JP2001284665A - 超電導部材冷却装置 - Google Patents

超電導部材冷却装置

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JP2001284665A
JP2001284665A JP2000094005A JP2000094005A JP2001284665A JP 2001284665 A JP2001284665 A JP 2001284665A JP 2000094005 A JP2000094005 A JP 2000094005A JP 2000094005 A JP2000094005 A JP 2000094005A JP 2001284665 A JP2001284665 A JP 2001284665A
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atmospheric pressure
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Shigeru Yoshida
茂 吉田
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Taiyo Toyo Sanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液面上に空間を残して液体窒素を収容しかつ
その液面上の空間に大気圧もしくは大気圧以上の圧力が
加えられる液体窒素容器内の液体窒素を、大気圧下での
過冷却温度とし、その大気圧下での過冷却温度の液体窒
素によって超電導部材を冷却するように構成した超電導
部材冷却装置において、加圧用のガスとして窒素ガスを
用いた従来技術の問題点、すなわち液面近傍の対流や撹
拌等により液面下での温度勾配が崩れて窒素ガスが凝縮
し、液面上の空間が減圧されて外部から大気圧の空気を
吸い込んでしまうような事態の発生を防止する。 【解決手段】 液体窒素容器内の液体窒素の液面上の空
間を、窒素ガスよりも凝縮温度が低いガス、例えばヘリ
ウムガスによって大気圧もしくは大気圧以上の圧力に加
圧するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超電導トランス
や超電導マグネット、そのほか各種の超電導コイル、あ
るいは超電導ケーブルなどの超電導部材、特に高温超電
導部材を、液体窒素によって低温に冷却・保持するため
の超電導部材冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導コイルなどの超電導部材、特に高
温超電導を利用した超電導部材を冷却するにあたって
は、冷却媒体として比較的安価な液体窒素(LN2 )を
使用することが多い。この場合一般には大気圧の飽和液
体窒素、すなわち約77Kの液体窒素が用いられてい
る。すなわち、真空断熱されたクライオスタットと称さ
れる大気に実質的に開放された冷却容器に超電導部材を
収容しておき、その冷却容器内に約77Kの大気圧飽和
液体窒素を注入してその液体窒素中に超電導部材を浸漬
させ、冷却・保持するのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで高温超電導部
材においては、若干でも温度が下がれば、超電導特性が
大幅に向上することが知られている。例えば臨界電流
は、77Kから70Kに下がっただけでも数倍に大きく
なることが知られている。
【0004】そこで大気圧の液体窒素を減圧して例えば
65K程度に温度降下させた液体窒素中に超電導部材を
浸漬させて、超電導部材を77Kよりも低い温度まで冷
却することが考えられる。その場合、液体窒素中に超電
導部材を浸漬させるための容器では、液体窒素の減圧状
態を維持させる必要がある。一方、一般に使用されてい
るクライオスタットでは、実質的に大気に開放させた状
態での使用を前提としているため、この種の汎用クライ
オスタットを減圧した液体窒素に適用しようとすれば、
蓋部や電流導入端子等の箇所における封止の点で不充分
となり、外部から水分を含む大気圧の空気が内部に吸い
込まれて、電流導入端子のガス抜穴での水分凍結による
閉塞や超電導部材表面への氷の付着が生じたりし、実用
上運転が不可能となるおそれがある。そのため前述の目
的のためには、新たに特殊な容器を設計、製作しなけれ
ばならず、その場合コストの大幅な上昇を招く問題があ
り、そのため実用化はためらわれていたのが実情であ
る。
【0005】また一方、大気圧の飽和液体窒素中に超電
導部材を浸漬させて超電導部材を作動させた場合、超電
導部材の発熱によって飽和液体窒素が直ちに気化してガ
ス気泡が発生するため、そのガス気泡によって電気絶縁
性が低下したり、冷却効率が低下したりしてしまう問題
があるが、前述のように減圧によって例えば65K程度
に温度降下された液体窒素中に超電導部材を浸漬させた
場合も、減圧下では超電導部材の発熱によって前記同様
に直ちに液体窒素が気化して気泡が発生するから、気泡
発生に対する根本的な解決策とはならない。したがって
このことも減圧された液体窒素の使用がためらわれてい
た一因である。
【0006】そこで本発明者等は、既に特開平10−5
4367号において、液体窒素によって高温超電導部材
を冷却するにあたって、特殊な真空封止などを行なわず
に、大気に実質的に開放された極く一般的な汎用クライ
オスタットを超電導部材冷却容器として用いながらも、
より低温に高温超電導部材を冷却して超電導性能を向上
させ得るようにするとともに、高温超電導部材作動時に
おける高温超電導部材の発熱による液体窒素からのガス
気泡の発生を抑制するようにした超電導部材冷却装置を
提案している。
【0007】上記提案の超電導部材冷却装置は、基本的
には、超電導部材を収容してその超電導部材を冷却する
ための冷却容器を実質的に大気圧に開放した構成とし、
かつ大気圧下で過冷却状態とした例えば67K程度の液
体窒素を、液面上に空間を残すように前記冷却容器内に
収容し、かつその液面上の空間に窒素ガスを導入して大
気圧に加圧し、その冷却容器内の大気圧下で過冷却状態
の液体窒素によって超電導部材を冷却するようにしてい
る。そしてまた上記提案の超電導部材冷却装置におい
