JPH05328665A - 高耐熱性交流発電機とその製造法 - Google Patents

高耐熱性交流発電機とその製造法

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JPH05328665A
JPH05328665A JP15610791A JP15610791A JPH05328665A JP H05328665 A JPH05328665 A JP H05328665A JP 15610791 A JP15610791 A JP 15610791A JP 15610791 A JP15610791 A JP 15610791A JP H05328665 A JPH05328665 A JP H05328665A
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coil
generator
resistant
rotor
stator
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JP15610791A
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English (en)
Inventor
Takashi Fukumaki
孝 服巻
Mitsuo Nakamura
満夫 中村
Hiroshi Miyata
寛 宮田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等に搭載される小形・高出力化が可能
な高耐熱性交流発電機を得る。 【構成】 ブラケットの内部に軸受を介して回転可能に
装着され、内燃機関により回転されるロータと、回転軸
に固着され界磁コイルにより励磁される回転磁極鉄心
と、回転磁極鉄心を囲むようにしてブラケットの内側に
固定配置される固定子コイル付きのステータとを備えて
なる交流発電機において、前記ロータのフィールドコイ
ルとスリップリング端子接続部、及び前記ステータのコ
イルの中性点及び端子接続部が、Cu−Sn、Cu−P
又はCu−Ag−P成分から選ばれた1種以上を主体と
した合金層で接合されている。 【効果】 継手部に高融点の合金層が形成されるので耐
熱性に富んだ高い強度の継手を有する交流発電機が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関により駆動さ
れる交流発電機に係り、特に自動車等に搭載されるに適
した小形・高出力化が可能なロータ並びにステータの、
コイル接続部を改良した高耐熱性交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車、小形船舶等に使用される
内燃機関駆動式の交流発電機において、回転体の主要部
分を占めるロータとステータのコイル端子の接続は、従
来、ロータ並びにステータに用いられる絶縁被覆Cuコ
イルの絶縁被覆層を化学薬品又は機械的に除去し、他方
のCu端子と組合せて接続する方法が採られている。接
続方法は多種多様に渡っているが、信頼性の点から多く
用いられている方法は被接合材を溶融して接続する溶接
法と、被接合材間に銀ろうを溶融させて接続するいわゆ
る銀ろう付法である。溶接が困難なCu及びCu合金か
らなる材料で形成する接合継手についてはほとんど銀ろ
う付によって接合されている。しかし銀ろう付の作業温
度は700〜900℃と高く、作業性の能率面、絶縁被
覆の損傷並びに被接合材の劣化面でも欠点があった。ま
た銀ろう付の欠点を補うために軟ろう材としてのPb−
Sn系が用いられている。軟ろう材によれば接合温度が
低いので接合近傍の絶縁被覆の損傷も小さく、また被接
合材の劣化も小さいという利点がある。しかし接合強度
が弱く、高温における接合強度は更に低下し、耐熱性の
点では著しく劣る欠点があった。
【0003】一方、絶縁被覆層を剥がさないで導体端子
と接続する方法は、特公昭50−18940号及び特公
昭56−28355号各公報に見られるように、熱圧着
方式が用いられている。すなわち、絶縁被覆で覆われて
いるため被覆線同士では通電されない。そこであらかじ
め成形した導体端子のU字溝に被接合コイルを入れ、上
電極と下電極とで挟み加圧して電流を流すことによって
U字端子が発熱し、その熱で被覆層を炭化させて接続し
