JPH05330036A - 転写式インクジェットプリンタ - Google Patents

転写式インクジェットプリンタ

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JPH05330036A
JPH05330036A JP4144452A JP14445292A JPH05330036A JP H05330036 A JPH05330036 A JP H05330036A JP 4144452 A JP4144452 A JP 4144452A JP 14445292 A JP14445292 A JP 14445292A JP H05330036 A JPH05330036 A JP H05330036A
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ink
solvent
image
transfer drum
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JP4144452A
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Toru Fukushima
透 福島
Hideo Yamazaki
英雄 山崎
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写式インクジェットプリンタにおいて、印
字から転写までの時間に影響されずに、かつ低い転写圧
力で高画質像を得ること。 【構成】 インクジェット記録ヘッド3で吐出したイン
ク滴で、転写ドラム1上にインク像を形成する。転写ド
ラム1表面は、吸油性物質であるシリコーンゴムから構
成されているので、転写ドラム1上に形成したインク像
は、その成分中の溶媒がシリコーンゴム中に吸収され、
濃縮された状態となっていく。この時予め転写媒体中に
第2溶媒が含浸されており、インク像の濃縮速度がコン
トロールされ、インク像は湿潤状態に保たれる。この転
写ドラム1上の湿潤状態のインク像は、転写押圧ローラ
4により記録紙5に転写される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、さらに詳細には、転写媒体上にインク像を形
成した後、記録媒体に転写し、記録媒体上にインク像を
得る転写型インクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】転写型インクジェットプリンタは、例え
ば米国特許第4538156号明細書に開示される方式
が知られている。
【0003】これは図7に示すように、記録ヘッド10
1によって、円筒状の転写媒体100表面に形成したイ
ンク像に、記録媒体102の背面より圧力ローラ104
を押し当てて圧力によって転写する。未転写の残留イン
クは、クリーニング装置103によって除去される。
【0004】上記の転写型インクジェットプリンタにお
いては、転写画像品質が悪いという問題点を有してい
た。これは、第1には液体インクからなるインク像が記
録媒体と接触すると記録媒体の繊維に沿ってしみこみ、
インク像周辺部がヒゲ状になるためであった。第2に
は、転写が転写媒体と記録媒体との接触によって行なわ
れるため、平滑度の低い記録媒体に対しては、凹部は記
録媒体と転写媒体とが接触せず、転写すべき像が転写さ
れない、いわゆる「白抜け」状態となった。
【0005】このような問題に対して、本出願人は特開
昭62−92849号公報においてインク滴を一旦転写
媒体上に吐出し、ここでインク滴中の溶媒成分を蒸発さ
せて、濃縮したインクを記録紙上に押圧転写する装置を
提案している。これは図8に示すように、記録ヘッド2
01よりインクを転写媒体202に吐出し、ヒータ20
3によってインクの溶媒成分の蒸発を早め、ローラ20
4で支えられた記録媒体205に押圧して転写してい
る。転写後の転写媒体は、ブラシ206によってクリー
ニングされ、ブロア207で乾燥されて、一定の表面状