て、超電導部材に対する冷却媒体として機能させる大気
圧下で過冷却状態の液体窒素は、次のようにして得てい
る。すなわち、前述の冷却容器とは別に減圧用容器を設
けて、その減圧用容器内に熱交換器を配設しておき、減
圧用容器内に熱交換用液体窒素(例えば約77Kの大気
圧の飽和液体窒素)を供給するとともに、その減圧用容
器内の圧力を真空ポンプによって減圧して、減圧用容器
内の液体窒素を大気圧から減圧させることによりその温
度を例えば65Kの低温に降下させる。一方、前記熱交
換用液体窒素とは別に、大気圧の冷却用液体窒素(例え
ば約77Kの飽和液体窒素)を前記熱交換器に導き、そ
の熱交換器において減圧用容器内の65Kの減圧された
熱交換用液体窒素と熱交換させて、例えば67K程度ま
で大気圧のまま冷却させ、大気圧下での過冷却状態とす
る。そしてこの大気圧下で過冷却状態の例えば67Kの
冷却用液体窒素を前述の冷却容器に導いて、超電導部材
を67Kに近い温度(例えば70K)の低温に冷却する
こととしている。
【0008】このような特開平10−54367号の提
案の超電導部材冷却装置においては、通常の77K程度
の大気圧下での飽和液体窒素を冷却媒体として用いた場
合よりも超電導部材を確実に低温に冷却することがで
き、そのため超電導部材の性能を向上させることがで
き、しかもこの場合、冷却容器内の過冷却状態の冷却用
液体窒素の液面上の空間が、大気圧の窒素ガスで満たさ
れることにより、外部から水分を含む大気圧の空気が内
部に吸い込まれるおそれを少なくして、冷却容器の蓋部
や電流導入端子等の封止に厳密さが要求されないように
することができ、さらには超電導部材を浸漬させた冷却
用液体窒素が前述のように過冷却状態であるため、超電
導部材の作動時において超電導部材が発熱しても、その
発熱部位周辺で液体窒素が気化温度に達するには温度的
余裕があり、そのため直ちにはガス気泡が発生せず、し
たがってガス気泡によって絶縁性が低下したり冷却効率
が低下したりするおそれも少ないなどの利点がある。
【0009】しかしながら上記提案の超電導部材冷却装
置については、未だ次のような問題があった。
【0010】すなわち、上記提案の超電導部材冷却装置
においては、冷却用の液体窒素とは別に熱交換用液体窒
素を減圧用容器内に供給し、真空ポンプによりその減圧
用容器内を減圧して熱交換用液体窒素を温度降下させ、
その温度降下した熱交換用液体窒素と冷却用液体窒素と
を熱交換させることにより大気圧で過冷却状態の冷却用
液体窒素を得るようにしているが、この場合減圧用容器
内の熱交換用液体窒素は減圧によって徐々に蒸発気化
し、かつその気化ガスがポンプにより排気されて行くか
ら、減圧用容器内の液体窒素液面は急激に低下して行
き、遂には減圧用容器内の熱交換器が露出してしまうこ
とになる。このように熱交換器が液面から露出してしま
えば、充分な熱交換能率が得られなくなって、冷却用液
体窒素を充分な過冷却状態となるように冷却することが
困難となるから、実際上は熱交換器が液面から露出する
以前に、改めて減圧用容器内に液体窒素を補給しなけれ
ばならず、またこの液体窒素補給時には運転を一旦停止
させなければならない。
【0011】このように前記提案の超電導部材冷却装置
では、減圧用容器内の液体窒素補給のために運転を停止
する必要があるところから、長時間連続して運転するこ
とができないという問題があり、また液体窒素補給およ
びそのための運転停止−運転再開のための手間も煩雑と
なるという問題がある。もちろん短時間の運転の場合は
特に問題とはならないが、超電導部材の実用化へ向けた
実験・研究、測定等においては、長時間連続して運転す
ることが求められることが多く、したがって減圧用容器
への熱交換用液体窒素補給が前記提案の装置の普及に対
する大きなネックとなっていたのが実情である。
【0012】そこで本発明者等は、前記提案に倣い、大
気圧もしくは大気圧よりも高い圧力下で過冷却状態とし
た液体窒素を超電導部材に対する冷却用媒体として用い
ながらも、液体窒素を冷凍機によって大気圧下での過冷
却となる温度まで冷却し、得られた過冷却状態の低温の
液体窒素を、そのまま直接超電導部材を冷却するための
冷却媒体として用いることとし、これにより前記提案の
場合のような減圧用容器や熱交換器を用いないように
し、それに伴なって減圧用容器内への熱交換用液体窒素
の補給のための運転停止を回避し得るようにして、長時
間の連続運転を可能とした超電導部材冷却装置を、特許
第2859250号において提案している。
【0013】上記特許による超電導部材冷却装置は、基
本的には、超電導部材を収容してその超電導部材を冷却
するための大気に実質的に開放された冷却容器と、前記
冷却容器へ供給すべき液体窒素を収容するための大気圧
に実質的に開放された供給側容器と、前記供給側容器へ
液体窒素を供給するための液体窒素供給手段と、前記供
給側容器内の液体窒素を、大気圧下での過冷却温度まで
冷却するための冷凍機と、前記供給側容器内において大
気圧下での過冷却温度まで冷却された液体窒素を前記冷
却容器に移送するための移送手段とを有してなり、供給
側容器および冷却容器の液面上の空間を大気圧とするか
または大気圧よりも高い圧力とし、かつ前記移送手段に
よって前記冷却容器内に供給された過冷却状態の液体窒
素中に前記超電導部材を浸漬させるようにしたことを特
徴とするものであり、その具体例を図3に示す。
【0014】図3において、冷却対象となる超電導部材
1は冷却容器3の底部に配置されている。この冷却容器
3は、大気に実質的に開放された一般的な汎用のクライ
オスタットからなるものであって、その外周壁部および
底壁部が真空断熱構造5とされ、また上端には開閉可能
な蓋部7が設けられている。この蓋部7は、容器本体に
対して真空封止されたものではなく、またこの蓋部7に
は汎用のクライオスタットと同様な電流導入端子等が設
けられており、このような蓋部7と容器本体部分との間
の隙間や電流導入端子等を通じて冷却容器3の内部は実
質的に大気開放された状態となっている。なお蓋部7に
は安全弁19が設けられているが、この安全弁19は、
内部圧力が外部の大気圧に対して例えば+0.1kgf
/cm2を越えた場合に開放されて、内部圧力を大気圧
〜大気圧+0.1kgf/cm2の範囲内、すなわち大
