JPH0532709B2 - - Google Patents

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JPH0532709B2
JPH0532709B2 JP2197988A JP19798890A JPH0532709B2 JP H0532709 B2 JPH0532709 B2 JP H0532709B2 JP 2197988 A JP2197988 A JP 2197988A JP 19798890 A JP19798890 A JP 19798890A JP H0532709 B2 JPH0532709 B2 JP H0532709B2
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JP
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delay
received
signal
signals
wave
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Kageyoshi Katakura
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Hitachi Ltd
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Publication of JPH0532709B2 publication Critical patent/JPH0532709B2/ja
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はパルス状超音波により物体の断面構造
を観察する装置特に物体の運動までを観察する高
速超音波断層撮像装置の受信音波ビーム合成方式
に関する。
〔従来の技術〕
高速に超音波断層像を得るため、固定された指
向性の深触子を機械的に走査するのに代え、配列
する超音波素子の信号にある分布に従う遅延時間
を与え、素子選択の変更、もしくは遅延時間分布
の変更により指向性が変更できる構成がとられ
る。その例は、特開昭49−43780号などに記載さ
れている。
以下遅延時間分布により所望の指向性を得る構
成を図面により詳細に説明する。第1図に示す
送信音波a(t)を目標へ放射する。
ここで a(t)=A(t)sinωt ……(1) A(t)=1 0(0≦t≦τ0) (その他) である、目標物体に対応して上記ω(=2πfc:fc
は周波数)、τ0は設定される。例えばソーナーに
おいては、fc≒100kHz、τ≒100μs程度であり、
医用応用ではそれぞれ5MHz2μs程度となり種々変
化する。この送信音波は物体により反射され第1
図に示すように配列受波素子群d0〜do-1に入射
する。このため第1図に示されるように物体の
存在する方向に対応した時間差τ2を有する素子出
力a0〜ao-1が得られる。ここでτ1は物体までの往
復音波伝播時間である。
第1図に現在広く行なわれている受信ビーム
合成方式の構成を示す。ここでDLPが受信信号aP
を遅延させるアナログ遅延回路であり、それぞれ
のDPの信号遅延を行なう。ここで DP=(n−P)・τ4 でありこの基本遅延時間τ4を変化させることによ
り受信ビーム方向を変化させる。この遅延回路
DLPの出力bPは受信信号aPが aP=a(t−τ1−Pτ2) であるため bP=a(t−τ1−Pτ2−DP) =a{t−τ1−P(τ4−τ2)−nτ4} となり、音波入射方向と受信方向が一致した場合
(τ2=τ4)には第1図に示すように bP=a(t−τ1−nτ4) となり全出力が同一の波形となる。このような遅
延時間整合ののち加算器Sにより着目方向受信信
号Cを得る。この目的方位信号Cは C=o-1P=0 bP=na(t−τ1−nτ4) となり大出力としして得られる。以上は目的方向
から到着した信号についてであるが、希望しない