態になっている。これは、濃縮したインクを記録媒体2
05に転写するために、転写時にインク像が変形せず、
また記録媒体205に染み込むこともない。従って、転
写型インクジェットプリンタのもつ上述の問題を解消
し、鮮明な像形成を可能にするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
吐出から転写までの時間によらず、転写残りやインク像
の変形のない良好な転写を実現するためには、転写の押
圧力が大きくなってしまうという点でさらに解決しなけ
ればならない問題を抱えている。
【0007】すなわち、図9に示すように、インク像の
濃縮状態と転写圧力との関係は、インク像が濃縮してい
るほど転写圧力は大きくなる傾向にある。ここでは、イ
ンク像の濃縮状態はインク像の固形分濃度をもって表現
している。図中301で示すグラフは転写効率100%
の境界であり、また図中302で示すグラフは像流れの
発生しない境界を示す。従って、斜線で示した領域30
3が、転写効率100%で、かつ像流れの発生しない良
好な転写特性を示す領域である。図10はインク吐出か
ら転写までの時間と、インク中の溶媒蒸発における固形
分濃度変化との関係を示す。図中、tはヒータ203で
インクの溶媒成分の蒸発を早めている時間帯であり、イ
ンク像は急激に濃縮される。
【0008】図9より、低圧力で転写するためには、イ
ンクの固形分濃度は像流れの発生しない範囲において、
できるだけ低くする必要がある。しかし、実際の装置で
はヒータ203を有するために、インク像は急激に濃縮
状態になってしまい、これにともなって、転写に必要な
圧力も大きくなってしまうという問題点を有していた。
【0009】また、ヒータ203の熱量を適当な値に設
定して、濃縮状態を特定しようとしても、1ノズルヘッ
ドまたはマルチノズルヘッドで走査する場合、インク吐
出から転写までの時間が場所によって異なり、濃縮状態
に差が生じてしまう。したがって、インク像の最大の濃
縮状態(固形分濃度)に合わせて圧力値を設定する必要
があり、過大な圧力を要した。
【0010】本発明は、かかる問題点を解決するもの
で、その目的は、印字から転写までの時間に影響されず
に、低転写圧力で良好な画像が得られる転写式インクジ
ェットプリンタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の転写式インクジ
ェットプリンタは、溶媒に着色粒子を分散してなるイン
クと、このインクをインク滴として吐出するインクジェ
ット記録ヘッドと、このインク滴を担持し、かつインク
ジェット記録ヘッドに対して間隙を介して移動する転写
媒体と、前記転写媒体から記録媒体にインク像を転写す
る転写手段とを備え、前記転写媒体が前記溶媒を吸収す
る物質により形成され、かつ予め前記転写媒体中に第2
溶媒を含浸させたことを特徴とする。
【0012】
【実施例】次に本発明の詳細を図示した実施例に基づい
て説明する。
【0013】図1は本発明の第1実施例のインクジェッ
トプリンタの側面図を示す。転写媒体である転写ドラム
1の周囲に、インクジェット記録ヘッド3、転写手段で
ある転写押圧ローラ4、溶媒除去手段2、が順次配置さ
れている。
【0014】転写ドラム1は、アルミニウム素管11の
周囲にシリコーンゴムからなる弾性層12を設けて構成
され、インクジェット記録ヘッド3に対して一定の間隙
を介して、図中矢印Aの方向に回転可能に支持されてい
る。さらに上記シリコーンゴムには、第2溶媒としてシ
リコーンオイルが40%(重量比)程度あらかじめ含浸
されている。第2溶媒であるシリコーンオイルは、本実
施例では引火点110℃のジメチルシリコーンオイルを
用いている。
【0015】転写押圧ローラ4はアルミニウムの金属ロ
ーラであり、軸42を中心にアーム41により揺動す
る。そして、図示しない圧力印加手段によって、転写ド
ラム1に押圧または解除の制御が可能に構成されてい
る。記録媒体である記録紙5は転写ドラム1の後方に、
スタッカ51上に蓄えられており、制御信号によって、
