JP2008091802A - 極低温容器 - Google Patents

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尚志 磯上
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Abstract

【課題】
本発明の目的は、熱シールドの重量を増大することなく熱シールドの温度均一化をはかり、比較的大型の装置でも封じ切り可能な冷却構造を持つ極低温容器を提供することにある。
【解決手段】
液体ヘリウム槽と、前記液体ヘリウム槽への侵入熱を低減するための真空断熱槽と、前記液体ヘリウム槽と前記真空断熱槽との間に設置された熱シールドと、を有する極低温容器において、2段以上の温度ステージを持つ冷凍機を有し、そのうちの少なくとも1段の温度ステージでヘリウムの再凝縮を行い、他の1つ以上の温度ステージにおいて熱シールドにかかる熱負荷を汲み上げ、さらに、常温とは連通しない循環経路を形成する冷却配管を前記熱シールドに熱的に接触させるように設置し、前記冷却配管中にはヘリウムガスが入っていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超電導磁石等を冷却するための極低温容器に関するものである。
MRIやNMR等の超電導磁石応用機器は、液体ヘリウム等の寒剤によって超電導磁石を極低温にして磁石の超電導状態を保っている。そのため、液体ヘリウム槽を有する極低温容器の中に超電導磁石が挿入されている。液体ヘリウムは少しの侵入熱で蒸発するため、極力侵入熱を低減する極低温容器が望まれる。そのため、特許文献1に示されているように、通常は熱シールドと呼ばれる板で液体ヘリウム槽の外側を覆い、常温からの輻射熱を低減するとともに荷重支持体等のサーマルアンカーを取って常温からの熱は熱シールドの熱負荷として受ける構造となっている。
この時、熱シールドは液体窒素を流すことにより冷却される。液体窒素は液体窒素液溜容器より配管で供給できるように配置し、戻ってきた窒素ガスを液化機により再液化するか、あるいは大気に放出して新たに液体窒素を供給する構造とする。しかし、本構造では液体窒素液溜が必要な構造となっているため、大きくなるとともに液体窒素の供給を必要とする。
また、液体窒素の供給を不要とするために窒素用液化機を設置するとさらに大きな装置となってしまう。また、熱シールドは液体窒素で冷却されるため通常大気圧付近での液体窒素温度(約77K)にしか冷却できず、その中の液体ヘリウム槽は熱シールドからの輻射熱や伝導熱を受けるためヘリウムの蒸発量は熱シールドの温度と面積に大きく依存し、それに見合った冷凍能力を持つ冷凍機の設置を必要とする。
そこで、比較的小さな冷凍機だけで冷却系の封じ切り運転(冷媒の補給を必要としない運転)を可能とする構造として、例えば特許文献2に示したような構造が考えられている。熱シールドは、2段GM冷凍機等の極低温用冷凍機の第1ステージと熱的に接触させることにより、熱負荷を冷凍機に吸収させて低温に保たれる。熱負荷をできるだけ低減するために、熱シールドの外側には積層断熱材が設置されたり、荷重支持体はFRP等の熱伝導率の低いもので構成されたりする。
GM冷凍機の第1ステージは無負荷状態で約30K,50W程度の熱負荷を受けても
50K程度の慣例を発生させることができるため、熱シールド温度を液体窒素温度(約
77K)以下の低温に保つことができ、液体ヘリウム槽に入る侵入熱を低減することができる。このため、極低温用冷凍機の第2ステージにおいてわずかに蒸発するヘリウムを再液化すれば、小型の装置で冷却系封じ切り運転を可能とすることができる。
特開2004−87761号公報 特開2005−322756号公報
