JP3199967B2 - 極低温装置 - Google Patents

極低温装置

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JP3199967B2
JP3199967B2 JP30245494A JP30245494A JP3199967B2 JP 3199967 B2 JP3199967 B2 JP 3199967B2 JP 30245494 A JP30245494 A JP 30245494A JP 30245494 A JP30245494 A JP 30245494A JP 3199967 B2 JP3199967 B2 JP 3199967B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば超電導マグ
ネットなどを収納して冷却を行う極低温装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の極低温装置としては、特開平5−
275231号公報に超伝導マグネットの構造として開
示されている。図13は、従来の円筒状に形成された極
低温装置の構成を示す断面図(円筒の軸方向に切断した
場合を示す)である。図において、1は被冷却体である
超電導コイル、2は極低温冷媒である液体ヘリウム3が
満たされている極低温冷媒槽であるヘリウム槽、4は真
空槽、5は第1輻射シールド、6は第2輻射シールド、
7は極低温装置本体の脚、8は支持部材、10は第1段
ヒートステージ、11は第2段ヒートステージ、12は
第3段ヒートステージ、15は可撓導体、20は3段式
冷凍機である。
【0003】次に動作について説明する。なおここで
は、極低温冷媒として液体ヘリウムを使用し、磁気共鳴
イメージング装置(以下、MRI装置という)に使用す
る超電導マグネットの場合について説明する。超電導コ
イル1はヘリウム槽2の内部に収納され液体ヘリウム3
によって超電導状態に冷却されている。ヘリウム槽2は
それぞれ後述する規定の温度に冷却された第1輻射シー
ルド5および第2輻射シールド6により包囲されてお
り、常温部から侵入する輻射熱量を減らす。複数の支持
部材8はヘリウム槽2、第1輻射シールド5および第2
輻射シールド6等を断熱的に支持するものであり、真空
槽4はヘリウム槽2との間の空間を高真空に保持してい
る。また、真空槽4の端面上部に取り付けられた3段式
冷凍機20には第1段ヒートステージ10、第2段ヒー
トステージ11、第3段ヒートステージ12があり、夫
々可撓導体15により第1輻射シールド5、第2輻射シ
ールド6、ヘリウム槽2の上部の液体ヘリウム3がガス
化している場所と熱的に接続され、第1輻射シールド5
の温度を80K程度、また第2輻射シールド6の温度を
20K程度に冷却すると共に、ヘリウム槽2から蒸発し
ようとするヘリウムガスを再液化する。
【0004】以上のように構成された従来の極低温装置
の一般的な超電導マグネットの真空槽4の寸法は外径が
2メートル程度であり、これを床に設置した場合は脚7
が取り付けられて真空槽4の上端は高さが約2.5メー
トルに、3段式冷凍機20の取り付け位置の高さは2メ
ートル程度になる。
【0005】一方、3段式冷凍機20は連続して運転さ
れているが、消耗部品の交換や内部の洗浄などのため定
期的に運転を停止させ、内部の部品を取り外してのメン
テナンス作業が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の極低温装置は以
上のように構成されているので、第1輻射シールド5お
よび第2輻射シールド6はそれぞれ可撓導体15により
伝導熱によって冷却されるため、熱的な接続点から離れ
た場所の温度はかなり上昇し、ヘリウム槽2への熱侵入
量が増加するという問題点があった。
【0007】さらに、3段式冷凍機の停止時にはそのシ
リンダーを介しての伝導熱や被冷却物の熱容量が小さい
ため輻射シールドの温度が急速に上昇し、ヘリウム槽2
への熱侵入量の増加が急激であるという問題点があっ
た。
【0008】また、3段式冷凍機20の取り付け位置が
2メートルと高く、内部の部品の取り外しや取り付けな
どのメンテナンス作業は踏み台や足場の上で行う必要が
生じ、またこれらの作業のためのスペースが広く必要で
あるなど作業性が良くないなどの問題点があった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、多段式冷凍機の取り付け位置の
制約をなくすと共に、極低温冷媒槽内のガス化した冷媒
を効率良く冷却し液化することのできる極低温装置を得
ることを目的とする。
【0010】さらにこの発明は、多段式冷凍機の取り付
け位置の制約をなくすことで多段式冷凍機のメンテナン
ス作業などを行う際の作業性を向上させることの出来る
極低温装置を得ることを目的とする。
【0011】また、この発明は、輻射シールドの冷却を
均一化して極低温冷媒槽への熱侵入量の増加を抑制でき
る極低温装置を得ることを目的とする。
【0012】また、この発明は、冷凍機の内部の部品の
取り外しや取り付けなどのメンテナンス作業を常温で実
施できる極低温装置を得ることを目的とする。
【0013】また、この発明は、多段式冷凍機の停止時
の多段式冷凍機の温度を徐々に常温まで上昇させて、多
段式冷凍機の部品交換などのメンテナンス作業などを常
温で容易に行うことの出来る極低温装置を得ることを目
的とする。
【0014】さらにまた、この発明は、多段式冷凍機の
停止時に輻射シールドの温度上昇を緩やかにすることの
できる極低温装置を得ることを目的とする。
【0015】また、この発明は、冷媒循環機構を複数設
ける場合に、前記冷媒循環機構を簡略化し、前記冷媒循
環機構から侵入する熱量を抑制できる極低温装置を得る
ことを目的とする。
【0016】また、この発明は、冷媒循環機構を駆動す
るための電力消費を抑制し、輻射シールドの冷却を均一
化して極低温冷媒槽への熱侵入量の増加を抑制できる極
低温装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る極
低温装置は、極低温冷媒槽内で蒸発した極低温冷媒ガス
を冷媒用供給配管を経由して多段式冷凍機のヒートステ
ージに送り液化し、冷媒用供給配管を経由して再び前記
極低温冷媒槽に環流させる真空槽内に配置された冷媒循
環機構を備えたものである。
【0018】請求項2の発明に係る極低温装置は、極低
温装置本体の設置床面上1メートル以下の高さ位置に略
水平に多段式冷凍機を取り付けたものである。
【0019】請求項3の発明に係る極低温装置は、極低
温装置本体の設置床面上1メートル以下の高さ位置に略
垂直に多段式冷凍機を取り付けたものである。
【0020】請求項4の発明に係る極低温装置は、極低
温冷媒槽に敷設された凝縮熱交換器および冷媒循環用配
管を経由し多段式冷凍機のヒートステージで冷却して極
低温冷媒の液化温度以下とした第2の冷媒ガスを一定圧
力で循環させ、ガス化した前記極低温冷媒を再液化する
冷媒循環機構とを備えたものである。
【0021】請求項5の発明に係る極低温装置は、凝縮
熱交換器を極低温冷媒槽内に設けるようにしたものであ
る。
【0022】請求項6の発明に係る極低温装置は、凝縮
熱交換器を極低温冷媒槽外周面上に配置するようにした
ものである。
【0023】請求項7の発明に係る極低温装置は、極低
温冷媒槽に敷設された凝縮熱交換器と、冷媒循環用配管
と、前記凝縮熱交換器および前記冷媒循環用配管とを経
由し多段式冷凍機のヒートステージで冷却させた第2の
冷媒を循環させ、前記ガス化した前記極低温冷媒を再液
化する冷媒循環機構とを備えた極低温装置において、前
