JPH0532609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は扉を閉鎖した際施錠する掛止錠に関す
るものであつて、振動や衝撃等により摘みが掛止
溝より外脱して掛止杆が不測に後退し解錠するこ
とがないようにした、簡単な機構で有効に作用す
る掛止杆操作用摘みの妄動防止装置に関するもの
である。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

この種在来の掛止錠は取着け座板を窓枠側に固
着し且つ扉を閉鎖したとき套管内の掛止杆を摘み
にて突出させ、該突出部を扉の内面に位置させる
ことによつて開扉を抑止し、また上記摘みを案内
溝に連設した掛止溝に掛入させることによつて掛
止杆の後退を抑止し、これにより閉扉状態を保持
するようにしたものである。

しかしながら叙上の掛止錠は地震等の振動や衝
動或いは常時振動や衝動を伴う乗り物においては
往々にして摘みが掛止溝より妄動外脱して案内溝
内に移動し、このため掛止杆が後退して不測に開
扉される虞れがあつた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はこのような不利を簡単な機構で解消し
たものである。

即ち、本考案掛止錠における掛止杆操作用摘み
の妄動防止装置は、取付け座板の上面に形成した
套管内に摺動自在に嵌挿した掛止杆周壁の摘みの
基部を、上記套管壁に穿設した両端に各掛止溝を
具有する案内溝内に介在せしめた掛止錠におい
て、上記掛止杆の外周に周溝と該周溝内軸心方向
の挿孔をそれぞれ穿設し、周溝内に螺旋弾機を設
けると共に該螺旋弾機の一端を周溝内の挿孔に掛
入し且つその他端を座板の下面に摺動可能に当接
せしめ、上記螺旋弾機により、掛止杆を、該掛止
杆の軸周回転方向にのみ付勢することによつて、
摘みを掛止溝の端部に掛着させるように構成して
なることを特徴とする。

〔作用効果〕 本考案は以上のように構成したので、扉を閉鎖
し施錠する場合は、まず摘みを摘持して套管にお
ける案内溝後端の掛止溝より外脱して案内溝内に
移動させ、次いで該摘みを前方に押動すると掛止
杆の先端は套管の前端より突出して扉の内面に固
着した受け孔金に突入する。そこで、該摘みを今
度は案内溝前端の掛止溝に掛入させることにより
扉は閉鎖施錠させられるのであるが、本考案にお
いては、掛止杆上の摘みは該掛止杆壁の周溝内に
設けられた螺旋弾機が常時該摘みを案内溝の掛止
溝方向に回動するよう弾力的に付勢しているの
で、摘みは掛止溝内に弾力的掛着した状態に保持
させられ、従つて振動や衝撃を受けても妄りに外
脱することがないので確実、安全に施錠状態を保
持することができるとと共に、摘みを掛止溝に掛
入させる際には該摘みを案内孔の一端に位置させ
て手を離すだけで掛入でき、摘みの掛入操作に手
間が掛からないという効果を具有する。

また、上記螺旋弾機は掛止杆外周に穿設した周
溝内に設けられていて、両側部が該周溝の壁によ
つて掛止されているため、掛止杆の軸長手方向へ
の伸びは防止される状態に設けられている。従つ
て、掛止杆の摺動時に上記螺旋弾機と座板との摩
擦抵抗によつて螺旋弾機が伸びる方向に力の作用
を受けたとしても、伸びは防止される。このよう
に螺旋弾機の伸びが防止される結果、上記と反対
の方向に掛止杆を摺動した時に螺旋弾機の縮みと
いう現象も生じないため、掛止杆摺動時に螺旋弾
機は伸縮がなく、その結果掛止杆の動きを円滑に
させるという効果を有する。

また、螺旋弾機は周溝内に設けられていて、上
記螺旋弾機は套管内壁に接触していないので、掛
止杆が套管内を摺動する際に上記螺旋弾機と套管
内壁との摩擦抵抗がなく、しかも掛止杆は螺旋弾
機により掛止杆の軸長手方向には付勢されず、軸
周回転方向にのみ付勢されており、掛止杆摺動方
向には何ら付勢されていないので、掛止杆を摺動
させる際には殆ど力を要せず施錠及び解錠操作が
スムーズに且つ容易に行えるという効果を有す
る。

また、螺旋弾機と套管内壁との摩擦抵抗がない
ので、該摩擦抵抗によつて螺旋弾機の弾力が弱め
られることがなく、従つて摘みを掛止溝に掛入さ
せる際には摘みを単に案内溝の一端に位置させて
手を離すだけで上記摘みを掛止溝内に掛入でき、
掛入操作に力を要せずスムーズに掛入できると共
に掛止溝内に確実に掛入できるという効果を有す
る。

更に、螺旋弾機の伸縮の動きがないので該螺旋
弾機は容易にヘタつて弾力を失うことがなく安定
して弾力を維持するため、摘みの妄動防止効果が
長期間安定して得られるという効果を有する。

又更に、螺旋弾機の両側部は周溝の壁面によつ
て掛止され、掛止杆の軸長手方向には伸びないた
め、掛止杆の軸周回転方向へのバネ力が最大限に
発揮されるので、摘みは係止溝に強く掛着され、
摘みの妄動防止効果が高い。

〔実施例〕

長方形の金属製取着け座板１の上面長手方向一
杯に屈曲形成した側面欠円形断面の套管２内に摺
動自在に嵌挿した掛止杆３の周壁に植設した摘み
４の基部を、上記套管の周壁に穿設した両端に掛
止溝ｈ，h′を具有する横方向の案内溝Ｈ内に介在
せしめた掛止錠において、上記掛止杆３の外周に
周溝Ｒと該周溝内軸心方向の挿孔Ｆをそれぞれ穿
設し、更に上記周溝内に、該周溝内の挿孔Ｆに一
端を掛入した螺旋弾機Ｓを介在させてその他端を
套管２下面の片側内壁に摺動可能に当接させて、
上記螺旋弾機Ｓにより掛止杆３を該掛止杆３の軸
周回転方向にのみ付勢することによつて、摘み４
を掛止溝ｈ，h′の端部に掛着させるように構成さ
れてなるものである。尚図面中Ｄは扉、５は該扉
側に固着する掛止杆３の受け孔金、Ｗは窓枠を示
した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による閉扉施錠状態を示す概略
正面図、第２図は本考案掛止錠の外観斜視図、第
３図は同上の要部の一部切欠側面図、第４図は底
面図、第５図は縦断面図である。 １……座板、２……套管、３……掛止杆、４…
…摘み、Ｆ……挿孔、Ｈ……案内溝、ｈ，h′……
掛止溝、Ｓ……螺旋弾機、Ｒ……周溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付け座板の上面に形成した套管内に摺動自在
   に嵌挿した掛止杆周壁の摘みの基部を、上記套管
   壁に穿設した両端に各掛止溝を具有する案内溝内
   に介在せしめた掛止錠において、上記掛止杆の外
   周に周溝と該周溝内軸心方向の挿孔をそれぞれ穿
   設し、周溝内に螺旋弾機を設けると共に該螺旋弾
   機の一端を周溝内の挿孔に掛入し且つその他端を
   座板の下面に摺動可能に当接せしめ、上記螺旋弾
   機により、掛止杆を、該掛止杆の軸周回転方向に
   のみ付勢することによつて、摘みを掛止溝の端部
   に掛着させるように構成してなることを特徴とす
   る、掛止錠における掛止杆操作用摘みの妄動防止
   装置。