JPH05328600A - フェールセーフ回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルスで駆動する負荷に対し、供給電源が連
続オンといった異常状態に陥った場合に、負荷の焼損に
至る以前に機器への電源供給を遮断する。 【構成】 漏電遮断器と、パルス電源を積分する回路と
があり、積分回路の出力が所定電圧を越えた場合に、漏
電遮断器の一次側から二次側へ漏電遮断器を介さずに閉
回路を構成するスイッチ回路がある。 【効果】 パルス出力異常時に、回路中に類似的に漏電
を発生させ漏電遮断器を動作させることにより機器への
電源供給を安全に遮断する。回路の構成が安価で、パル
ス異常の検出精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パルスで駆動する負荷
を有する機器の故障時に、その機器に安全性をもたせる
フェールセーフ回路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術の例を図４を用いて説明す
る。パルスポンプ等に代表されるソレノイドコイル構成
の負荷４１は、商用電源４２に、商用電源４２の二線間
の不平均電流を検出した場合に機器への電源供給を遮断
する漏電遮断器４３を介して接続された、パルス電圧を
発生するパルス電源発生回路４４の出力により動作する
もので、パルスのＨｉ期間にコイルを励磁し、コイル中
央に配設したプランジャー（図示せず）を押し上げ、パ
ルスのＬｏｗ期間にコイルの励磁を停止することで、プ
ランジャーにピストン運動をさせ、油等を汲み上げる機
能をもたせている。

【０００３】このようなソレノイドコイル構成の負荷４
１は、通電される期間がパルスのＨｉ期間に限られるた
め、低コスト化を図る意味より、ポンプ能力の均一化を
図るために、コイルに流す電流を調整するコイルに直列
に接続された補正抵抗の発熱限界は、正規のパルスが印
加された場合に定格を越えない、つまり故障したり損焼
しない値に設計されている場合が多く、負荷に供給する
パルス電源発生回路４４の故障等で、負荷に連続でＨｉ
電圧が印加され続けた場合に発生する故障や焼損を防ぐ
ため、パルス電源発生回路４４と負荷４１の間に電流ヒ
ューズ４５を設けていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなパルス電源発生回路４４と負荷４１の間に電流ヒュ
ーズ４５を設けることによる負荷４１への電源を遮断す
る方式においては、定常時動作する電流で電流ヒューズ
４５が切れることなく、故障時に溶断する電流ヒューズ
４５の値を決定することが、負荷４１に定常時流れる電
流と、故障時流れる電流の差が電流ヒューズ４５自体の
溶断電流のばらつきに対し、余裕がないために、通常動
作時に電流ヒューズ４５が溶断する誤動作や、故障時に
電流ヒューズ４５が溶断しないといった誤動作が発生す
る問題があった。

【０００５】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、より故障検出精度が高く、安価で安全に機器の停
止を図ることのできるフェールセーフ回路を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のフェールセーフ回路は、商用電源と、前記商用
電源に接続し、機器の漏電時に発生する商用電源の二線
間の不平均電流を検出した場合に機器への電源供給を遮
断する漏電遮断器と、前記漏電遮断器の二次側の二線の
一方をグランドとしたパルス電源発生回路と、前記パル
ス電源発生回路に接続した積分回路と、前記積分回路の
電圧が所定の電圧を越えた場合に、前記漏電遮断器の二
次側の二線の一方であるパルス電源発生回路のグランド
側へ、前記漏電遮断器の一次側の二線の一方であるパル
ス電源発生回路のグランド側の他方からの閉回路を形成
するスイッチ回路から構成されるものである。