記多段式冷凍機を極低温装置本体の設置床面上1メート
ル以下の高さ位置に略水平に取り付けるようにしたもの
である。
【0024】請求項8の発明に係る極低温装置は、極低
温冷媒槽に敷設された凝縮熱交換器と、冷媒循環用配管
と、前記凝縮熱交換器および前記冷媒循環用配管とを経
由し多段式冷凍機のヒートステージで冷却させた第2の
冷媒を循環させ、前記ガス化した前記極低温冷媒を再液
化する冷媒循環機構とを備えた極低温装置において、極
低温装置本体の設置床面上1メートル以下の高さ位置に
略垂直に多段式冷凍機を取り付けるようにしたものであ
る。
【0025】請求項9の発明に係る極低温装置は、第2
の冷媒用供給配管と輻射シールドを冷却するための輻射
シールド冷却管とを有し、多段式冷凍機のヒートステー
ジを経由する第3の冷媒を第3の冷媒循環機構により前
記第2の冷媒用供給配管と前記輻射シールド冷却管とを
循環させることで前記輻射シールドや支持部材の中間部
分が冷却されるようにしたものである。
【0026】請求項10の発明に係る極低温装置は、冷
媒用供給配管を熱伝導率の小さい材質により構成したも
のである。
【0027】請求項11の発明に係る極低温装置は、冷
媒循環用配管または第2の冷媒用供給配管あるいは輻射
シールド冷却管の内部をメンテナンス時に真空にするた
めの締切弁を備えたものである。
【0028】請求項12の発明に係る極低温装置は、ガ
ス化した極低温冷媒を再液化するための冷凍機とは異な
る第3の冷媒のみを冷却するための冷凍機を別に設けた
ものである。
【0029】請求項13の発明に係る極低温装置は、極
低温冷媒は略大気圧のヘリウムガスもしくは水素ガスも
しくはネオンガスもしくはこれらの混合されたガスであ
り、第2の冷媒は略大気圧のヘリウムガスもしくは水素
ガスもしくはネオンガスもしくはこれらの混合されたガ
スであり、第3の冷媒は大気圧以上に加圧されたヘリウ
ムガスもしくは水素ガスもしくはネオンガスもしくはこ
れらの混合されたガスにしたものである。
【0030】請求項14の発明に係る極低温装置は、ブ
ロワーの夫々が共通した駆動軸で駆動される冷媒循環機
構を備えたものである。
【0031】請求項15の発明に係る極低温装置は、多
段式冷凍機のヒートステージに取り付けられた冷媒貯蔵
用タンクと、第2の冷媒用供給配管に取り付けられた逆
止弁および放出弁とを有し、前記多段式冷凍機の停止時
には第3の冷媒が前記放出弁を経由して大気へ放出され
るようにしたものである。
【0032】請求項16の発明に係る極低温装置は、多
段式冷凍機あるいは第2の冷媒用供給配管あるいは輻射
シールド冷却管と熱的に接触できる任意の場所に設置し
た冷媒タンクと、前記第2の冷媒用供給配管と併設され
た第3の冷媒用供給配管と、第4の冷媒用の輻射シール
ド冷却管と、放出弁とを設け、前記多段式冷凍機の停止
時には前記冷媒タンク内の第4の冷媒ガスが前記第3の
冷媒用供給配管と前記第4の冷媒用の輻射シールド冷却
管と前記放出弁とを経由して大気に放出されるようにし
たものである。
【0033】請求項17の発明に係る極低温装置は、第
4の冷媒を大気圧以上に加圧された酸素ガスもしくは窒
素ガスもしくは乾燥空気にしたものである。
【0034】請求項18の発明に係る極低温装置は、温
度が80K以上100K以下で磁気転移現象を起こす磁
性材料を多段式冷凍機あるいは第3の冷媒用供給配管あ
るいは輻射シールド冷却管と熱的に接触できる任意の場
所に設置したものである。
【0035】請求項19の発明に係る極低温装置は、輻
射シールド冷却管を複数の並列流路で構成すると共に、
各流路の出口付近に流量制御弁を備えるようにしたもの
である。
【0036】請求項20の発明に係る極低温装置は、輻
射シールド冷却管を複数の並列流路で構成したときに、
その並列流路の各流路の出口付近に設けた流量制御弁
が、流路の内部を流れる冷媒の温度変化に従って夫々開
度が変化するようにしたものである。
【0037】
【作用】請求項1の発明における極低温装置の真空槽内
に配置された冷媒循環機構は、極低温冷媒槽内で蒸発し
た極低温冷媒ガスを冷媒用供給配管を経由して多段式冷
凍機のヒートステージに循環させて液化し、さらに冷媒
用供給配管を経由して再び前記極低温冷媒槽に戻し、多
段式冷凍機の取り付け場所の制約をなくし、多段式冷凍
機の取り付け場所を柔軟に選択できるようにすると共
に、極低温冷媒槽内のガス化した冷媒を効率良く液化す
ることを可能にする。
【0038】請求項2の発明における極低温装置の多段
式冷凍機は、極低温装置本体が設置されている床面上1
メートル以下の高さ位置に前記極低温装置本体に略水平
に取り付けられているので、多段式冷凍機のメンテナン
スなどの作業を作業員は腰の高さ位置で行うことが出
来、メンテナンス作業などを行う際の作業性が向上す
る。
【0039】請求項3の発明における極低温装置の多段
式冷凍機は、極低温装置本体が設置されている床面上1
メートル以下の高さ位置に前記極低温装置本体に略垂直
に取り付けられているので、多段式冷凍機のメンテナン
スなどの作業を作業員は腰の高さ位置で行うと共に、上
方から作業を行うことが出来、メンテナンス作業などを
行う際の作業性が向上する。
【0040】請求項4の発明における極低温装置は、冷
媒循環機構により極低温冷媒槽に敷設された凝縮熱交換
器と冷媒循環用配管とを経由して多段式冷凍機のヒート
ステージで冷却して極低温冷媒の液化温度以下とした第
2の冷媒ガスを一定圧力で循環させ、前記極低温冷媒槽
に敷設された凝縮熱交換器によりガス化した極低温冷媒
を間接的に冷却し再液化し、多段式冷凍機の取り付け場
所の柔軟な選択を可能にすると共に、極低温冷媒槽内の
ガス化した冷媒を効率良く液化する。
【0041】請求項5の発明における極低温装置は、冷
媒循環機構により極低温冷媒槽内に設けられている凝縮
熱交換器と冷媒循環用配管とを経由して多段式冷凍機の
ヒートステージで冷却させた第2の冷媒を循環させ、前
記極低温冷媒槽内に設けられている凝縮熱交換器により
ガス化した極低温冷媒を間接的に冷却し再液化し、多段
式冷凍機の取り付け場所の選択を可能にすると共に、極
低温冷媒槽内のガス化した冷媒を効率良く液化する。
【0042】請求項6の発明における極低温装置は、冷
媒循環機構により極低温冷媒槽外周面上に配置されてい
る凝縮熱交換器と冷媒循環用配管とを経由して多段式冷
凍機のヒートステージで冷却させた第2の冷媒を循環さ
せ、前記極低温冷媒槽外周面上に配置されている凝縮熱
交換器によりガス化した極低温冷媒を間接的に冷却し再
液化し、多段式冷凍機の取り付け場所の柔軟な選択を可
能にすると共に、極低温冷媒槽内のガス化した冷媒を効
率良く液化する。
【0043】請求項7の発明における極低温装置の多段
式冷凍機は、極低温装置本体が設置されている床面上か
ら1メートル以下の高さ位置に前記極低温装置本体に略
水平に取り付けられているので、多段式冷凍機のメンテ
ナンスなどの作業を作業員は腰の高さ位置で行うことが
出来、メンテナンス作業などを行う際の作業性が向上す
る。
【0044】請求項8の発明における極低温装置の多段
式冷凍機は、極低温装置本体が設置されている床面上か
ら1メートル以下の高さ位置に前記極低温装置本体に略
垂直に取り付けられているので、多段式冷凍機のメンテ
ナンスなどの作業を作業員は腰の高さ位置で行うことが
出来、メンテナンス作業などを行う際の作業性が向上す
る。
【0045】請求項9の発明における極低温装置は、第
2の冷媒循環機構により第3の冷媒を第2の冷媒用供給
配管と輻射シールド冷却管とを循環させ、輻射シールド
や支持部材の中間部分の冷却を行い、極低温冷媒槽への
熱侵入量の増加を抑制する。
【0046】請求項10の発明における極低温装置は、
