JPH05330810A - 加圧超流動ヘリウムの生成方法 - Google Patents

加圧超流動ヘリウムの生成方法

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JPH05330810A
JPH05330810A JP4133666A JP13366692A JPH05330810A JP H05330810 A JPH05330810 A JP H05330810A JP 4133666 A JP4133666 A JP 4133666A JP 13366692 A JP13366692 A JP 13366692A JP H05330810 A JPH05330810 A JP H05330810A
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JP
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helium
container
liquid
pressure
heii
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JP4133666A
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Masanobu Taneda
雅信 種田
Takashi Miki
孝史 三木
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/02Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
    • C01B3/04Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by decomposition of inorganic compounds, e.g. ammonia
    • C01B3/047Decomposition of ammonia
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 余分な飽和HeIIの生成を抑制しながら、十
分な量の加圧HeIIを良好にかつ安価に生成する。 【構成】 容器10内にHeIを入れ、その液体層を途
中セパレータ12で断熱状態で仕切り、下方に下部槽1
4を形成する。この下部槽14内のみを減圧することに
より、この下部槽14内のHeIを冷却して飽和HeII
に相転移させる。その後、減圧を停止し、セパレータ1
2上方の大気圧領域から下部槽14内へのHeIの流入
により、下部槽14内に加圧HeIIを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導マグネットの冷
却等に用いられる加圧超流動ヘリウムの生成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】
i)加圧超流動ヘリウムについて 図10は、ヘリウムの状態図を示したものである。
【0003】大気圧下におけるヘリウム(常流動ヘリウ
ム;以下HeIと称する)は、沸点が4.2Kである
が、その蒸発ガスを排気して減圧していくと、ヘリウム
の温度は図10に示す液ガス共存曲線Lに沿って下降す
る。そして、この温度が2.17K以下になると(例え
ば図の点P1)、HeIは相転移して飽和超流動ヘリウ
ム(以下、飽和HeIIと称する。)となる。この飽和H
eIIは、HeIに比して熱伝導率が高く、また比熱も大
きいため、超電導マグネット等を冷却するための寒剤と
して優れた性質を有している。
【0004】さらに、この飽和HeIIを低温にしたまま
(図例では1.8K)、何らかの方法によってほぼ大気
圧まで加圧すると(図の点P2)、過冷却HeII、一般
には加圧HeIIと呼ばれる状態に変わる。この加圧He
IIは、上記液ガス共存曲線L上の飽和HeIIに比べ、よ
り冷却性能に優れているため、この生成方法の開発が活
発に進められている。
【0005】ii)従来の加圧HeIIの生成方法 上記加圧HeIIを生成する方法としては、特開平4−8
4075号公報に示されるものが知られている。この方
法を実施するための装置を図11に示す。
【0006】同図の容器80は、断熱材で覆われ、かつ
その内部が断熱材からなるセパレータ82で上下に仕切