ている。つまり、抵抗溶接材を用いているので通電時間
も短く金属的接合はできない。その補助として加圧力に
よるかしめを利用した接続が用いられている。このよう
な機械的なかしめ接続は、疲労強度並びに長期使用に際
し電気的特性が著しく低下する欠点があった。またその
改良として、特開昭61−199575号公報に接合用
導体を介してそれを溶融して接続する方法が見られる。
接合用導体としてCu−50SnやCu−45Zn等を
用いるとあるが、被覆を炭化させるための加熱中に酸化
され、十分な接続が出来ない欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、導体コ
イル同士でかつ、無垢の導体コイルの接合は母材損傷の
少ない低融点のはんだを用いているが、前述のような欠
点があった。また被覆線の接合に関しては、従来技術は
十分な金属的接合について考慮されておらず、そのた
め、機械的な接続強度、振動並びにそれに伴う電気的特
性にも問題があった。つまり絶縁被覆を取り除くのが大
きな狙いであり、十分な金属的接合迄至っていない。本
発明の目的は、上記の様な欠点を解消し、金属的接合を
行うことにより、信頼性の高い導体となり、高い接合強
度及び耐熱性を持ち、かつ、一括接合できる方法、並び
に接合体を備えた交流発電機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ブラケットの内部に軸受を介して回転
可能に装着され、内燃機関により回転されるロータと、
回転軸に固着され界磁コイルにより励磁される回転磁極
鉄心と、回転磁極鉄心を囲むようにしてブラケットの内
側に固定配置される固定子コイル付きのステータとを備
えてなる交流発電機において、前記ロータのフィールド
コイルとスリップリング端子接続部、及び前記ステータ
のコイルの中性点及び端子接続部が、Cu−Sn、Cu
−P又はCu−Ag−P成分から選ばれた1種以上を主
体とした合金層で接合されていることを特徴とする高耐
熱性交流発電機としたものである。また、前記交流発電
機において、前記ロータのフィールドコイルとスリップ
リング端子接続部と、前記ステータのコイルの中性点及
び端子接続部とは、前記の同一成分を主体とする合金層
で接合されていてもよいし、また、前者がCu−Sn成
分を主体とした合金層で接合され、後者がCu−P又は
Cu−Ag−P成分を主体とした合金層で接合されてい
てもよい。
【0006】本発明においては、上記のような合金層で
接合することにより、接合部は150℃以上の高温にも
耐えることができる。そして、上記の高耐熱性交流発電
機の製造は、前記ロータのフィールドコイルとスリップ
リング端子接続部、及び前記ステータのコイルの中性点
及び端子接続部を、ろう材を用いて通電抵抗加熱又は超
音波振動加熱により接合することによる。上記におい
て、使用するろう材としては、Sn、Sn−Pb系、S
n−Ag系、Sn−Zn系又はSn−Au系から選ばれ
た1種以上の軟ろう材か、P入りろう材がよい。
【0007】
【作用】本発明は、少なくとも一方がCu合金と他の金
属部材とを接続するためのろう材において、好ましくは
Cu又はCu合金の軟化温度以下であり、かつCuと親
和力の強い金属元素が含有され、接続が完了した時点で
接続の前の組成とは異なり、液相温度が高くなった合金
によって構成さていることを特徴とする。ろう材の溶融
点はCuが軟化しない350℃以下が好適であり、かつ
Cu母材と親和力の強い軟ろう材としては表1に掲げる
組合せがある。
【表1】
【0008】これらのろう材をCu又はCu合金の間に
挟み、ろう材の液相温度より30℃〜200℃高い温度
に加熱し、十分に溶融させた後、2〜5 kgf/mm2 程度
の圧力を加える。圧力を加えることによりCu母材と反
応しない未反応な中間材が排出され、Cuと反応した薄
い中間層が残存して形成され、前記条件を満足する接合
継手が得られる。また、絶縁被覆が炭化するときに同時
に溶融するろう材が接合近傍に存在するならば、絶縁被
覆が除去されて清浄面が露出したCu線にぬれ、反応し
て金属的接合が達成される。そして、絶縁被覆の種類と
ろう材について種々検討したところ、例えば、アミド・
イミド系電線(AIWと呼ぶ)に対しては、600〜8
00℃で溶融するJISのりん銅ろう(BCuP−1〜
BCuP−5等)並びにSn入りりん銅ろう等が適して
