JPH0532668Y2 - - Google Patents

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JPH0532668Y2
JPH0532668Y2 JP1987088964U JP8896487U JPH0532668Y2 JP H0532668 Y2 JPH0532668 Y2 JP H0532668Y2 JP 1987088964 U JP1987088964 U JP 1987088964U JP 8896487 U JP8896487 U JP 8896487U JP H0532668 Y2 JPH0532668 Y2 JP H0532668Y2
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disks
input shaft
spring
compression coil
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Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、作動流体の粘性を利用して回転トル
クが伝達可能に構成され、天井走行クレーン、旋
回装置、台車駆動装置等に使用される流体継手の
改良に関する。
ロ 従来技術 粘性を有する流体を使用した流体継手は、デイ
スクの滑りから生ずる熱損失により、内部でまた
は外部熱源によつて液体が加熱されると、その粘
性が低下して伝達可能なトルクが減少する。しか
し、トルクの減少は、入力軸と出力軸との回転数
差を大きくするか、またはデイスク間の間隔を小
さくすることによつて補償することができる。
ところが、入力軸と出力軸との回転数差を大き
くすることは実用性に欠けるため、デイスク間の
間隔を小さくする方法が一般に用いられている。
そのような流体継手として、特開昭58−152941
号公報に「流体継手」の技術が開示されていた。
これは、第10図示の如く、駆動動力源に接続さ
れる入力軸と、その入力軸と相対回転可能に包囲
し且つ内部に粘性流体を充填した密閉状態の回転
ケーシングと、そのケーシングの出力側に前記入
力軸と同軸上に設けられた出力軸連結部からな
り、前記入力軸の外周面に複数枚の駆動デイスク
6を適宜間隔を保つて軸方向へ摺動可能に設ける
と共に、前記ケーシングの内周面に、前記複数枚
の駆動デイスク6と僅かな間隔を保つて交互に重
なり合うドーナツ状の被駆動デイスク7を軸方向
に摺動可能に設け、更に前記ケーシングの出力側
にはスチールボール8を利用して軸方向の押圧力
を発生するためのテーパ面が設けられ、回転時の
遠心力によりスチールボールが外周方向へ移動し
てテーパ面に沿つて被駆動デイスクに押圧力を与
え、デイスク間の間隔を縮めることにより伝達ト
ルクの低下を防止するものである。(事例1) また、特開昭62−9033号公報に記載されている
如く、間隔保持片が突張りバネ6′として構成さ
れ、薄板5が温度に関係して大きく変形する少な
くとも一つの物体8,9に軸線方向に支持される
か、または間隔保持片6自体がこのような物体か
ら成り、薄板5が軸線方向弾性支持部7を有し、
その温度に関係して大きく変形する物体が、ほぼ
円錐状のバイメタル環6であり、あるいは膨脹物
質素子8であり、あるいは形状記憶合金から成る
圧縮ばね9であるところの液体摩擦クラツチの技
術が公知であつた。(事例2) 例 2 また、特開昭57−204320号公報に記載の「粘性
継手を備えたクラツチ装置」には、入力側回転体
10の回転数が増加するにつれて粘性流体室B内
の粘性流体の粘性抵抗によるトルク伝達率が高く
なるように、入力側回転板19,20および出力
側回転板22,23の位置関係を変更するトルク
伝達率変更装置Dを備えた粘性継手が開示されて
いた。(事例3) ハ 考案が解決しようとする問題点 上記従来技術において、事例1は入力軸の回転
数upに伴つて発生する遠心力により、スチール
ボール8が外周方向へ移動しテーパ面に沿つて被
駆動デイスクに押圧力を与え、デイスク間の間隔
を縮めるものであるから、入力軸の回転数upに