られており、このセパレータ82の下方に保冷領域であ
る下部槽84が形成されている。セパレータ82には貫
通穴が設けられ、これを開閉する位置に安全弁86が配
されている。上記下部槽84内には、図略の超電導マグ
ネットと、その周囲を取り巻く飽和HeII容器90が配
設され、この飽和HeII容器90の入口はニードルバル
ブからなるJT弁92を介してセパレータ12の上方の
空間に連通され、出口は排気管94を介して図外の真空
ポンプに接続されている。容器80の上部には容器内外
を連通するHeガス管96が設けられ、このHeガス管
96には、排気用の真空ポンプ及びHeガス圧入用の圧
縮機が選択的に接続されるようになっている。
【0007】加圧HeIIの生成方法は次の通りである。
まず、図11二点鎖線に示すように安全弁86を開くと
ともに、容器内にHeIを入れる。この時のHeIの液
面レベル98はセパレータ82の上面よりも高くする。
次に、真空ポンプを作動させて容器80内の蒸発Heガ
スをHeガス管96を通じて排気し、容器80内を減圧
していくと、液体Heの一部が蒸発潜熱を奪って蒸発す
ることにより、残りのHeIの温度及び圧力が前記図1
0の液ガス共存曲線Lに沿って次第に下降し、やがて飽
和HeIIとなるが、この時点で安全弁86を閉じる。こ
れにより、飽和HeIIの上部と下部とがセパレータ82
を境として断熱状態となるが、安全弁86とセパレータ
82との間には若干の隙間があるため、セパレータ82
の上下の圧力は互いに均等に保たれる。従って、この状
態から図外の圧縮機によりHeガス管26を通じて容器
10内にHeガスを供給し、容器10内を略大気圧まで
加圧すれば、保冷領域である下部槽14内にある飽和H
eIIは低温状態に保たれたままほぼ大気圧まで加圧され
ることとなり、これにより、加圧He槽14内に加圧H
eIIが生成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記方法では、容器8
0内の減圧の際、液体Heの蒸発分だけ残りの液体He
の液面レベルが降下する。ここで、液面レベルが減圧工
程中にセパレータ82を下回った場合には、その後の容
器80内の加圧時に、セパレータ82の上方から下方の
下部槽14内に温かいHeガスが流入することになり、
従って良好な冷却効果が得られず、また最終的に得られ
る加圧HeIIの量も十分でない。逆に、液面レベルが減
圧工程終了時点でセパレータ82を大きく上回った場合
には、このセパレータ82の上方に不要の飽和HeIIが
大量に生成されたことになる。
【0009】従って、この液面レベルは、減圧工程の終
了時点、すなわち液体Heが所定の温度(例えば1.8
K)に達した時点でセパレータ82よりもやや高い位置
にあることが望ましいが、減圧工程終了後の液面レベル
は、減圧開始当初の液体He量に依存するだけでなく、
装置の熱侵入量その他諸々の要因により変化するもので
あり、この液面レベルが最終的に好適な位置になるよう
に減圧開始当初の液体He量を設定することは非常に困
難である。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、余分な
飽和HeIIの生成を抑制し、かつ十分な量の加圧HeII
を良好に生成することができる方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器内に液体
ヘリウムを入れ、その液体層を上下に断熱状態で仕切っ
てその下方に保冷領域を形成するとともに上方に保圧領
域を形成し、上記保冷領域内のみを減圧することにより
この保冷領域内の液体ヘリウムをこの液体ヘリウムが飽
和超流動ヘリウムに転移する温度以下の温度まで冷却
し、その後上記減圧を停止して上記保圧領域から保冷領
域内へ液体ヘリウムを流入させることにより保冷領域内
に加圧超流動ヘリウムを発生させるものである(請求項
1)。
【0012】さらに、上記保冷領域内の減圧の際に保冷
領域から排出されるヘリウムガスと、上記保圧領域内に
収容される液体ヘリウムとの間で熱交換させることによ
り、後述のようなより優れた効果が得られる(請求項
2)。
【0013】また本発明は、容器内に液体ヘリウムを入
れ、この容器内を減圧することにより上記液体ヘリウム
を冷却するとともにこの容器内に液体ヘリウムを補充し
て予め設定された断熱仕切り位置以上の高さの液面レベ
ルをもつ飽和超流動ヘリウムを発生させた後、この飽和