いる。すなわち、本発明は絶縁被覆の炭化温度(または
剥離温度)に合せたろう材を付着させ、絶縁被覆の剥離
と同時に金属的接合を行うものである。ろう材の特徴と
しては被覆の剥離のための加熱中に母材等が酸化されて
も、ろう材中のりんが還元作用を有して、被接合材の表
面を清浄にして、その後にろう材が良好にぬれることに
なる。
【0009】本発明において、接合装置として超音波溶
接機あるいは抵抗溶接機を用いるのは、加熱と加圧が同
時にでき、しかも、短時間で接合ができることによる。
そしてほとんどは大気中で接合されるため、接合時間は
短かければ短い程酸素との反応が少ないため良好な継手
が得られる。無垢(絶縁被覆層がない場合)のCuを接
合するとき、例えばロータのフィールドコイルとスリッ
プリング端子部及びステータのコイルの中性点及び端子
部の場合は表1のはんだ材が適用できる。例えば100
Snを用いた場合、その融点が232℃であるので上記
の継手を約260℃×20Sではんだ付する。そうする
と、はんだと母材の界面にCu−Snの合金層が、また
母材間の中央部には未反応なSnが形成されている。
【0010】次に超音波溶接機、あるいは抵抗溶接機の
装置を用いて約400〜500℃、3〜5 kgf/mm2
加圧を約0.5S与える。この操作により母材間の中央
部に存在した未反応なSnが接合面外へ押しやられ、接
合部にはCu−Sn合金層だけが残存する。この成分は
約Cu−20〜30%Snであり、Cu−Sn2元状態
図からも分かるように融点が700℃以上となり、それ
に伴って引張強度も15 kgf/mm2 以上と著しく高くな
る。このように低融点のはんだを用いるが、接合後の継
手は高強度、高耐熱性特性を有する。表1の他のはんだ
を適用しても同様な結果が得られる。形成される合金層
はAu−Snの場合、Cu−Au−Snが、Sn−Ag
の場合はCu−Sn−Agが、Sn−Znの場合はCu
−Sn−Znが、Pb−Snの場合はCu−Snが夫々
形成される。また、Fe系の母材を接合するとCuの代
わりにFeが合金層に含有される。このようにして形成
された合金層は150℃以上にも耐え、絶縁被覆材の損
傷まで十分耐えることができる。
【0011】また絶縁被覆Cuコイルを接合するとき、
抵抗溶接機は接合部の信頼性を高めるために2段加熱、
加圧方式を採用することが好ましい。つまり、最初の一
段目は絶縁被覆を炭化させ、ろう材を溶融させるための
予熱であり、その後続いて二段目で炭化した絶縁被覆を
接合面外へ排出させると同時にろう材が十分にコイルと
端子にぬれ、余分なろう材を排出させて金属的接合を得
るものである。この時に使用するろう材は絶縁被覆の種
類によって選択する必要がある。すなわち、被覆の炭化
温度が高いものに対し、低い融点のろう材は付着させて
おいても、被覆が炭化する前にろう材が溶け加圧のため
排出され、金属的接合の役割を果たせない。むしろ、端
子との余分な反応が促進され、曲げ部分が割れる恐れも
出てくる。また、逆に融点の高いろう材を用いると溶融
されずに良好な接合は期待できない。すなわち、絶縁被
覆と接合用ろう材はほぼ同様な融点が必要であることが
分る。
【0012】例えばPEW(ポリエステル線)に対して
はりん入りろう材でも、例えば15%Ag、3.5%
P、9.5%Sn、残Cu(溶融温度:約600℃)の
ろう材、または5%P、15%Ag−残Cu(溶融温
度:約700℃)の適用が良い。また、AIW(アミド
イミド線)に対しては、600〜750℃の融点をもつ
もの、例えば7%P、残Cuや5%P、15%Ag、残
Cu等の成分のものが適用される。ろう材としてりん入
りろう材を用いるのは、りんには酸化物の還元作用があ
り、少々の加熱の酸化物は清浄化されて母材は良好にぬ
れる。また、化学薬品のフラックスを用いないために接
合後の洗浄をする必要がなく、経済的でもある。一方、
端子の材料は種々考えられるが、黄銅、銅等の銅及び銅
合金が適用できる。ろう材の付着の方法は一般的なやり
方で良い。ろう材箔を予め端子にクラッドさせておく
か、粉末をペースト状にして塗布するか、溶射による吹
付、または箔をくるませるか等種々の方法が適用可能で
ある。
【0013】
【実施例】以下本発明の高耐熱性交流発電機について説
明する。図1は高耐熱性交流発電機の構成を示す縦断面
図である。本交流発電機は、自動車用の発電機で、1は
交流発電機の前ブラケット、2は後ブラケット、3は回