しかし、上記構造は、磁石自体が小さな装置であれば問題ないが、MRI等で大口径や高磁場を達成するためにはどうしても磁石が大きくなり、それに伴って熱シールドに入る侵入熱も増加する。冷凍機で熱負荷を吸収したとしても、熱シールドが大きいと熱抵抗が大きくなり熱シールド自体で温度差がつき、これにより液体ヘリウム槽への侵入熱が増えてしまう。熱抵抗を小さくするために熱シールドの板厚を大きくすると、重量,寸法が大きくなってしまう上、その荷重を支えるために荷重支持体を大きなものにしなければならず、これにより侵入熱量が増加してしまい、冷却系封じ切り運転が困難となる。
本発明の目的は、熱シールド及びそのための冷却装置の重量をそれほど大きくすることなく、熱シールド温度の均一化を図ることができ、これにより液体ヘリウムの補給を不要とする冷却系封じ切り可能な極低温容器を提供することにある。
上記目的は、液体ヘリウム槽の外周に設けられた真空断熱槽と、前記液体ヘリウム槽と前記真空断熱槽との間に設置された熱シールドとを備えた極低温容器において、2段以上の温度ステージを持つ冷凍機を有し、そのうちの少なくとも1段の温度ステージでヘリウムの再凝縮を行い、他の1つ以上の温度ステージで熱シールドにかかる熱負荷を汲み上げるとともに、常温とは連通しない循環経路を形成する冷却配管を前記熱シールドに熱的に接続し、前記冷却配管中にはヘリウムガスを封入してなることにより達成される。
また上記目的は、前記冷却配管の熱シールドへの設置位置が前記冷凍機よりも下方に設置したことにより達成される。
また上記目的は、前記液体ヘリウム槽の支持体または液体ヘリウム槽中に設置される被冷却体の支持体を下部に設け、該支持体の途中を前記熱シールドと熱的に接触させることによりサーマルアンカーを取り、前記冷凍機近傍と前記サーマルアンカー部近傍との間に前記冷却配管の設置位置を設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記冷却配管の循環経路において、ある一定方向の内部ヘリウム循環の場合、上向き流路と熱シールドとの熱抵抗に対して下向き流路と熱シールドとの熱抵抗の方が大きいことにより達成される。
また上記目的は、前記冷却配管の循環経路において、ある一定方向の内部ヘリウム循環の場合、高さ方向に2つに分けて見た時、上半分においては上向き流路と熱シールドとの熱抵抗より下向き流路と熱シールドとの熱抵抗の方が小さく、下半分においては、下向き流路と熱シールドとの熱抵抗より上向き流路と熱シールドとの熱抵抗の方が小さいことにより達成される。
また上記目的は、前記冷却配管内には密閉された高圧ヘリウムガスが充填されていることにより達成される。
また上記目的は、前記冷却配管と前記ヘリウム槽とを連通したことにより達成される。
また上記目的は、前記冷凍機が前記液体ヘリウム槽に冷凍機ポート内に設置されるように納められる構造であり、該冷凍機ポートと前記冷却配管を連通したことにより達成される。
また上記目的は、前記冷却配管と前記冷凍機ポートの間の接続配管が可撓性を有することにより達成される。
本発明によれば、熱シールド及びそのための冷却装置の重量をそれほど大きくすることなく、熱シールド温度の均一化を図ることができ、これにより液体ヘリウムの補給を不要とする冷却系封じ切り可能な極低温容器を提供できる。
以下、本発明の実施例を図を使って説明する。
図1に本発明の一実施例を示す。本実施例は、MRI等の超電導磁石を冷却するための極低温容器を示す概略図である。
図1において、液体ヘリウム槽1の中に設置された超電導磁石3は、液体ヘリウム2によって約4Kの極低温雰囲気に冷却され、超電導状態を保つことができる。液体ヘリウム槽1の外側には熱シールド4が液体ヘリウム槽1を囲むように設置され、周囲からの熱負荷を受ける。液体ヘリウム槽1には、常温と連通する冷凍機ポート13,14が設置されており、そこに2段GM冷凍機等の極低温冷凍機5が着脱可能なように設置される。着脱可能とするのは、メンテナンス時に液体ヘリウム2を抜き取らない状態で冷凍機のみを取り外すためである。