図示しない記録紙搬送ローラにより転写押圧ローラ4の
下方まで給紙するように構成されている。
【0016】溶媒除去手段2は、ヒータ21とファン2
2により構成され、80℃程度の温風により溶媒を蒸発
させるものである。
【0017】インクは、本実施例では着色粒子が高抵抗
低誘電率脂肪族炭化水素系溶媒に分散したものを用いて
いる。すなわち、溶媒はエクソン化学社製アイソパーL
を用いており、これは引火点が64℃であり、前述の溶
媒除去手段2による80℃程度の温風に対し揮発し易い
特性を有する。着色粒子は顔料としてコロンビアンカー
ボン社のラベン1255及び樹脂としてエチルセルロー
スとから構成され平均粒径1μmの粒子である。これを
固形分濃度を25wt%になるように調整して用いてい
る。
【0018】次にインク像形成の動作について説明す
る。記録信号が入力されない初期状態では、転写押圧ロ
ーラ4は転写ドラム1に対して押圧状態が解除された状
態に保持されている(図中、実線)。ヒータ21とファ
ン22からなる溶媒除去手段2は、まだ作動されていな
い。記録紙5は転写ドラム1の後方、スタッカ51上に
蓄えられている。
【0019】次にこの状態を保ったまま、記録信号がイ
ンクジェット記録ヘッド3に入力されると、転写ドラム
1の外周表面上にインク像を形成する。インクジェット
記録ヘッド3によるインク像形成動作を図1と図2を用
いて説明する。図2は図1における矢印Gの方向から見
た図である。インクジェット記録ヘッド3は、複数のノ
ズル25、26、27…を転写ドラム1の軸方向(図
中、矢印Hの方向)に一致させて、8×1/300イン
チのピッチで配置した構成をとっており、記録信号に応
じて、インクをインク滴として複数のノズル25、2
6、27…から選択的に吐出する。このように構成した
インクジェット記録ヘッド3は、記録時に転写ドラム1
の回転に同期して、図示しない移動手段によって、転写
ドラム1の軸方向に1/300インチだけ送られ、25
´、26´、27´…で示す位置に移動する。すなわ
ち、転写ドラム1が1回転する毎にインクジェット記録
ヘッド3は、転写ドラム1の軸方向に移動し、これを8
回転繰り返すことにより、1/300インチピッチで、
転写ドラム1上の所定の記録領域28にインク像を形成
することができる。その後、インクジェット記録ヘッド
3は初期の位置に移動する。このように、インクジェッ
ト記録ヘッド3を構成およびインク像形成動作を行わせ
ることで、インクジェット記録ヘッド3のノズルのピッ
チは転写ドラム1上での画素ピッチの8倍でよく、製造
が簡略化でき安価に製造できる。また、インクジェット
記録ヘッド3からの吐出は低粘度状態で行なわれるた
め、良好な吐出特性が得られ、転写ドラム1上に高画質
なインク像を安定して得ることができる。
【0020】以上の動作を行うことによって、記録領域
28の全域にわたってインク像の記録が行なわれる。そ
して、転写ドラム1の表面材質が、吸油性物質であるシ
リコーンゴムから構成されているので、転写ドラム1上
に形成したインク像は、その成分中の溶媒アイソパーL
がシリコーンゴム中に吸収され、濃縮された状態となっ
ていく。さらに本実施例では、シリコーンゴム中に第2
溶媒であるシリコーンオイルが40%(重量比)程度あ
らかじめ含浸されており、インク像の濃縮速度(アイソ
パーLの吸収速度)をコントロールしている。これは、
転写ドラム1上のインク像における、インクの溶媒吸収
速度をコントロールすることで、適正な湿潤状態でイン
ク像を転写ドラム1上に形成して、記録紙5への転写の
際に低圧力で、効率よく転写することができる様にした
ものである。
【0021】ここでインク像の濃縮状態と記録紙5への
転写効率について、図3を用い詳細に述べる。図3は、
横軸;インク吐出後の時間(sec)に対する、縦軸
(左軸);インク中の固形分濃度(wt%)を示す。さ
らに、縦軸(右軸);固形分濃度における良好な転写像
を得るための印加圧力を示す。また同図において、記録
動作の初期に吐出したインク像の固形分濃度変化82