方向からの信号(τ4−τ2=Δ)については bP={t−τ1+PΔ−nτ4} であるため加算器出力Cは第1図に示すように
各信号が打消し合い、抑圧された出力となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上の基本動作の説明から理解されるように従
来の方式の場合には遅延回路DLの遅延時間精度
が搬送波の周期τ3の精度で必要となる。より性格
に言えばτ3/2程度の精度では目的方位信号も低
下してしまい通常τ3/4程度の遅延時間精度が必
要となり構成が非常に困難となる。つまり、受波
素子配列の各素子ごとに遅延時間を正確に設定で
き、さらに受信信号波形そのものを変形なく遅延
する構成が必要であるため、各素子チヤネルごと
に独立に大型かつ高価なLC分布遅延線を用意し
ていた。さらに指向性の移動のためにはそれら遅
延線は多数の中間タツプを設ける必要があつた。
そこで、本発明の目的は遅延回路部分の装置規
模及び装置コストを大幅に低減しながら所望の指
向性での受波ビームが形成できる受波装置を提供
するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、配列する複数の受波素子からの受信
信号そのものを遅延するのではなく、受信信号に
それぞれ位相処理を加えて前記配列素子のうちの
隣接する素子群からの所望の方位もしくは位置か
らの反射波の受信信号がほぼ同位相となるように
する位相処理回路を用い、これらの群ごとに位相
処理された受信信号を加算し、加算された受信信
号にそれぞれ遅延を加えてこれらを再度加算する
点に特徴がある。さらに、それらの遅延を実現す
るのに、群ごとに加算された受信信号をそれぞれ
標本化して保持する標本化遅延回路を用いる点に
別の特徴がある。
〔作用〕
上記の構成によれば、隣接する素子群の中の各
素子の位相はほぼ同位相にされるため、これを加
算して群ごとに遅延量を設定しても所望の方位も
しく位置からの反射波の受信信号を使用する全素
子について同位相とすることができ、その方位も
しくは位置に一致させた指向性の受信ビームを得
ることができる。さらに、限られた標本化周波数
により離散化した信号を遅延する標本化遅延回路
を用いても正しく位相合せができ、所望の方位も
しくは位置に一致させて指向性を得ることができ
る。
〔実施例〕
第2図を用いて、本発明の前提となる各チヤネ
ル受信信号の位相処理についてまず説明する。受
波素子の各チヤネルごとに受信信号aPと参照用信
号eSP,eCPとの乗算を平衡変調器により構成され
る乗算器MSP,MCPにより行なう。この乗算器
MSP、MCP内部構成は同一であり説明の便のため
別記号とする。この参照信号は中心周波数ωの遅
延した正弦波であり、どのような指向性の受波を
行なうか、つまり、後述する収束受波等によりチ
ヤネル間の遅延時間の分布は種々変化する。
まず第1図のような斜め方向からの平面波に対
応した指向性を得る場合を説明すると、これらの
参照信号は eSP=sin{ω(t−Pτ4)} ……(2) eCP=cos{ω(t−Pτ4)} ……(3) なる互に90゜移相した遅延信号である。すなわち、
隣りあう素子チヤネル間で基本遅延時間τ4づつ位
相差を有する。このような遅延分布をもつ各チヤ
ネルの参照信号は、アナログ遅延線を用あること
なく作成できる。その構成を第3図aに示す。第
3図b示す周期τ3(τ3=2π/ω)なる矩形波をシ
フトレジスタSHRのデータとし印加し、SHRの
内容をτ4なる周期のクロツクにより移動する。こ
のような構成によりシフトレジスタのPビツト目
からはPτ4だけ遅延され、周期がτ3の波形fPが得
られる。またこのfPをτ3/4だけの遅延時間を有
する単安定マルチバイブレータによるデイジタル
遅延回路DDPにより遅延させることにより第3図
bのようにfPと90゜位相差をもつgPなる信号が得ら
れる。このfP,gPを中心周波数ωなる共振フイル
ターFSP,FCPにより整形することによりeSP,eCP
が得られる。シフトレジスタSHRの各ビツトの