超流動ヘリウムの液体層を上記断熱仕切り位置で上下に
断熱状態で仕切ってその下方に保冷領域を形成し、容器
内を加圧することにより上記保冷領域内に加圧超流動ヘ
リウムを発生させるものである(請求項3)。
【0014】さらに、上記容器内の減圧の際に容器から
排出されるヘリウムガスと、容器内に補充される液体ヘ
リウムとの間で熱交換させることにより、後述のような
より優れた効果が得られる(請求項4)。
【0015】
【作用】請求項1記載の方法において、保冷領域内の減
圧時には、この保冷領域内の液体Heのみが蒸発して液
面レベルが断熱仕切り位置よりも下回るが、この時、上
方の保圧領域からは液体Heが減圧されながら保冷領域
内に流入するので、十分な冷却効果が確保される。そし
て、減圧終了後、下部槽圧力が保圧領域と等しい圧力
(ほぼ大気圧)まで昇圧することにより、この保冷領域
内に加圧超流動Heが発生することとなる。
【0016】さらに、請求項2記載の方法では、上記保
冷領域内の減圧の際に保冷領域から排出されるHeガス
との熱交換で、上記保圧領域内に収容される液体Heが
冷却されるので、その分、保圧領域から保冷領域内に液
体Heが流入した時の保冷領域内への熱侵入量が少なく
なり、これにより冷却負荷が軽減される。
【0017】また、請求項3記載の方法では、容器内を
減圧する際に適宜液体Heを補充することにより、減圧
終了後の液体He(すなわち飽和HeII)の液面レベル
を断熱仕切り位置以上の高さに保持するようにしている
ので、生成される飽和HeIIの過不足を避けることがで
きる。そして、この状態で上記断熱仕切り位置で断熱状
態にして容器内を加圧することにより、保冷領域内に十
分な量の加圧超流動Heを良好に発生させることができ
る。
【0018】さらに、請求項4記載の方法では、上記容
器内の減圧の際に容器から排出されるHeガスとの熱交
換で、容器内に補充される液体Heが冷却されるので、
その分冷却負荷が軽減される。
【0019】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図4に基づいて
説明する。
【0020】この実施例において用いる装置は、断熱材
で覆われた容器10を備え、この容器10内は断熱材か
らなるセパレータ12によって上下に仕切られており、
このセパレータ12の下方に保冷領域である下部槽14
が形成されている。セパレータ12の中央には、下方に
向かうに従って縮径するテーパー状の貫通穴12aが設
けられ、この貫通穴12aを開閉する位置に、低熱伝導
率をもつ安全弁16が配設されている。
【0021】上記下部槽14内には、図4に示すような
超電導マグネット18が収容され、その周囲にドーナツ
状の飽和HeII容器20が配設されている。このHeII
容器20の入口は、ニードルバルブからなるJT弁22
を介して上記セパレータ12の上方の空間に連通されて
おり、出口は、排気管24を介して図外の真空ポンプに
接続されている。
【0022】容器10の上端部には、その内外を連通す
るHeガス管26が設けられている。このHeガス管2
6により、後述のようにセパレータ12よりも上方の領
域(保圧領域)の圧力は常にほぼ大気圧に維持されてい
る。
【0023】さらに、この装置では、セパレータ12に
おいて上記貫通穴12aと異なる位置にこれと同様の貫
通穴12bが設けられ、この貫通穴12bに臨む位置に
排気管32が接続されている。この排気管32は、上記
貫通穴12bからセパレータ12の上方の領域(保圧領
域)を通って容器10外部にまで至っており、図外の真
空ポンプに接続されている。この排気管32内には、低
熱伝導率をもつ開閉弁30が設けられ、この開閉弁30
により上記貫通穴12bが開閉されるようになってい
る。
【0024】次に、この実施例における加圧HeIIの生
成方法を以下に記す。
【0025】(a) 注入工程:安全弁16を全開にした状
態で容器10内にHeIを注入する。このときのHeI
の液面レベル28は、セパレータ12よりも上方である
ことが必要であり、より具体的にはセパレータ12下方
のHeI量とセパレータ12上方のHeI量とがほぼ等
しくなる程度が適当である。
【0026】(b) 減圧工程(図1):安全弁16を微小
量だけ開き、かつ開閉弁30を開いて、セパレータ12
下部の下部槽14内のみを排気管32を通じて排気、減
圧する。これにより、下部槽14内のHeIが蒸発潜熱
を奪って蒸発し、これによってHeI温度が低下すると