と、記録動作終了直前に吐出したインク像の固形分濃度
変化83とを示している。記録紙5に像流れがなく、1
00%に近い転写を得るためには、第1に転写ドラム1
上でインク像の固形分濃度がX(wt%)以上である必
要がある。これは記録紙5への転写の際に、像流れ、あ
るいはにじみとなり、高画質が得られないためである。
第2に転写時印加圧力の限界からY(kg/cm2)以
下であるのが望ましい。プリンタとして用いられる印加
圧力は、大きすぎると出力される記録紙5はそりが発生
し、紙搬送方向にまるめられた極めて読み難いものとな
ってしまうためである。本実施例のインクでは、X=7
0wt%以上、転写時印加圧力の限界はY=20kg/
cm2以下であった。この第1、第2の条件を満たし、
高画質の画像が得られる時間領域は、記録動作の初期に
吐出したインク像の固形分濃度変化82の場合、図中の
T2の範囲である。同様に固形分濃度変化83の場合は
T3の範囲である。したがって、本実施例における転写
可能時間はT4の範囲となり、この時間に転写すること
で、低圧力でかつ高画質な記録をすることができる。
【0022】次に記録紙5への転写について述べる。上
述の様に転写ドラム1上にインク像の形成が終了した
後、スタッカ51に蓄えられている記録紙5を図示して
いない記録紙搬送用のローラにより、転写押圧ローラ4
の下部まで搬送する。この状態で転写ドラム1と転写押
圧ローラ4を当接させ、圧力を印加し、この当接部に記
録紙5を通過させ、印加される圧力によって、転写ドラ
ム1上のインク像を記録紙8に転写する。なおこの時、
前記記録紙搬送用のローラの搬送力は解除されている。
これは、記録紙5の搬送精度を高めるため、搬送力を転
写ドラム1と転写押圧ローラ4との当接部のみとする。
そしてこの時、インク像の固形分濃度は適度な湿潤状態
を保っているために、低圧力で、記録紙5上に高画質の
画像を得ることができる。
【0023】記録紙5へのインク像の転写が終了する
と、記録紙5は紙案内52に沿って排出され、転写ドラ
ム1と転写押圧ローラ4の当接は解除される。次に、溶
媒除去手段2を作動させ、温風を転写ドラム1上に吹き
付ける。この動作は、インク像から吸収したインク中の
溶媒であるアイソパーLを蒸発させるものである。この
時、溶媒除去手段2から発生する温風の温度は80±1
0℃に設定されている。これは80±10℃の温風に於
いて、第2溶媒である引火点110℃のジメチルシリコ
ーンオイルを蒸発させずに、インク中の溶媒であるアイ
ソパーL(引火点、64℃)を蒸発させるものである。
この動作により、転写ドラム1を構成するシリコーンゴ
ムからなる弾性層12は初期の状態に戻り、次なる記録
のインク像を形成可能な状態になる。
【0024】また、比較例として図3に固形分濃度変化
81を示す。これは、シリコーンゴムには、本実施例の
ようなシリコーンオイルは含浸されていない。この場
合、転写可能な時間はT1である。この時間領域T1を
用い転写を行うプリンタに於いては高画質の画像が得ら
れるが、本実施例のような転写ドラム上でのインク像形
成にある程度時間を必要とするものには、画質を低下さ
せる。
【0025】本実施例のように、予めシリコーンゴムか
らなる弾性層12へシリコーンオイル(第2溶媒)を含
浸させることにより、インク像の濃縮速度がコントロー
ルされ、インク像は湿潤状態に保たれる。したがって、
印字から転写までの時間に影響されずに、低転写圧力で
高画質な画像が得られる。また本実施例では、シリコー
ンゴムからなる弾性層12へのシリコーンオイル(第2
溶媒)の含浸量を40%(重量比)としたが、10%〜
80%(重量比)において良好な結果が得られている。
【0026】図4は本発明の第2の実施例を示すインク
ジェットプリンタの側面図である。第1実施例と同様
に、転写媒体である転写ドラム1の周囲に、インクジェ
ット記録ヘッド3、転写手段である転写押圧ローラ4、
溶媒除去手段35、が順次配置されている。
【0027】転写ドラム1は、第1実施例と同じく構成
され、シリコーンゴムからなる弾性層12には、第2溶