打力f0,f1,……についてそれぞれ同様にデイジ
タル遅延回路DD0,DD1,……,共振フイルータ
FS0,FC1,……が設けられ、もつて隣接チヤネル
間でτ4づつ位相差を有する参照信号eS0,eS1,…
…及びeC0,eC1,……が得られる。
乗算器MSP,MCPの出力hSP,hCPはそれぞれ hSP=aP・eSP =A(τ)sin(ωτ)・sin{ω(t−Pτ4)} =A(τ)/2[cos{ω(P(τ4−τ2)−τ) −cos{ω(2t−τ1−P(τ2+τ4)}] =A(τ)/2{cosφP−cos(2ωt−φP′)}……
(4) および hCP=aP・eP =A(τ)sin(ωτ)・cos{ω(t−Pτ4)} =A(τ)/2[sinφP+sin(2ωt−φP′)}……
(5) ここで φP=ω{P(τ4−τ2)−τ1} φP′=ω{P(τ4+τ2)+τ1} τ=t−τ1−Pτ2=τ(t) である。このhCP、hSPにおいてA(t)が受信波形の
包絡線成分でありsin(2ωt)、cos(2ωt)に比較し
て充分低い周波数成分を有する。このため2ω周
波数成分を低下させる低域濾波器LSP,LCPにより
A()の周波数成分のみを分離抽出可能である。こ
のような濾波器出力isP(t),lcP(t)はそれぞれhSP
hCPの右辺第1項のみとなり isP(t)=A(τ)/2cosφP ……(6) icP(t)=A(τ)/2sinφP ……(7) となる。つまり、目的方位からの音波が入射する
場合τ2=τ4であるため、(6)、(7)式のcosφP、sinφP
は受波チヤネル間で変化しない定数となり、よつ
て乗算および濾波によつて各チヤネルの受波信号
は時間変数τ=t−τ1−Pτ2なる包絡線成分とな
る。音波継続時間τ0に対してτ2は小さいので、素
子番号Pの値が近いチヤネル同志、つまり隣接す
る素子チヤネル同志ではほぼ同位相の信号波形が
得られる。このような波形をアナログ遅延回路
DSP,DCPにより遅延させる。このDSP,DCP
互いに同一の構成である可変遅延時間(n−P)
τ5を与える遅延線である。ここで、τ5はアナログ
信号用の遅延部DSP,DCPの遅延時間設定値に関
係した値であり、各チヤンネルの遅延時間設定値
は実施例において簡単のために使用した無限遠か
らの平面波を受信する場合には、各素子に対する
遅延時間設定値は素子番号Pに対応して(n−P)
τ5と与えられる。ここで、τ5は設定値であり、実
際の動作においてはΔPなる誤差が生ずる。この
ためDSP,DCP出力jSP,jCPは jSP=A(τP′)/2cosφP ……(8) jSP=A(τP′)/2sinφP ……(9) (τP′=τ{t−(n−p)τ5} =t−τ1+P(τ5−τ2)−nτ5) となる。このような信号jSP,jCPをそれぞれn個
についての総和を得る算器SS,SCにより加算す
る。この加算器出力kS,kCはそれぞれ kSo-1P=0 jSP=1/2o-1P=0 A(τP′)cosφP ……(10) kCo-1P=0 jSP=1/2o-1P=0 A(τP′)sinφP ……(11) である。ここで目標方向から音波が入射する場合
を考えるとτ2=τ4=τ5であるため kS=nA(t−τ1−nτ4)/2cos(−ωτ1) ……(12) kC=nA(t−τ1−nτ4)/2sin(−ωτ1) ……(13) なる信号となり、大きな出力となる。この信号を
2乗器TS,TCにより2乗し、SBにより加算し開
平器Rにより開平することにより出力信号Cを得
る。この構成より、目標方向信号に対する出力C
は C=√22=nA(t−τ1−nτ4)/2……(14
) となり、目標物体までの距離に無関係(τ1に無関
係)に最大出力が得られることになる。一方目標
以外の方向からの音波に関してはτ4−τ2=Δ、τ5
−τ2=Δ′とすると ks=1/2o-1 〓 〓P=0 A{t−τ1+PΔ′−nτ5}・cos(ω(PΔ−τ1
} kc=1/2o-1 〓 〓P=0 A{t−τ1+PΔ′−nτ5}・sin(ω(PΔ−τ1