転軸である。回転軸3は、ブラケット1,2の内側に配
置した軸受4,5を介して支持される。回転軸3の端は
前ブラケット1より外部に導出され、内燃機関(図示せ
ず)の駆動力を伝達するためのベルトプーリー6が固着
される。7は回転軸3に固着される誘導子形の回転磁極
鉄心で、筒形鉄心8と爪形の磁極9と、鍔状部材10と
で構成される。爪形の磁極9は、一対の磁極9a,9b
を非磁性の固定部材11を介して結合してなり、この磁
極9が筒形鉄心8の前側端面に固着され、筒形鉄心8の
後側端面に鍔状部材10が固着される。図2は交流発電
機のロータ(回転子)で、本発明の接続部を説明する断
面及び斜視図を示す。すなわち、ロータのフィールドコ
イル31とスリップリングコイル32の夫々の端子を接
続する。ロータ1箇につき2箇所の接続部を有する。図
3は交流発電機のステータ(固定子)で、本発明の接続
部を説明する斜視図を示す。すなわち、ステータコイル
41は中性点42と3相交流端子部43の接続部を有す
る。ここの接続はコイルの被覆を剥がして接続する場合
と、被覆付のまま接続する場合のどちらも本発明の接続
法が適用できる。
【0014】実施例1 図2に示すロータのフィールドコイルφ0.8のPEW
被覆材と、φ1.5のスリップリングCu線を組合せて
接続するものにおいて、夫々のCu線の接続部分の絶縁
被覆層は剥がされている。接続部分はφ1.5のスリッ
プリングの先端を扁平とし、かつU形状に加工したもの
を用いた。接合に当って、φ0.8のCu線の接合部分
にろう材としてのSnめっきを施しておき、U形状に加
工したスリップリングに挟む。挟んだU接続部分を電極
間に設置し、通電電流約2.0kA、加圧力3〜5 kgf
/mm2 、通電時間0.4Sで接合した。また図3のステ
ータコイルの中性点並びに端子部分の接合において、ス
テータコイルφ1.4のAIW被覆材の接続部分は、予
め絶縁被覆層は剥がしておいた。中性点並びに端子部を
接続するために予めSnろう材をめっきしたU形状黄銅
接合端子を適用する。U形状接合端子の中にφ1.4の
AIW被覆材を挟み、上述の抵抗加熱装置により接合す
る。黄銅接合端子のため通電電流約1.8kA、加圧力
3〜5 kgf/mm2 、通電時間0.4Sで接合した。
【0015】実施例2 図2に示すロータのフィールドコイルφ0.8のPEW
もしくはAIW被覆材とφ1.5のスリップリングCu
線を組合せて接続するものにおいて、φ0.8のPEW
被覆材は絶縁被覆層付のままである。接続部分はφ1.
5のスリップリングの先端を扁平とし、かつU形状に加
工したものを用いた。接合に当ってはU形状に加工した
スリップリング端子とφ0.8のPEW、あるいはAI
W被覆材との間に、ろう材として5%P、15%Ag、
残Cu成分のろう材を挟み、まず第1段加熱を行う。そ
の条件は通電電流約1.5kA、加圧力2〜4 kgf/mm
2、通電時間0.4S、続いて第2段加熱を行う。条件
は通電電流1.7kA、加圧力2〜4 kgf/mm2 、通電
時間0.3Sで接合した。また図3のステータコイルの
中性点並びに端子部分の接合において、ステータコイル
φ1.4のAIW被覆材は絶縁被覆付のままで接合する
ものである。中性点並びに端子部分の接続用として、予
め黄銅板の接合面に5%P、15%Ag、残Cuのりん
入りろう材をクラッドしておき、それをU形状に加圧し
て接合端子とする。この接合端子にφ1.4のAIW被
覆材を挟み、抵抗溶接機により2段加熱方式で接合す
る。第1段は通電電流約1.7kA、加圧力1〜3 kgf
/mm2、通電時間0.4S、続いて第2段加熱を行う。
条件は通電電流約1.9kA、加圧力2〜4 kgf/m
m2 、通電時間0.3Sで接合した。
【0016】実施例3 図3に示すロータのフィールドコイルφ0.8のAIW
被覆材とφ1.5のスリップリングCu線を組合せて接
続するものにおいて、夫々のCu線の接合部分の絶縁被
覆層は剥がされている。接続部分はφ1.5のスリップ
リングの先端を扁平とし、かつU形状に加工したものを
用いた。接合に当ってφ0.8の裸Cu線の接合部分に
50%Sn、残Pbろう材をめっきしておき、U形状に
加工したスリップリングに挟む。挟んだU接合部分を電
極間に設置し、通電電流約2.0kA、加圧力3〜5 k
gf/mm2 、通電時間0.4Sで接合した。他方の図3に
