JPH0533059U - カセツト又はカセツトブロツク用多段収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数個の棚部を分離可能に積層するととも
に、引出しを段階的に引き出して棚部に係止させるよう
にしたカセット又はカセットブロック用多段収納ケース
を提供する。 【構成】 基台部１２と天板部１３との間に断面形状が
凹溝形の棚部１４を複数個分離可能に積層し、棚部１４
にカセット又はカセットブロック１６収納用引出し１５
を摺動自在に設け、天板部１３及び棚部１４の下面に複
数個の係止爪３１を前後方向に配設するとともに、引出
し１５の後壁４１上縁に凸部４５を係止爪３１に係脱自
在に設け、凸部４５を係止爪３１に係合させることによ
り引出し１５を段階的に引き出せるようにした構成とす
る。 【効果】 各棚部１４を分離可能に積層したので、棚部
１４を必要数に増減することができ、便利である。ま
た、引出し１５を複数個所で棚部１４に係止させて段階
的に引き出せるようにしたので、途中まで引き出した引
出し１５のそれ以上の脱出を防止することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、病理組織検査用検体処理用のカセット用、又は該検体をカセット上 にパラフィンでブロック状に固めてなるカセットブロックを顕微鏡検査用薄片に スライスする前又は後に整理・保管・運搬するためのカセットブロック用多段収 納ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、この種の多段収納ケースは、ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂からなり、図 ９及び図１０に示すように、ケース本体１に複数段（通常は６段）の棚部２を形 成し、各棚部２に引出し３を摺動自在に設け、各引出し３にカセット（又はカセ ットブロック）４を収納している。そして、ケース本体１の天板部５及び棚部２ の下面前端部に左右一対の係止爪６を形成するとともに、引出し３の後壁７の上 縁に左右一対の凸部８を係止爪６に係脱自在に形成し、引出し３を全部引き出し たときでも、凸部８が係止爪６に係合して引出し３の脱出を防止している（図１ ０参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来の多段収納ケースによれば、例えば１個又は２個の引出し３ で間に合う程度の少数のカセット４を運搬する場合でも収納ケース全体を使用し なければならないという不便があり、また、引出し３を全部引き出さなくてもカ セット４を出し入れできるときに、途中で止めた引出し３が前下がりに傾斜して 収納したカセット４の重さにより自然に滑り出し、凸部８が係止爪６との係合を 突破して脱出するという欠点があった。 本考案は、従来の多段収納ケースを改良して、上述のような問題点を取り除く ことを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案の多段収納ケースは、基台部と天板部との 間に断面形状が凹溝形の棚部を複数個分離可能に積層し、これら棚部にカセット 又はカセットブロック収納用引出しを摺動自在に設け、前記天板部及び棚部の下 面に複数個の係止爪を前後方向に配設するとともに、前記引出しの後壁上縁に凸 部を前記係止爪に係脱自在に設け、前記凸部を前記係止爪に係合させることによ り前記引出しを段階的に引き出せるようにしたものである。 そして、前記棚部の上面前端部に引出しロック用凹部を設けるとともに、前記 引出しの下面前端部に係止爪を前記凹部に係脱自在に設け、前記係止爪を前記凹 部に係合させることにより前記引出しを閉状態でロックするようにすることが好 ましい。 また、前記引出しの底板上面にカセット又はカセットブロック滑り止め用凹凸 を多数形成することも可能である。

【０００５】

【作用】

上記構成の多段収納ケースによれば、各棚部を分離可能に積層しているので、 カセット又はカセットブロックを運搬・保管する場合には、これらの個数に応じ て棚部の個数を必要数に増減することができる上に、深さの異なる棚部、即ち引 出しを任意に混用することができて便利である。また、引出しの後壁上縁に設け た凸部を天井部及び棚部の下面に配設した係止爪に係合させることにより引出し を多段的に引き出せるようにしているので、引出しを全部引き出す必要がないと きには引出しを途中で止めて棚部に係止させ、引出しのそれ以上の脱出を確実に 防止することができる。 そして、引出しの下面前端部に設けた係止爪を棚部の上面前端部に設けた引出 しロック用凹部に係合させることにより引出しを閉状態でロックするようにする と、収納ケースの傾斜等により引出しが自然に開くのを防止することができる。 また、引出しの底板上面にカセット又はカセットブロック滑り止め用凹凸を設 けると、引出し内に立てて並べたカセット又はカセットブロックが引出しの開閉 により滑って倒れるのを防止することができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図８に基づいて説明する。 本実施例のカセット又はカセットブロック（以下、カセットと記す）用多段収 納ケースは、図１及び図２に示すように、そのケース本体１１が基台部１２と天 板部１３との間に複数個（図示のものは６個）の棚部１４を分離可能に積層して なり、各棚部１４に引出し１５を摺動自在に設け、各引出し１５内に複数個のカ セット１６を起立状に並べて収納している（図３中の最下段の引出し１５参照） 。そして、基台部１２、天板部１３、棚部１４及び引出し１５は、それぞれがＡ ＢＳ樹脂等の合成樹脂からなる一体成形品である。

