JPH05331142A - 新規なアゼライン酸ピリジルアルキルジエステル誘導体およびそれらを含有した皮膚外用剤 - Google Patents

新規なアゼライン酸ピリジルアルキルジエステル誘導体およびそれらを含有した皮膚外用剤

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JPH05331142A
JPH05331142A JP15861292A JP15861292A JPH05331142A JP H05331142 A JPH05331142 A JP H05331142A JP 15861292 A JP15861292 A JP 15861292A JP 15861292 A JP15861292 A JP 15861292A JP H05331142 A JPH05331142 A JP H05331142A
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JP
Japan
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azelaic acid
pyridylalkyl
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pyridylmethyl
azelaate
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JP15861292A
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Etsuhisa Sato
悦久 佐藤
Tomomi Okazaki
具視 岡崎
Eijiro Hara
英二郎 原
Shoji Fukushima
正二 福島
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ADVANCED SUKIN RES KENKYUSHO KK
INST ADVANCED SKIN RES Inc
Shiseido Co Ltd
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ADVANCED SUKIN RES KENKYUSHO KK
INST ADVANCED SKIN RES Inc
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 美白効果に優れたアゼライン酸ピリジルアル
キルエステル誘導体およびそれらを含有した皮膚外用剤
を提供することにある。 【構成】 ジ(2−ピリジルメチル)−アゼラエート、
ジ(3−ピリジルメチル)−アゼラエートなどのアゼラ
イン酸ピリジルアルキルエステル誘導体およびそれらを
含有した皮膚外用剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚のしみ、そばか
す、くすみ、肝斑、黒皮症、あざ等の色素異常に対して
優れた予防効果および治療効果を持つ誘導体およびそれ
らを含有した皮膚外用剤に関する。本発明は、特に医薬
品、医薬部外品、あるいは化粧品分野において利用され
る。
【従来の技術】従来より、しみ、そばかす、くすみ、肝
斑、黒皮症、あざ等の色素異常の原因としては、メラノ
サイトが産生するメラニンの沈着および過剰産生、ある
いは糖蛋白重合体の蓄積異常等が考えられている。この
ため従来の美白料には、前記の原因を取り除いたり、ま
たは、軽減する作用を持つ化合物が一般に配合されてい
る。例えば、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、
ハイドロキノン誘導体等の還元剤、BHT、BHA等の
酸化防止剤、エストラジオールなどの女性ホルモン剤等
が配合され、色素異常症の予防および治療に用いられて
いる。
【0002】しかしながら、前記のように種々の試みが
なされているにもかかわらず、従来の美白料ではその色
素沈着防止、脱色効果等の美白作用は必ずしも十分なも
のではなかった。また、アゼライン酸は臨床的にアクネ
や酒さ、ボウエン病等の皮膚病の治療に使われているほ
か、in vitro実験でチロシナーゼ阻害活性が認められる
(Arch Dermatol Res 1991,283;162-166)ことより、黒皮
症や悪性黒色腫、悪性黒子等への外用治療剤として試み
られているが、その効果は十分なものではなく、また皮
膚への刺激性も問題とされてきた。このように皮膚の色
素異常症に対して著効を示す薬剤が未だ開発されていな
い理由は、色素異常を来す原因が様々であり、またその
機構も極めて複雑であるためと考えられている。本発明
者は、上記のように美白作用が不十分であることに鑑
み、色素異常に対して有効であり、優れた色素沈着防
止、脱色効果等の美白効果を持つ物質を探索した結果、
新規なアゼライン酸ピリジルアルキルジエステル誘導体
が強力な美白作用を持つことを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0003】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は新規
なアゼライン酸ピリジルアルキルジエステル誘導体と、
その中から選ばれる一種または二種以上を有効成分とし
て含有した皮膚外用剤を提供するものである。以下に本
発明の構成について詳述する。請求項1に係わる新規誘
導体、アゼライン酸ピリジルアルキルジエステル誘導体
は、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類の
有機溶媒に易溶性を示す常温液体ないし固体であり、そ
の製造方法としては、酸のエステル化反応の常法を用い
ることが出来る。例えば、アゼライン酸またはそのハロ
ゲン化物に、ピリジルアルキルアルコールを作用させる
か、またはアゼライン酸のアルカリ塩にピリジルアルキ
ルアルコールのハロゲン化物を作用させる方法等によっ
て製造することができる。ピリジルアルキル基のアルキ
ル基はメチル鎖、エチル鎖、n−プロピル鎖、イソプロ
ピル鎖で、炭素数が増大するに従い、美白作用が減じる
のでメチル鎖、エチル鎖が好ましい。
【0004】請求項1の新規誘導体としては、例えば次