冷媒用供給配管を熱伝導率の小さい材質により構成し、
前記冷媒用供給配管を介しての冷凍機と低温部との熱的
な結合を断ち、停止させた冷凍機の温度上昇を容易にし
て冷凍機の部品の取り外しや取り付けなどのメンテナン
ス作業を常温で実施することを可能にする。
【0047】請求項11の発明における極低温装置は、
冷媒循環用配管または第2の冷媒用供給配管あるいは輻
射シールド冷却管に対し締切弁を介しメンテナンス時に
外部からバキュームを行うことで、前記冷媒循環用配管
の内部または前記第2の冷媒用供給配管あるいは前記輻
射シールド冷却管の内部を真空にして、多段式冷凍機の
停止時の前記冷媒循環用配管および前記第2の冷媒用供
給配管あるいは前記輻射シールド冷却管内のガスの対流
などを介しての冷凍機と低温部との熱的な結合を断ち、
停止させた冷凍機の温度上昇を容易にして冷凍機の部品
の取り外しや取り付けなどのメンテナンス作業を常温で
実施することを可能にする。
【0048】請求項12の発明における極低温装置は、
ガス化した極低温冷媒を再液化するための冷凍機とは別
に、第3の冷媒のみを冷却する冷凍機を設け、前記極低
温冷媒と第3の冷媒とを夫々別の冷凍機により冷却し、
極低温冷媒槽内のガス化した冷媒を効率良く液化する。
【0049】請求項13の発明における極低温装置は、
極低温冷媒および第2の冷媒として略大気圧のヘリウム
ガスもしくは水素ガスもしくはネオンガスもしくはこれ
らの混合されたガスを使用し、また第3の冷媒として大
気圧以上に加圧されたヘリウムガスもしくは水素ガスも
しくはネオンガスもしくはこれらの混合されたガスを使
用して、極低温冷媒槽内のガス化した冷媒を効率的に液
化する。
【0050】請求項14の発明における極低温装置は、
ブロワーにより構成した冷媒循環機構を複数設けたとき
に、前記各ブロワーの駆動軸を共通した駆動軸にして、
前記冷媒循環機構の駆動機構を簡略化し、前記駆動軸か
らの熱侵入量を抑制する。
【0051】請求項15の発明における極低温装置は、
多段式冷凍機の停止時には冷媒貯蔵用タンク内の第3の
冷媒を放出弁を経由して大気へ放出させることが可能で
あるので、前記放出弁からの第3の冷媒の大気への放出
により多段式冷凍機の停止時の輻射シールドの温度上昇
の増加の度合いを緩やかにすることが可能となる。
【0052】請求項16の発明における極低温装置は、
多段式冷凍機の停止時に、多段式冷凍機あるいは第2の
冷媒用供給配管あるいは輻射シールド冷却管と熱的に接
触できる任意の場所に設置した第4の冷媒タンク内の第
4の冷媒ガスを、第2の冷媒用供給配管と併設された第
3の冷媒用供給配管と第4の冷媒用の輻射シールド冷却
管と放出弁とを経由して大気へ放出させることが可能で
あるから、前記放出弁からの前記第4の冷媒ガスの大気
への放出により多段式冷凍機の停止時の輻射シールドの
温度上昇の増加の度合いを緩やかにすることが可能とな
る。
【0053】請求項17の発明における極低温装置は、
第4の冷媒として大気圧以上に加圧された酸素ガスもし
くは窒素ガスもしくは乾燥空気を用いるので、放出弁か
らの前記第4の冷媒の大気への放出により多段式冷凍機
の停止時の輻射シールドの温度上昇の度合いを緩やかに
することが可能となる。。
【0054】請求項18の発明における極低温装置は、
多段式冷凍機あるいは第2の冷媒用供給配管あるいは輻
射シールド冷却管と熱的に接触できる任意の場所に設置
されて、温度が80K以上100K以下で磁気転移現象
を起こし比熱が増大している磁性材料のバッファ作用に
より、多段式冷凍機の停止時の輻射シールドの温度上昇
の度合いを緩やかにする。
【0055】請求項19の発明における極低温装置は、
輻射シールド冷却管を複数の並列流路により構成し、前
記輻射シールド冷却管における流路抵抗を小さくして冷
媒循環機構を駆動するための電力消費を抑制する。
【0056】請求項20の発明における極低温装置は、
並列流路で構成された輻射シールド冷却管の各流路の出
口付近に設けられた流量制御弁が流路内部を流れる冷媒
の温度変化に従って夫々弁開度を変化させ、並列流路の
各輻射シールド冷却管の間の温度差を少なくし、輻射シ
ールドをさらに均一化して冷却する。
【0057】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は実施例1の極低温装置の構成を示す断面図
である。図1において図13と同一部分については同一
符号を付し説明を省略する。本実施例では、MRI装置
用の超電導マグネットを冷却する極低温装置を例として
説明する。この極低温装置は3段式冷凍機が極低温装置
本体の端面下部に水平に設置される構成である。図にお
いて、21はガス化した液体ヘリウム(極低温冷媒)を
循環させるためのブロワー(冷媒循環機構)、22は第
3段ヒートステージ(ヒートステージ)12に熱接触し
た状態で取り付けられている熱交換器、23は蒸発した
ヘリウムガスを直接、熱交換器22へ送り出すための冷
媒用供給配管、24は熱交換器22で冷却されたヘリウ
ムを直接ヘリウム槽(極低温冷媒槽)2へ戻すための冷
媒用供給配管である。冷媒用供給配管23,24はヘリ
ウム槽2の上部ガス相のある場所に開口している。ま
た、冷媒用供給配管23,24は、円筒の円周に沿うよ
うに配管される。
【0058】次に、この実施例の動作について説明す
る。超電導コイル(被冷却体)1はヘリウム槽2の内部
に収納され液体ヘリウム(極低温冷媒)3によって超電
導状態に冷却されている。ヘリウム槽2は、それぞれ規
定の温度に冷却された第1輻射シールド5および第2輻
射シールド6によって包囲されており常温部から侵入す
る輻射熱量は少ない。複数の支持部材8はヘリウム槽
2、第1輻射シールド(輻射シールド)5および第2輻
射シールド(輻射シールド)6などを断熱的に支持する
ものであり、真空槽4はヘリウム槽2との間の空間を高
真空に保持している。
【0059】真空槽4の端面下部に取り付けられた3段
式冷凍機(多段式冷却機)20では、可撓導体15によ
り第1段ヒートステージ(ヒートステージ)10が第1
輻射シールド5に、第2段ヒートステージ(ヒートステ
ージ)11が第2輻射シールド6に熱的に接続され、第
1輻射シールド5の温度を80K程度、また第2輻射シ
ールド6の温度を20K程度に冷却する。また第3段ヒ
ートステージ12に取り付けられた熱交換器22は温度
4K程度のヘリウム液化温度以下に冷却されているの
で、ヘリウム槽2の液体ヘリウムの蒸発ガスはブロワー
21により冷媒用供給配管23,24と第3段ヒートス
テージ12に取り付けられた熱交換器22とを経由して
液体となってヘリウム槽2に循環し戻される。
【0060】以上のように構成された極低温装置では、
ヘリウム槽2内で蒸発したヘリウムガスは冷媒用供給配
管23とブロワー21とにより第3段ヒートステージ1
2に取り付けられた熱交換器22に送られて再度液化さ
れ、冷媒用供給配管24によりヘリウム槽2に戻される
ため、冷媒用供給配管23,24の配置構成により3段
式冷凍機20の取付け場所は自由に選択でき、3段式冷
凍機20の取付け場所はヘリウム槽2の上部ガス相のあ
る場所と熱的に接触される場所でなくても良いことにな
る。
【0061】従って、本実施例の極低温装置では3段式
冷凍機20の取付け場所は床からの取り付け位置の高さ
を60cm程度にしており、作業員の腰の高さとなって
いる。このため3段式冷凍機20の内部の部品の取り外
しや取り付けなどのメンテナンス作業に踏み台や足場の
設置が不要であり、これらの作業のためのスペースを広
く必要としない極低温装置となっている。
【0062】実施例2.図2はこの発明の実施例2の極
低温装置の構成を示す断面図である。図2において図1