そこで、高温側冷凍機ポート13と低温側冷凍機ポート14との間にアルミニウムや銅等の高熱伝導率部材で構成した冷凍機ポート接続部16に、冷凍機5の熱シールド冷却部15を押し付けることにより熱接触させる。冷凍機の熱シールド冷却部15は、冷凍機第1ステージ6にインジウム等を介して熱抵抗が小さくなるように取り付けられており、本構造によって熱シールドの冷却を可能とする。また、冷凍機の第2ステージ18には凝縮器9が取り付けられており、蒸発したヘリウムガスを再液化する。
熱シールド4は、常温である真空容器7からの輻射熱や、超電導磁石3を支持する荷重支持体11やポート等常温と極低温領域とを連通する部分を伝導する侵入熱を受け、これらの熱負荷は前記構造により冷凍機第1ステージ6の冷却部15へ熱シールドを伝導する。荷重支持体11は極力熱伝導量を小さくするためにFRP(繊維強化プラスチック)等で構成され、途中で熱シールドと熱的に接触させる(サーマルアンカーをとる)ことにより、液体ヘリウムへの侵入量をできる限り低減する。
しかし、超電導磁石3が大きくなればなるほど熱シールド自体の伝導距離が長くなるため熱シールド4に温度差が付き、これにより冷凍機の冷却部15は温度が低くなっても冷凍機5から離れた位置では熱シールド4の温度が高くなってしまう。特に、荷重支持体
11のサーマルアンカー部が冷凍機と離れた位置では多くの熱が集中的に入り込むため局所的に熱シールドの温度が高くなってしまう。これを避けるために、熱シールド4に冷却配管10を熱的に接触させている。冷却配管10は冷凍機5より下部に設けられ、鉛直方向に長く取り付けられることにより、熱シールド4自体の温度分布により自然対流を生じる。これにより、熱シールド4の温度均一性が向上し、熱シールド全体が低温に保たれる。
一方、液体ヘリウムの蒸発量は、熱シールドからの侵入熱量により決定される。熱シールドからの輻射熱量は熱シールド温度の約4乗に比例し、荷重支持体等の伝導伝熱量も
FRP等の断熱材の熱伝導率が温度が高いほど大きいことを考えると、液体ヘリウムへの侵入熱量は熱シールド温度に大きく依存するといえる。したがって、本構造で熱シールド温度を均一に低温にすることにより、液体ヘリウムへの侵入熱量を極力低減することができれば、ヘリウム蒸発量は極力少なくなり、この蒸発するヘリウムは冷凍機5の第2ステージに取り付けた凝縮器9の再液化によって補われ、ヘリウムガスも装置外に抜け出すことなく、冷却系として完全封じ切り運転が可能となる。完全封じ切り運転が可能であれば、メンテナンス等を除いた通常運転を実施している限り、液体ヘリウムの補充の必要が無い。
また、冷却時の熱収縮を吸収するために、冷凍機ポート接続部付近には可撓性のある熱伝導体17を用いる。この時、冷却配管も可撓性を有する配管で冷凍機ポート付近に接続すると、熱収縮を吸収することが可能である。また、前記可撓性のある熱伝導体17は、一般にある程度の熱抵抗を有しているためここで温度差が生じてしまうが、前記可撓性配管8で冷凍機冷却部16近傍と接続することにより、より低い温度の冷却源を利用することが可能となる。
図2は、MRI等に見られる水平磁場を発生する超電導磁石用極低温容器のシールド冷却構造を示す斜視図である。
図2において、図2では内部のシールド冷却構造部のみを示しており、外側の真空容器を示していない。水平方向に円筒形状の熱シールドとなり、比較的上部に冷凍機5を設置しており、冷凍機5の第1ステージと熱シールド4を熱接触させることにより熱シールド4の冷却を実施している。ここで、下部に荷重支持体11を設置している。冷却配管10は冷凍機5と荷重支持体11との間に設置され、内部の自然対流により熱シールドの均一化を行う。