気圧もしくは大気圧より若干高い圧力に保持するように
機能する。そして超電導部材1は蓋部7から支持部材9
A,9Bによって吊下げた状態となっている。冷却容器
3内の底部には、後述するようにトランスファチューブ
45を介して大気圧での過冷却状態の液体窒素(冷却用
液体窒素)11が供給されて、超電導部材1がその液体
窒素11に浸漬される。またその冷却容器3内における
液体窒素11の液面11Aよりもわずかに下方の位置に
は、水平横断面の外形形状が冷却容器3の水平横断面内
周形状と実質的に相似の形状をなしかつ上下方向に所定
の厚みを有する断熱部材13が配設されている。この断
熱部材13は、要は全体として上下方向への熱伝導が液
体窒素よりも格段に少ないものとなっていれば良く、通
常はFRPなど熱伝導率の小さい材料によって形成する
か、あるいは中空構造としてその中空部分を真空断熱構
造とする。なおこの断熱部材13は、前述の支持部材9
A,9Bによって蓋部7から吊下げられており、またそ
の断熱部材13の周囲が冷却容器3の内周壁面に対して
若干の隙間14を保つように作られている。一方冷却容
器3における冷却用液体窒素11の液面11Aの上方に
残された空間(蓋部7と液面11Aとの間の空間)15
には、外部の第1の窒素ガス供給源16から窒素ガス供
給管18を経て大気圧の窒素ガスが供給される。また冷
却容器3内における断熱部材13の下面側の位置には、
後述する還流管17の一端が開口している。
【0015】さらに前述のように大気に実質的に開放さ
れた冷却容器3とは別に、供給側容器21が配設されて
いる。
【0016】供給側容器21は、前述の冷却容器3と同
様に大気に実質的に開放されたものであって、その外周
壁部および底壁部が真空断熱構造23とされ、また上端
には開閉可能な蓋部25が設けられている。この蓋部2
5は容器本体に対して真空封止されたものではなく、こ
のような蓋部25と容器本体部分との間の隙間などを通
じて供給側容器21の内部は実質的に大気に開放された
状態となっている。この供給側容器21には、外部の液
体窒素供給源27から、制御弁29および供給管31を
介して液体窒素33が供給されるようになっている。そ
して供給側容器21内における液体窒素33の液面33
Aよりもわずかに下方の位置には、水平横断面の外形形
状が供給側容器21の水平横断面形状と実質的に相似の
形状をなしかつ上下方向に所定の厚みを有する断熱部材
35が、蓋部25から支持部材37A,37Bによって
吊下げられた状態で配設されている。この断熱部材35
も、前記冷却容器3内の断熱部材13と同様のものであ
り、その断熱部材35の周囲が供給側容器21の内周壁
面に対して若干の隙間39を保持していることも、冷却
容器3内の断熱部材13と同様である。
【0017】さらに供給側容器21には、その供給側容
器21内の液体窒素33を、大気圧下での飽和液体窒素
の温度よりも低い過冷却温度(約77Kよりも低い温
度、例えば65〜70K)に冷却するための冷凍機41
が配設されている。この冷凍機41は、冷凍媒体ガス
(通常はヘリウムガス)を圧縮するための圧縮部(コン
プレッサ)41Aと、圧縮された高圧の冷凍媒体ガスを
膨張させて低温を得るとともににその低温を冷却対象
(液体窒素)と熱交換するための冷却ヘッド41Bと、
圧縮部41Aからの高圧の媒体ガスと冷却ヘッド41B
から戻る膨張された低圧の媒体ガスの流れを切替えるた
めのモーターバルブ等の切替部41Cと、その切替部4
1Cと冷却ヘッド41Bとの間で冷凍媒体ガスを往復さ
せる通路を内部に形成したシリンダ部41Dとからなる
ものであり、その切替部41Cが供給側容器21の蓋部
25上に配置され、シリンダ部41Dが切替部41Cか
ら蓋部25を下方へ貫通して供給側容器21内の液体窒
素の液面33A上の空間47を通り、その下端が液体窒
素中に浸漬され、その部分すなわち液体窒素中に浸漬さ
れた部分に冷却ヘッド41Bが設けられている。ここ
で、シリンダ部41Dは一般にステンレス鋼により作ら
れている。また冷却ヘッド41Bは、その外面に銅等の
良伝熱材料からなる伝熱ブロックを設けた構成とされて
いる。なお圧縮部41Aは通常は供給側容器21から離
れた位置に配置され、その圧縮部41Aと切替部41C
との間が、高圧ガス管路41E、低圧ガス管路41Fに
よって結ばれている。
【0018】また供給側容器21内には、蓋部25から
吊下げられた状態で送液ポンプ43が配設されている。
この送液ポンプ43は、その取入口(汲出口)が供給側
容器21における断熱部材35よりも下方(通常は供給
側容器21の底部近く)に位置するように配設されてい
る。そしてこの送液ポンプ43の出口側はトランスファ
ーチューブ45に接続されており、このトランスファー
チューブ45は前述のように冷却容器3内に導かれてい
る。さらに前記冷却容器3からの還流管17が供給側容
器21内へ導かれており、その還流管17の先端側開口
端が供給側容器の底部(前記冷凍機41の冷却ヘッド4
1Bよりも下方の位置)において開口している。
【0019】また供給側容器21における液体窒素33
の液面33Aの上方に残された空間(蓋部25と液面3
3Aとの間の空間)47には、外部の第2の窒素ガス供
給源49から窒素ガス供給管51を経て大気圧もしくは
大気圧以上の圧力の窒素ガスが供給されるようになって
いる。
【0020】ここで、液体窒素供給源27、制御弁2
9、および供給管31は、供給側容器21に液体窒素を
供給するための液体窒素供給手段63を構成している。
さらに送液ポンプ43およびトランスファチユーブ45
は、供給側容器21内において大気圧で過冷却状態に冷
却された液体窒素を冷却容器3に移送するための移送手
段65を構成している。一方第1の窒素ガス供給源1
6、窒素ガス供給管18は、冷却容器3における液面上
の空間15に大気圧もしくは大気圧以上の圧力の窒素ガ
スを供給するための第1の窒素ガス供給手段67を構成
しており、また第2の窒素ガス供給源49、窒素ガス供
給管51は、供給側容器21における液面上の空間47
に大気圧もしくは大気圧以上の圧力の窒素ガスを供給す
るための第2の窒素ガス供給手段69を構成している。
【0021】以上のような図3に示される実施例の超電
導部材冷却装置の全体的な機能について以下に説明す