示すステータコイルの中性点並びに端子部分の接合にお
いて、ステータコイルφ1.4のAIWは絶縁被覆付の
ままで直接接合するものである。中性点並びに端子部分
の接続用として、予め銅板の接合面に5%P、15%A
g、残Cuのりん入りろう材をクラッドしておき、それ
をU形状に加圧して接合端子とする。この接合端子にφ
1.4のAIW被覆材を挟み、抵抗溶接機により2段加
熱方式で接合する。第1段は通電電流約1.8kA、加
圧力1〜3kgf/mm2 、通電時間0.4S、その後続い
て第2段加熱を行う。条件は通電電流約2.0kA、加
圧力2〜4 kgf/mm2 、通電時間0.4Sで接合した。
【0017】比較例1 実施例1とほぼ同じ継手組合せのものであり、すなわち
ロータ及びステータの接続部分はいずれも絶縁被覆層が
剥がされている。ろう材も同じSnろうを用いる。異な
る点はSnをめっきするのではなく、Snろうを差して
ろう付する。この方法は一般的なろう付の手法であり、
その後の加熱、加圧は施さない。
【0018】比較例2 実施例2とほぼ同じ継手組合せのものであり、すなわち
ロータ及びステータの接続部分はコイル同様絶縁被覆付
のままで直接接合する。異なる点はろう材を全く用い
ず、抵抗溶接材により2段加熱方式で接続する。第1段
加熱並びに第2段加熱条件は実施例2と同じで行った。
【0019】比較例3 実施例2とほぼ同じ継手組合せのものであり、すなわち
ロータ及びステータの接続部分はコイル同様絶縁被覆付
のままで直接接合する。異なる点はろう材として45%
Zn、残Cuを用い、抵抗溶接機により1段加熱方式で
接合する。1段加熱条件は実施例2と同じで行い接合し
た。
【0020】前記各実施例及び比較例で得られた継手を
室温と250℃の高温で引張試験を供した。引張試験は
U形状の結合部分を採り出して、U部分を治具に設置
し、φ0.8及びφ1.4の線を引張る方法で試験し
た。試験結果を図4と図5に示す。図4はロータの接続
部の引張試験結果であり、図5はステータの試験結果を
示す。いずれも縦軸は破断荷重(kgf)で表わしている。
図4から明らかなように、本発明によるCu継手の引張
強度は実施例1,2及び3ともφ0.8のCuコイル
(母材)から破断しており、接合部はいずれも健在であ
った。また250℃という高い温度でも母材から破断
し、高い耐熱性を有することが分った。比較例1継手は
100℃で著しく強度が低下し、250℃では接合強度
は零を示す。比較例2継手は最初の引張強度が低く、線
材が抜けてしまう。比較例3継手においても線材が抜け
てしまう。金属的接合が十分でないことが分る。
【0021】図5からステータ接続部の引張試験結果か
ら明らかなように、本発明によるCu継手の引張強度は
実施例1,2及び3ともφ1.4のCuコイル(母材)
から破断しており、接合部はいずれも健在であった。ま
た250℃の高温でも母材から破断し、高い耐熱性を有
することが分る。比較例1継手は100℃で著しく強度
が低下し、250℃では接合強度は零である。比較例2
継手は最初の引張強度が低く、線材が抜けてしまう。高
温でも同様に線材が抜けてしまう接合強度は低い。比較
例3継手においても線材が抜けてしまい、金属接合は十
分でないことが分る。このようにロータ並びにステータ
の接合強度及び耐熱性が向上したのは、Sn及び50%
Sn、残Pbを用いたろう材では接合界面にCuとSn
の合金層が約2〜5μm形成されており、この合金層が
高強度、高耐熱性の特性を有するものと言える。Pbは
接合界面には存在せず、接合面の外へ押しやられてい
た。
【0022】この接合は母材のCuとろう材のSnとが
反応して、薄い合金層を形成し、それが通電加熱、加圧
によって合金層同士が接合されて優れた特性を生み出し
たものである。またP入りろう材を用いた継手にはC
u、Ag、P等(Cu端子使用のとき)が形成され、黄
銅端子使用のときはCu、Zn、Ag及びP等の成分が
5〜20μm形成されていた。これらの成分は、母材と
ろうが反応して形成されたもので、最初のろう材の融点
より高い成分に変化しており、その分強度並びに耐熱性
が一段と優れたものと思われる。以上前記実施例におい
ては、ろう材としてSn及び50%Sn、残Pbについ
て述べたが、他に表1に掲げるろう材を用いても同様な
高耐熱特性が得られることを確認している。また超音波
溶接機を用いて同様にろう材を適用すれば、高い強度と