本実施例により、冷凍機5が液体ヘリウム液位より上に設置されるため効率よくヘリウムの再凝縮が行え、冷凍機5と遠くはなれた位置に荷重支持体11が取り付けられているとしても熱シールド温度の均一化を達成でき、これによりヘリウムの蒸発量を極力抑えることにより冷却系の封じ切りを可能とする。また、熱シールド4の局所的な温度上昇を防止しながら最も下の中央に荷重支持体を設置することができるため、超電導磁石の耐振動性が向上する。
図3は、本発明の他の実施例を示す図であり、図2の実施例同様、水平に軸を持つ円筒形シールド側面の展開図である。
図3において、熱シールド4はスリット12を入れることにより円形方向に生じる渦電流を防止する構造となっている。しかし、このスリット12のために円周方向に熱は伝わりにくく、シールド内部に温度差がついてしまう。そこで、冷却配管10a,10bを冷凍機5と荷重支持体11との間の熱シールド4に設置する。
図3には、冷却配管の循環経路が2個示されている。複数設置することにより、熱シールド4の温度不均一を防止することができる。それぞれの循環冷却配管のうち、10aにあたる配管部と熱シールドとの熱抵抗を10bにあたる配管部と熱シールドとの熱抵抗と比較して小さくしておく。この構造により、冷凍機近傍で冷却されたヘリウムガスは配管10bを下降し、下部の熱シールドで熱を吸収して配管10aにより上昇することにより駆動力を得て循環する。これにより、例えば下部に設置した荷重支持体11からの侵入熱を冷凍機5近傍まで運ぶことにより、熱シールドの温度均一化をはかり、液体ヘリウム槽への侵入熱を低減することができる。
図4は、図3に示した円筒形シールドの斜視図である。
図4において、図3に示した例は、配管として熱シールド4に溶接や接着,アルミテープ等のテープで固定してもよいが、図4に示すように熱シールド4板中に流路を設けてもよい。図4では水平方向には熱シールド4板中の中に空洞を作ることにより流路を形成し、その中をヘリウムガスが流れる構造としている。本構造とすることにより、熱シールド4の外側や内側に出っ張りの出ない構造で同様の効果を得ることができ、外部や内部に設置される真空容器壁や液体ヘリウム槽との間の距離(ギャップ)を極力小さくすることができ、装置全体をコンパクトに構成することが可能である。
図5は、他の実施例を備えた熱シールドの側面展開図である。
図6は、他の実施例を備えた熱シールドの側面展開図である。
図5において、冷却配管の循環経路を考えた時、下向き流路となるべき部分は、上半分における熱シールド4との熱抵抗を下半分におけるそれより小さくし、逆に、上向き流路となるべき位置では下半分における熱シールド4との熱抵抗を上半分におけるそれより大きくしている。
これにより、復路の下半分で熱負荷を得て上昇流が生じ、往路の上半分で冷却されて熱負荷を熱シールド4側に渡し、下降流が生じることにより循環流となる。これにより、例えば図6に示す実施例のように冷却配管10a,10bの経路蛇行させるなど、うまく設定することによって十分な伝熱面積を確保することができ、熱シールド温度の均一化を達成することが可能となる。
ここで、図5のように冷却配管の循環経路が囲む面積を大きくしないようにすることにより、渦電流発生を防止することができる。特に、循環経路は円周方向に一周しないことが重要である。なお、図3〜図5に示した例において、熱シールドとの熱抵抗が大きい部分の流路断面積を、熱シールドとの熱抵抗が小さい部分の流路断面積と比較して、小さくすることにより、より省スペースで同等の効果を期待することが可能である。
実施例1〜実施例5では、冷却配管内部のヘリウムガスについての詳細は記述してこなかったが、あらかじめ封じきった高圧のヘリウムガスを充填しておくと良い。これは、温度が低下するにつれて内部圧力が小さくなり熱伝達性能が低下することを防止するためである。しかし、冷却配管と液体ヘリウム槽内のガス層とを連通することにより、冷却配管にあらかじめ高圧ヘリウムガスを封入しておく必要が無くなり、かつ、高圧に耐える必要が無いため、薄肉配管で構成できるので、重量や寸法が小さくてすむ。特に、冷凍機ポート内には、熱シールドを冷却したい温度のヘリウムガスが必ず存在するため、以下に示すように冷凍機ポートと冷却配管とを連通すれば、本発明の効果は最大限に発揮される。