ともに液面レベルが次第に降下する。このとき、セパレ
ータ12上方の保圧領域はほぼ大気圧であるので、この
保圧領域におけるHeIが安全弁16と貫通穴12aと
の隙間を通じて下部槽14内に流入する。従って、この
安全弁16の開き具合を調節することにより、下部槽1
4の液面レベルをほぼ一定にコントロールすることがで
きる。この液面レベルは、セパレータ12の下面よりも
僅かに下方の位置が好適である。
【0027】(c) 加圧工程(図2):下部槽14内のH
e温度が所定温度(例えば1.8K)まで降下し、He
Iが飽和HeIIに相転移した時点で開閉弁30を閉じ、
排気を停止して放置する。その後、保圧領域のHeIが
下部槽14内に流入することにより、下部槽14内は低
温状態を保ったまま次第に昇圧する。最終的には、下部
槽14内がほぼ大気圧となり、この下部槽14内に加圧
HeIIが生成される。なお、上記HeIの流入の際、下
部槽14内に多少の熱侵入があるが、その熱量は温かい
Heガスが下部槽14内に侵入する場合に比べると極め
て僅かなものであり、熱的悪影響はほとんどない。
【0028】(d) 保冷(図3):加圧HeII生成後は、
その保冷を行う。具体的には、飽和HeII容器20内に
HeIを収容した状態で、真空ポンプ(図示せず)の作
動により飽和HeII容器20内を排気管24を通じて排
気し、減圧する。これにより、飽和HeII容器20内の
HeIの温度が下がり、飽和HeII容器20内に低温の
飽和HeIIが生成されるので、このHeIIとの熱交換に
より下部槽14内の加圧HeIIが低温状態に保たれる。
この冷却中、飽和HeII容器20内にはJT弁22を通
じて保圧領域内のHeガスが適宜補充される。
【0029】このような方法によれば、セパレータ12
下方の下部層14のみに飽和HeIIを生成することがで
き、セパレータ12上方に無駄な飽和HeIIを生成する
ことがない。すなわち、セパレータ12上方はほぼ大気
圧のまま放置し、下部槽14内のみ減圧すればよいの
で、必要動力が少なく、十分な量の加圧HeIIを安価に
生成することができる。しかも、下部槽14の減圧時に
この下部槽14内に侵入するのは比較的低温の微量の液
体Heのみであり、従って良好な冷却を維持することが
できる。
【0030】次に、第2実施例を図5に基づいて説明す
る。ここでは、前記第1実施例の排気管32において、
この排気管32が保圧領域内のHeIに浸漬する部分
に、この排気管32を通じて排気されるHeガスと上記
HeIとの間で積極的に熱交換を行わせるための熱交換
部27が設けられている。この熱交換部27は、排気管
32の他の部分に比べて単位軸方向長さ当たりの伝熱面
積が大きくなるように形成されている。具体的には、管
表面に凹凸を設けたものやフィンを取付けたもの等が好
適である。
【0031】このようにして排気Heガスと容器10内
のHeIとを熱交換させることにより、このHeI、す
なわち下部槽14減圧時にその内部に流入する液体He
を排気Heガスを利用して効率良く冷却することがで
き、これにより装置全体の冷凍負荷を軽減することがで
きる。
【0032】次に、第3実施例を図6〜図8に基づいて
説明する。この実施例では、前記第1実施例における排
気管32及び開閉弁30を用いる代わりに、予め液体H
eが収容されたHeタンク34を用い、このHeタンク
34内をHe供給管36を通じて容器10内の空間、よ
り詳しくはセパレータ12よりも上方の空間に連通さ
せ、その出口部分に圧力調節弁38を配している。ま
た、Heガス管26には、容器10内から蒸発Heガス
を吸引するための減圧用真空ポンプと、容器10内へH
eガスを圧入するための加圧用圧縮機とを選択的に接続
するようにする。
【0033】この実施例における加圧HeII発生方法は
次の通りである。
【0034】(a) 注入工程:第1実施例と同様、安全弁
16を全開にした状態で容器10内にHeIを注入す
る。このときのHeIの液面レベル28は、セパレータ
12よりも上方であることが必要であり、セパレータ1
2上方のHeI量が減圧工程による予想蒸発He量より
も小さくなるように設定する。
【0035】(b) 減圧工程(図6):安全弁16を開い
たままの状態で、Heガス管26に真空ポンプを接続し
て容器10内のHeガスを排気し、容器10内を減圧す
る。この減圧工程により、容器10内のHeIが蒸発潜
熱を奪って蒸発し、これによってHeI温度が低下する
