JPH10246547A - 理化学機器冷却用液化ガスの再液化装置 - Google Patents

理化学機器冷却用液化ガスの再液化装置

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JPH10246547A
JPH10246547A JP5262997A JP5262997A JPH10246547A JP H10246547 A JPH10246547 A JP H10246547A JP 5262997 A JP5262997 A JP 5262997A JP 5262997 A JP5262997 A JP 5262997A JP H10246547 A JPH10246547 A JP H10246547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却用液化ガス槽での冷却用液化ガスの温度
を一定に安定させることのできる液化ガス再液化装置を
提供する。 【解決手段】 冷却冷媒としての液化ガスを利用してい
る理化学機器の冷却用液化ガス槽(3)と、再液化槽とを
冷却用液化ガス槽(3)に向かって連続する下り傾斜に配
置した可撓性断熱管(4)で連通接続する。可撓性断熱管
(4)を構成している外層管(29)の冷却用液化ガス槽(3)
側での端部を中間部分での外径寸法よりも小径に形成し
て冷却用液化ガス槽(3)の冷媒液注入通路(30)に突入さ
せる。可撓性断熱管(4)を構成している冷却用液化ガス
給排管(13)の冷却用液化ガス槽(3)側での端部を冷却用
液化ガス槽(3)の冷媒液注入通路(30)の下端部分に位置
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、核磁気共鳴装置(NM
R)等、液化ガスを冷却源として使用している理化学機
器での液化ガスの再液化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、SCM−NMRでは、検出能力
を向上させるために、液体ヘリウム槽内の液体ヘリウム
に超電導マグネットを浸漬して超電導マグネットを冷却
し、液体ヘリウム槽(冷却冷媒ガス槽)に侵入する外部か
らの熱を抑制するために、液体ヘリウム槽の外周に液体
窒素槽(冷媒シールドガス槽)を配置した構成になってい
る。
【0003】上述の構造からなる理化学機器では、液体
ヘリウムは液体窒素によって外部から入熱が抑制されて
いるのに対し、液体窒素には外部からの熱が作用するこ
とから液体ヘリウムの消費量よりも液体窒素の消費量が
格段に多くなる。この結果、液体窒素の補給作業を頻繁
に行わなければならないが、この液体窒素の補給作業の
たびに理化学機器の運転を停止させなければならず、理
化学機器を使っての作業効率が低下するという問題があ
った。
【0004】そこで、本出願人は、理化学機器に配置し
た冷媒シールドガス槽と、槽内を極低温冷凍機の寒冷発
生部をで冷却可能にした再液化槽とを、再液化槽から冷
媒シールドガス槽に向かう連続する下り傾斜に配置した
可撓性断熱管で連通接続して、低温維持用液化ガス(冷
媒シールドガス)の補給作業をなくし、あるいは、冷却
作業用液化ガス(冷却冷媒ガス)の補給間隔と一致させら
れるようにする液化ガス再液化装置を先に提案した(特
開平8−327171号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが先に提案した
前記液化ガス再液化装置では、冷却用液化ガス給排管の
外周を断熱外層管で被覆した可撓性断熱管で再液化槽と
冷媒シールドガス槽とを連通接続するに当たり、冷媒シ
ールドガス槽の冷媒液注入通路には冷却用液化ガス給排
管の先端部だけが突入し、断熱外層管は冷媒液注入通路
の外側部分に位置する冷却用液化ガス給排管しか被覆し
ていなかった。
【0007】このため、冷媒シールドガス槽の冷媒液注
入通路内に外部からの入熱による温度勾配が生じてお
り、それに伴い冷却用液化ガス給排管内を流下してくる
再液化した冷媒シールドガスが気化することがあり、再
液化した冷媒シールドガスが冷媒シールドガス槽に十分
返送されないという問題があつた。本発明はこのような
点に着目してなされたもので、極低温冷凍機を使用して
冷媒シールドガスを再液化させて理科学機器の冷却用液
化ガス槽に返送するにあたり、返送される再液化した冷
却用液化ガスの気化を抑制することにより、再液化冷却
用液化ガスを冷却用液化ガス槽に液状体で確実に返送す