よつて粘性抵抗が低下しても、伝達トルクの低下
を防止できるが、入力軸の回転数変動その他の原
因による流体の温度上昇に感応して、デイスク間
の間隔を自動調整するものでないため、駆動時の
トルク変動率が大で安定性に欠けていた。しか
も、駆動デイスク6と被駆動デイスクとの間にス
ペーサが無いので、両者が擦動して摩耗したり、
発熱して流体温度が異常に高くなる等の欠点があ
つた。
また、事例2においては、間隔保持片6が突張
りバネ6′特に環状皿ばねとして構成され、薄板
5が膨張物質素子としてのワツクス素子8、ある
いは形状記憶合金から成る圧縮ばね9によつて、
軸線方向に支持されるか、あるいは、間隔保持片
6が円錐状のバイメタル環として構成され、薄板
5が軸線方向弾性支持部7を有しているので、バ
イメタル環はまず薄板5間の間隔幅を決定し、粘
性液体の温度が上昇すると、バイメタル環自体が
扁平になり、軸線方向弾性支持部7の作用により
薄板5の間隔幅が減少するようになつているが、
バイメタル環単独の作用以外に軸線方向弾性支持
部7の作用を必要とし、両者の作用によつて始め
て薄板5の間隔の調整ができるものである。
そして、軸線方向弾性支持部7は液体の温度変
化に感応して作用するものではなく、しかも、バ
イメタル環の片側方から押圧するものであるか
ら、薄板5間の間隔を均等かつ最適間隔に調節す
ることができず、間隔幅にバラツキが生じ、駆動
時のトルク変動率が大きくなり、安定性に欠ける
ものである。また、バイメタル環は隣接する薄板
間個々に配置されていないので、スペーサとして
の機能に乏しく薄板5が擦動し摩耗する虞れがあ
るものである。
また、事例3は、入力側回転体10の回転数が
高くなつて各押圧球27に作用する遠心力が大き
くなるにつれて、各押圧球27は各圧縮ばねSの
弾発力に抗して外周側へ移動するので、各入力側
回転体19,20と各出力側回転体22,23と
の間隔が小さくなつて粘性流体の粘性抵抗による
トルク伝達率が高くなるように、構成されてい
る。したがつて、回転数やトルクの急激な変動を
粘性継手Aが吸収し緩和することができるが、事
例1と同様に、入力軸の回転数変動その他の原因
による流体の温度上昇に感応して、デイスク間の
間隔を自動調整するものでないため、駆動時のト
ルク変動率が大で安定性に欠けていた。
ニ 問題を解決するための手段 上記従来技術の問題点に鑑み、本考案は、入力
軸の回転数増加による伝達トルクの低下を防止す
ると共に、駆動時のトルク変動率が小さく、か
つ、駆動デイスクと被駆動デイスクと間の擦動を
防止する流体継手を提供することを目的とするも
ので、その構成は、駆動動力源に接続される入力
軸と、その入力軸を相対回転可能に包囲し且つ内
部に粘性流体を充填した密閉状態の回転ケーシン
グと、そのケーシングの出力側に前記入力軸と同
軸上に設けられた出力軸とからなり、前記入力軸
の外周面に複数枚の駆動デイスクを適宜間隔を保
つて軸線方向へ摺動可能に設けると共に、前記ケ
ーシングの内周面に、前記複数枚の駆動デイスク
と僅かな間隔を保つて交互に重なり合うドーナツ
状の被駆動デイスクを軸方向に摺動可能に設けた
流体継手において、隣接する被駆動デイスク相互
間に、常態においてその隣接する被駆動デイスク
相互の間隔を保持し、所望温度にてバネ長を短縮
して被駆動デイスク間の間隔を短縮させる形状記
憶合金製の圧縮コイルバネと、前記被駆動デイス
クに固着されその被駆動デイスクの板面からの突
出厚さが駆動デイスクの厚さより大きくかつ前記
圧縮コイルバネの内挿が可能な筒状体のスペーサ
とを配設したことにある。
ホ 作用 本考案の流体継手は、被駆動デイスクを、ケー
シング内周面へ、軸線方向に摺動可能に支持し、
その被駆動デイスク間に、形状記憶合金製の圧縮
コイルバネとスペーサとを配したことにより、常
態において形状記憶熱処理された圧縮コイルバネ
がその隣接する被駆動デイスク相互の間隔を均等
に保持し、流体の温度が上昇して所望温度に達す
ると、その圧縮コイルバネが硬化しコイル長が短
縮して各デイスクに引張り力を付与し、各デイス
ク間の間隔をスペーサの寸法にまで均等に短縮す
るので、温度上昇により流体の粘性係数が低下し
ても、トルクの減少が抑えられ伝達トルクの低下