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
本実施例の極低温装置では、3段式冷凍機20を極低温
装置本体の端面下部に垂直に設置する。動作等は前記実
施例1における3段式冷凍機20を水平に設置した場合
と同様であるが、3段式冷凍機の内部の部品の取り外し
や取り付けなどの作業は上下方向に行うことが可能とな
るのでメンテナンス作業はより容易になる。
【0063】実施例3.図3はこの発明の実施例3の極
低温装置の構成を示す断面図である。図3において図1
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
本実施例の極低温装置では、3段式冷凍機20は極低温
装置本体の端面下部に水平に設置されると共に、ヘリウ
ム槽2内で蒸発したヘリウムガスはヘリウム槽2内の凝
縮熱交換器により間接的に冷却され再度液体に戻され
る。
【0064】図において、26,27は冷媒用供給配管
(冷媒循環用配管)、28はブロワー(冷媒循環機
構)、31はヘリウム槽2の上部ガス相のある場所に設
けられている凝縮熱交換器である。また、ブロワー28
と熱交換器22と冷媒用供給配管26,27と凝縮熱交
換器31とは相互に接続された閉流路であり、内部に大
気圧程度でヘリウム槽2の圧力よりわずかに低い圧力の
ヘリウムガスが封入されている。
【0065】この実施例では、第3段ヒートステージ1
2に取り付けられた熱交換器22は温度4K程度のヘリ
ウム液化温度以下に冷却されており、ブロワー28によ
り冷媒用供給配管26,27と凝縮熱交換器31とを経
由して内部に封入されたヘリウムガスを循環させること
で、ヘリウム槽2の蒸発ガスは再び液体に戻される。
【0066】本実施例の極低温装置は以上のように構成
されているので、閉流路に封入されたヘリウムガスを循
環させ、ヘリウム槽2内で蒸発したしたヘリウムガスを
間接的に冷却して再液化するため、ヘリウム槽2の蒸発
ガスを直接循環させる場合に比べてゴミ等の不純物の混
入の恐れがなく、冷媒用供給配管26,27内の詰りな
どの故障の発生がなくなり信頼性が向上し、より取り扱
いが容易になる。
【0067】なお、この実施例では3段式冷凍機20を
極低温装置本体の端面下部に水平に設置した場合を示し
たが、3段式冷凍機20を極低温装置本体の端面下部に
垂直に設置しても良い。
【0068】実施例4.図4はこの発明の実施例4の極
低温装置の構成を示す断面図である。図4において図3
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
本実施例の極低温装置では、3段式冷凍機20は極低温
装置本体の端面下部に水平に設置されると共に、3段式
冷凍機20の第3段ヒートステージ12に設けられてい
る熱交換器22により冷却された第2の冷媒によりヘリ
ウム槽2自体が間接的に冷却されることで、ヘリウム槽
2内で蒸発したヘリウムガスはヘリウム槽2内で再度液
体に戻される。
【0069】図において、41はヘリウム槽2の外周面
上に配置され取り付けられている凝縮熱交換器である。
この実施例の極低温装置の動作は前記実施例3における
ヘリウム槽2の内部に凝縮熱交換器31を配置した場合
と同様である。
【0070】なお、この実施例では3段式冷凍機20を
極低温装置本体の端面下部に水平に設置した場合を示し
たが、3段式冷凍機20を極低温装置本体の端面下部に
垂直に設置しても良い。
【0071】実施例5.図5はこの発明の実施例5の極
低温装置の構成を示す断面図である。図5において図1
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
本実施例の極低温装置では、3段式冷凍機20は極低温
装置本体の端面下部に水平に設置されると共に、ヘリウ
ム槽2内で蒸発したヘリウムガスは直接、3段式冷凍機
20の第3段ヒートステージに設けられた熱交換器22
に送られて冷却され液体ヘリウムに戻されてヘリウム槽
2に循環する。
【0072】図において、51は第2のブロワー(第2
の冷媒循環機構)、52は第3のブロワー(第2の冷媒
循環機構)、53は第1段ヒートステージ(ヒートステ
ージ)10に取り付けられている熱交換器、54は第2
段ヒートステージ(ヒートステージ)11に取り付けら
れている熱交換器、55は第1輻射シールド5を冷却す
る冷媒を循環させるための第1輻射シールド冷媒用供給
配管(第2の冷媒用供給配管)、56は第2輻射シール
ド6を冷却する冷媒を循環させるための第2輻射シール
ド冷媒用供給配管(第2の冷媒用供給配管)、57は第
1輻射シールド5の外周面上に配置され取り付けられて
いる第1輻射シールド冷却管(輻射シールド冷却管)、
58は第2輻射シールド6の外周面上に配置され取り付
けられている第2輻射シールド冷却管(輻射シールド冷
却管)である。
【0073】また、第1輻射シールド5の外周面上に配
置取り付けられた輻射シールド冷却管57は、第1輻射
シールド冷媒用供給配管55と第3のブロワー52と熱
交換器53と相互に接続され閉流路を構成し、内部に大
気圧以上に加圧されたヘリウムガスが封入されている。
同様に、第2輻射シールド6の外周面上に配置取り付け
られた輻射シールド冷却管58は、第2輻射シールド冷
媒用供給配管56と第2のブロワー51と熱交換器54
と相互に接続され閉流路を構成し、内部に大気圧以上に
加圧されたヘリウムガスが封入されている。
【0074】以上の構成により、第1輻射シールド5は
全域にわたり温度が冷凍機の第1段ヒートステージ10
の温度80Kに維持できる。また、第2輻射シールド6
も同様に全域にわたり冷凍機の第2段ヒートステージ1
1の温度20Kに維持できる。これはヘリウム槽2への
熱侵入量をより抑制する効果がある。また第3段ヒート
ステージ12に取り付けられた熱交換器22は温度4K
程度のヘリウム液化温度以下に冷却されているので、ヘ
リウム槽2内の蒸発ガスは第1のブロワー21によって
冷媒用供給配管23,24を経由して液体となってヘリ
ウム槽2に循環する。
【0075】この実施例の極低温装置は以上のように構
成されているので、第1輻射シールド5、第2輻射シー
ルド6に対する3段式冷凍機20の取付場所も自由に選
択できるようになり、実施例1の場合より3段式冷凍機
20の取付け場所の自由度がさらに広がる。このため3
段式冷凍機20の内部部品の取り外しや取り付けなどの
メンテナンス作業に踏み台や足場の設置が不要であり、
またこれらの作業のためのスペースを広く必要とせず、
熱侵入量の少ない極低温装置となる。
【0076】なお、この実施例では3段式冷凍機20を
極低温装置本体の端面下部に水平に設置した場合を示し
たが、3段式冷凍機20を極低温装置本体の端面下部に
垂直に設置しても良い。
【0077】また、冷媒用供給配管23,24,第1輻
射シールド冷媒用供給配管55,第2輻射シールド冷媒
用供給配管56を熱伝導率の小さい材料で構成すること
で、3段式冷凍機20の停止時でもその3段式冷凍機2
0のシリンダーを介しての伝導熱を少なくすることが出
来る。この結果、3段式冷凍機20の内部の部品の取り
外しや取り付けなどのメンテナンス作業に際しては、3
段式冷凍機20の停止時に3段式冷凍機20の温度は容
易に常温に上昇し、シリンダーを含め全体の温度を常温
で実施できるので作業が容易になる。
【0078】実施例6.図6はこの発明の実施例6の極
低温装置の構成を示す断面図である。図6において図5
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
本実施例の極低温装置では、凝縮熱交換器をヘリウム槽
2内の上部ガス相部分に設置している。また図示してい