【０００７】 基台部１２は、図３及び図４に示すように、台板１７の下面周縁に脚部１８を 設け、台板１７の上面の左右両側に先端に係止爪１９を有する３対の係止壁２０ と凹溝形断面形状を有する４対の案内壁２１、２２とを前後方向に交互に立設し てなるものである。また、台板１７の前端縁２３は、最下段の引出し１５の把手 ４４に指を掛け易くするために、下方に向けて円弧状に湾曲させてある（図１参 照）。

【０００８】 天板部１３は、図３及び図４に示すように、天板２４の下面周縁に前壁２５、 後壁２６及び左右両側壁２７を設け、下面内側に６条の縦リブ２８を並設してな るものである。これら縦リブ２８の中、左右両側の２条の縦リブ２８は、図４に 示すように側壁２７との間に案内溝２９を形成し、図３及び図４に示すように上 部の前後３個所に角孔３０を設けている。また、中央の４条の縦リブ２８は、図 ３及び図６に示すように、下縁の前端部及び中間部に複数個（図示のものは２個 ）の係止爪３１を配設している。

【０００９】 棚部１４は、図３及び図４に示すように、凹溝形の断面形状を有し、棚板３２ の周縁三方に逆Ｌ字形断面形状を有する左右両側壁３３及び後壁３４を設けてな るものである。棚板３２は、図３及び図４に示すように、左右両側縁が逆Ｌ字形 断面形状を有する引出し案内部３５を介して側壁３３に接合され、中央部に棚部 分離用操作孔３６を設け、下面に図３及び図６に示すような４条の縦リブ３７を 並設し、上面前端部に図３及び図７に示すような引出しロック用凹部３８を左右 方向に設けている。引出し案内部３５は、前記天板部１３の左右両側の縦リブ２ ８と同様に、側壁３３との間に案内溝２９を形成し、上部の前後３個所に角孔３ ０を設けるとともに、縦リブ３７は、前記天板部１３の中央の縦リブ２８と同様 に、下縁の前端部及び中間部に複数個（図示のものは２個）の係止爪３１を配設 している。また、左右両側壁３３の上面には、図３〜図５に示すように、前記基 台部１２におけると同様に、先端に係止爪１９を有する３対の係止壁２０と凹溝 形断面形状を有する４対の案内壁２１、２２との前後方向に交互に立設している 。係止壁２０の基部は、係止壁２０の弾性を大きくするために、側壁３３の一部 を切り欠いて形成されている（図５参照）。そして、基台部１２及び棚部１４に 立設した係止壁２０の係止爪１９は、それらの上段に積層する棚部１４又は天板 部１２に設けた角孔３０に対して係止壁２０の弾性により係脱自在に形成されて いる。

【００１０】 引出し１５は、図３〜図５に示すように、底板３９の周縁に前壁４０、後壁４ １及び左右両側壁４２を設けてなり、内部が仕切壁４３により複数区画に仕切ら れている。前壁４０の前面には把手４４を設けるとともに、後壁４１の上縁には 図４に示すような凸部４５を設けている。この凸部４５は、引出し１５の上段に 積層する棚部１４又は天井部１３に設けた係止爪３１に対して係脱自在に形成さ れている。また、底板３９は、上面に図５及び図８に示すようなカセット滑り止 め用凹凸４６を左右方向に多数形成し、下面前端部に図３及び図７に示すような 係止爪４７を複数個（図示のものは４個）並設している。これらの係止爪４７は 、引出し１５に対応する棚部１４に設けた引出しロック用凹部３８に対して係脱 自在に形成されている。 なお、カセット１６は、図３に示すように引出し１５内に起立状に並べたとき 、その上面に検体の検索に必要な事項が記入されている。

【００１１】 上記構成の多段収納ケースを組み立てるには、まず、図３、図４及び図６に示 すように、基台部１２と天板部１３との間に複数個の棚部１４を積み重ね、基台 部１２及び棚部１４の係止壁２０及び案内壁２１、２２を上段の棚部１４又は天 板部１３の案内溝２９内に挿入するとともに、係止壁２０の係止爪１９を角孔３ ０に係合させることによりケース本体１１を組み立てる。次に、各棚部１４内に 引出し１５をその把手４４をやや持ち上げ気味にして挿入する。これにより、引 出し１５の後壁４１の凸部４５は、上段の棚部１４又は天板部１３の係止爪３１ を円滑に通過し、図３及び図７に示すように、引出し１５の係止爪４７が対応す る棚部１４の引出しロック用凹部３８に係合して、引出し１５をロックする。