のものを挙げることができる。ジ(2−ピリジルメチ
ル)−アゼラエート、ジ(3−ピリジルメチル)−アゼ
ラエート、ジ(4−ピリジルメチル)−アゼラエート、
ジ(2−ピリジル−2−エチル)−アゼラエート、ジ
(3−ピリジル−2−エチル)−アゼラエート、ジ(4
−ピリジル−2−エチル)−アゼラエート、ジ(2−ピ
リジル−3−プロピル)−アゼラエート、ジ(3−ピリ
ジル−3−プロピル)−アゼラエート、ジ(4−ピリジ
ル−3−プロピル)−アゼラエート
【0005】請求項1の新規誘導体は、単独または他の
美白剤もしくは経皮吸収促進剤等の他の薬剤と組み合わ
せることにより、皮膚外用剤に配合することができ、請
求項2の皮膚外用剤を形成する。その配合量は、皮膚外
用剤の形態によって異なるが、一般的に0.01から20重
量%の範囲、好ましくは0.1 から10重量%の範囲であ
る。0.01未満では、美白効果を十分発揮することが困難
で、20%を越えると製剤上好ましくない。また、請求
項2の皮膚外用剤には、本発明における新規誘導体のほ
か、通常医薬品や化粧品等の皮膚外用剤に用いられる他
の成分、例えば油分、界面活性剤、香料、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、色素、アルコール、水、保湿剤、増粘剤
等が本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合すること
ができる。
【0006】請求項2の皮膚外用剤の性状は、液状、乳
液、軟膏など外皮に適用できる性状のものであればいず
れでも良い。請求項2の皮膚外用剤は皮膚に直接に塗布
または散布する経皮投与による投与方法をとる。また、
投与量は、年齢、個人差、病状等により変化するので明
確には確定できないが、一般に人に投与する場合の投与
量は患部1平方cmおよび1日当たり0.01〜 100mg、好ま
しくは 0.1〜10mgであり、この量を1日1回または2〜
4回に分けて投与することができる。
【0007】
【実施例】次に請求項1の新規誘導体の製造例について
の実施例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本
発明はこれにより限定されるものではない。 (製造例1) ジ(2−ピリジルメチル)−アゼラエー
ト アゼライン酸ナトリウム 2.2gをジメチルホルムアミド
20mlに溶解した後、2−クロロメチルピリジン 2.5gを
加え、90℃にて3時間反応させた。反応終了後、減圧下
にて溶媒を留去し、残渣に水を加え、ジエチルエーテル
で抽出した。エーテルを脱水後に留去して得た残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィーにより精製し、ジ(2−ピ
リジルメチル)−アゼラエート 2.4gを得た。 屈折率:nD 20 1.5222 元素分析:C212624 計算値(%) C 68.09 H 7.07 N
7.56 実測値(%) C 67.99 H 7.09 N
7.61 マススペクトル親イオン (m/e)=370
【0008】(製造例2) ジ(3−ピリジルメチル)
−アゼラエート アゼライン酸 3.8gおよび塩化チオニル 5.8gをベンゼ
ン30ml中で混合し、還流下3時間反応させた。次いで、
減圧下にて溶媒及び過剰の塩化チオニルを留去し、得ら
れた残渣にテトラヒドロフラン30mlと3−ピリジルメタ
ノールを 4.4g加えた後、室温で除々にトリエチルアミ
ン 4.9gを加えて30分間攪拌し、さらに還流下に1時間
反応させた。反応終了後、残渣に水を加え、ジエチルエ
ーテルで抽出した。エーテルを脱水後に留去して得た残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、ジ
(3−ピリジルメチル)−アゼラエート 5.2gを得た。 屈折率:nD 20 1.5250 元素分析:C212624 計算値(%) C 68.09 H 7.07 N
7.56 実測値(%) C 67.92 H 7.10 N
7.63 マススペクトル親イオン (m/e)=370
【0009】(製造例3) ジ(4−ピリジルメチル)
−アゼラエート 4−ピリジンメタノール 5.3gをピリジン40mlに溶か
し、室温で攪拌しながらアゼライン酸クロライド 5.0g
を添加した。1晩攪拌を継続した後、ピリジンを留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製して、ジ(4−ピリジルメチル)−アゼラエート
4.2gを得た。 融点(mp):43−44℃ 元素分析:C21262 4 計算値(%) C 68.09 H 7.07 N
7.56 実測値(%) C 68.67 H 6.88 N
7.43 マススペクトル親イオン (m/e)=370
【00010】次に、請求項2の皮膚外用剤の美白効果
を明らかにするために下記の実使用試験を実施した。 (実使用試験)表1の処方に基づき常法によって皮膚外
用クリーム(製剤例1、比較例1〜3)を製造し、美白
効果を測定した。色黒、しみ、そばかす等に悩む20才台
女性40名を対象に、1群10名とし、4群に分け、各成分
含有のクリームを1日2回3カ月間毎日顔面に塗布さ
せ、使用後の美白効果を下記の判定基準に基づいて判定
した。 (判定基準) 著 効:色素沈着が目立たなくなった。 有 効:色素沈着がかなり薄くなった。 やや有効:色素沈着がやや薄くなった。 無 効:色素沈着に変化がなかった。 (判 定) A:被験者のうち著効及び有効の示す割合が80%以上の
場合。 B:被験者のうち著効及び有効の示す割合が50%以上80
%未満の場合。 C:被験者のうち著効及び有効の示す割合が50%未満の
場合。
【00011】