ないが、凝縮熱交換器をヘリウム槽2の外周面上に設置
した場合でも動作および効果等は同様である。
【0079】図において、62は冷媒用供給配管24か
ら分岐した配管に設けられた締切弁、63は第1輻射シ
ールド冷媒用供給配管55から分岐した配管に設けられ
た締切弁、64は第2輻射シールド冷媒用供給配管56
から分岐した配管に設けられた締切弁である。
【0080】この実施例では、メンテナンス作業の際に
はこれらの締切弁62,63,64を介して、冷媒用供
給配管23,第1輻射シールド冷媒用供給配管55,第
2輻射シールド冷媒用供給配管56の内部を真空に引く
ことができる。この結果、配管内のガスによる熱の移動
がなくなり、3段式冷凍機20のシリンダー部の温度を
常温まで容易に上げることができる。
【0081】また、3段式冷凍機の内部部品の取り外し
や取り付けなどのメンテナンス作業を常温の3段式冷凍
機に対し行うことが出来、さらにこれらの作業のための
スペースを広く必要としない極低温装置となる。また、
循環させるヘリウムガスは封入されており、ヘリウム槽
2内の蒸発ガスと異なりゴミ等の不純物の混入の恐れが
なく、より取り扱いが容易になる。
【0082】実施例7.図7はこの発明の実施例7の極
低温装置の構成を示す断面図である。図7において図5
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
本実施例の極低温装置では、2段式冷凍機と3段式冷凍
機を極低温装置本体の端面下部で水平に併設している。
【0083】図において、71は極低温装置本体の端面
下部に設けられた2段式冷凍機(多段式冷凍機)、72
は2段式冷凍機71の第1段ヒートステージに取り付け
られた熱交換器、73は2段式冷凍機71の第2段ヒー
トステージに取り付けられた熱交換器である。
【0084】この実施例では、2段式冷凍機71の第1
段ヒートステージに取り付けられた熱交換器72が第1
輻射シールド5を冷却し、第2段ヒートステージに取り
付けられた熱交換器73が第2輻射シールド6を冷却す
る。また、3段式冷凍機20の第3段ヒートステージ1
2に取り付けられた熱交換器22がヘリウム槽2内で蒸
発したヘリウムガスを再液化する。
【0085】このように3段式冷凍機20および2段式
冷凍機71を夫々取り付ける場所の自由度がさらに広が
り、本実施例では3段式冷凍機20および2段式冷凍機
71を極低温装置本体の端面下部に水平に併設したが、
それぞれ異なった場所、例えばお互いに反対側でメンテ
ナンス作業がより実施しやすい場所に取り付けても良
い。また垂直に取り付けても良い。このため3段式冷凍
機20の内部部品の取り外しや取り付けなどのメンテナ
ンス作業に踏み台や足場の設置が不要であり、またこれ
らの作業のためのスペースを広く必要とせず、熱侵入量
の少ない極低温装置となる。
【0086】実施例8.また、以上説明した実施例で
は、極低温冷媒として液体ヘリウム、極低温冷媒槽とし
てヘリウム槽、第2,第3の冷媒としてヘリウムガスを
例にしたが、超電導マグネットの動作温度によっては、
水素ガスもしくはネオンガスもしくはこれらの混合ガス
も使用することが可能である。
【0087】実施例9.図8は本発明の極低温装置を超
電導リニアモータに適用したときの一実施例であり、リ
ニアモータ用超電導マグネットの断面図である。81は
レーストラック形状の超電導コイル、82はヘリウム
槽、85は第1輻射シールド、86,87は冷媒用供給
配管、88は2段式冷凍機、89は第1段ヒートステー
ジに取り付けられた熱交換器、90は第2段ヒートステ
ージに取り付けられた熱交換器、91は第1輻射シール
ドを冷却するための冷媒用供給配管93に設けられた第
1輻射シールド冷却用ブロワー、92は冷媒用供給配管
86に設けられ、ヘリウム槽82内で蒸発したヘリウム
ガスを熱交換器90に送り込むブロワー、94は第1輻
射シールドを冷却するための第1輻射シールド冷却用配
管、95は支持部材であり、構成が若干異なるが前記実
施例5の極低温装置と同様に機能する。
【0088】実施例10.図9はこの発明の実施例10
の極低温装置の3段式冷凍機20付近の構成を示す部分
断面図である。図10において図5,図6,図7と同一
部分については同一符号を付し説明を省略する。本実施
例の極低温装置では、3段式冷凍機20を極低温装置本
体の端面下部に水平に設け、また第1のブロワー21,
第2のブロワー51,第3のブロワー52も極低温装置
本体の端面下部に水平に併設する。
【0089】図において、101は第1のブロワー2
1,第2のブロワー51,第3のブロワー52の共通駆
動軸(駆動軸)、102は駆動軸モータである。3個の
第1のブロワー21,第2のブロワー51,第3のブロ
ワー52は共通駆動軸101で駆動されるのでこの共通
駆動軸を介して外部から侵入する熱は順次ブロワーで吸
収され、最低温度部の第1のブロワー21では侵入する
熱は僅少となる。
【0090】実施例11.図10はこの発明の実施例1
1の極低温装置の構成を示す断面図であり、3段式冷凍
機20の第1段ヒートステージと第1輻射シールド5と
を模式的に展開して示している。図において、111は
大気圧以上に加圧されたヘリウムガスの入った冷媒貯蔵
用タンクである。112は第1輻射シールド5に取り付
けられた磁性材料であり、輻射シールド冷却管113で
80Kに冷却されているときには磁気転移により比熱が
増大している。114は放出弁、115は逆止弁、11
6は前記ヘリウムガスを循環させるためのブロワー、1
17は冷媒用供給配管(第2の冷媒用供給配管)であ
る。
【0091】この実施例では、大気圧以上に加圧された
ヘリウムガスの入った冷媒貯蔵用タンク111を3段式
冷凍機20の第1段ヒートステージで冷却しておく。3
段式冷凍機20の停止時には、冷媒貯蔵用タンク111
内の圧が上昇し、冷媒貯蔵用タンク111のヘリウムガ
スは逆止弁115の作用で輻射シールド冷却管113を
経由して放出弁114から大気へ放出される。
【0092】また第1輻射シールド5に取り付けられた
磁性材料112は、温度が80K以上100K以下で磁
気転移現象を起こす物質、例えばGdMn2などであ
り、輻射シールド冷却管113で80Kに冷却されて磁
気転移により比熱が増大している。3段式冷凍機20の
停止時には熱容量の大きい磁性材料112のバッファー
作用で第1輻射シールド5の温度は緩やかに上昇する。
【0093】実施例12.図11はこの発明の実施例1
2の極低温装置の構成を示す断面図であり、図10と同
様に3段式冷凍機20の第1段ヒートステージと第1輻
射シールド5とを模式的に展開して示している。図にお
いて、120は磁性材料であり、80Kに冷却されてい
るときには磁気転移により比熱が増大している。121
はブロワーであり、輻射シールド冷却管124に設けら
れている。122は3段式冷凍機20のヒートステージ
に取り付けられた熱交換器、輻射シールド冷却管(第4
の冷媒用の輻射シールド冷却管)125は輻射シールド
冷却管124と併設されている。126は輻射シールド
冷却管125に設けられた放出弁、127は酸素ガスの
入った冷媒タンク、128は冷媒用供給配管(第2の冷
媒用供給配管)129と併設された冷媒用供給配管(第
3の冷媒用供給配管)である。
【0094】この実施例では、大気圧以上に加圧された
酸素ガスの入った冷媒タンク127は3段式冷凍機20
の第1段ヒートステージで冷却されているので内部の酸
素ガスは液体状態である。3段式冷凍機20の停止時に
は冷媒タンク127内の酸素ガスの温度が上昇して冷媒
用供給配管128と輻射シールド冷却管125と放出弁
126とを経由して大気に放出される。このとき液体状