} となり、(n−1)ωΔが2π以上となるとks,kc
小さな値となり抑圧された出力となる。このこと
をksについて説明する。なおkcについても同様で
ある。
ks=1/2o-1 〓 〓P=0 A(t−τ1+PΔ′−nτ5)・cos{ω(P・Δ−τ
1)} であり、ここで(n−1)ωΔ>2πとすると、P
の0からn−1までの変化に対応して、ωP・Δ
が0から2πまで変化する。このためcos{ω(P・
Δ−τ1)}の値がこのωP・Δの変化に対応して1
周期分変化し、これらの全てを加算した結果であ
るksは正負の値が平均化され小さな値となる。こ
こで、A(t−τ1+PΔ′−nτ5)は通常Δ=Δ′であ
ることから、PΔ′PΔ<nΔ2π/ω=τ3《τ0であ
り、 反射信号の得られるt=τ1なる時刻近傍において
は、ほとんど変化しない。この(n−1)ωΔ=
2πに対応する方向が指向特性の第1零点となり
従来の方式と同一の指向特性が実現されている。
即ち、これまで述べたように、Δ,Δ′の変化
に対して、A(t−τ1+PΔ′−nτ5)は、反射波の
中央付近では変化しない。このため、この値をB
とすると、 sS1/2o-1P=0 Bcos{ω(PΔ−τ1)} となる。このようなkSのΔに対する変化は、良く
知られたsinx/xの形式となり、Δ=2π/nωにて0 となる。このΔに対応する方向が第1零点とな
る。一方、従来方式においても、第5頁第2行の
bPの式を使用するとo-1P=0 bPo-1P=0 a{t−τ1+PΔ−nτ4}=o-1P=0 A{t−τ1+PΔ−nτ4}sin {ω(t−τ1+PΔ−nτ4)}〜o-1P=0 Bsin{ω(t−τ1−nτ4)+ωpΔ} となり、Δに対する変化は本発明によるものと同
一になる。このため、方位分解能も全く同一とな
る。
次に、遅延回路の遅延時間精度の影響を述べ
る。
参照信号の処理はデイジタル処理が可能であ
り、簡単に所要の遅延時間が得られ、τ4〜τ2=0
と設定可能である。一方、受信信号成分を遅延さ
せる部分(第2図に示すDSP,DCp)は、振幅情
報を有することから構成が複雑になり、時間精度
を高めることは困難である。そこで、このDSP
DCPの遅延時間誤差をΔPとすると、設定遅延時
間Pτ5に対するDSP,DCPの実際の遅延時間DEP
は、 DEP=(n−P)τ5−ΔP となる。このため式(8)、(9)に対応する遅延手段
からの出力jSP,jCPは jSP=A(τP′/)2cosφP jCP=A(τP′/)2sinφP となる。ここでは、目標方向から入射する音波に
対する受信信号強度についての検討であるから、
設定遅延量τ5は、τ5−τ2(=Δ′)=0となつてい
る。このためτp′=t−τ1+ΔP−nτ5であり、こ
れらを加算した加算出力ks,kcは式(10)、(11)から、 kS=1/2o-1P=0 A(t−τ1+ΔP−nτ5)cosφP kC=1/2o-1P=0 A(t−τ1+ΔP−nτ5)sinφP となる。ここで、位相差φPは、 φP=ω{P(τ4−τ2)−τ} であり、目標方向の物体であることから同様に
(τ4−τ2=(=Δ)=0であり、 φP=ωτ1 となる。以上の式より kS=1/2o-1P=0 A(t−τ1−Δp−nτ5} kC=1/2o-1P=0 A(t−τ1−Δp−nτ5} である。このような遅延時間誤差ΔPが存在する
場合における目的方向についての受信出力C(t)は C(t)=√k2 s+k2 c=1/2o-1P=0 A{t−τ1+ΔP−nτ5} である。ここでA{t−τ1+ΔP−nτ5)は、受信
開始時刻がτ1−Δp+nτ5であり、これは時間長τ0
なる矩形パルスである。このため、受信素子Pに
対応して誤差ΔPが変化するので、それぞれ受信
時刻が変動し、それらの総和であるC(t)がτ0より
長くなり、第4図のようになる。すなわち、nが
大きくΔPが一様分布と仮定するとo-1P=0 A{t−τ1
+ΔP−nτ5}はΔPの最大値ΔPnに対応して第4図
のように変化する。この図より理解されるように