る。
【0022】液体窒素供給手段63の液体窒素供給源2
7から供給側容器21に供給される液体窒素は、77K
程度のものであるが、その液体窒素は供給側容器21内
において、冷凍機41の冷却ヘッド41Bによって大気
圧もしくは大気圧以上の圧力のもとで冷却されて、大気
圧下での飽和液体窒素温度(77K程度)よりも低い温
度、例えば65〜70K程度まで温度降下される。そし
てその65〜70K程度に過冷却された大気圧もしくは
大気圧より高い圧力の液体窒素33は、送液ポンプ43
によって供給側容器21の底部付近から汲み上げられ、
トランスファチューブ45を介して、大気に実質的に開
放された冷却容器3内に導かれる。冷却容器3内に導か
れた過冷却状態の液体窒素を図3では符号11で示して
おり、これが冷却用液体窒素に相当する。
【0023】冷却容器3内においては、前述のような例
えば65〜70Kの過冷却状態の液体窒素11によって
超電導部材1が例えば67〜72K程度に冷却・保持さ
れる。また冷却容器3内において超電導部材1からの熱
などによって例えば70K程度以上に温度上昇した液体
窒素は、還流管17を介して供給側容器21へ戻る。こ
のようにして供給側容器21へ還流された流体窒素は、
冷凍機41の冷却ヘッド41Bにより再び65〜70K
程度まで大気圧もしくは大気圧以上の圧力のもとで冷却
され、前述のように送液ポンプ43によって冷却容器3
に再び送られることになる。
【0024】ここで、冷却容器3内における冷却用液体
窒素11の液面11Aの上方の空間15には窒素ガス供
給管18を介して大気圧もしくは大気圧以上の圧力の窒
素ガスが導入される。したがって冷却容器3の液面上の
空間15は大気圧もしくは大気圧以上の圧力の窒素ガス
で満たされることになる。そのため冷却容器3内の圧力
が大気圧もしくは大気圧以上の圧力に維持され、蓋部7
の封止部分や電流導入端子部分などを介して外部から空
気が引き込まれて侵入することが防止される。
【0025】また冷却容器3内における冷却用液体窒素
11の液面下には断熱部材13が配設されているから、
冷却用液体窒素11の液面(気液界面であるため約77
K)とその断熱部材13よりも下側、特に超電導部材1
が位置している冷却容器底部との間で熱勾配を与えるこ
とができる。またその断熱部材13の存在によって液面
11A付近に底部側との間での対流撹拌が阻止される。
そしてこれらの結果、超電導部材1が位置する底部の冷
却用液体窒素11を、65K程度の低温の過冷却状態に
維持することができる。そしてこのように超電導部材1
が例えば65〜70Kの過冷却状態の低温の液体窒素1
1によって取囲まれるため、超電導部材1の作動時にお
いて超電導部材1が発熱しても、その周囲の液体窒素が
大気圧下での気化温度(約77K)以上となるまでには
10K程度の余裕があり、そのため超電導部材1の発熱
によってその周囲の液体窒素が直ちに気化してガス気泡
が発生してしまうことを有効に防止できる。
【0026】なお供給側容器21内における液体窒素3
3の液面33Aの上方の空間47にも、窒素ガス供給管
51を介して大気圧もしくは大気圧以上の圧力の窒素ガ
スが導入されて、その大気圧もしくは大気圧以上の圧力
の窒素ガスで満たされることになる。そのため供給側容
器21内の圧力が大気圧もしくは大気圧以上の圧力に維
持され、蓋部25の封止部分などを介して外部から空気
が引き込まれて侵入することが防止される。
【0027】また冷却容器3と同様に、供給側容器21
内における液体窒素33の液面下にも断熱部材35が配
設されており、そのため液体窒素33の液面(気液界面
であるため約77K)とその断熱部材35よりも下側、
特に冷凍機41の冷却ヘッド41B付近との間で熱勾配
を与えることができる。またその断熱部材35の存在に
よって液面33A付近と断熱部材35よりも下側の部分
との間での対流撹拌が阻止される。そしてこれらの結
果、送液ポンプ43の取入口付近の液体窒素33を、6
5〜70K程度の低温の過冷却状態に維持して、その6
5〜70K程度の低温の過冷却状態の液体窒素を冷却容
器3へ送り込むことができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】図3に示される装置に
おいては、冷却容器3および供給側容器21における液
体窒素11,33の液面上の空間15,47に、大気圧
もしくは大気圧以上の圧力の窒素ガスを導入して、冷却
容器3および供給側容器21の圧力を大気圧もしくは大
気圧以上の圧力となるように加圧・維持するようにして
いる。ところがこのように冷却容器3、供給側容器21
の圧力を大気圧もしくは大気圧以上の圧力に加圧・維持
するために窒素ガスを導入した場合、次のような問題が
あることが判明した。
【0029】すなわち、例えば供給側容器21内におい
ては、液体窒素33の液面33Aは、大気圧もしくは大
気圧以上の圧力の窒素ガスと液体窒素33が接する気液
界面となっており、そのため液面近傍の液体窒素は、定
常時は飽和液体となっている。そしてその液面近傍の液
体窒素の温度は、大気圧もしくは大気圧より高い圧力下
での飽和温度となっている。なおここで“大気圧よりも
高い圧力”も、実際上は既に述べたように大気圧よりも
わずかに高い程度であるから、以下では、説明の簡単化
のため、一律に大気圧と記すこととし、液面近傍の液体
窒素の温度も、一律に大気圧での飽和温度(約77.4
K)と考えることとする。
【0030】一方、前述のように供給側容器21内にお
ける液体窒素の液面33Aよりも下方に離れた位置、特
に冷凍機41の冷却ヘッド41Bの位置やそれよりも下
方の位置では、液体窒素が冷却ヘッド41Bにより冷却
されて、大気圧下での飽和温度よりも低い65〜70K
程度の温度の過冷却状態となっている。そのため液体窒
素中の冷却ヘッド41Bより上方の領域では、液面から
下方へ向かって温度勾配が形成されている。そしてこの
ような温度勾配を維持するため、前記提案の装置では断
熱部材35を設けており、またこの断熱部材35によっ
て対流撹拌を阻止するようにしているのであるが、実際
の運転時には、送液ポンプ43の作動状況や熱負荷の変
動などによる擾乱が液体窒素中に生じて液体窒素が撹拌
されてしまうことがある。その場合、前述のような温度