が防止される。
また、圧縮コイルバネが流体の温度上昇に感応
して、デイスク間の間隔を最適間隔に自動調整す
るので、駆動時のトルク変動率が小さく安定性が
あり、かつ所望温度において圧縮コイルバネが短
縮しても、スペーサが駆動デイスクと被駆動デイ
スクとの間隔を一定に保持して相互の干渉を防止
するので、両者が摺動して摩耗したり、発熱して
流体の温度が異常に上昇することが防止される。
ヘ 実施例 本考案に係る流体継手の実施例を図面に基いて
以下説明する。
実施例 1 第1図a,b及び第2図に示した流体継手は、
円筒状の胴部1とその両端面に配置された側板
2、及び3、出力軸連結部4とからなるケーシン
グ及び入力軸5とその入力軸5に取り付けられた
4枚の駆動デイスク6、ケーシング内周面に取り
付けられた5枚の被駆動デイスク7及び4個のス
チールボール8で構成されている。
胴部1の両端には、その放射方向に等間隔で8
箇所にボルト孔9が穿設され、内周円筒面にはス
プライン10が全周に亘つて刻設されている。
入力軸側には、円盤状の側板2と、中心部分は
前記入力軸5を挿通する段付孔12が穿設されて
おり、段付孔12の段部にはオイルシール13が
嵌合される。又側板2の外周部分には前記胴部1
のボルト孔9に対応する位置にボルト孔14が穿
設されている。
側板3における外周際の内側には、後述する押
圧部材としてのスチールボール8を遠心力利用に
より軸方向に押圧力を発生させるためのテーパ面
11が設けられ、回転時には遠心力によりこのス
チールボール8が外周方向へ移動し、テーパ面1
1に沿つて被駆動デイスク7に押圧力を付与し、
被駆動デイスク7間全体の距離を縮めて、トルク
伝達効率を高めるように構成されている。
また、側板3は中央部分に出力軸連結部4が突
出した円盤状を呈し、その外周には、前記胴部1
のボルト孔9に対応する位置にボルト孔15が穿
設されている。
また、側板3の内面には放射方向の4箇所に三
方をリブで取り囲まれたスチールボール収納部1
6が前記テーパ面11にリブ開放側を対向して設
けられている。さらに、側板3の外周2箇所には
オイルプラグ孔17が穿設され、オイルプラグが
螺合されている。また、出力軸連結部4には被駆
動物体の連結軸を挿入する取付孔18とキー溝1
9とが設けられており、さらに取付孔18に対し
て、被駆動物体の連結軸に対する軸方向の位置を
保つための止めネジ孔20が形成されており、こ
こに止めネジが螺合される。取付孔18の奥底部
には、ケーシング内に封入するシリコンオイル流
出防止のための止め板21が嵌合されている。前
記胴部1、側板2及び側板3とは、図のようにボ
ルト孔9,14,15において8本の締め付けボ
ルトと締付ナツトとにより一体に結合されてい
る。
被駆動デイスク7はドーナツ形状で、その外周
部にはスプライン22が刻設されており、ケーシ
ングにおける胴部1に形成されているスプライン
10と嵌合して軸方向には移動が可能となつてお
り、各被駆動デイスク7間にはストツパーとなる
筒状体のスペーサとしてのバネ筒23が略等間隔
で外周際の4箇所に嵌合されており、被駆動デイ
スクの板面からの突出厚さが駆動デイスクの厚さ
より大きくなるように形成されており、このバネ
筒23内には、各駆動デイスク7間を押し広げる
ように、所定温度で硬化すべく記憶熱処理された
形状記憶合金製の圧縮コイルバネ24が配置され
ている。この圧縮コイルバネ24は、バネ筒23
に内挿されて流体圧による変形から防止され、始
動時に前記スチールボール8の押圧力に抗し軸線
方向外方への押圧力が働いて、各被駆動デイスク
7間の間隔を均等に保持するように構成されてい
る。
また、この圧縮コイルバネ24は、18℃以下で
は自然長3.6mmであるが18℃以上では、自然長2.8
mmとなるものを2.5mmに圧縮して装着され、それ
により被駆動デイスク7間が始動時には4.1mmで
あるものが、バネ筒23の片側の軸長である3.1
mmまで1.0mm収縮し、駆動デイスク6との間隔は
均等に0.5mmに短縮される。従つて、出力軸4に
伝達されるトルクは駆動デイスク6と被駆動デイ
スク7との間隔に反比例するので、温度上昇によ