とともに液面レベル28が次第に降下するが、その途
中、Heタンク34からHe供給管36及び圧力調節弁
38を通じて容器10内に適宜液体Heを補充すること
により、下記の減圧工程終了時点で上記液面レベル28
がセパレータ12の上面よりも僅かに上方に位置するよ
うにする。上記圧力調節弁38の開度は、この圧力調節
弁38から排出されるHeの圧力が容器10内の圧力と
同等の圧力まで下がる程度に設定する。
【0036】(c) 加圧工程(図7):容器10内の液体
He温度が所定温度(例えば1.8K)まで降下し、H
eIが飽和HeIIに相転移した時点で安全弁16を閉
じ、排気を停止するとともに図略の圧縮機で容器10内
を大気圧レベルまで加圧する。この加圧の際、容器10
内の蒸発Heガスが凝縮することにより液面レベル28
は僅かに上昇し、下部槽14内にはセパレータ12より
も上方の液体Heが流入する。この加圧工程が終了する
と、下部槽14内がほぼ大気圧となり、この下部槽14
内に加圧HeIIが生成される。なお、上記液体Heの流
入の際、下部槽14内に多少の熱侵入があるが、その熱
量は温かいHeガスが下部槽14内に侵入する場合に比
べると極めて僅かなものであり、悪影響はほとんど及ぼ
さない。
【0037】(d) 保冷(図8):加圧HeII生成後は、
液面レベル28が保冷用のJT弁22よりも上方に位置
するまで適宜Heタンク34内の液体Heを容器10内
に補充し、その後、前記実施例と同様に飽和HeII容器
20を用いて加圧HeIIの保冷を行う。
【0038】このような方法によれば、減圧工程中に適
宜液体Heを補充することにより、減圧工程開始時の液
面レベル28にかかわらず、減圧工程終了時の液面レベ
ル28を最も好ましい高さ位置、すなわちセパレータ1
2よりやや高い位置に収めることができるので、このよ
うに飽和HeIIの過不足がない状態で加圧工程を行うこ
とにより、加圧HeIIを安価にかつ良好に生成すること
ができる。
【0039】なお、この例では、減圧工程開始時にこの
時の液面レベル28が同工程終了時の液面レベル28よ
りも高くなるまでHeIを注入する方法を示したが、こ
の減圧工程開始時の液面レベル28は、同工程終了時の
液面レベル28、すなわち目標となる液面レベル28と
同等の高さ位置にしてもよい。この場合には、減圧工程
におけるHeIの蒸発速度と同じ速度でHeタンク34
内の液体Heを容器10内に補充し、液面レベル28を
終始ほぼ一定に保つようにすればよい。
【0040】次に、第4実施例を図9に基づいて説明す
る。ここでは、前記第3実施例のHe供給管36の一部
をHeガス管26内に臨ませ、この部分に前記第2実施
例の熱交換部27と同様の熱交換部40を形成し、He
ガス管26内の排気Heガスと、Heタンク34からの
補充液体Heとの間で積極的に熱交換を行わせるように
している。このような熱交換により、容器10内に補充
される液体Heを排気Heガスを利用して効率良く冷却
することができ、これにより装置全体の冷凍負荷を軽減
することができる。
【0041】なお、上記各実施例では、初めに下部槽1
4内あるいは容器10内の減圧のみを行うようにしてい
るが、この減圧と並行して飽和HeII容器20内の減圧
も行い、この飽和HeII容器20との熱交換及び上記減
圧の双方でHeIを冷却すれば、その冷却速度をさらに
高めることが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明は、容器内のHeI
をその上下方向中央部で断熱状態にした後、下方の保冷
領域のみを減圧してこの領域にのみ飽和HeIIを生成し
(請求項1)、もしくは容器内を減圧してHeIを蒸発
させながら適宜HeIを補充することにより断熱仕切り
位置よりも上方の液面レベルをもつ飽和HeIIを生成し
(請求項3)、この状態から加圧を行って加圧HeIIを
生成するものであるので、余分な飽和HeIIを生成する
ことなく、また、減圧時のHeの冷却に悪影響を及ぼす
ことなく、十分な量の加圧HeIIを良好にかつ安価に生
成することができる効果がある。特に、請求項1記載の
方法では、断熱仕切り位置よりも上方の空間を全く減圧
する必要がないので、必要動力をより低減することがで
き、加圧HeIIの一層の低廉化を図ることができる。
【0043】さらに、請求項2,4記載の方法によれ
ば、上記減圧工程時の排気Heガスと、断熱仕切り位置