ΔPn≦τ0/2に遅延回路DCPを構成することにより最 大値の低下なしに目的信号の抽出が可能である。
このようにDSPの遅延時間精度は包絡線の長さ
の精度でよい。
そこで第6図に示すような実施例の構成が可能
になる。すなわち、第2図のように乗数、及び濾
波により位相処理された各チヤネルの信号iSP(又
はiCP)を隣接する素子チヤネルの複数の群ごと
にまとめて加算してから遅延される。Sa,Sb,Sc
となる加算器により加算された信号la,lb,lc
それぞれ第6図のようになり、振幅の低下は全く
表われない。このla,lb,lcをそれぞれDSa
DSb,DScにより12τ2、8τ2、4τ2だけ遅延させる
ことにより第7図に示すqa,qb,qcが得られこの
3信号を加算器SSにより加算することにより目
的信号出力uを最大振り幅の低下なしに求めるこ
とが可能となる。以上は説明の簡単のために4信
号(is0〜is3等)を1群(la等)として3群にてシ
ステムを構成して説明したがこの構成の限られる
ものではなくUの最大振幅が低下しない制限の下
に任意の分割が可能であることは明白である。こ
のような構成にすると第6図より明らかなように
遅延回路の個数が大幅に減少し(第6図の構成で
は1/4)装置構成が楽になる。
なお、第6図の説明では第2図の各素子チヤネ
ルの2つの信号iSP,iCPのうちのiSPのみを用いて
遅延することを説明したが、他方のiCPについて
同様に遅延を行なうことは省略できる。これにつ
いて以下に説明する。
第2図における片方の加算器Ssの出力ksに着目
する。目的方向物体からの受信出力は(12)式に示し
たように ks=nA(t−τ1−nτ4)/2cos(−ωτ1) であり、これは(14)式にcos(−ωτ1)を乗した形式
になつている。このことはτ1の変化(距離の変
化)に従い出力振幅が変化する(感度が変化す
る)ことに対応する。この様子を第5図に示す。
このようにωτ6=πなる関係にある音波伝播時間
τ6を周期とする感度の変動が生ずる。しかしこの
τ6に相当する距離間隔Δrは伝播媒質中の音速を
CS、音波波長をλとすると Δr=Csτ6/2=Csπ/2ω=Cs/4f=λ/4 であり、水中において2MHz音波を使用すると Δr=0.19(mm)(Cs:1500m/s) となり、多数の反射点より構成される有限の大き
さを有する物体の場合にはこのような微細な感度
変化は全く問題とならない。
すなわち、反射点が1点のみであり、かつ第5
図に示す|ks|の零点に位置が固定している場
合(τ1が固定)には反射信号を見失うことにな
る。しかし、通常は生体の観測あるいは水中観測
のように対象物が運動しあるいは観測点が移動
し、相対位置が変動する。このため、音波伝搬時
間τ1変化し反射信号が瞬間的に消滅しても、すぐ
に再び出現する。特に、有限の大きさを有する物
体の場合には、多数の反射点を有することから、
たとえ物体が固定しているとしてもどこかの反射
点が必ず観測されることになる、片側の出力のみ
によつても反射体を見失うことは全くない。
さて、第2図のように各々の素子チヤネルの受
信信号ごとに位相処理として隣接するチヤネルど
うしではほぼ位相が等しい包絡線とした信号を遅
延により位置合せして整相するには、第6図の実
施例のようにアナログ遅延数を用いなくても良
い。以下に第8図、第9図を用いて標本化により
離散信号を保持することにより遅延を行なう標本
化遅延手段を用いた実施例を述べる。
第8図に示されたように信号la,lb,lc(isP,icP
について位置合せをする構成も同様に考えられる
が省略)が得られたと仮定する。これらの信号の
同一部分(時刻はそれぞれ異なる)la1,lb1,lc1
をマルチプレクサーMXabcにより選択して同一
の加算器MA,に印加する。同様にla2,lb2,lc2
MA2に印加し順次それぞれの加算器により信号
の特定部分をMA7まで印加する。次のla8,lb8
lc8を再度MA7に印加しこの操作をくり返す。こ
のような処理を行なうと加算器MA17のMA出
力はそれぞれv1〜v7となり、信号の同一部分が分
