用カムシャフト22をひねる構成
としている。
【0071】即ち、回転数Nが第2の所定回転数N2
上となるときに、ドレーン口24が閉止されることによ
り、シリンダヘッドオイルギャラリ36を介して排気側に
供給されていた作動油が減少されて、排気弁のバルブタ
イミングが高速運転時用に切り換わる。そして、さらに
回転数Nが上昇してゆき、該回転数Nが第1の所定回転
数N1 以上となるときに、切換用ソレノイド90をONと
してオイルギャラリ66に供給する供給流量を多くしまた
供給圧力を高くすることにより、吸気弁のバルブタイミ
ングが高速運転用に切り換わる。
【0072】即ち、排気側において減少した作動油が吸
気側に供給される結果となる。もって、前記スプール81
の移動に係る応答性が更に改善されることとなる。また
ドレーン口24を閉止することにより作動油が封じ込まれ
ることとなり、吸気側のカム切換油圧が若干増加するた
め、プランジャ応答性をも改善することができる。ま
た、高速運転から低速運転に切り換わる際は、回転数N
が下降してゆき、該回転数Nが第1の所定回転数N1
満となるときに、カム切換弁70の切換用ソレノイド90を
OFFにして、吸気用分岐通路37を通って第1ポート77
に導入される作動油を第1ドレーン孔75及び第2ドレー
ン孔76を介してオイルパン等に戻すことにより、吸気弁
のバルブタイミングが低速運転用に切り換わる。即ち、
吸気側における必要油量は急激に減少することとなる。
そして、さらに回転数Nが下降してゆき、該回転数Nが
第2の所定回転数N2 未満となるときに、VTCソレノ
イド20をOFFにして、ドレーン口24を開口し、シリン
ダヘッドオイルギャラリ36を介して排気側に供給されて
いた作動油をいち早く増大させることにより、排気弁の
バルブタイミングが低速運転用に切り換わる。即ち、カ
ムプーリ25と排気弁駆動用カムシャフト22との周方向の
相対位置を元に戻し、バルブタイミングが進むように、
即ち、バルブオーバーラップ行程が短くなるような方向
に排気弁駆動用カムシャフト22がひねられる。
【0073】即ち、高速運転から低速運転に切り換わる
際は、カム切換弁70に供給される作動油が急激に減少
し、シリンダヘッドオイルギャラリ36を介して排気側に
供給されていた作動油が急激に増大する。もって、低速
運転時に切換わる際の応答性をも確保することができ
る。従って、プランジャ応答性不良によりカムの切換が
狙っていたタイミングよりずれ、「プランジャはじかれ
不具合」や「トルクショック」が発生することを防止す
ることができる。
【0074】ここで、以上説明したように、VTCソレ
ノイド20及びカム切換弁70、またコントロールユニット
10により、油圧制御手段が構成される。さらに、本実施
例では、メインロッカシャフト43の内部に形成されるオ
イルギャラリ66は吸気専用のオイルギャラリとなってい
るため、従来用いられていたような吸排気共用とは異な
り、必要流量が半減でき、もってギャラリ径等も小さく
でき、やはり応答性を良くすることができる。さらに、
またオイル洩れ量も減少することとなり、油圧も高くな
り、応答性はさらに良化する。
【0075】さらに、以上説明したように、各プランジ
ャ57,55,58を押圧するリターンスプリング62のバネ定
数を小さくすることが可能となると、作動油圧をも低く
することが可能となる。従って、オイルポンプの吐出量
も小さくすることができ、当該オイルポンプを駆動する
動力が小さくなり、燃費の向上をも図ることができる。
また、例えば軸受け等への供給油量が減少することも防
止でき、軸受け性能の安定化も図れる。
【0076】次に油温、水温等が低い時の切換制御に係
る作用を説明する。油温、水温が低い時には、従来で
は、コントロールユニットによって切換信号を出さない
システムとなっていた。即ち、油粘度の増大によりプラ
ンジャ移動速度が遅くなり、ハジカレ現象が頻発するた
めである。この様な従来システムでは、低水温の時、高
速回転まで回転しても、吸気,排気共低速側バルブ特性
(小開弁角度)のままであるので、出力を得ることがで
きない。即ち、低油水温時は高速道路進入時等で加速性
能が劣るという欠点があった。
【0077】しかしながら、本実施例では、排気側はプ
ランジャハジカレ現象が構造上発生しない装置であるカ
ムをひねることによりバルブタイミングを変化させる可
変バルブタイミング装置19が設けられている。即ち、吸
気側に設けられているような低速用カム49と高速用カム
53との切換制御を行うことなく、排気弁7の開閉タイミ
ングを切換えることができるので、低水温時においても
カムひねりを行うことができ、もって力不足を改善する
ことが可能となる。
【0078】以上説明してきたように、本実施例によれ
ば、低速運転から高速運転に切り換わる際は、VTCソ
レノイド20に係る作動油が急激に減少し、吸気側に供給
され、逆に高速運転から低速運転に切り換わる際は、カ
ム切換弁70に供給される作動油が急激に減少し、排気側
に供給されていた作動油が急激に増大することとなり、
カム切換に係る応答性を確保することができる。さら
に、吸気側のみにカムを油圧により切り換える可変動弁
機構を設け、排気側にはカムをひねる可変バルブタイミ
ング機構を設ける構成とし、低回転域では吸気小開弁角
度,排気オーバーラップ小方向ひねり、また高回転域で
は吸気大開弁角度,排気オーバーラップ大方向ひねりと
なるように制御し、低回転域と高回転域との切換に切換
応答性を向上せさせたカム切換弁を用いる構成としたの
で、従来例と同様のエンジン性能を確保しつつ、可変動
弁系の切換応答性改善、トータルコスト低減を実現で
き、また低水温時の加速性能をも改善することが可能と
なる。
【0079】
【発明の効果】以上の構成によれば、内燃機関の回転速
度に基づいて吸気弁開閉特性可変手段と排気弁開閉特性
可変手段とへの作動油圧を各々制御する油圧制御手段
と、を備え、前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁
開閉特性可変手段とのうち一方が、第1の所定回転速度
以上で供給機関油を増大することによって高速用開閉特
性に変更され、第1の所定回転速度未満で供給機関油を
減少することにより低速用開閉特性に戻るように構成さ
れる一方、前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開
閉特性可変手段とのうち他方は、第2の所定回転速度以
上で供給機関油を減少することによって高速用開閉特性
に変更され、第2の所定回転速度未満で供給機関油を増
大することにより低速用開閉特性に戻るように構成した
ので、開閉特性が変更される際は、一方に供給されてい
た作動油を減少させ他方に供給する作動油を増大させる
こととなり、もって、油を増加させ始める方と減少させ
始める方とが増減をカバーし合うこととなり、可変シス
テム全体としての油の使用量が変化することなく切換を
行うことが可能となる。従って、供給流量及び供給圧力
が必要な方に不必要な側の作動油を供給することが可能
となり、オイルポンプの大型化や燃費の悪化を伴うこと
無く、応答性を更に改善することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図
【図2】本発明に係る内燃機関の吸・排気弁作動装置が
用いられる車両用内燃機関のシステム構成図
【図3】排気弁の可変バルブタイミング装置の構成を説
明するシステム構成図
【図4】吸気弁の弁リフト特性の切換装置の構成を説明
するシステム構成図
【図5】図3におけるX−X線に沿う横断面図
【図6】図3におけるZ−Z線に沿う横断面図
【図7】吸気弁の弁リフト特性の切換装置に係る動弁系
の縦断面図
【図8】吸気弁の弁リフト特性の切換装置に係る動弁系
の縦断面図
【図9】同上実施例に係る油圧切換弁の構成を示す概略
断面図
【図10】同上実施例に係る油圧切換弁の構成を示す概略
断面図
【図11】同上実施例に係る油圧切換弁の作用を説明する
タイムチャート
【図12】同上実施例に係る制御内容を説明するフローチ
ャート
【図13】同上実施例に係る弁の切換タイミングを示す特
性図
【図14】従来の弁作動タイミングの制御装置における弁
の切換タイミングを示す特性図
【図15】従来の油圧切換の全体構成を示す概略構成図
【符号の説明】
5 吸気弁 7 排気弁 10 コントロールユニット 11 クランク角センサ 14 水温センサ 19 可変バルブタイミング装置 20 可変バルブタイミング制御用ソレノイド(VTC
ソレノイド) 22 排気弁駆動用カムシャフト 41 メインロッカアーム 42 サブロッカアーム 43 メインロッカシャフト 49 低速用カム 50 サブロッカシャフト 53 高速用カム 61 油室 62 リターンスプリング 66 オイルギャラリ 70 カム切換弁 74 第2ポート 75 第1ドレーン孔 76 第2ドレーン孔 77 第1ポート77 78 第1連通孔 81 スプール 90 切換用ソレノイド 92 スプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気弁の開閉特性を、高速運転に適した高
    速用開閉特性と低速運転に適した低速用開閉特性とに機
    関油圧によって可変駆動する吸気弁開閉特性可変手段
    と、 排気弁の開閉特性を、高速運転に適した高速用開閉特性
    と低速運転に適した低速用開閉特性とに機関油圧によっ
    て可変駆動する排気弁開閉特性可変手段と、 内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、 前記回転速度に基づいて前記吸気弁開閉特性可変手段と
    前記排気弁開閉特性可変手段とへの作動油圧を各々制御
    する油圧制御手段と、を備え、 前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開閉特性可変
    手段とのうち一方が、第1の所定回転速度以上で供給機
    関油を増大することによって高速用開閉特性に変更さ
    れ、第1の所定回転速度未満で供給機関油を減少するこ
    とにより低速用開閉特性に戻るように構成される一方、 前記吸気弁開閉特性可変手段と前記排気弁開閉特性可変
    手段とのうち他方は、第2の所定回転速度以上で供給機
    関油を減少することによって高速用開閉特性に変更さ
    れ、第2の所定回転速度未満で供給機関油を増大するこ
    とにより低速用開閉特性に戻るように構成されると共
    に、 前記第1の所定回転速度が前記第2の所定回転速度以上
    に設定されていることを特徴とする内燃機関の吸・排気
    弁作動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100387718B1 (ko) * 2000-12-29 2003-06-18 현대자동차주식회사 2 행정기관의 엔진 가변배기밸브 구동시스템
US6598569B2 (en) 2000-06-09 2003-07-29 Nissan Motor Co., Ltd. Variable valve timing device of internal combustion engine
CN107489533A (zh) * 2016-06-09 2017-12-19 福特环球技术公司 用于重新启用被停用的汽缸的系统

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KR100387718B1 (ko) * 2000-12-29 2003-06-18 현대자동차주식회사 2 행정기관의 엔진 가변배기밸브 구동시스템
CN107489533A (zh) * 2016-06-09 2017-12-19 福特环球技术公司 用于重新启用被停用的汽缸的系统

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