よりも上方の液体He(請求項2)もしくは補充液体H
e(請求項4)とを熱交換させることにより、これらの
液体Heを上記排気Heガスを利用して効率良く冷却す
ることができ、その分装置全体の冷凍負荷を軽減し、よ
り安価に加圧HeIIを生成することができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における減圧工程を示す模
式図である。
【図2】上記実施例における加圧工程を示す模式図であ
る。
【図3】上記実施例における加圧HeIIの保冷工程を示
す模式図である。
【図4】上記実施例において用いられる加圧HeII生成
装置の断面正面図である。
【図5】本発明の第2実施例において用いられる装置の
模式図である。
【図6】本発明の第3実施例における減圧工程を示す模
式図である。
【図7】上記実施例における加圧工程を示す模式図であ
る。
【図8】上記実施例における加圧HeIIの保冷工程を示
す模式図である。
【図9】本発明の第4実施例において用いられる装置の
模式図である。
【図10】Heの状態図である。
【図11】従来の加圧HeII発生装置の模式図である。
【符号の説明】
10 容器 12 セパレータ 14 下部槽(保冷領域) 16 安全弁 24 排気管 26 Heガス管 27 排気管の熱交換部 30 開閉弁 32 排気管 34 Heタンク 36 He供給管 40 He供給管の熱交換部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に液体ヘリウムを入れ、その液体
    層を上下に断熱状態で仕切ってその下方に保冷領域を形
    成するとともに上方に保圧領域を形成し、上記保冷領域
    内のみを減圧することによりこの保冷領域内の液体ヘリ
    ウムをこの液体ヘリウムが飽和超流動ヘリウムに転移す
    る温度以下の温度まで冷却し、その後上記減圧を停止し
    て上記保圧領域から保冷領域内へ液体ヘリウムを流入さ
    せることにより保冷領域内に加圧超流動ヘリウムを発生
    させることを特徴とする加圧超流動ヘリウムの生成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加圧超流動ヘリウムの生
    成方法において、上記保冷領域内の減圧の際に保冷領域
    から排出されるヘリウムガスと、上記保圧領域内に収容
    される液体ヘリウムとの間で熱交換させることを特徴と
    する加圧超流動ヘリウムの生成方法。
  3. 【請求項3】 容器内に液体ヘリウムを入れ、この容器
    内を減圧することにより上記液体ヘリウムを冷却すると
    ともにこの容器内に液体ヘリウムを補充して予め設定さ
    れた断熱仕切り位置以上の高さの液面レベルをもつ飽和
    超流動ヘリウムを発生させた後、この飽和超流動ヘリウ
    ムの液体層を上記断熱仕切り位置で上下に断熱状態で仕
    切ってその下方に保冷領域を形成し、容器内を加圧する
    ことにより上記保冷領域内に加圧超流動ヘリウムを発生
    させることを特徴とする加圧超流動ヘリウムの生成方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の加圧超流動ヘリウムの生
    成方法において、上記容器内の減圧の際に容器から排出
    されるヘリウムガスと、容器内に補充される液体ヘリウ
    ムとの間で熱交換させることを特徴とする加圧超流動ヘ
    リウムの生成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014212256A (ja) * 2013-04-19 2014-11-13 株式会社神戸製鋼所 クライオスタット
CN114812095A (zh) * 2022-05-07 2022-07-29 中国科学院理化技术研究所 一种超流氦制冷机

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN114812095A (zh) * 2022-05-07 2022-07-29 中国科学院理化技术研究所 一种超流氦制冷机
CN114812095B (zh) * 2022-05-07 2022-11-18 中国科学院理化技术研究所 一种超流氦制冷机

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