勾配が乱されて、液面(気液界面)の温度が大気圧下で
の飽和温度よりも低下し、それに伴なって液面上の窒素
ガス気相が凝縮して、液面上の空間の窒素ガス圧力が減
圧され、大気圧よりも低くなってしまって、供給側容器
21の外部から大気を吸引してしまうおそれがある。ま
た、上述のような液面上の気相の凝縮によって液面位置
が変動し、そのため液面33Aと冷却ヘッド41Bとの
間の距離が変動し、温度勾配を正常に保つことが一層困
難となり、システム全体の冷却効率が不安定化してしま
うおそれがある。
【0031】なおここでは供給側容器21について説明
したが、冷却容器3についてもほぼ同様な問題がある。
【0032】さらに、既に述べたように特開平10−5
4367号に示される超電導部材冷却装置、すなわち超
電導部材を収容した冷却容器とは別に減圧容器を設けて
おいて、減圧用容器内の液体窒素を減圧して例えば65
Kの低温に降下させ、かつその低温の液体窒素と大気圧
の冷却用液体窒素とを熱交換させて、得られた大気圧下
で65K程度の低温の液体窒素(すなわち大気圧下での
過冷却液体窒素)を冷却容器に導き、その冷却容器内の
超電導部材を65K近くまで冷却するようにした装置の
場合も、冷却容器内に外部から大気圧の窒素ガスを導入
するようにしており、この場合も前記と同様な問題があ
った。
【0033】結局、液面上に空間を残して液体窒素を収
容しかつその液面上の空間に大気圧もしくは大気圧以上
の圧力で窒素ガスが導入される液体窒素容器(例えば特
許第2859250号の装置における供給側容器21も
しくは冷却容器3、あるいは特開平10−54367号
の装置における冷却容器)内の液体窒素を、大気圧下で
の過冷却温度とし、かつその大気圧下での過冷却温度の
液体窒素によって超電導部材を冷却するようにした装置
では、すべて前述のような問題が生じるおそれがあった
のである。
【0034】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、前述のような大気圧下での過冷却温度の液体
窒素によって超電導部材を冷却するようにした装置にお
いて、液面上に空間を残して過冷却温度の液体窒素を収
容する液体窒素容器の液面上の空間を大気圧もしくは大
気圧以上の圧力に加圧するにあたり、運転時に液体窒素
液面上の空間が大気圧より低い圧力に減圧されて外部か
ら大気圧の空気を吸引したり、液面の変動による作動状
態の不安定化によって冷却効率が下がってしまうような
事態の発生を有効に防止し得るようにした超電導部材冷
却装置を提供することを目的とするものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明においては、大気圧下での過冷却温
度とされる液体窒素を保持する容器内の液面上の空間に
導入する大気圧もしくは大気圧以上の圧力のガスとし
て、従来のような窒素ガスを用いず、窒素ガスよりも凝
縮温度が低いガス、例えばヘリウムガス、ネオンガス、
あるいは水素ガス等を用いることとした。
【0036】すなわち請求項1の発明は、液面上に空間
を残して液体窒素を収容しかつその液面上の空間に大気
圧もしくは大気圧以上の圧力が加えられる液体窒素容器
内の液体窒素を、大気圧下での過冷却温度とし、その大
気圧下での過冷却温度の液体窒素によって超電導部材を
冷却するように構成した超電導部材冷却装置において、
前記液体窒素容器内の液体窒素の液面上の空間を、窒素
ガスよりも凝縮温度が低いガスによって大気圧もしくは
大気圧以上の圧力に加圧するようにしたことを特徴とす
るものである。
【0037】このような請求項1の発明の超電導部材冷
却装置においては、液体窒素容器内の液面上の空間が窒
素ガスではなく、窒素ガスよりも凝縮温度の低い他のガ
スによって大気圧もしくは大気圧以上の圧力に加圧され
るため、容器内の液体窒素とその上方の気相部分との界
面(液面)では、窒素ガスよりも凝縮温度が低いガスと
液体窒素とが接するため、ガスの凝縮や液体窒素の気化
が実質的に生じない。このことは、窒素ガスを用いた場
合のように液相と気相との界面の温度が窒素ガスの飽和
温度となってしまうことがないことを意味し、したがっ
て液体窒素の液面近傍の温度も、液面よりも下方の過冷
却温度と同等となる。言い換えれば、液面近傍とその下
方の位置(過冷却状態の液体窒素の部分)との間で温度
勾配を形成する必要がないことを意味する。そして、た
とえ何らかの擾乱によって液面近傍の液体窒素と、下方
の部分の液体窒素とが撹拌、対流されても、従来技術の
ような液面における窒素ガスの凝縮に起因する減圧も生
じず、そのため容器の外部から大気圧の空気が容器内へ
吸引されてしまうような事態も生じない。また液面位置
も安定化するため、液面位置の変動に起因する冷却効率
の低下も回避することができる。
【0038】ここで、容器内の液体窒素の上方の空間を
大気圧もしくは大気圧以上に加圧するためのガスとして
は、前述のように窒素ガスよりも凝縮温度が低いもので
あれば任意であるが、実際上は、何らかの化学反応が生
じたりしないものであって、しかも凝縮温度が窒素ガス
よりも確実かつ充分に低い(具体的には10K以上低い
ことが好ましい)ものを用いることが望ましく、その観
点から、不活性ガス、例えばヘリウムガス、ネオンガ
ス、あるいは水素ガスを用いることが望ましく、これを
規定したのが請求項2である。
【0039】
【発明の実施の形態】
【0040】
【実施例】図1にこの発明の実施例の超電導部材冷却装
置の一例を示す。なお図1において、図3に示した従来
技術と同一の要素については同一の符号を付し、その説
明は省略する。
【0041】図1において、供給側容器21における液
体窒素33の液面33A上の空間47には、外部のヘリ
ウムガス供給源71からヘリウムガス供給管73A,7
3B、開閉弁75Aを経て大気圧もしくは大気圧以上の
圧力のヘリウムガスが供給されるようになっている。一
方冷却容器3についても、液体窒素11の液面11Aの
上方の空間15に、前記ヘリウムガス供給源71からヘ
リウムガス供給管73A,73C、開閉弁75Bを経て
大気圧もしくは大気圧以上の圧力のヘリウムガスが供給
されるようになっている。
【0042】なお図3に示した従来技術では、冷却容器