離抽出されている。このような加算器出力v1〜v7
を有限時間τ8(la,lb,lcが得られる時間)だけ積
分器IT1〜7により積分する。この積分器はlcがl
に出力した直後にそれぞれリセツト可能となつて
いる。
このように積分器出力はそれぞれω1〜ω7とな
り積分の最後値はそれぞれla,lb,lcを時間合せ
した後加算した振幅とほぼ同一となる。このよう
な積分結果をリセツト直前に出力用マルチプレク
サーMPXにより順次読み出すと第8図のxに示
すように第7図のuとほぼ同一の波形が得られ、
等価的に包絡線の遅延回路が実現されたことにな
る。このようにマルチプレクサースイツチ、加算
器、積分器により構成すると時間合せが全てデイ
ジタルクロツクにより可能となり、装置の安定度
が大幅に向上する。ここに述べた信号選択、積分
リセツトを制御する制御信号を第9図に示すCX、
CYにより作成する。
以上の説明は目標物体が充分遠方にあり、反射
信号が第1図iiのように平面波で入射した場合に
ついて述べたが、本発明のように参照信号との混
合による位相処理を行なう方式の場合には簡単な
付加回路により距離物体からの球面波も受波する
ことが可能となる。このためには、第6図あるい
は第9図の遅延回路の遅延の分布をその球面波に
対応したある曲率をもつたものとすると同時に、
各チヤネルの受信信号の位相処理を用いる参照波
も同様な分布をもたせねばらならない。これを実
現するには第3図の参照波発生回路を改変した第
10図の回路を用いる。第10図に示すようにシ
フトレジスタSHRから得る等位相差の信号f0
f1,…をそれぞれ単安定マルチバイブレータによ
るデイジタル遅延回路DV0,DV1,…にそれぞれ
印加する。DV0,DV1…は球面波に対応した2次
の遅延時間分布に従う遅延時間が設定されてい
る。これらを介した信号を第3図と同様に共振フ
イルタ(第10図では図示せず)にそれぞれ印加
して各チヤネル用の参照信号が得られ、またこれ
らと90゜位相差を有する参照信号もDD0,DD1
…を介した後に共振フイルタに印加して得ること
ができる。このような参照信号を各チヤネルの受
信信号に乗算することにより近距離物体からの曲
率を有する波面も位相を一致させ加算させること
が可能となる。一方、アコーステイク・ホログラ
フイボリユーム5(AcousticHolography,
voluem5)第249〜に掲載されたァ・ニユー・ウ
ルトラ・サウンド・イメージソング・テクニツ
ク・エムプロイングツー・デイメンシヨナル・エ
レクトロニツク・ビーム・ステアリングと題され
る文献には送波時刻からの時間経過中で当初は近
距離の反射点からの反射音波が、また次第に遠方
からの反射音波が受波素子に到達するのに対応
し、受波信号の整相のための遅延時間分布を曲率
を順次時間に逆比例するように変化してどの距離
からの反射信号も位相を一致させる技術が述べら
れている。本発明のこの手法を適用するならば第
6図、第9図などの遅延回路のチヤネル間の遅延
時間分布を上記のように時間に逆比例する曲率で
順次変更するとともに、各チヤネルの位相処理に
用いる参照信号の遅延時間の分布の様に順次変更
する必要がある。このためには、第10図に示し
た曲率をもつた遅延時間分布を得るための遅延回
路DV1,DV2,……DVp,……を遅延時間の制御
が可能なものとすれば良い。このようなDVPの構
成は電圧により出力パルス幅が変化可能な通常の
単安定マルチバイブレータを使用することにより
容易に実現される。
さらに参照信号eSP,eCPが正弦波であることを
考えるとこのような2次の曲率を有する参照信号
が単一周波数のみについて構成する簡単な移相器
により代用されることも明らかである。また第3
図におけるSHRの構成を一方向にのみ内容がシ
フトするように示しているがこれも両方向にシフ
トするシフトレジスターを使用し、さらにそのシ
プト方向に対応する包絡線遅延を行なうことによ
り簡単に左右両方向からの反射信号が受信される