図7は本発明の一実施例を備えた冷凍機ポートの部分断面図である。
図7において、循環冷却配管を冷凍機ポート14と連通した構造を示している。冷凍機は第1ステージ5aと第2ステージ5bの2つの温度ステージを有しており、それぞれ約50K,約4Kの寒冷を発生させることができる。冷凍機ポートは高温側ポート13と低温側ポート14とが冷凍機ポート接続部16で接続された形となっており、高温側ポート
13は常温に、低温側ポート14は液体ヘリウム槽と繋がっている。冷凍機の第1ステージ5aにはテーパ状になったアルミニウムや銅等の高熱伝導率体で構成されたシールド冷却部15がインジウムを介すなどしてできるだけ熱抵抗を小さくした形で設置されており、テーパ状シールド冷却部15と冷凍機ポート接続部16とを接触させることによって、冷凍機ポート接続部16に接続された熱シールド4を冷却するようになっている。
循環冷却配管の復路は、冷凍機ポート接続部16近傍と連通し、温められたヘリウムガスは冷凍機第1ステージにより冷却される。また、同様に冷凍機ポートから循環冷却配管の往路が連通されている。これにより、冷却配管中のヘリウムは、外から供給する必要が無く、必ず液体ヘリウム槽圧力になるように運転されるため、完全封じ切りを可能とする。また、往路の冷却配管連通部を復路の冷却配管連通部より下部に設けることにより、戻るガスより必ず温度の低いガスが冷却配管に供給されることになり、熱シールドの温度均一性向上に効果がある。
図8は、図7同様に他の実施例を備えた冷凍機ポートの部分断面図である。
図8において、本構造は、循環冷却配管の復路が直接冷凍機ポート14に連通されず、銅やアルミ等の高熱伝導率部材で製作された冷凍機ポート14の冷凍機ポート接続部16に流路16aを形成してその流路16aと連通している。例えば、冷凍機ポート内に螺旋状に流路16aを形成することにより、冷凍機まわりで十分な冷却伝熱面積をかせぐことが可能である。螺旋状の流路16aを出た後は、そのまま冷却配管の往路に接続しても良いし、図7で示したように一旦冷凍機ポートと連通しても良い。
図9は他の実施例を備えた冷凍機ポートの部分断面図である。
図9において、循環流路17から一部分岐流路を作り、分岐された冷却配管10が冷凍機ポート14と連通している。これにより、図6で示したのと同様、液体ヘリウム槽中のヘリウムガスを冷却配管内の冷媒として利用できる。万一の冷凍機停止時には内部が高圧になるため、弁を開けることにより内部ヘリウムガスを大気に放出するラインを必要とする。これを、冷凍機ポート14から取り、熱シールドと接触させてから大気へ抜けるラインとすることにより、冷凍機停止時でも長時間熱シールド温度を低温に保つことが可能である。この大気放出ラインに前記分岐流路を接続しても良い。
上記、実施例1〜実施例8は、主に水平に軸を持つ超電導磁石の例を示したが、鉛直方向に軸を持つ超電導磁石でも効果は同様であり、特に、オープン型MRIで見られるような上下分割型のスプリット超電導磁石の場合には、上下の熱シールド間において冷却配管で熱を効率よく伝達することができるため、効果は大きい。
以上のごとく、本発明はヘリウムガスによる自然対流の冷却配管を熱シールドに設置することにより上記課題は解決できる。また冷凍機温度と熱シールド最高温度との間の温度領域において循環経路を形成する冷却配管を用いて効率よく熱を運搬することにより、熱シールド温度の均一化を図ることが可能である。