態からガス化への潜熱も利用できるので第1輻射シール
ド5の温度上昇が緩やかになる。なお、冷媒タンク12
7への酸素ガスの注入は、3段式冷凍機の運転中に大気
に連通した図示していない放出孔から放出弁126を経
由して行う。
【0095】この実施例では冷媒タンク127には酸素
ガスが注入される場合について説明したが、窒素ガスや
乾燥空気でも同様の効果がある。また熱容量の大きい磁
性材料120のバッファー作用との併用で3段式冷凍機
20の停止時の輻射シールドの温度上昇がより緩やかに
なる。
【0096】実施例13.図12はこの発明の実施例1
3の極低温装置の構成を示す模式図であり、MRI装置
用の超電導マグネットの軸方向の断面であり、3段式冷
凍機20の第1段ヒートステージと第1輻射シールド5
とを模式に展開して示してある。図12において図11
と同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
この実施例では、輻射シールド冷却管が複数の並列流路
輻射シールド冷却管132で構成され、各流路の出口付
近には流量制御弁133が設けられている。
【0097】並列流路輻射シールド冷却管132は輻射
シールド冷却管の並列流路として複数設けられているの
で、輻射シールド冷却管の内径が実質的に大きくなるの
で全体の流路抵抗が少なくなりブロワー駆動モータへ供
給する電力が少なくて済み、第1輻射シールド5の温度
分布がより均一になる。また流量制御弁133は内部を
流れる冷媒の温度変化に従って弁開度が変化するため、
並列流路輻射シールド冷却管132間の温度差がなくな
る。
【0098】ところで上記説明では、MRI装置用超電
導マグネットの場合について述べたが、その他超電導マ
グネットを利用する極低温装置例えば、超電導リニアモ
ータ、超電導電磁推進船などに利用できることは言うま
でもない。
【0099】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、極低温冷媒槽と多段式冷凍機とを冷媒用供給配管に
より接続するように構成したので、極低温冷媒槽内で蒸
発した極低温冷媒ガスが冷媒用供給配管を経由して多段
式冷凍機のヒートステージに循環し液化され前記極低温
冷媒槽に戻されるので、前記多段式冷凍機の取り付け場
所を柔軟に選択でき、極低温冷媒槽内で蒸発した極低温
冷媒ガスは冷媒用供給配管を経由して多段式冷凍機のヒ
ートステージで直接冷却され、極低温冷媒槽内のガス化
した冷媒を効率的に液化できる極低温装置が得られる効
果がある。
【0100】請求項2の発明によれば、多段式冷凍機を
極低温装置本体の設置される床面上1メートル以下の高
さ位置に略水平に取り付けるように構成したので、メン
テナンス作業などを行う作業員の腰の高さより低い位置
に多段式冷凍機が取り付けられることになり、多段式冷
凍機のメンテナンス作業などを行う際の作業性を向上さ
せた極低温装置が得られる効果がある。
【0101】請求項3の発明によれば、多段式冷凍機を
極低温装置本体の設置される床面上1メートル以下の高
さ位置に略垂直に取り付けるように構成したので、メン
テナンス作業などを行う作業員の腰の高さより低い位置
に多段式冷凍機が上下に取り付けられることになり、多
段式冷凍機のメンテナンス作業などを行う際の作業性を
向上させた極低温装置が得られる効果がある。
【0102】請求項4の発明によれば、極低温冷媒槽に
敷設された凝縮熱交換器と多段式冷凍機とを冷媒循環用
配管により接続するようにして、冷媒循環機構により多
段式冷凍機のヒートステージに送られて極低温冷媒の液
化温度以下に冷却された第2の冷媒ガスを一定圧力で循
環させて極低温冷媒槽内で蒸発した極低温冷媒ガスが間
接的に冷却され液化されるように構成したので、前記多
段式冷凍機の取り付け場所を柔軟に選択でき、極低温冷
媒槽内で蒸発した極低温冷媒ガスを効率的に液化できる
極低温装置が得られる効果がある。
【0103】請求項5の発明によれば、極低温冷媒槽内
に設けられた凝縮熱交換器および第2の冷媒循環用配管
とを経由し多段式冷凍機のヒートステージで冷却させた
第2の冷媒を循環させ、ガス化した前記極低温冷媒を極
低温冷媒槽内の凝縮熱交換器で冷却して再液化する冷媒
循環機構を備えるように構成したので、前記多段式冷凍
機の取り付け場所を柔軟に選択でき、極低温冷媒槽内で
蒸発した極低温冷媒ガスを前記極低温冷媒槽内で効率的
に液化できる極低温装置が得られる効果がある。
【0104】請求項6の発明によれば、極低温冷媒槽の
外周面上に配置された凝縮熱交換器および冷媒循環用配
管とを経由し多段式冷凍機のヒートステージで冷却させ
た第2の冷媒を循環させ、前記ガス化した前記極低温冷
媒を冷却して再液化する冷媒循環機構を備えるように構
成したので、前記多段式冷凍機の取り付け場所を柔軟に
選択でき、極低温冷媒槽内で蒸発した極低温冷媒ガスを
前記極低温冷媒槽外周面上から効率的に冷却して液化で
きる極低温装置が得られる効果がある。
【0105】請求項7の発明によれば、冷媒循環機構に
より循環される第2の冷媒を冷却するためのヒートステ
ージを有した多段式冷凍機を、極低温装置本体の設置さ
れる床面上1メートル以下の高さ位置に略水平に取り付
けるように構成したので、メンテナンス作業などを行う
作業員の腰の高さより低い位置に多段式冷凍機が取り付
けられることになり、多段式冷凍機のメンテナンス作業
などを行う際の作業性を向上させた極低温装置が得られ
る効果がある。
【0106】請求項8の発明によれば、冷媒循環機構に
より循環される第2の冷媒を冷却するためのヒートステ
ージを有した多段式冷凍機を、極低温装置本体の設置さ
れる床面上1メートル以下の高さ位置に略垂直に取り付
けるように構成したので、メンテナンス作業などを行う
作業員の腰の高さより低い位置に多段式冷凍機が上下に
取り付けられることになり、多段式冷凍機のメンテナン
ス作業などを行う際の作業性を向上させた極低温装置が
得られる効果がある。
【0107】請求項9の発明によれば、多段式冷凍機の
ヒートステージを経由する第3の冷媒を第2の冷媒循環
機構により第2の冷媒用供給配管と輻射シールド冷却管
とを循環させることで輻射シールドや支持部材の中間部
分が冷却されるように構成したので、輻射シールドを均
一に冷却することができ、極低温冷媒槽への熱侵入量の
増加を抑制できる極低温装置が得られる効果がある。
【0108】請求項10の発明によれば、多段式冷凍機
のヒートステージを経由する第3の冷媒を、第2の冷媒
循環機構により熱伝導率の小さい材質で構成した第2の
冷媒用供給配管と輻射シールド冷却管とを循環させ、輻
射シールドや支持部材の中間部分を冷却するように構成
したので、第2の冷媒用供給配管と輻射シールド冷却管
とを介して侵入する熱を抑制することができ、輻射シー
ルドや支持部材の中間部分の冷却を効率的に行うことが
でき、また、多段式冷凍機の停止時には多段式冷凍機の
温度は容易に常温に上昇するので多段式冷凍機の内部の
部品の取り外しや取り付けなどのメンテナンス作業を常
温で実施できる極低温装置が得られる効果がある。
【0109】請求項11の発明によれば、冷媒循環用配
管および第2の冷媒用供給配管あるいは輻射シールド冷
却管の内部をメンテナンス時に真空にするための締切弁
を備えるように構成したので、多段式冷凍機の停止時の
多段式冷凍機の温度を容易に常温まで上昇させることが
できる極低温装置が得られる効果がある。
【0110】請求項12の発明によれば、第3の冷媒の
みを冷却する冷凍機を、極低温冷媒槽内でガス化した極
低温冷媒を再液化するための冷凍機とは別に設けるよう
に構成したので、冷凍機夫々の取付け位置を柔軟に選択
でき、また極低温冷媒槽内で蒸発した極低温冷媒ガスは