【０００７】

【作用】本発明は上記した構成により、パルス電源発生
回路の出力を負荷に並列に接続した積分回路の電圧が、
パルス電源発生回路等の故障時に連続Ｈｉ電圧が出力さ
れた場合に上昇し、所定電圧以上でスイッチ回路が動作
することで、漏電遮断器の一次側の電流を二次側に流す
ことにより、漏電遮断器に電流の不平均を検出させ、漏
電遮断器が動作することで機器への電源供給を遮断し、
機器の停止を行うものである。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例のフェールセーフ回
路について図１、図２、図３を参照しながら説明する。
図１は本発明の一実施例のフェールセーフ回路のブロッ
ク図で、１は商用電源、２は商用電源に並列に接続され
た漏電遮断器、３は漏電遮断器２の二次側に接続され負
荷及び積分回路にパルス電源を供給するパルス電源発生
回路、４はパルス電源発生回路３の出力を積分する積分
回路で、５は積分回路４で充放電された電圧が所定電圧
を越えた場合に、漏電遮断器２の一次側の二線の一方と
二次側の二線の一方を接続するスイッチ回路、６はパル
ス電源発生回路３が出力するパルス電源で動作する負
荷、７は漏電遮断器一次側の二線の一方、８は漏電遮断
器二次側の二線の一方を示す。

【０００９】図２は図１のブロック図における各ブロッ
クを実際の回路に応用した詳細回路図である。ただし、
漏電遮断器の内部回路については本発明に関し直接関係
がないため詳細な回路説明は省略する。

【００１０】漏電遮断器２の二次側交流をダイオード
９、抵抗Ｒ１、コンデンサ１０で半波整流し直流電圧に
変換し、フォトカプラ１１のオフ時にトランジスタ１２
をオンし、その結果トランジスタ１３をオンすること
で、直流電源を負荷に供給する。抵抗Ｒ５、Ｒ６、トラ
ンジスタ１４は負荷６に供給する電圧調整回路で、抵抗
Ｒ５、Ｒ６の値を負荷の定格電圧発生時にトランジスタ
１４をオンできる電圧（この場合約０．７Ｖ）に分圧す
るよう設定しておくと、トランジスタ１３の出力電圧が
所定電圧発生時にトランジスタ１４がオンし、トランジ
スタ１３のベース電流を減少させてトランジスタ１３の
出力電圧をおさえる動作となり、負荷への定電圧供給が
可能となる。フォトカプラ１１のオン時はトランジスタ
１２がオフとなりトランジスタ１３もオフ、従って負荷
６への電圧供給は停止する。

【００１１】上記の通り、フォトカプラ１１のオン・オ
フにより負荷へのパルス電圧供給を行うものとなる。以
上の構成が図１におけるパルス電源発生回路３に相当す
る。

【００１２】抵抗Ｒ７、Ｒ８、コンデンサ１５はパルス
電源発生回路３の出力を充放電する図１中の積分回路４
に相当する。パルス電源発生回路３のパルスＨｉ期間に
コンデンサ１５とＲ７の時定数で充電し、パルス電源発
生回路３のパルスＬｏｗ期間にコンデンサ１５とＲ８及
びコンデンサ１５とＲ７・負荷６の抵抗分の時定数で放
電する。

【００１３】ツェナーダイオード１６、トランジスタ１
７、抵抗Ｒ９、Ｒ１０は、図１中のスイッチ回路５に相
当する。ツェナーダイオード１６は、トランジスタ１７
のスレッショルドレベルを設定するもので、ツェナーダ
イオード１６のオン時に、トランジスタ１７をオンし、
漏電遮断器２の一次側二線中の一方７から抵抗Ｒ１０を
介して電流を漏電遮断器２の二次側二線中の一方８に流
すことで、漏電遮断器２の二線間に電流不平均現象を発
生させ、機器への電源供給を停止するものである。

【００１４】なおツェナダイオード１６のかわりに、抵
抗を使用し、抵抗Ｒ９との分圧比をトランジスタ１７の
スレッショルドレベルに調整しても同等の動作をさせる
ことも可能である。

【００１５】図３は図２の各部の電圧波形、及び回路部
品の動作図で、図３を用いて、本発明のフェールセーフ
回路の動作について説明する。

【００１６】定常動作において、Ｔ１からＴ２にかけて
パルス電源発生回路３の出力すなわち図２中の（ａ）は
Ｈｉとなり、積分回路４のコンデンサ１５の電圧は、抵
抗Ｒ７との時定数で上昇するが、Ｔ２からＴ３にかけて
パルス電源発生回路３の出力Ｌｏｗ期間で、コンデンサ
１５とＲ８及びコンデンサ１５とＲ７・負荷６の抵抗分
の時定数で放電するため積分回路出力すなわち図２中の
（ｂ）の電圧値は、ＶＤ（ツェナダイオード１６のスレ
ッショルド電圧）以下のため、トランジスタ１７はオフ
を保持する。