つてシリコンオイルの粘性係数が減少しても間隔
の短縮によつて、トルクの減少が抑えられ伝達ト
ルクの低下が防止される。
入力軸5は円筒状をなし、スプラインが刻設さ
れた駆動動力源の出力軸(図示せず)を取り付け
る取付孔25を有し、その取付孔25の奥には前
記出力軸のスプラインに嵌合するスプライン26
が刻設されている。また、入力軸5の外表面に
は、スプライン27が刻設されており、端面には
止め板28が結合されている。スプライン27の
両端近傍には、全周に亘つて一定幅の止め輪溝2
9が夫々刻設されており、後述のように駆動デイ
スク6を嵌め込んだ後に止め輪を嵌合して駆動デ
イスクの抜け止め防止が図られている。
駆動デイスク6は、中心のスプライン27と嵌
合するスプライン30が刻設されており、その外
側には同一円周上の複数箇所においてシリコンオ
イルを流通させるための通油口31が穿設されて
いる。
押圧部材としてのスチールボール8は通常の鋼
球であり、側板3の内面に設けたスチールボール
収納部16と被駆動デイスク7とで区画された空
間内に収納されている。
上記の構成部品を組み立てるには、先ず、側板
2をその内面を上にして台上に載置し、これに対
して同心にボルト孔9,14を合せて胴部1を載
せる。更に中心に止め板28側の止め輪溝29を
嵌めた入力軸5を設置し、スチールボール収納部
16と被駆動デイスク7とで区画された空間内に
は各々1個のスチールボール8を入れる。その
後、被駆動デイスク7のスプライン22と駆動デ
イスク6のスプライン30とを、夫々胴部1のス
プライン10と入力軸5のスプライン27に嵌合
させて、交互に嵌め込み、同時に各被駆動デイス
ク7間にスペーサとしてのバネ筒23を接着剤で
固着すると共に、バネ筒23内に圧縮コイルバネ
24を収容する。最後の被駆動デイスク7を嵌め
込んだ後、入力軸5に止め輪を取り付け、側板2
を合せて締付けナツトにより全体を一体に結合す
る。この後オイルプラグ孔17からシリコンオイ
ルを所定量注入して、オイルプラグをねじ込む。
この状態で、駆動デイスク6と被駆動デイスク7
との平均の静止時におけるデイスク間隔は幾分大
きめに設定してある。
このようにして組み立てた流体継手に、駆動動
力源であるモータの軸を入力軸5の取付孔に取り
付け、出力軸連結部4に例えばクレーンの走行車
輪軸を取り付ける。
停止時にはスチールボール11はスチールボー
ル収納部16に収納されているが、始動すると側
板の回転数に応じた遠心力で次第に被駆動デイス
ク7を押圧し、被駆動デイスク7間の間隔を収納
させる。この回転によつてシリコンオイルの温度
が上昇して粘度は低下してくるが、シリコンオイ
ルの液温が18℃に達すると、前述したように、圧
縮コイルバネ24が硬化し、バネ長が短縮され、
被駆動デイスク7に引張り力を付与し、被駆動デ
イスク7間がバネ筒23の軸長と略同じになり、
その結果被駆動デイスク7と駆動デイスク6の間
隔は僅か0.5mmとなり、伝達トルクの低下が防止
されると共に、駆動デイスク6と被駆動デイスク
7との間隔が一定に保持されて相互に干渉するこ
とが防止されるので、両者が摺動して摩耗した
り、発熱して流体の温度が異常に上昇することが
防止される。
駆動を終了した後は再びシリコンオイルの液温
が低下し、圧縮コイルバネ24は再び外方にバネ
力を生じ、被駆動デイスク7間の間隔が拡張す
る。
この流体継手で試験を行なつたところ、被駆動
デイスク7間に形状記憶熱処理された圧縮コイル
バネ24を挿入しない場合は、駆動時のトルク伝
達の変動率は0〜18℃で±20%、18〜50℃で±50
%であるが、圧縮コイルバネ24を挿入した場合
は、18〜50℃で±20%となり、流体の温度上昇に
感応して、デイスク間の間隔を自動調整するの
で、駆動時のトルク変動率が小さく、安定性があ
り広範囲での使用が可能となる。
ここで実施例1と異なるスペーサとしてのバネ
筒取り付け例を次に示す。
実施例 2 第3図a,b及び第4図は第2実施例を示した
ものであり、ケーシング、出力軸連結部4、入力
軸5、駆動デイスク6、スチールボール8の各部
材の構成は上記実施例1と同様であるため重複説
明は省略する。
両外側から2番目に配列された各被駆動デイス