3および供給側容器21における液体窒素の液面下に断
熱部材13,35を配設しているが、図1に示すこの発
明の実施例では、これらの断熱部材は省かれている。
【0043】以上のような図1に示される実施例におい
ては、供給側容器21および冷却容器3が請求項1にお
いて規定する液体窒素容器に相当する。このような実施
例において、液体窒素供給源27から供給側容器21内
に供給された77K程度の液体窒素は、冷凍機41の冷
却ヘッド41Bによって大気圧もしくは大気圧以上の圧
力のもとで冷却されて、大気圧下での飽和液体窒素温度
(77K程度)よりも低い温度(過冷却温度)、例えば
65〜70K程度まで温度降下され、過冷却された液体
窒素33が、送液ポンプ43によって供給側容器21の
底部付近から汲み上げられ、トランスファチューブ45
を介して、冷却容器3内に導かれ、超電導部材1を例え
ば67〜72K程度に冷却・保持する。また冷却容器3
内において超電導部材1からの熱などによって例えば7
0K程度以上に温度上昇した液体窒素は、還流管17を
介して供給側容器21へ戻る。このようにして供給側容
器21へ還流された流体窒素は、冷凍機41の冷却ヘッ
ド41Bにより再び65〜70K程度まで大気圧もしく
は大気圧以上の圧力のもとで冷却され、前述のように送
液ポンプ43によって冷却容器3に再び送られることに
なる。以上の動作は、図3に示した従来技術と同様であ
る。
【0044】ここで、図1に示される実施例の装置で
は、供給側容器21における液面33A上の空間47お
よび冷却容器3における液面11A上の空間15には、
大気圧もしくは大気圧以上の圧力のヘリウムガスが導入
されて、供給側容器21内の圧力および冷却容器3内の
圧力が大気圧もしくは大気圧以上に維持され、蓋部7の
封止部分や電流導入端子部分などを介して外部から空気
が引込まれることを防止する。そしてヘリウムガスは、
その凝縮温度が約4Kと窒素ガスの凝縮温度よりも格段
に低く、そのため供給側容器21内の液体窒素33の液
面33Aや冷却容器3内の液体窒素11の液面11Aに
おいてヘリウムガスが凝縮してしまうことはない。した
がって供給側容器21内の液面33Aや冷却容器3内の
液面11Aの近傍の液体窒素温度も、通常はそれよりも
下方の位置(例えば供給側容器21内における冷却ヘッ
ド41B付近の位置あるいは冷却容器3内における超電
導部材1の位置)の液体窒素温度(65〜70K程度;
大気圧下での過冷却温度)と同等になるのが通常であ
り、液面から下方へ向かっての温度勾配は特に形成され
ない。そして送液ポンプ43の作動状況や冷却対象であ
る超電導部材1の熱負荷の変動などの擾乱によって液面
近傍で対流や撹拌が生じても、従来技術のような液面に
対しての窒素ガスの凝縮も生じないから、上述のような
擾乱によって液面上の空間が減圧されて、大気圧より低
い圧力となって外部から空気を吸い込んでしまうような
事態が生じることを確実に防止できる。また窒素ガスの
凝縮により液面が変動することもないから、安定した冷
却効率を維持することができる。
【0045】またここで、前述のように液面からその下
方へ向かって温度勾配を形成する必要がなく、かつ液面
近傍での液体窒素の対流、撹拌が生じても特に支障ない
ところから、従来技術のように断熱部材を液面下に配置
しておく必要もない。
【0046】なお図1の実施例においては、供給側容器
21内の液面上の空間および冷却容器3内の液面上の空
間の両者について、ヘリウムガスにより大気圧もしくは
大気圧以上の圧力に加圧することととしたが、場合によ
ってはいずれか一方のみをヘリウムガスで加圧し、他方
については従来通り窒素ガスで加圧するようにしても良
い。
【0047】以上の実施例は、特許第2859250号
において提案されている従来技術の超電導部材冷却装置
を改良したものとして示したが、特開平10−5436
7号で提案されている従来技術の超電導部材冷却装置、
すなわち冷凍機を用いずに、減圧用容器および熱交換器
を用いて大気圧下での過冷却液体窒素を得て超電導部材
を冷却する装置に準じて、この発明を適用し得ることは
もちろんである。その場合の実施例を図2に示す。
【0048】図2において、冷却容器3は図1に示され
る実施例の冷却容器と同様に大気に実質的に開放された
汎用のクライオスタットからなるものであって、過冷却
液体窒素11が液面上に空間を残すように注入されてお
り、かつその底部に冷却対象となる超電導部材1が配置
されている。この冷却容器3の具体的構成は、図1の実
施例の場合と同様であり、その詳細な説明は省略する。
もちろん冷却容器3の液面上の空間15にヘリウムガス
供給源71からヘリウムガス供給管73A,73C、開
閉弁75Bを経て大気圧もしくは大気圧以上の圧力のヘ
リウムガスが供給されるように構成される点も、図1に
示される実施例の冷却容器3と同様である。なお冷却容
器3内における冷却用液体窒素11の液面11Aのわず
か下方の位置には、後述する還流管17の一端側開口端
が開口している。
【0049】さらに前述のように大気に実質的に開放さ
れた冷却容器3とは別に、供給側保持容器81および減
圧用容器83が配設されている。
【0050】供給側保持容器81は、冷却容器3と同様
に大気に実質的に開放されたものであって、この供給側
保持容器81には、外部の液体窒素供給源85から、制
御弁87および供給管89を介して大気圧の液体窒素9
0が供給される。その供給量は供給側保持容器81内に
設けた液面計91および前記制御弁87によって制御さ
れる。また供給側保持容器81内には、送液ポンプ93
が配設されており、この送液ポンプ93によって供給側
保持容器81内の大気圧もしくは大気圧以上の圧力の液
体窒素90が、第1トランスファチューブ95を介して
減圧用容器83内の後述する熱交換器117へ輸送され
るようになっている。また供給側保持容器81内におけ
る液体窒素90の液面の上方の空間には、外部のヘリウ
ムガス供給源71からヘリウムガス供給管73A,73
B、開閉弁75Aを経て大気圧もしくは大気圧以上の圧
力のヘリウムガスが導かれるようになっている。なお供
給側保持容器81内の液面下には、前述の冷却容器3か
ら導かれる還流管17の先端が開口している。
【0051】一方減圧用容器83には、外部の液体窒素