媒としてシリコーンオイルが40%(重量比)程度あら
かじめ含浸されている。また、転写押圧ローラ4、記録
媒体である記録紙5、及びインクは第1実施例と同様で
あり、説明を省略する。
【0028】溶媒除去手段35は、アルミニウムよりな
る加熱ローラ30と、この加熱ローラ30の内部に備え
られたヒータランプ31から構成されている。ヒータラ
ンプ31は、棒状のハロゲンランプであり、加熱ローラ
30の表面温度を図示しない温度センサにより検出し、
所定の温度範囲に収まるように間欠的に点灯している。
本実施例では、加熱ローラ30の表面温度を80℃±1
0℃に保つように制御されている。また、溶媒除去手段
35は、軸33を中心にアーム32により揺動する。そ
して、図示しない駆動力によって、転写ドラム1に押圧
または解除の制御が可能に構成されている。
【0029】転写ドラム1へのインク像形成、記録紙5
への圧力転写の動作は第1実施例と同様にして行われ
る。
【0030】記録紙5へのインク像の転写が終了する
と、記録紙5は紙案内52に沿って排出され、転写ドラ
ム1と転写押圧ローラ4の当接は解除される。次に、シ
リコーンゴムからなる弾性層12表面に吸収したインク
中の溶媒であるアイソパーLを蒸発させるため、溶媒除
去手段35の動作にはいる。加熱ローラ30とヒータラ
ンプ31から構成され、表面温度80±10℃に設定さ
れている溶媒除去手段35を図示しない駆動力によっ
て、転写ドラム1に押圧する。これによりシリコーンゴ
ムに吸収されたインク中の溶媒であるアイソパーL(印
火点、64℃)を蒸発させる。この時、第2溶媒である
引火点110℃のジメチルシリコーンオイルは蒸発せず
に、シリコーンゴムからなる弾性層12中に含浸された
状態を保持している。そして、次なる記録動作にはい
る。
【0031】本実施例においても第1実施例のように、
インク像の濃縮速度がコントロールされ、インク像は湿
潤状態に保たれる。したがって、印字から転写までの時
間に影響されずに、低転写圧力で高画質な画像が得られ
る。
【0032】図5は本発明の第3の実施例を示すインク
ジェットプリンタの側面図を示す。転写媒体である転写
ドラム1の周囲に、インクジェット記録ヘッド3、溶媒
塗布手段6、転写ドラム洗浄手段7、転写手段である転
写押圧ローラ4、が順次配置されている。
【0033】転写ドラム1は、第1実施例同様アルミニ
ウム素管11の周囲にシリコーンゴムからなる弾性層1
2を設けて構成され、インクジェット記録ヘッド3に対
して一定の間隙を介して、図中矢印Aの方向に回転可能
に支持されている。本実施例では上記シリコーンゴムか
らなる弾性層12の厚みは1mmである。
【0034】また、転写押圧ローラ4、記録紙5の給紙
方法、及びインクは第1実施例と同様であるため、説明
を省略する。
【0035】溶媒塗布手段6は、転写ドラム1上へ第2
溶媒を塗布するための手段であり、本実施例に於いて
は、第2溶媒である塗布用溶媒61はインク中の成分で
あるエクソン化学社製アイソパーLを使用している。塗
布用溶媒61は溶媒容器62に蓄えられている。軸63
中心に回転可能に構成された溶媒塗布リンク64の外周
には、溶媒塗布スポンジ65が取り付けられ、溶媒容器
62に蓄えられた塗布用溶媒61を毛細管力によって吸
い上げ、十分に湿潤状態にある。また、溶媒塗布リンク
64は図示していない駆動力によって回動し、転写ドラ
ム1に対して溶媒塗布スポンジ65が、当接あるいは解
除できるようになっている。
【0036】転写ドラム洗浄手段7は、上記溶媒塗布手
段6により、転写ドラム1上へ溶媒を塗布した後、転写
ドラム1を構成するシリコーンゴムからなる弾性層12
が吸収しきれなかった塗布用溶媒61を回収するのと同
時に、転写ドラム1の表面に塗布用溶媒61の液滴が無
いように、拭き取る手段である。構成は、転写ドラム1
の表面を拭き取る手段として、塗布用溶媒61を吸収し
易い部材であるフェルト71、このフェルト71を転写
ドラム1へ押圧するための加圧ばね72で構成されてい