ことも明白である。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、位相処理され
た受信信号を隣接する素子チヤネル群ごとに加算
してそれぞれ遅延を与えるため、遅延回路の個数
を少なくできる。さらに標本化遅延手段の採用に
より遅延部分の構成をより小型化した受波装置が
得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は送信波形と受信器出力の時間関係
を示す説明図であり、は従来方式の動作説
明図、第2図は本発明の前提となる方式の構成
図、第3図は第2図の方式に用いる参照信号発生
部の構成例図、第4図は遅延回路部の誤差が出力
波形に与える影響を示す図、第5図は1種類の参
照信号により構成した場合の距離に対する感度変
化を示す図、第6図は本発明の一実施例の説明
図、第7図は第6図の構成による出力を示す図、
第8図は遅延回路部を第9図により構成するとき
の時間関係を示す図、第9図は本発明の他の実施
例の回路図、第10図は近距離において焦点を保
有させるための付加回路を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 配列する複数の受波素子から得る複数チヤネ
    ルの受波信号に遅延を与えて加算し、もつて所定
    の方向もしくは位置からの反射波に一致させた受
    波音波ビームを合成する受波装置において、前記
    受波素子のそれぞれの位置で受信する前記反射波
    の波面の入射時刻に対応して互いの時間関係がそ
    れぞれ制御された所定周波数の複数の参照信号を
    発生する参照信号発生手段と、2つの入力端子を
    有し上記受波素子の受波信号と上記参照信号の対
    応するものをそれぞれ入力して前記複数チヤネル
    の受信信号の位相をそれぞれ変化させ出力する位
    相処理回路と、位相が変化された受信信号のうち
    隣接する受波素子群からの受信信号を群ごとに加
    算する複数の第1の加算手段と、該第1の加算手
    段の加算出力にそれぞれ所望の遅延を与える遅延
    手段と、該遅延手段の出力を加算して上記受信音
    波ビームを示す信号を得る第2の加算手段とを有
    することを特徴とする受波装置。 2 前記位相処理回路回路、及び前記遅延手段
    は、それぞれ時間に逆比例する曲率の遅延時間分
    布の位相処理、及び遅延を行なうことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の受波装置。 3 配列する複数の受波素子から得る複数チヤネ
    ルの受波信号に遅延を与えて加算し、もつて所定
    の方向のもしくは位置からの反射波に一致させた
    受波音波ビームを合成する受波装置において、前
    記受波素子のそれぞれの位置で受信する前記反射
    波の波面の入射時刻に対応して互いの時間関係が
    それぞれ制御された所定周波数の複数の参照信号
    を発生する参照信号発生手段と、 2つの入力端子を有し上記受波素子の受波信号
    と上記参照信号の対応するものをそれぞれ入力し
    て前記複数チヤネルの受信信号の位相をそれぞれ
    変化させ出力する位相処理回路と、位相が変化さ
    れた受信信号のうち隣接する受波素子群からの受
    信信号を群ごとに加算する複数の第1の加算手段
    と、該第1の加算手段の加算出力のそれぞれの互
    いに同一位相部分の値をそれぞれ標本化して抽出
    する手段と抽出された値をそれぞれ保存して複数
    受信信号分を加算する手段と上記抽出及び加算の
    動作を繰返し遂行させる制御を行なう手段とを含
    み前記波面の入射時刻の差に対応して遅延与える
    離散的遅延手段と、保存された値を加算する第2
    の加算手段とを有することを特徴とする受波装
    置。
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