ることのできる液化ガス再液化装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、再液化槽と冷却用液化ガス槽とを連通接
続する可撓性断熱管を構成している断熱外層管の冷却用
液化ガス槽側での端部を中間部分での外径寸法よりも小
径に形成して冷却用液化ガス槽の冷媒液注入通路に突入
するように形成するとともに、可撓性断熱管を構成して
いる冷却用液化ガス給排管の冷却用液化ガス槽側での端
部を冷却用液化ガス槽の冷媒液注入通路の下端部分に位
置させるように構成したことを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明では、可撓性断熱管を構成している断熱
外層管の冷却用液化ガス槽側での端部を中間部分での外
径寸法よりも小径に形成して冷却用液化ガス槽の冷媒液
注入通路に十分差し込めるように形成してあるので、可
撓性断熱間内を戻される冷却用液化ガスが冷却用液化ガ
ス槽における冷媒液注入通路での温度勾配に影響される
ことを抑制することができ、再液化された冷却用液化ガ
スの蒸発を抑制することができることになる。また、請
求項2に記載したように断熱管の冷媒液注入通路突入部
分の外面を電気絶縁処理した場合には、可撓性断熱管を
介して伝達される電気ノイズが理化学機器に伝導される
ことを抑制することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図面は本発明の実施例を示し、図
1はSCM−NMRからの液体窒素を再液化する場合で
の概略構成図である。この再液化装置は、気化ガスの発
生源となるSCM−NMR(1)と、再液化槽(2)と、S
CM−NMR(1)の冷媒シールドガスである液体窒素の
貯蔵槽(3)と再液化槽(2)とを連通する可撓性断熱管
(4)と、再液化槽(2)の内部に低温発生部(5)を突入さ
せている極低温冷凍機(6)とで構成してある。
【0011】SCM−NMR(1)は、真空断熱構造に形
成したケーシング内に、冷却冷媒である液体ヘリウムの
貯蔵槽(7)と前述の冷媒シールドガスである液体窒素の
貯蔵槽(3)とが内外に位置する状態で配置してあり、液
体ヘリウム貯蔵槽(7)内の液体ヘリウムに超電導マグネ
ット(9)が浸漬させてある。そして、液体ヘリウム貯蔵
槽(7)を取り囲む状態に配置した液体窒素貯蔵槽(3)
は、外部からの熱が液体ヘリウム貯蔵槽(7)に伝達され
ることを抑制する熱シールド媒体として作用している。
【0012】再液化槽(2)は真空断熱構造に構成してあ
り、SCM−NMRを配置している部屋に支柱(10)等の
固定構造体に防振具(11)を介して支持してある。そし
て、この再液化槽(2)の内側壁(12)における下端から一
定高さ上方の個所から冷却用液化ガス給排管(13)が斜め
下向きの状態でケーシング外まで導出してある。このた
め、再液化槽(2)内の底部には再液化ガス貯留部(14)が
形成され、冷却用液化ガス給排管(13)が冷媒シールドガ
スの導出管となる。そして、再液化槽(2)の上面開口部
はフランジ(15)で閉塞してあり、このフランジ(15)を貫
通する状態で前記支柱(10)に固定支持させた極低温冷凍
機(6)のコールドヘッド(16)が配置してある。このフラ
ンジ(15)から圧力導出管(17)が導出してあり、この圧力
導出管(17)にリリーフ弁(18)、圧力計(19)を装着してあ
る。
【0013】極低温冷凍機(6)は圧縮機ユニット(20)と
前述のコールドヘッド(16)とからなり、コールドヘッド
(16)の下端部に形成した寒冷発生部(5)を再液化槽(2)
の内部に突入させている。そして、圧縮機ユニット(20)
は、圧縮機(21)の吐出ポートとコールドヘッド(16)の流
入ポートとを接続する高圧ガス供給路(22)に冷却器(2
3)、油分離器(24)、油吸着器(25)を直列に配置し、油分
離器(24)と油吸着器(25)との間の高圧ガス供給路(22)を
コールドヘッド(16)の返送ポートと圧縮機(21)の吸込ポ
ートとを接続している低圧ガス返送路(26)に保圧弁(27)
を介して接続して構成してある。
【0014】可撓性断熱管(4)は、再液化槽(2)から一
体に連出してあり、なまし銅管又は薄肉ステンレス管等
の非磁性体製のパイプで構成したシールドガス給排管(1
3)の外周をなまし銅管又は金属可撓管等で形成した外層
管(29)で被覆し、シールドガス給排管(28)と外層管(29)
との間の空間を再液化槽(2)の真空空間に連通させて真