【表1】 ──────────────────────────────────── 成分名 製剤例1 比較例1 比較例2 比較例3 ──────────────────────────────────── ジ−(2−ピリジルメチル) −アゼラエート 5.0% ──────────────────────────────────── アゼライン酸 5.0% ──────────────────────────────────── ハイドロキノン 5.0% ──────────────────────────────────── ステアリン酸 2.0% 2.0% 2.0% 2.0% ──────────────────────────────────── ステアリルアルコール 7.0% 7.0% 7.0% 7.0% ──────────────────────────────────── 還元ラノリン 2.0% 2.0% 2.0% 2.0% ──────────────────────────────────── スクワラン 5.0% 5.0% 5.0% 5.0% ──────────────────────────────────── オクチルドデカノール 6.0% 6.0% 6.0% 6.0% ──────────────────────────────────── ポリオキシエチレン (25モル附加)セチルエーテル 3.0% 3.0% 3.0% 3.0% ──────────────────────────────────── グリセリルモノステアレート 2.0% 2.0% 2.0% 2.0% ──────────────────────────────────── 防腐剤 適量 適量 適量 適量 ──────────────────────────────────── 香 料 適量 適量 適量 適量 ──────────────────────────────────── プロピレングリコール 5.0% 5.0% 5.0% 5.0% ──────────────────────────────────── 1、3−ブチレングリコール 5.0% 5.0% 5.0% 5.0% ──────────────────────────────────── イオン交換水 残余 残余 残余 残余 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 美白効果 A C C B ──────────────────────────────────── 表1から明らかなように、ジ(2−ピリジルメチル)−
アゼラエートを配合した製剤例1は、比較例1〜3に比
べて優れた美白効果を示した。
【0012】さらに、請求項2の実施例を示し、本発明
を具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定さ
れるものではない。なお、以下の製剤例において配合量
は重量%である。 (製剤例2) 液 剤 次の処方に従い、常法にて液剤を製造した。 ジ(3−ピリジルメチル)−アゼラエート 10.0 エタノール 25.0 ポリオキシエチレン(25モル付加)オレイルアルコールエーテル 0.2 グリセリン 5.0 精製水 残余
【0013】(製剤例3) 乳液剤 次の処方に従い、常法にて乳液剤を製造した。 ジ(4−ピリジルメチル)−アゼラエート 0.5 ステアリン酸 2.0 セタノール 1.5 ワセリン 3.0 ラノリンアルコール 2.0 流動パラフィン 8.0 スクワラン 3.0 ポリオキシエチレン(10モル付加)モノオレアート 2.5 トリエタノールアミン 1.0 プロピレングリコール 5.0 防腐剤 適量 香 料 適量 イオン交換水 残余 製剤例2、3も製剤例1と同様に人に対して実使用テス
トを行ったところ、美白作用が優れていることが確認さ
れた。
【0014】
【効果】請求項1の新規化合物および請求項2の皮膚外
用剤は、優れた美白作用を有するとともに長期連続使用
しても無刺激で、接触感作性も生じないものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 具視 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)発明者 原 英二郎 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社アドバンストスキンリサーチ研究所 横浜ブランチ内 (72)発明者 福島 正二 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社アドバンストスキンリサーチ研究所 横浜ブランチ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 ROCO(CH2 7 COOR 〔式中Rはピリジル基で置換された炭素数1〜3のアル
    キル基を意味する〕で表される新規なアゼライン酸ピリ
    ジルアルキルジエステル誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1の誘導体の一種または二種以上を
    有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤。
JP15861292A 1992-05-26 1992-05-26 新規なアゼライン酸ピリジルアルキルジエステル誘導体およびそれらを含有した皮膚外用剤 Withdrawn JPH05331142A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003097072A1 (ja) * 2002-05-20 2003-11-27 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. 肝斑改善用組成物及びくすみ改善用組成物

Cited By (2)

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WO2003097072A1 (ja) * 2002-05-20 2003-11-27 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. 肝斑改善用組成物及びくすみ改善用組成物
US7994153B2 (en) 2002-05-20 2011-08-09 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Chloasma amelioration composition and dullness amelioration composition

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