専用の冷凍機により冷却されるため、極低温冷媒槽内の
ガス化した冷媒を効率的に液化できる極低温装置が得ら
れる効果がある。
【0111】請求項13の発明によれば、極低温冷媒と
して略大気圧のヘリウムガスもしくは水素ガスもしくは
ネオンガスもしくはこれらの混合されたガスを使用し、
また第2の冷媒として略大気圧のヘリウムガスもしくは
水素ガスもしくはネオンガスもしくはこれらの混合され
たガスを使用し、また第3の冷媒として大気圧以上に加
圧されたヘリウムガスもしくは水素ガスもしくはネオン
ガスもしくはこれらの混合されたガスを使用するように
構成したので、極低温冷媒槽内のガス化した冷媒を効率
的に冷却できる極低温装置画得られる効果がある。
【0112】請求項14の発明によれば、冷媒循環機構
をブロワーにより構成したときに、該ブロワーの夫々を
共通した駆動軸で駆動するように構成したので、冷媒循
環機構を簡略化でき、前記冷媒循環機構からの熱侵入量
を抑制できる極低温装置が得られる効果がある。
【0113】請求項15の発明によれば、多段式冷凍機
の停止時には、多段式冷凍機のヒートステージに取り付
けられた冷媒貯蔵用タンク内の第3の冷媒が第2の冷媒
用供給配管に取り付けられた放出弁を経由して大気へ放
出できるように構成したので、多段式冷凍機の停止時に
輻射シールドの温度上昇の度合いを緩やかにできる極低
温装置が得られる効果がある。
【0114】請求項16の発明によれば、多段式冷凍機
の停止時に、多段式冷凍機あるいは第2の冷媒用供給配
管あるいは輻射シールド冷却管と熱的に接触できる任意
の場所に設置した冷媒タンク内の第4の冷媒ガスを、前
記第2の冷媒用供給配管と併設させた第3の冷媒用供給
配管と第4の冷媒用の輻射シールド冷却管と放出弁とを
経由して大気に放出するように構成したので、多段式冷
凍機の停止時に輻射シールドの温度上昇の度合いを緩や
かにすることのできる極低温装置が得られる効果があ
る。
【0115】請求項17の発明によれば、第4の冷媒と
して大気圧以上に加圧された酸素ガスもしくは窒素ガス
もしくは乾燥空気を使用するように構成したので、多段
式冷凍機の停止時に輻射シールドの温度上昇の度合いを
緩やかにすることのできる極低温装置が得られる効果が
ある。
【0116】請求項18の発明によれば、温度が80K
以上100K以下で磁気転移現象を起こす磁性材料を多
段式冷凍機あるいは第2の冷媒用供給配管あるいは輻射
シールド冷却管と熱的に接触できる任意の場所に設置す
るように構成したので、多段式冷凍機の停止時に輻射シ
ールドの温度上昇の度合をさらに緩やかにすることので
きる極低温装置が得られる効果がある。
【0117】請求項19の発明によれば、第2の冷媒用
供給配管および輻射シールド冷却管の複数の並列流路の
各流路の出口付近に流量制御弁を備えるように構成した
ので、流路抵抗が小さくなり、冷媒循環機構を駆動する
ための電力消費を抑制することができる極低温装置が得
られる効果がある。
【0118】請求項20の発明によれば、第2の冷媒用
供給配管および輻射シールド冷却管の複数の並列流路の
各流路の出口付近に、流路の内部を流れる第3の冷媒の
温度変化に従って夫々開度が変化する流量制御弁を備え
るように構成したので、冷媒循環機構を駆動するための
電力消費を抑制すると共に、輻射シールドの冷却を均一
化して極低温冷媒槽への熱侵入量の増加を抑制できる極
低温装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図2】 この発明の実施例2の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図3】 この発明の実施例3の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図4】 この発明の実施例4の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図5】 この発明の実施例5の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図6】 この発明の実施例6の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図7】 この発明の実施例7の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図8】 この発明の実施例9の極低温装置の構成を示
す断面図である。
【図9】 この発明の実施例10の極低温装置の3段式
冷凍機付近の構成を示す部分断面図である。
【図10】 この発明の実施例11の極低温装置の構成
を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施例12の極低温装置の構成
を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施例13の極低温装置の構成
を示す断面図である。
【図13】 従来の極低温装置の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 超電導コイル(被冷却体)、2 ヘリウム槽(極低
温冷媒槽)、3 液体ヘリウム(極低温冷媒)、4 真
空槽、5 第1輻射シールド(輻射シールド)、6 第
2輻射シールド(輻射シールド)、8 支持部材、10
第1段ヒートステージ(ヒートステージ)、11 第
2段ヒートステージ(ヒートステージ)、12 第3段
ヒートステージ(ヒートステージ)、20 3段式冷凍
機(多段式冷凍機)、21 ブロワー(冷媒循環機
構)、23,24 冷媒用供給配管、26,27 冷媒
用供給配管(冷媒循環用配管)、28 ブロワー(冷媒
循環機構)、31,41 凝縮熱交換器、51 第2の
ブロワー(第2の冷媒循環機構)、52 第3のブロワ
ー(第2の冷媒循環機構)、55 第1輻射シールド冷
媒用供給配管(第2の冷媒用供給配管)、56 第2輻
射シールド冷媒用供給配管(第2の冷媒用供給配管)、
57 第1輻射シールド冷却管(輻射シールド冷却
管)、58 第2輻射シールド冷却管(輻射シールド冷
却管)、62,63,64 締切弁、71 2段式冷凍
器(多段式冷凍機)、101 共通駆動軸(駆動軸)、
111 冷媒貯蔵用タンク、112,120 磁性材
料、113,124 輻射シールド冷却管、114,1
26 放出弁、115 逆止弁、117冷媒用供給配管
(第2の冷媒用供給配管)、121 ブロワー、125
輻射シールド冷却管(第4の冷媒用の輻射シールド冷
却管)、127 冷媒タンク、128 冷媒用供給配管
(第3の冷媒用供給配管)、129 冷媒用供給配管
(第2の冷媒用供給配管)、133 流量制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01R 33/3815 A61B 5/05 360 H01F 6/04 G01N 24/06 510D (72)発明者 長尾 政志 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−96304(JP,A) 特開 昭62−116868(JP,A) 特開 昭59−86870(JP,A) 特開 平5−332655(JP,A) 特開 昭60−164374(JP,A) 特開 平4−52480(JP,A) 特開 平4−37071(JP,A) 特開 昭63−140275(JP,A) 実開 平2−81361(JP,U) 実開 平3−6267(JP,U) 特公 平4−45740(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 3/10 A61B 5/05 360 F25B 9/00 G01N 24/06 510 H01F 7/22