空断熱空間に形成してあり、全体が再液化槽(2)からS
CM−NMR(1)に向かって連続する下り傾斜となる状
態に配置してある。そして、シールドガス給排管(28)の
下端部分はSCM−NMR(1)の液体窒素貯蔵槽(3)に
連通する状態に形成された液体窒素注入通路(30)の上面
開口部から内部に突入しており、シールドガス給排管(2
8)の下端は、液体窒素注入通路(30)と液体窒素貯蔵槽
(3)との連通口部分に位置するようにしてある。そし
て、可撓性断熱管(4)及び再液化槽(2)の冷却用液化ガ
ス給排管(13)で構成されている液化ガス導出系はその軸
芯が水平線に対して15度の傾斜角度を持つ状態に配置
してある。
【0015】また、図2に示すように、可撓性断熱管
(4)の外層管(29)は、その下端部の外径を小径に形成し
てあり、その小径部は液体窒素注入通路(30)の内径より
も僅かに小径に形成して、その小径部が液体窒素注入通
路(30)内に挿入できるようにしてある。一方可撓性断熱
管(4)の外層管(29)での外径は液体窒素注入通路(30)を
構成しているネック部の外径と等しく形成してあり、可
撓性断熱管(4)を液体窒素貯蔵槽(3)に接続した状態で
液体窒素注入通路(30)を構成しているネック部と外層管
外面との間を断熱継手(31)で接続するようにしてある。
【0016】また、外層管(29)の小径部分の外周面には
電気絶縁被膜を形成して電気絶縁処理が施してある。こ
のように外層管(29)の小径部分の外周面に電気絶縁処理
を施しておくと、極低温冷凍機(6)の圧縮機(21)やコー
ルドヘッド(16)のロータリバルブ駆動モータの作動に起
因して生じる電気ノイズがSCM−NMR(1)等の理化
学機器に伝達されて、測定精度に影響を及ぼすことを抑
制できる。
【0017】図3及び図4は、再液化槽(2)の配設姿勢
の変形例であり、図2に示すものは、再液化槽(2)の内
槽の軸心を垂直線に対して傾斜する状態に配置し、傾斜
している内槽底壁(32)の中央部から冷却用液化ガス給排
管(13)を水平面に対して傾斜する状態に連出したもので
ある。このように、再液化槽(2)を傾斜状に配置するこ
とにより、床面から再液化槽(2)の上端部までの高さを
抑制することができ、天井高の低い個所でも使用するこ
とが可能になる。
【0018】また、図3に示す実施形態では、支柱(10)
内にバッファタンク(33)を配置し、極低温冷凍機(6)の
コールドヘッド(16)から圧縮機ユニット(20)へのガス戻
し管(34)を接続させてある。このように圧縮機ユニット
(20)への低圧ガス返送路にバッファタンク(33)を介在さ
せた場合には、極低温冷凍機(6)としての効率が向上す
る。
【0019】図4に示すものは、極低温冷凍機(6)のコ
ールドヘッド(16)を再液化槽(2)の底部に配置したもの
で、冷却用液化ガス給排管(13)は内槽側壁での下端から
一定高さ上方の個所に開口している。
【0020】なお、上記各実施例では可撓性断熱管(4)
及び再液化槽(2)の冷却用液化ガス給排管(13)で構成さ
れている液化ガス導出系を水平線に対して15度の傾斜
角度で配置したが、この傾斜角度は15度〜60度の範
囲に設定することができる。液化ガス導出系の傾斜角度
が15度よりも小さい場合には、液化ガス導出系内を流
れる液の流下速度が遅くなり、液化ガス導出系内を上昇
移動するガスとの接触時間が増大して気化量も増えるこ
とになるから、液の円滑な返送が望めず、また、傾斜角
度を60度よりも大きな急角度とした場合には、液化ガ
ス導出系内でガスロック現象が発生して液体と気体との
円滑な入れ替わりが望めなくなる。
【0021】上述の構成からなる再液化装置では、SC
M−NMR(1)での液体窒素貯蔵槽(3)で気化した窒素
ガスは傾斜配管されている可撓性断熱管(4)を介して再
液化槽(2)に導出され、この再液化槽(2)内で極低温冷
凍機(6)の寒冷発生部(5)からの寒冷で再液化して再液
化槽(2)の底部に形成されている再液化ガス貯留部(14)
に貯溜され、この再液化ガス貯溜部(14)からオーバーフ
ローした再液化ガスが傾斜配管されている可撓性断熱管
(4)の底壁部分に沿って流下し、SCM−NMR(1)で
の液体窒素貯蔵槽(3)に返送されることになる。この結
果、SCM−NMR(1)での液体窒素の気化消散が抑制
されることになる。
【0022】上記各実施例では、液化ガスを冷却冷媒と
して使用している理化学機器としてSCM−NMRにつ
いて説明したが、他の形式のNMRや電子顕微鏡等、液