【００１２】 このようにして得た多段収納ケースの引出し１５内にカセット１６を収納する には、所望の引出し１５の把手４４を若干持ち上げて引出し１５の係止爪４７と 棚部１４の引出しロック用凹部３８との係合を解除した後、引出し１５を途中ま で（必要の場合は最後まで）引き出す。引出し１５は、図３及び図６に示すよう に、その自重により前下りに傾斜し、後壁４１の凸部４５が上段の棚部１４又は 天板部１３の係止爪３１に係合して、引出し１５のそれ以上の脱出を防止する。 カセット１６は、図３に示すように、引出し１５内に起立状に並べて収納し、カ セット１６の上面に記入した検体の検索事項を見易くしておき、引出し１５を閉 じる。引出し１５からカセット１６を取り出すときも同様である。引出し１５の 底板３９の上面に形成した凹凸４６（図８参照）は、引出し１５の開閉時にカセ ット１６が滑って倒れるのを防止する。

【００１３】 また、基台部１２、天板部１３又は棚部１４を分離する場合には、一部又は全 部の引出し１５を抜き去り、棚部１４の前面開口から手を挿し込み、操作孔３６ を利用して基台部１２又は棚部１４の係止壁２０の係止爪１９と棚部１４又は天 板部１３の角孔３０との係合を解除しながら、基台部１２、天板部１３又は棚部 １４を分離する。これにより、収納しようとするカセット１６の個数に応じて棚 部１４の個数を必要に増減したり、多段収納ケース全体を分解することができる 。 なお、本実施例では、各引出し１５の深さを均一にしたが、他の実施例として 、深さの異なる引出しを混用してもよく、これにより収納しうるカセットの種類 が拡大する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように、基台部と天板部との間に複数個の棚部を分離 可能に積層したので、収納しようとするカセット又はカセットブロックの個数に 応じて棚部の個数を必要数に増減することができる上に、深さの異なる引出しを 任意に混用することができる。そのため、カセット又はカセットブロックの運搬 ・保管効率が向上する。また、引出しの後壁上縁に設けた凸部を天板部及び棚部 に設けた複数個の係止爪に係合させることにより引出しを段階的に引き出せるよ うにしたので、引出しの保持力が増大して、途中まで引き出した引出しがそれ以 上脱出するのを防止することができ、作業性が向上する。 そして、引出しに設けた係止爪を棚部に設けた引出しロック用凹部に係合させ て、引出しを閉状態でロックするようにすると、収納ケースの傾斜等により引出 しが自然に開くのを防止することができる。 さらに、引出しの底板上面にカセット又はカセットブロック滑り止め用凹凸を 設けると、引出し内に起立状に並べたカセット又はカセットブロックが引出しの 開閉時に滑って倒れるのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すカセット又はカセットブ
ロック用多段収納ケースの正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】図１の一部を省略したIII −III 線断面図であ
る。

【図４】図３の一部を省略したIV−IV線断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ線矢視図である。

【図６】図３のVI−VI線断面図である。

【図７】図３のVII −VII 線断面図である。

【図８】図５のVIII−VIII線断面図である。

【図９】従来のカセット又はカセットブロック用多段収
納ケースの一例を示す正面図である。

【図１０】図９のＸ−Ｘ線断面図である。但し、図３、
図５及び図１０中の収納ケースの奥行寸法は、その幅寸
法及び高さ寸法との比例関係が実物よりも短く描かれて
いる。

【符号の説明】

１２ 基台部 １３ 天板部 １４ 棚部 １５ 引出し １６ カセット ３１ 係止爪 ３８ 凹部 ３９ 底板 ４１ 後壁 ４５ 凸部 ４６ 凹凸 ４７ 係止爪

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台部と天板部との間に断面形状が凹溝
   形の棚部を複数個分離可能に積層し、これら棚部にカセ
   ット又はカセットブロック収納用引出しを摺動自在に設
   け、前記天板部及び棚部の下面に複数個の係止爪を前後
   方向に配設するとともに、前記引出しの後壁上縁に凸部
   を前記係止爪に係脱自在に設け、前記凸部を前記係止爪
   に係合させることにより前記引出しを段階的に引き出せ
   るようにしたカセット又はカセットブロック用多段収納
   ケース。
2. 【請求項２】 棚部の上面前端部に引出しロック用凹部
   を設けるとともに、引出しの下面前端部に係止爪を前記
   凹部に係脱自在に設け、前記係止爪を前記凹部に係合さ
   せることにより前記引出しを閉状態でロックするように
   した請求項１記載の多段収納ケース。
3. 【請求項３】 引出しの底板上面にカセット又はカセッ
   トブロック滑り止め用凹凸を多数形成した請求項１又は
   ２記載の多段収納ケース。