ク7aにはバネ筒23aを挿入する穿設孔32が
略等間隔で、外周際の4箇所に形成されており、
この穿設孔32にバネ筒23aが挿入されてい
る。このバネ筒23aは内部中央が仕切られてお
りその左右筒内に各被駆動デイスク間を押し広げ
るように、所定温度で硬化すべく記憶熱処理され
た形状記憶合金製の圧縮コイルバネ24が配設さ
れている。この圧縮コイルバネ24は、始動時に
前記スチールボール8の押圧力に抗し軸線方向外
方の押圧力が働いて、各被駆動デイスク間の距離
を保持するように構成されている。
この実施例では前記実施例1と同様の作用によ
り被駆動デイスク間の間隔が収縮される。
実施例1及び実施例2では形状記憶硬化を有す
る圧縮コイルバネのみを使用しているが、形状記
憶硬化を有する圧縮コイルバネに、通常のコイル
バネをバイアス荷重として組み合わせた2方向動
作特性を有する組み合わせバネを用いた実施例を
以下に示す。
実施例 3 第2実施例と同様に、ケーシング、出力軸連結
部4、入力軸5、駆動デイスク6、スチールボー
ル8の各部材の構成の説明は省略する。
一端が閉塞されたスペーサとしてのバネ筒23
bの中に形状記憶硬化を有する圧縮コイルバネ2
4aと通常の圧縮コイルバネ24bとを連結部材
33によつて連結し、組み合わせバネとして使用
する(第5図a,b、および第6図参照)。
組み合わせバネ伸張時には、形状記憶硬化を有
する圧縮コイルバネ24aと通常の圧縮コイルバ
ネ24bとのバネ力により、バネの一端がバネ筒
23bから飛び出し、バネ長を保つている。
組み合わせバネ収縮時には、形状記憶硬化を有
する圧縮コイルバネ24aのバネ長短縮により、
バネ筒23b内にそのバネ長の全てを収容するこ
とができる。
この組み合わせバネを入力軸5に対して夫々対
称位置のものを対として、中央に位置する被駆動
デイスクに2箇所くり抜き中空部34を、両側に
位置する2枚の被駆動デイスク7に2箇所中空部
34を形成し、両外側から2番目に配列された各
被駆動デイスク7の対応する外周際の4箇所に略
等間隔でバネ筒挿入孔を穿設し、そのバネ筒挿入
孔にバネ筒23bの閉塞側を中空部34に向けて
夫々取り付ける。
この流体継手を駆動させ、流体の温度が上昇す
ると、形状記憶硬化を有する圧縮コイルバネ24
aが硬化収縮し、通常の圧縮コイルバネ24bは
それにつれて伸びきるが、組み合わせバネ全体と
してのバネ長は短縮されるので、各被駆動デイス
ク間に引張り力が付与され、各被駆動デイスク間
の間隔を縮める。
流体継手停止後は次第に流体の温度が下降し、
形状記憶硬化を有する圧縮コイルバネ24aがバ
ネ力を回復し、組み合わせバネ全体としてのバネ
長は伸び、各被駆動デイスク7間の間隔は元に戻
る。
また、バネ筒も単なる筒状ではなく、第7図
a,b、および第8図示の如く、同軸上に大径と
小径を有する段付きのバネ筒23cとし、小径の
方から穿設孔に挿入し、接着剤等で固着すること
により、細かい採寸を要せず、確実にどのバネ筒
23cの突出距離も均一にできる。
なお、実施例2,3において、第9図示の如
く、被駆動デイスク7に、その周縁から切り欠き
を形成してバネ筒23aを接着剤や溶着等で固着
するようにしてもよい。
また、前記の如く組み合わせバネを使用した場
合に問題となるヒステリシスの大小も、流体の温
度が完全に下がつてから再始動すれば問題はな
く、頻繁に駆動、停止を繰り返すものにあつて
は、ヒステリシスの小さいものを使用するように
すれば問題はない。
さらに、本実施例ではスチールボールによつ
て、回転時のトルク伝達効率の向上を図ると共
に、形状記憶合金製の圧縮コイルバネによつて温
度上昇による伝達トルクの低下を防止している
が、圧縮コイルバネは隣接する被駆動デイスク間
の全てに挿入する必要はなく、各デイスク間の間
隔を均等に保持できる範囲であれば省略しても良
い。また、スチールボールを使用せず形状記憶合
金製の圧縮コイルバネのみで構成してもよいし、
その圧縮コイルバネのストロークを長目に設定
し、両側端の被駆動デイスクを別に設けた位置決
めバネで押圧することにより、デイスク間の距離
を可変させるように構成すれば、始動時のトルク
調整も可能となる。