本発明の一実施例である極低温容器の構造を説明する図である。 本発明の一実施例である極低温容器中の熱シールド斜視図である。 本発明の一実施例である極低温容器中の熱シールド展開図である。 図3で示した実施例の構造例を示す熱シールド斜視図である。 本発明の他の実施例である極低温容器中の熱シールド展開図である。 本発明の他の実施例である極低温容器中の熱シールド展開図である。 本発明の一実施例である冷凍機ポート付近の構造を説明する図である。 本発明の他の実施例である、冷凍機ポート付近の構造を説明する図である。 本発明のさらに他の実施例である、冷凍機ポート付近の構造を説明する図である。
符号の説明
1 液体ヘリウム槽
2 液体ヘリウム
3 超電導磁石
4 熱シールド
5 冷凍機
7 真空容器
10 冷却配管
11 荷重支持体
12 スリット
13,14 冷凍機ポート
15 シールド冷却部
16 冷凍機ポート接続部
17 熱伝導体
19 循環流路

Claims (9)

  1. 液体ヘリウム槽の外周に設けられた真空断熱槽と、前記液体ヘリウム槽と前記真空断熱槽との間に設置された熱シールドとを備えた極低温容器において、
    2段以上の温度ステージを持つ冷凍機を有し、そのうちの少なくとも1段の温度ステージでヘリウムの再凝縮を行い、他の1つ以上の温度ステージで熱シールドにかかる熱負荷を汲み上げるとともに、常温とは連通しない循環経路を形成する冷却配管を前記熱シールドに熱的に接続し、前記冷却配管中にはヘリウムガスを封入してなることを特徴とする極低温容器。
  2. 請求項1記載の極低温容器において、
    前記冷却配管の熱シールドへの設置位置が前記冷凍機よりも下方に設置したことを特徴とする極低温容器。
  3. 請求項1,2のいずれかに記載の極低温容器において、
    前記液体ヘリウム槽の支持体または液体ヘリウム槽中に設置される被冷却体の支持体を下部に設け、該支持体の途中を前記熱シールドと熱的に接触させることによりサーマルアンカーを取り、前記冷凍機近傍と前記サーマルアンカー部近傍との間に前記冷却配管の設置位置を設けたことを特徴とする極低温容器。
  4. 請求項1乃至2のいずれかに記載の極低温容器において、
    前記冷却配管の循環経路において、ある一定方向の内部ヘリウム循環の場合、上向き流路と熱シールドとの熱抵抗に対して下向き流路と熱シールドとの熱抵抗の方が、大きくしたことを特徴とする極低温容器。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の極低温容器において、
    前記冷却配管の循環経路において、ある一定方向の内部ヘリウム循環の場合、高さ方向に2つに分けて見た時、上半分においては上向き流路と熱シールドとの熱抵抗より下向き流路と熱シールドとの熱抵抗の方が小さく、下半分においては下向き流路と熱シールドとの熱抵抗より上向き流路と熱シールドとの熱抵抗の方が小さいことを特徴とする極低温容器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の極低温容器において、
    前記冷却配管内には密閉された高圧ヘリウムガスが充填されていることを特徴とする極低温容器。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の極低温容器において、
    前記冷却配管と前記ヘリウム槽とを連通したことを特徴とする極低温容器。
  8. 請求項7記載の極低温容器において、
    前記冷凍機が前記液体ヘリウム槽に冷凍機ポート内に設置されるように納められる構造であり、該冷凍機ポートと前記冷却配管を連通したことを特徴とする極低温容器。
  9. 請求項8記載の極低温容器において、
    前記冷却配管と前記冷凍機ポートの間の接続配管が可撓性を有することを特徴とする極低温容器。
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