化ガスの寒冷温度を冷却に利用している機器の冷媒液化
ガスの再液化に使用することかできる。また、検出機器
等の被冷却物を直接冷却する冷却用液化ガスの再液化に
も利用することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明では、可撓性断熱管を構成してい
る断熱外層管の冷却用液化ガス槽側での端部を中間部分
での外径寸法よりも小径に形成して冷却用液化ガス槽の
冷媒液注入通路に突入するように形成してあるので、再
液化して冷却用液化ガス槽に戻される冷却用液化ガスが
冷却用液化ガス槽での冷媒液注入通路での温度勾配に影
響されることを抑制することができ、理化学機器での冷
却を安定して行うことができる。
【0024】また、請求項2に記載したように断熱管の
冷媒液注入通路突入部分の外面を電気絶縁処理した場合
には、可撓性断熱管を介して伝達される電気ノイズが理
化学機器に伝導されることを抑制して、理化学機器とし
ての測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SCM−NMRからの液体窒素を再液化する場
合での概略構成図である。
【図2】要部の拡大断面図である。
【図3】再液化槽の配置形態の変形例を示す拡大断面図
である。
【図4】再液化槽の配置形態の異なる変形例を示す拡大
断面図である。
【符号の説明】
1…理化学機器、2…再液化槽、3…冷却用液化ガス
槽、4…可撓性断熱管、5…極低温冷凍機の寒冷発生
部、6…極低温冷凍機、10…支柱、13…冷却用液化ガス
給排管、29…可撓性断熱管の外層管、30…冷却用液化ガ
ス槽の冷媒液注入通路、32…再液化槽の底壁、33…バッ
フアタンク、34…極低温冷凍機(6)のガス戻し管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 文五 滋賀県守山市勝部町1095番地 岩谷瓦斯株 式会社内 (72)発明者 川口 悦治 滋賀県守山市勝部町1095番地 岩谷瓦斯株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却冷媒としての液化ガスを利用してい
    る理化学機器(1)の冷却用液化ガス槽(3)と、槽内を極
    低温冷凍機(6)の寒冷発生部(5)で冷却するように構成
    した再液化槽(2)とを冷却用液化ガス槽(3)に向かって
    連続する下り傾斜に配置した可撓性断熱管(4)で連通接
    続した冷却用液化ガスの再液化装置において、 可撓性断熱管(4)を構成している外層管(29)の冷却用液
    化ガス槽(3)側での端部を中間部分での外径寸法よりも
    小径に形成して冷却用液化ガス槽(3)の冷媒液注入通路
    (30)に突入するように形成するとともに、可撓性断熱管
    (4)を構成している冷却用液化ガス給排管(13)の冷却用
    液化ガス槽(3)側での端部を冷却用液化ガス槽(3)の冷
    媒液注入通路(30)の下端部分に位置させるように構成し
    たことを特徴とする理化学機器冷却用液化ガスの再液化
    装置。
  2. 【請求項2】 可撓性断熱管(4)の外層管(29)の冷却用
    液化ガス槽(3)の冷媒液注入通路(30)に突入する部分の
    表面を電気絶縁処理した請求項1に記載の理化学機器冷
    却用液化ガスの再液化装置。
  3. 【請求項3】 再液化槽(2)を支柱(10)に支持させ、こ
    の支柱(10)内にバッフアタンク(33)を形成し、バッファ
    タンク(33)に極低温冷凍機(6)のガス戻し管(34)を接続
    させた請求項1又は請求項2に記載の理化学機器冷却用
    液化ガスの再液化装置。
  4. 【請求項4】 再液化槽(2)の底壁(32)から可撓性断熱
    管(4)の冷却用液化ガス給排管(13)を連出し、底壁(32)
    が水平面に対して傾斜する状態に配置して冷却用液化ガ
    ス給排管(13)の連出部が下側角部から一定高さに位置す
    るように構成した請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の理化学機器冷却用液化ガスの再液化装置。
  5. 【請求項5】 再液化槽(2)の底部に寒冷発生部(5)を
    下から配置した請求項1、請求項2又は請求項3に記載
    の理化学機器冷却用液化ガスの再液化装置。
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