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被冷却体を収納し、前記被冷却体を冷却
    する極低温冷媒を貯液した極低温冷媒槽と、該極低温冷
    媒槽を包囲する輻射シールドと、前記極低温冷媒槽およ
    び前記輻射シールドを包囲する真空槽と、前記極低温冷
    媒槽を保持するための支持部材と、前記輻射シールドを
    冷却すると共にガス化した前記極低温冷媒を再液化する
    多段式冷凍機とを備えた極低温装置において、前記極低
    温冷媒槽内で蒸発した極低温冷媒ガスを冷媒用供給配管
    を経由して前記多段式冷凍機のヒートステージに送り液
    化し、冷媒用供給配管を経由して再び前記極低温冷媒槽
    に環流させる前記真空槽内に配置された冷媒循環機構を
    備えたことを特徴とする極低温装置。
  2. 【請求項2】 前記多段式冷凍機は、極低温装置本体の
    設置床面上1メートル以下の高さ位置に略水平に取り付
    けられていることを特徴とする請求項1に記載の極低温
    装置。
  3. 【請求項3】 前記多段式冷凍機は、極低温装置本体の
    前記設置床面上1メートル以下の高さ位置に略垂直に取
    り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の極
    低温装置。
  4. 【請求項4】 被冷却体を収納し、前記被冷却体を冷却
    する極低温冷媒を貯液した極低温冷媒槽と、該極低温冷
    媒槽を包囲する輻射シールドと、前記極低温冷媒槽およ
    び前記輻射シールドを包囲する真空槽と、前記極低温冷
    媒槽を保持するための支持部材と、前記輻射シールドを
    冷却すると共にガス化した前記極低温冷媒を再液化する
    ための多段式冷凍機を備えた極低温装置において、前記
    極低温冷媒槽に敷設された凝縮熱交換器および冷媒循環
    用配管を経由し前記多段式冷凍機のヒートステージで冷
    して前記極低温冷媒の液化温度以下とした第2の冷媒
    ガスを一定圧力で循環させ、前記ガス化した前記極低温
    冷媒を再液化する冷媒循環機構とを備えたことを特徴と
    する極低温装置。
  5. 【請求項5】 前記凝縮熱交換器は、前記極低温冷媒槽
    内に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の
    極低温装置。
  6. 【請求項6】 前記凝縮熱交換器は、前記極低温冷媒槽
    外周面上に配置されていることを特徴とする請求項4に
    記載の極低温装置。
  7. 【請求項7】 前記多段式冷凍機は、極低温装置本体の
    設置床面上1メートル以下の高さ位置に略水平に取り付
    けられていることを特徴とする請求項4から請求項6の
    いずれか1項に記載の極低温装置。
  8. 【請求項8】 前記多段式冷凍機は、極低温装置本体の
    設置床面上1メートル以下の高さ位置に略垂直に取り付
    けられていることを特徴とする請求項4から請求項6い
    ずれか1項に記載の極低温装置。
  9. 【請求項9】 第2の冷媒用供給配管と前記輻射シール
    ドを冷却するための輻射シールド冷却管とを有し、前記
    多段式冷凍機のヒートステージを経由する第3の冷媒を
    第2の冷媒循環機構により前記第2の冷媒用供給配管と
    前記輻射シールド冷却管とを循環させることで前記輻射
    シールドや前記支持部材の中間部分が冷却されることを
    特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載
    の極低温装置。
  10. 【請求項10】 熱伝導率の小さい材質により前記冷媒
    用供給配管を構成したことを特徴とする請求項9に記載
    の極低温装置。
  11. 【請求項11】 前記冷媒循環用配管または前記第2の
    冷媒用供給配管あるいは前記輻射シールド冷却管の内部
    をメンテナンス時に真空にするための締切弁を備えたこ
    とを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか1項に
    記載の極低温装置。
  12. 【請求項12】 第3の冷媒のみを冷却する冷凍機を、
    ガス化した前記極低温冷媒を再液化するための冷凍機と
    は別に設けたことを特徴とする請求項9または請求項1
    0に記載の極低温装置。
  13. 【請求項13】 極低温冷媒は略大気圧のヘリウムガス
    もしくは水素ガスもしくはネオンガスもしくはこれらの
    混合されたガスであり、第2の冷媒は略大気圧のヘリウ
    ムガスもしくは水素ガスもしくはネオンガスもしくはこ
    れらの混合されたガスであり、第3の冷媒は大気圧以上
    に加圧されたヘリウムガスもしくは水素ガスもしくはネ
    オンガスもしくはこれらの混合されたガスであることを
    特徴とする請求項9、請求項10及び請求項12のいず
    れか1項に記載の極低温装置。
  14. 【請求項14】 前記冷媒循環機構をブロワーにより構
    成すると共に、該ブロワーの夫々を共通した駆動軸で駆
    動することを特徴とする請求項9に記載の極低温装置。
  15. 【請求項15】 前記多段式冷凍機のヒートステージに
    取り付けられた冷媒貯蔵用タンクと、第2の冷媒用供給
    配管に取り付けられた逆止弁および放出弁とを有し、前
    記多段式冷凍機の停止時には前記第3の冷媒が前記放出
    弁を経由して大気へ放出されることを特徴とする請求項
    9または請求項10に記載の極低温装置。
  16. 【請求項16】 前記多段式冷凍機あるいは前記第2の
    冷媒用供給配管あるいは前記輻射シールド冷却管と熱的
    に接触できる任意の場所に設置した冷媒タンクと、前記
    第3の冷媒用供給配管と併設された第3の冷媒用供給配
    管と、第4の冷媒用の輻射シールド冷却管と、放出弁と
    を設け、前記多段式冷凍機の停止時には前記冷媒タンク
    内の第4の冷媒ガスが前記第3の冷媒用供給配管と前記
    第4の冷媒用の輻射シールド冷却管と前記放出弁とを経
    由して大気に放出されることを特徴とする請求項9から
    請求項15のいずれか1項に記載の極低温装置。
  17. 【請求項17】 第4の冷媒は大気圧以上に加圧された
    酸素ガスもしくは窒素ガスもしくは乾燥空気であること
    を特徴とする請求項16に記載の極低温装置。
  18. 【請求項18】 温度が80K以上100K以下で磁気
    転移現象を起こす磁性材料を前記多段式冷凍機あるいは
    前記第2の冷媒用供給配管あるいは前記輻射シールド冷
    却管と熱的に接触できる任意の場所に設置したことを特
    徴とする請求項9から請求項17のいずれか1項に記載
    の極低温装置。
  19. 【請求項19】 前記輻射シールド冷却管が複数の並列
    流路で構成され、各流路の出口付近に流量制御弁を備え
    ていることを特徴とする請求項9から請求項18のいず
    れか1項に記載の極低温装置。
  20. 【請求項20】 前記各流量制御弁は前記流路の内部を
    流れる冷媒の温度変化に従って夫々開度が変化すること
    を特徴とした請求項19に記載の極低温装置。
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