ト 効果 以上詳述したように、本考案によれば、入力軸
の回転数増加により流体の温度が上昇し粘性係数
が低下しても、隣接する被駆動デイスク相互間に
配設された形状記憶合金製の圧縮コイルバネが流
体の温度に感応し、所望温度でデイスク間の間隔
を均等かつ最適間隔に自動調整するので、伝達ト
ルクの低下を防止すると共に、駆動時のトルク変
動率が小さいので、安定性があり広い温度範囲に
おいて使用できる。
また、所望温度において圧縮コイルバネが短縮
し被駆動デイスク間の間隔が短縮しても、スペー
サの突出厚さが駆動デイスクの厚さより大きいた
め、駆動デイスクと被駆動デイスク相互の干渉が
防止され、また、圧縮コイルバネが筒状体のスペ
ーサに内挿されて保護されるため、流体圧による
変形が防止されて両デイスク間の間隔が一定に保
持され、それらによつて、駆動デイスクと被駆動
デイスクとが摺動して摩耗したり、発熱して流体
の温度が異常に上昇することが防止される。
さらに、形状記憶合金製の圧縮コイルバネの硬
化温度やコイル長を適宜変更したり、通常のコイ
ルバネと組み合わせ使用することにより、各種目
的の流体継手に広く応用することが可能であり、
その実用的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案に係る流体継手を示したもので第
1図aは第2図のA−A断面図、第1図bは第1
図aの圧縮コイルバネとバネ筒との挿着部の拡大
説明図、第2図は実施例1の左側面図、第3図a
は第4図のB−B断面図、第3図bは第3図aの
圧縮コイルバネとバネ筒の挿着部との拡大説明
図、第4図は実施例2の左側面図、第5図aは第
6図のY−O−X線切断断面図、第5図bは第5
図aの圧縮コイルバネとバネ筒との挿着部の拡大
説明図、第6図は実施例3の左側面図、第7図a
は第8図のY′−O′−X′線切断断面図、第7図b
は第7図aのコイルスプリングとバネ筒との挿着
部の拡大説明図、第8図はコイルバネ取り付け変
更例の左側面図、第9図はバネ筒取り付け変更例
の説明図、第10図は従来例の説明図である。 4……出力軸、5……入力軸、6……駆動デイ
スク、7,7a……被駆動デイスク、8……スチ
ールボール、23,23a,23b,23c……
バネ筒、24,24a……圧縮コイルバネ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 駆動動力源に接続される入力軸と、その入力軸
    を相対回転可能に包囲し且つ内部に粘性流体を充
    填した密閉状態の回転ケーシングと、そのケーシ
    ングの出力側に前記入力軸と同軸上に設けられた
    出力軸とからなり、前記入力軸の外周面に複数枚
    の駆動デイスクを適宜間隔を保つて軸線方向へ摺
    動可能に設けると共に、前記ケーシングの内周面
    に、前記複数枚の駆動デイスクと僅かな間隔を保
    つて交互に重なり合うドーナツ状の被駆動デイス
    クを軸線方向に摺動可能に設けた流体継手におい
    て、隣接する被駆動デイスク相互間に、常態にお
    いてその隣接する被駆動デイスク相互の間隔を保
    持し、所望温度にてバネ長を短縮して被駆動デイ
    スク間の間隔を短縮させる形状記憶合金製の圧縮
    コイルバネと、前記被駆動デイスクに固着されそ
    の被駆動デイスクの板面からの突出厚さが駆動デ
    イスクの厚さより大きくかつ前記圧縮コイルバネ
    の内挿が可能な筒状体のスペーサとを配設したこ
    とを特徴とする流体継手。
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JPS57204320A (en) * 1981-06-10 1982-12-15 Honda Motor Co Ltd Clutch with viscous coupling
JPS629033A (ja) * 1985-07-02 1987-01-17 シユタイル−ダイムレル−プ−フ・アクチエンゲゼルシヤフト 液体摩擦クラツチ

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