供給源105から、制御弁107および供給管109を
介して熱交換用液体窒素111が供給される。その供給
量は、減圧用容器83内に設けた液面計113および制
御弁107によって制御されるようになっている。また
この減圧用容器83には、減圧手段としてロータリーポ
ンプ115が接続されており、このロータリーポンプ1
15によって内部の熱交換用液体窒素111が大気圧よ
りも所定の圧力だけ低い圧力(例えば20kPa)に減
圧され、またそれに伴なって温度降下されるようになっ
ている。さらに減圧用容器83内には、熱交換用液体窒
素111に浸漬される位置に熱交換器117が配設され
ている。この熱交換器117の入口側には、前述の供給
側保持容器81から第1トランスファチューブ95を介
して大気圧もしくは大気圧以上の圧力の飽和液体窒素9
0が供給されて、その液体窒素90が、減圧用容器93
内の減圧された低温の熱交換用液体窒素111と熱交換
されて、温度降下する。また熱交換器117の出口側は
第2トランスファチューブ119に接続されていて、熱
交換により温度降下した液体窒素90が前述の冷却容器
3に、冷却用液体窒素11として導かれるようになって
いる。
【0052】ここで減圧用容器83の側の液体窒素供給
源105、制御弁107、供給管109は、減圧用容器
83へ熱交換用液体窒素を供給するための熱交換用液体
窒素供給手段121を構成している。また液体窒素供給
源85、制御弁87、供給管89、供給側保持容器8
1、送液ポンプ93、第1トランスファチューブ95
は、熱交換器117に大気圧もしくは大気圧以上の圧力
の液体窒素を供給するための冷却用液体窒素供給手段1
23を構成している。さらに第2トランスファチユーブ
119は、熱交換器117を通過した大気圧下での過冷
却温度の冷却用液体窒素を冷却容器3に移送するための
移送手段125を構成している。なおこの実施例では、
冷却容器3が請求項1で規定する液体窒素容器に相当す
る。
【0053】以上のような図2に示される第2の実施例
の超電導部材冷却装置の全体的な機能について以下に説
明する。
【0054】供給側保持容器81から送液ポンプ93に
より第1トランスファチューブ95を介して減圧用容器
83内の熱交換器117へ送られる液体窒素90は、運
転開始の初期においては77K程度の温度の大気圧下で
の飽和状態のものとなっている。一方減圧用容器83内
は、減圧手段、例えばロータリーポンプ115によって
大気圧よりも低い圧力に減圧され、そのため液体窒素供
給源105から減圧用容器83に供給された液体窒素1
11は、大気圧で下の飽和温度(77K程度)から例え
ば65K程度まで温度降下される。そして供給側保持容
器81から熱交換器117へ送られて来た大気圧もしく
は大気圧以上の圧力の液体窒素90は、減圧用容器83
内の例えば65Kの液体窒素111と熱交換されて、6
7K程度まで温度降下する。すなわち過冷却状態とな
る。なおこの熱交換器117においては、液体窒素90
の圧力は特に変化せず、大気圧もしくは大気圧以上の圧
力の状態を維持する。
【0055】上述のようにして67K程度に過冷却され
た大気圧もしくは大気圧以上の圧力の液体窒素90は、
第2トランスファチューブ119を介して、大気に実質
的に開放された冷却容器3内に導かれる。冷却容器3内
に導かれた過冷却状態の大気圧の液体窒素を図2では符
号11で示しており、これが冷却用液体窒素に相当す
る。ここで、冷却容器3内における冷却用液体窒素11
の量は、液面11A上に空間15が残るように還流管1
7によって調整される。
【0056】冷却容器3内においては、図1に示した実
施例と同様に67Kの過冷却状態の大気圧もしくは大気
圧以上の圧力の液体窒素11によって超電導部材1が例
えば70K程度に冷却・保持される。ここで、冷却容器
3内における冷却用液体窒素11の液面11Aの上方の
空間15には、ヘリウムガス供給源71からヘリウムガ
ス供給管73A,73C、開閉弁75Bを介して大気圧
もしくは大気圧以上の圧力のヘリウムガスが導入され
る。そのため冷却容器3内の圧力が確実に大気圧もしく
は大気圧以上の圧力に維持され、蓋部7の封止部分等を
介して外部から大気圧の空気が引き込まれて侵入するこ
とが確実に防止される。
【0057】ここで、冷却容器3内においては、既に述
べた図1の実施例の場合と同様に、窒素ガスではなくヘ
リウムガスで加圧しているため、何らかの原因による擾
乱によって液面近傍で液体窒素の対流や撹拌が生じて
も、従来技術の場合のような窒素ガスの凝縮による減圧
が生じることはなく、したがって外部から大気圧の空気
を吸い込んでしまうような事態を招くおそれはなく、ま
た液面の安定化により高い冷却効率を安定して維持する
ことができる。
【0058】なお、運転が進んで定常状態となれば、還
流管17を経て冷却容器1から供給側保持容器81に7
0K程度の液体窒素が戻されることにより、供給側保持
容器81内の液体窒素90も70K近い温度、すなわち
大気圧下での過冷却温度となる。しかしながら、供給用
保持容器81内の液体窒素30の液面上の空間もヘリウ
ムガスによって大気圧もしくは大気圧以上の圧力により
加圧されているため、冷却容器3と同様に、何らかの原
因による擾乱によって供給側保持容器81内の液面近傍
の液体窒素に対流や撹拌が生じても、窒素ガスの凝縮に
よる減圧に起因して外部から大気圧の空気を吸い込んで
しまうことを有効に防止できる。但し、場合によって
は、冷却容器3と供給側保持容器81とのうち、いずれ
か一方は従来と同様に窒素ガスで加圧しても良い。
【0059】なおまた、図1に示される実施例、図2に
示される実施例のいずれにおいても、大気圧もしくは大
気圧以上の圧力に加圧するためのガスとしてヘリウムガ
スを用いているが、このほかネオンガス、あるいは水素
ガスを用いても良いことはもちろんである。
【0060】さらに、以上の説明では、特許第2859
250号の超電導部材冷却装置に準じた実施例(図1)
における供給側容器21および冷却容器3、また特開平
10−54367号の超電導部材冷却装置に準じた実施
例(図2)の冷却容器3について、その液面上の空間を
ヘリウムガス等の窒素ガスよりも凝縮温度が低いガスに
より大気圧もしくは大気圧以上の圧力で加圧するものと
したが、これらの容器に限らず、要は液面上に空間を残