る。また、図示しないレリーズ機構によって押圧、及び
当接を解除できるようになっている。
【0037】次に動作について説明をする。プリンタの
電源投入時には、転写ドラム1を構成するシリコーンゴ
ムからなる弾性層12は乾燥状態にあるため、溶媒塗布
手段6により、塗布用溶媒61を塗布する。詳しくは、
溶媒塗布リンク64を図示していない駆動力によって、
転写ドラム1に対して溶媒塗布スポンジ65が当接させ
る。この状態で、転写ドラム1を回転させることで、シ
リコーンゴムからなる弾性層12の表面に均一に塗布す
ることができる。この状態で塗布用溶媒61(アイソパ
ーL)はシリコーンゴム中に浸透していく。ある所定時
間経過した後、溶媒塗布スポンジ65の転写ドラム1へ
の当接を解除し、転写ドラム洗浄手段7を構成するフェ
ルト71を転写ドラム1へ当接、押圧する(図示しない
レリーズ機構を解除する)。これらの動作により、シリ
コーンゴムからなる弾性層12は、インク像の記録動作
に先だって、塗布用溶媒61(アイソパーL)を含浸し
た状態になる。本実施例では40秒間溶媒を塗布するこ
とで、厚さ1mmのシリコーンゴムからなる弾性層12
の重量に対し、6%(重量比)の塗布用溶媒61(アイ
ソパーL)が含浸できた。この状態で、転写ドラム1上
にインク像を形成する。
【0038】転写ドラム1上へのインク像形成の動作に
ついては、第1実施例と同様であり、説明を省略する。
【0039】インク像が転写ドラム1上に形成される
と、第1実施例と同様に転写ドラム1の表面材質が、吸
油性物質であるシリコーンゴムから構成されているの
で、転写ドラム1上に形成したインク像は、その成分中
の溶媒アイソパーLがシリコーンゴム中に吸収され、濃
縮された状態となっていく。本実施例の場合では、シリ
コーンゴム中にインクを構成する溶媒であるアイソパー
Lが6%(重量比)程度あらかじめ含浸されており、イ
ンク像の濃縮速度(インク中の溶媒の吸収速度)をコン
トロールしている。第1実施例と同様に、インク像の固
形分濃度は適度な湿潤状態を保っているために、低圧力
で、記録紙5上に高画質の画像を得ることができる。記
録紙5への転写についても第1実施例と同様である。
【0040】記録紙5へのインク像の転写が終了する
と、転写ドラム1と転写押圧ローラ4の当接は解除され
2枚目以降の記録が開始される。
【0041】次に図6により、シリコーンゴムからなる
弾性層12の厚さ方向に対する塗布用溶媒61(アイソ
パーL)の含浸状態について説明する。同図に於いて、
横軸は厚さ1mmのシリコーンゴムからなる弾性層12
の厚み方向を示す。図中0mmは転写ドラム1の表面で
あり、1mmはアルミニウム素管11との接合面であ
る。初期含浸状態91は、プリンタの電源投入時に、溶
媒塗布手段6により、塗布用溶媒61を塗布し終えた状
態である。図のように含浸直後は転写ドラム1表面ほど
含浸量が多い状態にあり、平均的には6%の含浸状態に
ある。1枚目の記録が終了した時点において、シリコー
ン中の含浸状態は、第2含浸状態92のごとく表面の含
浸量が減少する。この状態でインク像形成、記録紙への
転写を行った場合、高画質な画像が得られないため、転
写ドラム1表面の溶媒含浸状態を初期含浸状態91まで
戻す必要がある。この場合の塗布用溶媒61の塗布時間
はわずかなものであり、下記に述べる転写ドラム1表面
のクリーニング動作と兼ねることができる。
【0042】クリーニング動作について述べる。このク
リーニング動作は、1枚の記録終了時に、転写ドラム1
上の残留インク像を除去し、かつシリコーンゴムからな
る弾性層12の表面の溶媒含浸量を補う動作である。記
録紙5へのインク像の転写が終了し、転写ドラム1と転
写押圧ローラ4の当接が解除された後、転写ドラム1に
対して溶媒塗布スポンジ65を当接させ、転写ドラム1
を回転させる。1〜2回転の塗布用溶媒61の塗布によ
り、シリコーンゴムからなる弾性層12の表面の溶媒含
浸量は初期含浸状態91まで回復する。また、この動作
中に転写ドラム1上の残留インク像は、塗布用溶媒61