高い耐熱性を有する継手が得られることも確認した。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば表1の低融点ろう材で接
合できると共に、継手部には高融点の合金層が形成され
るので耐熱性に富んだ高い強度の継手を有する交流発電
機が得られる。また絶縁被覆付のままのコイルの接続
は、P入りろう材を用いて2段加熱方式の接合方法を採
用すれば、金属的接合が得られるので接合強度、耐熱性
に優れた、電気的にも低い抵抗値を示し長期間にわたり
導電体として安定して使用することができる交流発電機
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の交流発電機の断面図であ
る。
【図2】実施例に用いるロータの接合部を表わす断面及
び斜視図である。
【図3】実施例に用いるステータの接合部を表わす斜視
図である。
【図4】ロータの本発明方法を従来のろう付方法によっ
て接合した継手試験片の引張強度を示すグラフである。
【図5】ステータの本発明方法と従来のろう付方法によ
って接合した継手試験片の引張強度を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1,2…ブラケット、3…回転軸、4,5…軸受、6…
プーリ、7…回転磁極鉄心、8…筒形鉄心、9…爪形磁
極、10…鍔状部材、11…固定部材、17…界磁コイ
ル、22…固定子鉄心、23…固定子コイル、31…フ
ィールドコイル、32…スリップリングコイル、41…
ステータコイル、42…中性点、43…端子接続部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラケットの内部に軸受を介して回転可
    能に装着され内燃機関により回転されるロータと、前記
    回転軸に固着され界磁コイルにより励磁される回転磁極
    鉄心と、前記回転磁極鉄心を囲むようにして前記ブラケ
    ットの内側に固定配置される固定子コイル付きのステー
    タとを備えてなる交流発電機において、前記ロータのフ
    ィールドコイルとスリップリング端子接続部、及び前記
    ステータのコイルの中性点及び端子接続部が、Cu−S
    n、Cu−P又はCu−Ag−P成分から選ばれた1種
    以上を主体とした合金層で接合されていることを特徴と
    する高耐熱性交流発電機。
  2. 【請求項2】 前記交流発電機において、前記ロータの
    フィールドコイルとスリップリング端子接続部がCu−
    Sn成分を主体とした合金層で接合され、また前記ステ
    ータのコイルの中性点及び端子接続部がCu−P又はC
    u−Ag−P成分を主体とした合金層で接合されている
    ことを特徴とする請求項1記載の高耐熱性交流発電機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の高耐熱性交流発電
    機の製造法において、前記ロータのフィールドコイルと
    スリップリング端子接続部、及び前記ステータのコイル
    の中性点及び端子接続部を、ろう材を用いて通電抵抗加
    熱又は超音波振動加熱により接合することを特徴とする
    高耐熱性交流発電機の製造法。
  4. 【請求項4】 前記ろう材が、Sn、Sn−Pb系、S
    n−Ag系、Sn−Zn系又はSn−Au系から選ばれ
    た1種以上の軟ろう材であることを特徴とする請求項3
    記載の高耐熱性交流発電機の製造法。
  5. 【請求項5】 前記ろう材が、P入りろう材であること
    を特徴とする請求項3記載の高耐熱性交流発電機の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006060994A (ja) * 2004-07-28 2006-03-02 General Electric Co <Ge> 発電機ステータバー端部継手用の金属バリア皮膜及び皮膜を施す方法
EP2586586A1 (en) * 2011-10-24 2013-05-01 GE Energy Power Conversion Technology Ltd Coil support members

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