して液体窒素を収容しかつその液面上の空間に大気圧も
しくは大気圧以上の圧力を加え、容器内の液体窒素を大
気圧下での過冷却温度とし、その大気圧下での過冷却温
度の液体窒素によって超電導部材を冷却する場合にはす
べて適用可能である。
【0061】
【発明の効果】前述の実施例からも明らかなように、こ
の発明は、液面上に空間を残して液体窒素を収容しかつ
その液面上の空間に大気圧もしくは大気圧以上の圧力が
加えられる液体窒素容器内の液体窒素を、大気圧下での
過冷却温度とし、その大気圧下での過冷却温度の液体窒
素によって超電導部材を冷却するように構成した超電導
部材冷却装置において、液体窒素容器内の液体窒素の液
面上の空間を、窒素ガスよりも凝縮温度が低いガスによ
って大気圧もしくは大気圧以上の圧力に加圧するように
しているため、容器内の液体窒素とその上方の気相部分
との界面(液面)では、窒素ガスよりも凝縮温度が低い
ガスと液体窒素とが接し、そのためガスの凝縮や液体窒
素の気化が実質的に生じないから、窒素ガスを用いた従
来技術の場合のように液相と気相との界面の温度が窒素
ガスの飽和温度となってしまうことがなく、したがって
液面近傍とその下方の位置(過冷却状態の液体窒素の部
分)との間で温度勾配を形成する必要がないから、たと
え何らかの擾乱によって液面近傍の液体窒素と、下方の
部分の液体窒素とが撹拌、対流されても、従来技術のよ
うな液面における窒素ガスの凝縮に起因する減圧も生じ
ず、そのため容器の外部から大気圧の空気が容器内へ吸
引されてしまうような危険も生じず、また液面位置も安
定化するため、液面位置の変動に起因する冷却効率の低
下も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の超電導部材冷却装置の全
体構成を示す略解図である。
【図2】この発明の他の実施例の超電導部材冷却装置の
全体構成を示す略解図である。
【図3】従来の超電導部材冷却装置の全体構成を示す略
解図である。
【符号の説明】
1 超電導部材 3 冷却容器(液体窒素容器) 11 液体窒素 33 液体窒素 11A 液面上の空間 33A 液面上の空間 21 供給側容器(液体窒素容器) 71 ヘリウムガス供給源
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】以上のような図3に示される先行技術によ
る超電導部材冷却装置の全体的な機能について以下に説
明する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】以上のような図1に示される実施例におい
ては、供給側容器21および冷却容器3が請求項1にお
いて規定する液体窒素容器に相当する。このような実施
例において、液体窒素供給源27から供給側容器21内
に供給された77K程度の液体窒素は、冷凍機41の冷
却ヘッド41Bによって大気圧もしくは大気圧以上の圧
力のもとで冷却されて、大気圧下での飽和液体窒素温度
(77K程度)よりも低い温度(過冷却温度)、例えば
65〜70K程度まで温度降下され、過冷却された液体
窒素33が、送液ポンプ43によって供給側容器21の
底部付近から汲み上げられ、トランスファチューブ45
を介して、冷却容器3内に導かれ、超電導部材1を例え
ば67〜72K程度に冷却・保持する。また冷却容器3
内において超電導部材1からの熱などによって例えば7
0K程度以上に温度上昇した液体窒素は、還流管17を
介して供給側容器21へ戻る。このようにして供給側容
器21へ還流された液体窒素は、冷凍機41の冷却ヘッ
ド41Bにより再び65〜70K程度まで大気圧もしく
は大気圧以上の圧力のもとで冷却され、前述のように送
液ポンプ43によって冷却容器3に再び送られることに
なる。以上の動作は、図3に示した従来技術と同様であ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】なお、運転が進んで定常状態となれば、還
流管17を経て冷却容器3から供給側保持容器81に7
0K程度の液体窒素が戻されることにより、供給側保持
容器81内の液体窒素90も70K近い温度、すなわち
大気圧下での過冷却温度となる。しかしながら、供給側
保持容器81内の液体窒素90の液面上の空間もヘリウ
ムガスによって大気圧もしくは大気圧以上の圧力により
加圧されているため、冷却容器3と同様に、何らかの原
因による擾乱によって供給側保持容器81内の液面近傍
の液体窒素に対流や撹拌が生じても、窒素ガスの凝縮に
よる減圧に起因して外部から大気圧の空気を吸い込んで
しまうことを有効に防止できる。但し、場合によって
は、冷却容器3と供給側保持容器81とのうち、いずれ
か一方は従来と同様に窒素ガスで加圧しても良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 超電導部材 3 冷却容器(液体窒素容器) 11 液体窒素 33 液体窒素 11A 液面 15 液面上の空間 33A 液面 47 液面上の空間 21 供給側容器(液体窒素容器) 71 ヘリウムガス供給源
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液面上に空間を残して液体窒素を収容し
    かつその液面上の空間に大気圧もしくは大気圧以上の圧
    力が加えられる液体窒素容器内の液体窒素を、大気圧下
    での過冷却温度とし、その大気圧下での過冷却温度の液
    体窒素によって超電導部材を冷却するように構成した超
    電導部材冷却装置において、 前記液体窒素容器内の液体窒素の液面上の空間を、窒素
    ガスよりも凝縮温度が低いガスによって大気圧もしくは
    大気圧以上の圧力に加圧するようにしたことを特徴とす
    る、超電導部材冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記液体窒素容器内の液体窒素の液面上
    の空間を加圧するガスとして、ヘリウムガス、ネオンガ
    ス、水素ガスのいずれかを用いることを特徴とする、請
    求項1に記載の超電導部材冷却装置。
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