によってより剥離し易い状態になる。この状態で溶媒塗
布スポンジ65の転写ドラム1への当接を解除し、転写
ドラム洗浄手段7を構成するフェルト71を転写ドラム
1へ当接、押圧する。この動作により、シリコーンゴム
からなる弾性層12は、初期含浸状態91と同程度の塗
布用溶媒61を含浸した状態になる。以降動作の繰り返
しにより記録が続けられる。
【0043】さらには、転写ドラム洗浄手段7が動作し
ていない時間に、フェルト71をより乾燥させる手段を
設けることで、転写ドラム1表面の塗布用溶媒61の液
滴を拭き取る事に対し、より効果的に作用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の転写式インクジェットプリンタ
では、転写媒体上のインク像から、インクの溶媒を浸
透、吸収する速度を、予め第2溶媒を転写媒体に含浸さ
せておくことでコントロールし、適正な湿潤状態でイン
ク像を転写媒体上に形成して、これを記録媒体に転写す
る。
【0045】従って、転写媒体上に形成されたインク像
は、粘稠状態で記録媒体へ転写されるため、転写時の圧
力印加で像流れがなく、さらに低圧力で転写が行なわれ
る。この結果、転写媒体上のインク像転写は低圧力で記
録媒体へ高画質転写できるという効果を有する。
【0046】本発明は、転写媒体として、転写ドラムば
かりでなく、ベルト状の転写媒体に対しても同様の効果
を秦する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のインクジェットプリンタ
を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施例のインクジェットプリンタ
におけるインク像形成動作を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例における転写ドラム上のイ
ンク像の固形分濃度の時間的変化、及び転写時印加圧力
を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例のインクジェットプリンタ
を示す側面図である。
【図5】本発明の第3実施例のインクジェットプリンタ
を示す側面図である。
【図6】本発明の第3実施例における転写ドラム上の塗
布用溶媒の含浸状態を示す図である。
【図7】従来の転写型インクジェットプリンタの構成を
示す図である。
【図8】従来の蒸発手段を備えた転写型インクジェット
プリンタの構成を示す図である。
【図9】インク像の濃縮状態と転写圧力との関係を示す
図である。
【図10】従来技術におけるインク吐出から転写までの
時間と、インク中の溶媒蒸発における固形分濃度変化と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 :転写ドラム(転写媒体) 12 :シリコーンゴムからなる弾性層 2、35 :溶媒除去手段 3 :インクジェット記録ヘッド 4 :転写押圧ローラ(転写手段) 5 :記録紙(記録媒体) 6 :溶媒塗布手段 65 :溶媒塗布スポンジ 7 :転写ドラム洗浄手段 71 :フェルト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒に着色粒子を分散してなるインク
    と、このインクをインク滴として吐出するインクジェッ
    ト記録ヘッドと、このインク滴を担持し、かつインクジ
    ェット記録ヘッドに対して間隙を介して移動する転写媒
    体と、前記転写媒体から記録媒体にインク像を転写する
    転写手段とを備え、前記転写媒体が前記溶媒を吸収する
    物質により形成され、かつ予め前記転写媒体中に第2溶
    媒を含浸させたことを特徴とする転写式インクジェット
    プリンタ。
JP4144452A 1992-06-04 1992-06-04 転写式インクジェットプリンタ Pending JPH05330036A (ja)

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