【００１７】Ｔ４において、パルス電源発生回路３を構
成するフォトカプラ１１、トランジスタ１３、トランジ
スタ１４の内１つでも、万一ショート故障した場合は、
パルス電源発生回路３の出力は連続オンとなり、パルス
のオフ期間がなくなることになる。その結果積分回路４
は放電期間がなくなり、コンデンサ１５の電圧は上昇
し、Ｔ５においてツェナーダイオードのスレッショルド
を越え、トランジスタ１７にベース電流が流れることに
よりトランジスタ１７がオンし、漏電遮断器２の一次側
から抵抗Ｒ１０を介して電流を漏電遮断器２の二次側に
流すことで、Ｔ６において、漏電遮断器２の二線間に電
流不平均現象を発生させ、機器への電源供給を停止する
動作となる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、パルス
で動作する負荷に対して供給する電源が異常になった場
合に、回路中において漏電と同じ状態に陥らせ機器への
電源供給を遮断するため、機器外部に漏電することがな
く、安全に機器の停止をおこなえる。

【００１９】漏電遮断器の動作点を、積分回路とツェナ
ーダイオードのスレショルドで設定できるために、簡単
に高い精度のパルスの異常状態の検出を行うことができ
るため、負荷の異常時における定格を上げることもなく
負荷のコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における一実施例のフェールセーフ回路
のブロック図

【図２】図１のブロック図における各ブロックを実際の
回路に応用した詳細回路図

【図３】図２の各部の電圧波形、及び回路部品の動作図

【図４】従来例のパルス異常時の保護回路ブロック図

【符号の説明】 １ 商用電源 ２ 漏電遮断器 ３ パルス電源発生回路 ４ 積分回路 ５ スイッチ回路 ６ 負荷 ７ 漏電遮断器一次側の二線の一方 ８ 漏電遮断器二次側の二線の一方

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 伸二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山本 融士 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】商用電源と、前記商用電源に接続し、機器
   の漏電時に発生する商用電源の二線間の不平均電流を検
   出した場合に機器への電源供給を遮断する漏電遮断器
   と、前記漏電遮断器の二次側の二線の一方をグランドと
   したパルス電源発生回路と、前記パルス電源発生回路に
   接続した積分回路と、前記積分回路の電圧が所定の電圧
   を越えた場合に、前記漏電遮断器の二次側の二線の一方
   であるパルス電源発生回路のグランド側へ、前記漏電遮
   断器の一次側の二線の一方であるパルス電源発生回路の
   グランド側の他方からの閉回路を形成するスイッチ回路
   からなるフェールセーフ回路。
2. 【請求項２】積分回路は、パルス電源発生回路に並列に
   直列接続した２つの抵抗と、２つの抵抗の接続点と前記
   パルス電源発生回路のグランド間に接続されたコンデン
   サからなる請求項１記載のフェールセーフ回路。
3. 【請求項３】スイッチ回路は、パルス電源発生回路に並
   列に直列接続した２つの抵抗の接続点をカソードとした
   ツェナーダイオードと、エミッタを前記パルス電源発生
   回路グランドに接続し、前記ツェナーダイオードのアノ
   ードとベースを接続し、コレクタを抵抗を介して漏電遮
   断器の一次側の二線の一方であるパルス電源発生回路の
   グランド側の他方に接続したトランジスタからなる請求
   項１または２記載のフェールセーフ回路。
4. 【請求項４】スイッチ回路は、パルス電源発生回路に並
   列に直列接続した２つの抵抗の接続点とベース間に抵抗
   を接続し、エミッタを前記パルス電源発生回路のグラン
   ドに接続し、コレクタを漏電遮断器の一次側の一方であ
   るパルス電源発生回路のグランド側の他方に抵抗を介し
   て接続したトランジスタと前記トランジスタのベース・
   エミッタ間に接続したエミッタ抵抗からなる請求項１ま
   たは２記載のフェールセーフ回路。